閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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第ニ十一話 元の世界への帰還

ラノベースを行き来し、道元を追う佐介は自分とそっくりな少年。

 

 

サイト、佐利、佐織たちと出会い

 

 

彼らを狙いに襲いかかってきた道元と対峙するも

 

 

あと一歩と言うところで佐介たち4人は道元からDNAを抜き取られ、結果惨敗を迎えてしまった

 

 

そして道元は目的を達成したことでゲートを潜り、飛び去って言った

 

 

佐介ももた道元を追ってゲートを潜り、ラノベースへと飛んでいくのだった

 

 

 

 

 

 

 

ラノベースを飛びながら佐介は道元を追っていた

 

 

「僕のせいだ。僕がちゃんと道元を倒していれば佐織くんのお兄さんやお姉さん。それにお仲間さん達があんなことにならずに済んだのに…っ!」

 

 

前の世界で道元の装置によって佐織の仲間たちは閉じ込められ身動きが取れない状態に陥った

 

 

佐介はその事態を引き起こしてしまった自分の不甲斐なさが腹立たしかった

 

 

「でも僕は誓ったんだ。必ず道元を倒すと…サイトくんたちのためにも僕はこんなところで諦めるわけにはいかないんだ!」

 

 

自分の身を案じ、見送ってくれた彼らのためにも負けないと言う思いを胸に佐介はラノベースを流れる

 

 

そして前方に出口が見えてきた

 

 

「きっとあそこにいるに違いない、道元。今度の今度こそ、あなたを打ち取ります!」

 

 

決意を胸に佐介は出口に吸い寄せられた

 

 

 

 

 

「……っ?ここは?」

 

 

佐介が目を覚ますと

 

 

あたりには佐介にとって見慣れた建物や見慣れた風景が…そしてその建物とは

 

 

「半蔵学院!?…ということは、ここは僕のいる世界?元の世界!?」

 

 

どうやら佐介がたどり着いた先は自分のいる元の世界だった

 

 

そう、つまり佐介は自分の居場所に帰ってきたのであった

 

 

「よかった…戻ってきたんだ」

 

 

帰ってきたことに佐介は嬉しさを感じていた

 

 

「えっ?佐介くん!?」

 

 

「っ?」

 

 

そんな時、ふと後ろから声が聞こえ振り向いた先には

 

 

「あっ、飛鳥ちゃん!」

 

 

そう、飛鳥が立っていた

 

 

飛鳥は自分なここにいることに驚いていたようである

 

 

「飛鳥ちゃん。よかった実はn「っ!」ふぇ?」

 

 

今までのことを説明しようとした佐介だったが

 

 

それよりも早く飛鳥は佐介の姿を見るや否や一目散に駆け足で佐介に抱きつき、もう離さないと言わんばかりに強く握りしめる

 

 

「飛鳥ちゃn「バカ!」っ!?」

 

 

「バカバカバカバカ!!佐介くんのバカァァ!!」

 

 

「ええっ?ちょっ、飛鳥ちゃんどうしたの!?」

 

 

完全にわけがわからないYO!状態となっており、飛鳥は佐介にバカと言いながら彼の胸をぽかすかと殴り続けていた

 

 

そしてゆっくりと飛鳥が顔を上げるとその顔は涙でぐしゃぐしゃになっていた

 

 

佐介もそれには驚きを隠せなかった

 

 

「…飛鳥ちゃん」

 

 

「……心配してたんだからね。佐介くんがいなくなって一週間も経って…」

 

 

「えっ?一週間!?」

 

 

飛鳥の言った驚きの一言に佐介は言葉を失いかける

 

 

「ど、どう言うことなの飛鳥ちゃん?」

 

 

「…佐介くんがあの変な穴に飛び込んでからもう一週間も経つんだよ。私たちはなんとかして佐介くんを助けたかったけど、何もできなくて…もしかしたら、もう佐介くんが戻ってこないんじゃないかってみんな心配してて、それで…」

 

 

知らなかった。ラノベースを渡り、道元と戦っている間に

 

 

こっちではそんなに時が回っていたとは

 

 

「ごめん、ごめんね飛鳥ちゃん」

 

 

「佐介くん?」

 

 

「飛鳥ちゃんたちをこんなにも不安にさせてたなんて…僕はっ!」

 

 

飛鳥たちの思いを考えると佐介は申し訳なさで胸がいっぱいだった

 

 

「…もう、いいよ」

 

 

「飛鳥ちゃん?」

 

 

「もう気にしてないよ。だって、こうして佐介くんが戻ってきてくれたんだもの」

 

 

「…ありがとう」

 

 

自分を許してくれた飛鳥にお礼を述べながら彼女を優しく抱きしめた

 

 

「はっ!?佐介さん!?」

 

 

「っ?」

 

 

その時、また別の驚いた様子の声が聞こえ、見てみるとそこには斑鳩や葛城や柳生に雲雀がいた

 

 

「佐介、お前なのか?」

 

 

「まさか?」

 

 

「嘘じゃないよね?」

 

 

「みなさん…ただいま戻りました」

 

 

驚く斑鳩たちに佐介は笑顔を見せる

 

 

「「「「……佐介(さん)(くん)!!」」」」

 

 

「ちょ!?うわぁぁ!?」

 

 

佐介が帰ってきたと知るや皆が一斉に佐介にむかって駆け出し、飛びついてきたため

 

 

さすがの佐介でも受け止めきれず地面に倒れこんだ

 

 

「無事で…無事でいてくれたんですね佐介さん」

 

 

「心配かけんじゃねぇよ〜」

 

 

「まったくだ。お前というやつは」

 

 

「よかった…よかったよ〜」

 

 

先ほどの飛鳥同様、皆が佐介を思いっきり強く抱きしめた

 

 

彼女たちも自分をここまで心配していてたのかと思い、佐介は幸せを感じていた

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらくしてやっと落ち着いたようで飛鳥たちは佐介から離れた

 

 

「みなさん。ご迷惑をおかけしました」

 

 

改めて佐介は飛鳥たちに謝罪した

 

 

「顔を上げてください佐介さん」

 

 

「そうだぜ。お前が無茶ばかりなのはお約束みたいなもんだからな」

 

 

「少しは自分の身もいたわるべきだな」

 

 

「佐介くんも反省しなきゃね」

 

 

斑鳩たちからいろいろ言われるも言い返せないので苦笑いしか出来なかった

 

 

「ところで佐介くん。道元を追いかけてあの穴に入ったわけだけど、道元は?」

 

 

やっと本題という感じに飛鳥が佐介に尋ねた

 

 

「うん。それなんだけどね「お呼びかな?」っ!?」

 

 

今までのことを知らせようとした瞬間、佐介らは一斉に構えを取りながら声のする方へと目を向ける

 

 

案の定、そこには今回の事件の火元、道元がいた

 

 

その姿は術を解除しているため元に戻っていた

 

 

「道元!あなたもこっちに戻ってたんですね!」

 

 

「えぇ、あなたという邪魔が入ったわものの。無事に目的のものを手にすることは出来ましたからね」

 

 

「次元を超えて、そこまでしてあなたは何を企んでいるんですか!?」

 

 

佐介が怒鳴るように道元に問いただすと

 

 

道元は不敵な笑みを浮かべる

 

 

「いいでしょう。冥土のみあげに見せてあげましょう。私の研究成果を!」

 

 

そう叫んだ瞬間、道元がマントを広げそれを引くと、先ほどまで何もなかった場所に何かの装置が置かれていた

 

 

それを目撃した佐介たちは何をするのかと疑問を浮かべるような顔をしていた

 

 

「聞いて驚きなさい、この装置はですね。これから生まれ出でる最強の妖魔を生み出す装置なのですよ」

 

 

「なっ!?最強の妖魔を生み出す装置?」

 

 

「えぇ、そしてそのために必要だったのが…これです」

 

 

驚いた様子を見ていた道元がさらに佐介を驚愕させるものを取り出した

 

 

「それは、まさか!?」

 

 

「そう、そのまさかですよ」

 

 

道元が佐介たちに見せたのは今まで道元が様々な世界で奪い取っていった自分たちのDNAを入れた試験管だった

 

 

「やい道元!なんで佐介を狙ったんだ!?」

 

 

葛城が道元に問いただす

 

 

「あの時、君たちが蛇女に乗り込んできた時、佐介くん。君は私が復活させた怨櫓血(オロチ)を倒した。正直信じられなかったよ。あの怨櫓血(オロチ)を倒すだなどどう考えても不可能だ。…しかし事実君はやってのけた。それからというもの私は君に興味が湧いたのだ。君がなぜ怨櫓血(オロチ)を倒すことができたのか、どうして君はそこまで強くなれるのか、とね」

 

 

「っ…」

 

 

「知れば知るほどに私は君の持つ力が欲しくなった。そんな時だ。ある人からこれを渡されたのだよ」

 

 

そう言ってちらつかせたのは次元を開く装置だった

 

 

「ある人?ある人とは誰なんですか!?」

 

 

「それは言えぬね。だか、これを手にしたことにより、私は思いたった。別の世界の君もまた同じなのではと、そしてそんな君たちの遺伝子を埋め込めば怨櫓血(オロチ)を超える最強にして最凶の妖魔を作り出すことができると…そして私の願いは叶った。こうして私は君たちのDNAを手にすることができたのだからな。あはははははは!」

 

 

道元は狂気じみた笑い声を上げる

 

 

「さて、話しはこれくらいにしよう。君たちはそこで見ていたまえ、最強の妖魔の誕生を」

 

 

「そんなことさせません!」

 

 

佐介たちがそれを阻止せんと駆け出す

 

 

「邪魔はさせませんよ。行きなさい、我が眷属たちよ!」

 

 

道元が叫ぶと周りから数千匹ものハエたちが現れ、佐介たちにむかって行き足止めをする

 

 

その隙に道元は装置試験管をセットする

 

 

「さて、最後はお前の番だ」

 

 

【グィッ…グイィィ!】

 

 

道元が仕上げに取り出したとは妖魔の幼虫の入ったカプセルだった

 

 

そして道元は装置の中にカプセルを入れると装置が動き出していく

 

 

「ふふふふ」

 

 

邪悪な笑みを浮かべ、道元が装置のスイッチをポチッと押す

 

 

すると機械が激しく振動していき、試験管に入っていたDNAが中に吸い込まれていく

 

 

プシューっという音とともに煙が吹き出していく

 

 

「さぁ、今ここに生まれいでよ!最強にして最凶の妖魔よ!」

 

 

道元がそう高らかに叫んだ瞬間

 

 

 

ピカァァァァン! ドバァァァァァン!

 

 

 

「まっまさか!?」

 

 

佐介たちの奮闘も間に合わず、装置が勢いよく爆破し、辺りに煙が充満する

 

 

そしてしばらくして煙の中から足音が聞こえてきた

 

 

その足音はゆっくりとこっちに近づいていくと

 

 

バッ!! ドスウゥン!!!

 

 

煙の中から地面にむかって落下する影が

 

 

その影は着地によりできたクレーターの上に跪いているかのように座り込んでいた

 

 

そして影がゆっくりと立ち上がり、佐介たちの前に姿を表す

 

 

【……】

 

 

「な、なんだよあいつは…っ?」

 

 

「なんか、すごく怖いっ」

 

 

「まさか、ここまでとは」

 

 

佐介たちが見据える先には不気味なオーラを漂わせた長い髪のような触手を生やし、体格は佐介とほぼ同じほどの人型の妖魔が立っていた

 

 

「みなさん!気をつけてください!この妖魔は普通の妖魔とは比べものになりません!」

 

 

「その通りだよ」

 

 

妖魔に驚く佐介たちの元に道元も降り立つ

 

 

「こいつを甘く見てはタダではすまぬよ」

 

 

ニヤリと笑いながら道元はそう呟くのだった

 

 

 

 

 

 

 

【……】ぐぽ〜ん

 

 

 

 

 

 

 


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