この戦いが引き起こした凄まじいエネルギーの波により島の崩壊が始まり出していた
「おいおいおい、どうすんだよ。このままじゃ俺たち島諸共海の藻屑になっちまうぞ!?」
「そんなこと言われんでもわかっている!」
「お二人とも今は言い争っている場合じゃありませんよ!?」
「早くなんとかして脱出しないと!?」
島の崩壊というまさかの事態に佐介たちは右往左往していた
《『――る――だ―か――おうと――て!』》ジジジ
そんな中、春花の持っている無線に通信が入った
「もしもし、こちら春花、聞こえる?応答して!」
急いで春花が通信機のスイッチを押し、応答に返答する
《『春花さんー――かった。繋が――た!』》ジジジ
「その声は愛花ちゃんね!」
ノイズが気になるもどうやら通信してきたのは愛花だった
「春花、通信機は使えなかったんじゃないのか?」
「おそらく戦いが終わったおかげで電波を阻害するものがなくなったからかもしれないわね?」
ここら一帯は先ほどまで凄まじいほどのドンパチを繰り広げていた
それから発生されるエネルギーの波が妨害電波のように通信機器の機能を妨害していたと思われる
だが戦いが終わったことでエネルギーの波も収まったことで通信機の無線を阻むものが無くなったため一時的ではあるが機能が回復したのだと見える
《『みんな―じ、で―か?――今島が―たーへんな―とにな―てます!』》ジジジ
「ええ、やばい状況になっているのは把握しているわ。そっちのほうは大丈夫なの?」
安否を確認する内容の質問をしてきた愛花に春花も状況を確認する
《『はい―わた―たちのほ―はなんーか―船を――したから―まは島の――側のほうーす』》
未だエネルギーの波の余波の影響で途切れ途切れではあるものの船で脱出をしたとのことだった
《『ご―んなさい、本当――ら春花さーたちを――つように言――たんですけど――眼鏡のお兄さん――引に出航――ちゃったから』》
説明を聞くとどうやらこちらよりも先に事前に危機を察知した知性リーダーが発生源が島の反対側であることを考慮して半ば強引に出航させてしまったのだとか
それにより未来たちはなんとか影響を免れたのだということらしい
「そう、ともかくそっちが無事で何よりだわ」
《『――るかさん――今そ――に――が向かっ――ますから、もう少し――ってて』》ジジジ
「ノイズが酷くなってきたわね。愛花ちゃん、誰が来るって?もう一度お願い」
通信機の向こうの愛花の声のノイズがだんだんと酷くなっていく
《『い――さんが――っちに―――って―――――――』》プツン
「あっ!?」
ついに通信が切れてしまった
「春花、愛花はなんと?」
「それが途切れてしまって聞き取れなかったの」
申し訳なさそうにいう春花を見て光牙は優しく頭を叩いてあげた
どうしようかと悩んでいる時だった
「おーい!春花さまぁぁぁぁ!!」
「この声は…っ!」
上の方から声が聞こえてきたので見るとそこには一人用ジェット機に跨って空を飛んできた未来がいた
「未来!」
春花が声をかけると同時に未来が皆の元にやってくる
「春花さま、みんな無事?」
「未来、どうしてここに?」
「愛花から話し聞いてなかった?」
「ということはあなただったのね」
どうやら先ほど愛花が言っていた人物とは未来のことだった
「春花さまもう安心だよ”例のやつ”を使う時がきたね」
「そうか…えぇ、確かに今の状況なら”アレ”が使えるわね。でかしたわ未来!」
「ふふ~ん」
何奴2人で盛り上がっている様子に全員クエスチョンマークを浮かべる
「みんな聞いてほしいの、状況は分かってると思うから省くけど一先ずはここから逃げないと」
「逃げるって言ってもどうやって逃げるのよ?」
逃げる手段がないと両備がそこを問いただす
「いい手があるの。みんな協力して」
「何をする気だ?」
「こいつを…使うのよ」
そう言って未来が自分が跨っている飛行機をポンポンと叩く
「おいおい、こんなところでふざけてる場合じゃねぇぞ?」
「あたしは大真面目よ。確かにこのままじゃ無理だけど春花さまの協力があれば行けるのよ」
「なに?どういうことだ春花?」
春花が手伝えば可能だという未来の言葉に光牙が理由を問う
「それはね…これを使うの」
傀儡に羽織らせている自身の白衣のポケットから春花が一本の試験管に入っている液体を見せる
「春花、なんだそれは?」
「これは以前私が実験していた際に偶然で来たものなんだけどその効果は無機物を一定の大きさまで巨大化させるものなの」
「無機物を巨大化。じゃあつまり?」
「えぇ、とどのつまりこうすると…」
話しを一旦途切らせながら春花が試験管に入っている液体を未来の飛行機に垂らした
すると飛行機が途端に光だし始める
未来しか乗れない1人乗りのサイズだった飛行機がみるみるうちに大きくなった
「す、すごい!」
「これだけ大きくなれば島から脱出できる!」
飛行機が大きくなったことで乗れる人の数量も増したと皆も希望を見いだし始める
ビキキキキキキキ!!!
しかしその直後、地面に新たな亀裂が発生し始めてきた
「お、おいまずいぞ、どんどんと亀裂が増して行ってる!?」
「速く乗り込むのよ!」
急いで未来の飛行機に乗り込む面々
「みんな、準備はいい?…行くよ!」
未来が声をかけると飛行機を発信させようとする
…だがここで問題が発生してしまう
「…あ、あれ?」
「ちょっと動かないじゃない!?」
「全然上がんないよ~?」
飛行機が全く上昇しないことに慌てふためきだす
「未来、どういうことなの?」
「えっ、えっと…この状況から察するに、定員オーバー?」
「「「「「えぇぇぇぇぇぇ!?」」」」」
そして未来から衝撃的な言葉を聞いて全員が大声をあげて叫んだ
「て、定員オーバーって、それじゃ意味ないじゃない!?」
「う、うるさいな!だいたいこの人数なんだからこうなっても仕方ないでしょ!?」
言われてみれば確かに一台の飛行機にこの数は多すぎた
「何人か降りれば何とか飛べると思うけど…うーん」
人数を減らせば上昇できる
しかしそれはここに誰かを取り残していくということ
考えたくない現実に頭を抱えてしまっていた
「…っ」チラッ
「「…っ」」コクン
最中、光牙が佐介と紫苑のほうを見ると2人も何かを察したのか首を縦に振る
「「「――っ!!」」」バッ
「えっ?ちょっと何してるの三人とも?」
急に飛行機から降りた3人に飛鳥が声をかける
「未来、お前たちはこのまま行け」
「僕たちが残ります」
「「「「「「えぇっ!?」」」」」」」
予想外の3人の言葉に皆が驚愕するのだった