閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

539 / 812
豹姫の説得により零姫の心に迷いが生じる


だが、それが逆に仇となり、力の暴走を招いてしまう


彼女の力に好悪して現れた妖魔たちの出現により戦況は佐介たちも交えた大乱戦に突入してしまう


壮絶な戦闘が繰り広げられる中、懸命に戦いを繰り広げる一同


最中、詠が妖魔の攻撃により愛用の大剣を吹き飛ばされてしまう


それを見つけた豹姫が亜騎羅にその大剣を使うように指示をだす


亜騎羅はすかさず詠の大剣を手にし、零姫にその剣先を向けるのだった


切り裂かれる零姫、蘇る記憶 

狂気に支配され、暴走した零姫の遠距離中距離を主体とした攻撃によって

 

 

有効打どころか近付く事すらままならず苦戦を強いられている中

 

 

別の場所で妖魔と戦っていた詠がその際に吹き飛ばされてしまった愛用の大剣が亜騎羅たちの元に落ちてきた

 

 

 

「アキ、あれよ、あれを使うのよ!」

 

 

これは使えると閃いた様子を見せた豹姫が早速亜騎羅に使用するようにと命じる

 

 

 

 

「―――っ!!」ザザァァ!

 

 

触手やら衝撃波、弾幕などを掻い潜り亜騎羅は後退するとともに左手で大剣を握りしめる

 

 

「あっ、それはわたくしの!?」

 

 

「――っ?」

 

 

すると後方から聞こえる声に振り返るとそこには愛刀を回収しようとして近くまで来ていた詠と斑鳩が居た

 

 

「……借りるよ」

 

 

「「ええっ!?」」

 

 

と言うと亜騎羅は詠の大剣を引き抜き、その切先を零姫に向ける

 

 

 

シュルルルルルルル!!

 

 

 

直後に自分を狙って飛んできた触手たちが襲いかかる

 

 

「――っ!!」

 

 

ガィィィィン!

 

 

 

「「「「――っ!?」」」」

 

 

「………っ!」

 

 

だが、触手たちは亜騎羅が振るった一発の剣圧と衝撃によって吹き飛ばされる

 

 

「ぐぅ…ふおぉおおおっ!!」

 

 

全員が呆気に取られている隙に亜騎羅が地面を蹴り零姫に向かって跳躍する

 

 

 

ズシュゥゥウ!!

 

 

 

「――っ!?」

 

 

「――っ!!」ザザァァ!!

 

 

亜騎羅の特攻により僅かに回避が遅れた零姫の脇の肉を吹き飛ばした

 

 

自らにブレーキをかけ突進の勢いを殺した亜騎羅が再び剣を構え、零姫に仕掛ける

 

 

間合いに入ると同時に亜騎羅が斬りかかる

 

 

次の瞬間、切先と何かがぶつかり合う

 

 

ぶつかったものは触手だった

 

 

「ぐぅぅぅっ!!」

 

 

これ以上やらせるかそういった様子で亜騎羅を睨み付ける零姫がすかさず残りの触手も展開させる

 

 

「―――っ!!」

 

 

襲い来る触手たちを亜騎羅が大剣を振るい防いでいく

 

 

その様子を見ていた一同は唖然とする

 

 

亜騎羅が手にしている大剣は自分の得物よりは小さくとも、それでもそれなりの大きさと重さを兼ね揃えている

 

 

にもかかわらずそれまるで普通の剣のように、しかも片手で振って見せる亜騎羅の筋力と腕力は最早次元を超えていた

 

 

「―――っ!!」ブォッ!!

 

 

「――っ!?」

 

 

 

ドドォォォォン!!

 

 

 

 

次の瞬間、周囲に鈍い音が響く

 

 

繰り出した亜騎羅の一刀をギリギリ防いだ零姫

 

 

しかしその防ぐために使った翅に大剣の大きい切り込みが刻まれていた

 

 

大剣の一撃を受け、ダメージを受けたことで跪きながら零姫は亜騎羅のほうを見る

 

 

零姫の視線にはこちらを見下ろす亜騎羅の顔にこの上ないほど恐怖を覚え、震え上がる

 

 

「っ、つつつつ~~~!!?」バッ!

 

 

「――っ!」

 

 

恐怖に身を支配された零姫はもはや戦意を喪失してしまい、逃げることに徹しようとしていた

 

 

宙へと飛び上がり、亜騎羅から距離を取ろうとする

 

 

「…逃がさない、ここで終わらせる…!」バッ!

 

 

「――っ!?」ガクガク

 

 

逃げようとする零姫を追って亜騎羅も地面を勢いよく蹴って宙へと舞い上がる

 

 

追いかけてきた亜騎羅が瞬く間に間合いをとると今にも大剣を振るおうとしている

 

 

「―――~~~ッツ!!?」ギュゥゥゥゥン!

 

 

「――っ!」

 

 

零姫のほうはそれに対して咄嗟に翅の目から光線で抵抗を試みる

 

 

しかし亜騎羅は動じる様子もなくそのまま突っ込んでいった

 

 

両者ともに技を繰り出そうとした次の瞬間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザシュゥゥゥウウウウウウウウウウン!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

けたたましく、それでいて凄まじい衝撃が走る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……っ!?」

 

 

沈黙の中、豹姫が視線を向けた先には亜騎羅の一刀によって翅を目から貫かれたことで密着状態に至る2人の姿があった

 

 

全く微動だにしない2人のその様子をこの場の全員が見守っていた

 

 

その最中だった

 

 

「(…っ?)」

 

 

亜騎羅の一撃に貫かれた零姫が我に返ったと思ったらそこは真っ暗な空間が広がる世界だった

 

 

「(ここは…私はどうしてこんなとこに?)」

 

 

なぜこんな場所に自分がいるのかと零姫が疑問を浮かべながらただただ闇雲に歩いていた

 

 

「(私は…負けてしまったの?……やられてしまったの?)」

 

 

何もない空間をさまよう自分に自問自答するように疑問を抱く

 

 

「(ダメ、ダメよ!…わたしは、負けられない、負けるわけにはいかないのに!?)」

 

 

復讐を成し遂げないとという使命感が彼女の心にまた影を落とす

 

 

「(そうよ零姫、あなたは負けることなんて認められないのよ)」

 

 

「(――っ!?)」

 

 

彼女のその負の感情が具現化したのか再び自分にそっくりな少女が語り掛けて来た

 

 

「(あなたに敗北なんて選択肢は許されないのよ、戦いなさい零姫、私のために死ぬまで戦いなさい!身をも心も私のために尽くすのよ。そうすればあなたを許してあげる…)」

 

 

「(あっ……私、を…許して…くれる?)」

 

 

「(そうよ。さぁ、私の手をとって、息を吹き返しなさい。そして戦うのよ)」

 

 

精神を保てなくなりそうなほどの重圧を前に差し出された手を零姫が取ろうとする

 

 

それを見て不敵な笑みをこぼす彼女の心境にも気付かずに

 

 

あと少し、ほんの少しでその手を取るところまで差し掛かった時だった

 

 

 

ピトッ

 

 

 

「――っ?」ピクッ

 

 

差し出した零姫の手を取る手があった

 

 

しかしそれは目の前にいる彼女の手ではない

 

 

彼女のほうを見ると驚いた様子で零姫の隣に視線を向けている

 

 

釣られるように彼女の見据える先を見た零姫もまた驚愕の顔を浮かべる

 

 

自分の手を優しく握っているのもまた零姫と酷似した少女だったのだから

 

 

「(え……えっ?)」

 

 

同じ顔をした3人の者たちが一同にかえすという異様な光景がその場に広がる

 

 

何が起こっているのか分からず零姫は言葉が出ずにいた

 

 

「…久しぶりね。会いたかったわ零姫」

 

 

驚きすぎて言葉が出ない零姫に後から現れたもう一人の少女が語り掛けてきた

 

 

目の前の少女とは対照的にその言葉一つ一つに優しさが込められているのを感じ取れる

 

 

「(なぜ、なぜお前がここに居る!?)」

 

 

「(決まってるでしょ、これ以上あなたに零姫を、私の大切な親友を好きにはさせないわ。私のふりをして零姫を拐かさせなんかさせないわ!!)」

 

 

後から現れた少女が先に現れた少女にそう言い放った瞬間だった

 

 

 

 

キュィィィイイイイイン!!

 

 

 

 

真っ黒な空間が一瞬にして白に染まっていく

 

 

「(な、こ、これは!?)」

 

 

「(消えなさい!!)」

 

 

 

ピキュゥゥゥゥゥゥゥン!!

 

 

 

「(う、うあぁぁああああああああ!?)」

 

 

「――――っっつ!!」

 

 

さらに彼女は追撃というかのように手のひらをかざし、そこから眩い光が放たれた

 

 

その光に当てられた先に現れた少女の身体からは黒い煙が噴き出し始め、苦しみの叫び声を上げるのだった

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。