閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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崩れ行く城から脱出せよ 

 

海底火山の噴火の影響で島が沈みかけている中、佐介たちがみんなを逃がすためにここに残ることを決めた

 

 

「俺たちをおいて脱出するんだ」

 

 

「光牙くんの言うとおりです。さぁみんな、急いで!」

 

 

光牙たち三人が他の皆にそう告げる

 

 

「ちょ、ちょっと何言ってるんだ光牙!?」

 

 

「そうだよ佐介くんそんなの無茶だよ!?」

 

 

「考え直してください紫苑!?」

 

 

「光牙、お前をおいてくなんてできるわけない!?」

 

 

当然そんなことを簡単に受け入れられるはずもなく皆抗議する

 

 

「気持ちは分かる。だがお前たちだってわかっているだろう、今のままでは全員が脱出するのは不可能に近い、より多くの者を生き残らせるためにはこうするしかない」

 

 

「その通りです。だからこそみんなには脱出してほしいんです」

 

 

「僕たちは僕たちで何とかしますから」

 

 

彼女たちの生存の可能性を高めるために自分たちが島に残ることを決めた3人の意思は固かった

 

 

佐介たちがそれ以上は譲らないとわかるや飛鳥たちは不安そうにしていた

 

 

「くぅ~、お前らいい覚悟だな。よっしゃ、こいつらの思いに応えるためにもさっさと出発するぞ!」

 

 

「あ、あんたねぇぇ~!」イライラ

 

 

そんな最中に相馬が出発を促してきた

 

 

分かってはいても彼のその言い草にどうにも両備を筆頭に皆がムッととしていた

 

 

「ともかく問答している暇もない、頼むぞ未来」

 

 

「わ、わかったわ。じゃあ……行くわよ!」

 

 

3人の思いに根負けした未来がこれを承諾して上昇しようとした

 

 

 

 

 

ギュィン…ギュゥゥゥゥン

 

 

 

 

「ってあれ?」

 

 

「もうまたなの!?」

 

 

上昇しようとするも今一上手く飛び上がる事ができない

 

 

またも上昇できないことに両備が文句を垂れる

 

 

「落ち着いて両備ちゃん!?」

 

 

「未来さん、どうなっているんですの?」

 

 

「まだ少し定員オーバーみたい、”あと一人くらい”降りたら上昇できそう」

 

 

「「「あと一人…っ?」」」チラッ

 

 

その未来の言葉を聞いた瞬間、全員の視線が一斉に一人の人物に注がれる

 

 

「えっ?どうしたのか~?なんで皆さん俺の方を見てらっしゃるんですかね~?」アセアセ

 

 

視線が集中していることに焦った様子で相馬が訪ねてきた

 

 

他の面々は一瞬互いの顔を見合わせるとすかさず首をこくんと頷かせた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嫌だぁぁあああ!!俺は残りたくなぁぁぁい!!!」ジタバタ

 

 

大きな声をあげながら飛行機にしがみついている相馬を佐介たちが必死に引きはがそうとしていた

 

 

「往生際が悪いぞ、いい加減諦めろ!!」

 

 

「そうですよ相馬くん!」

 

 

「うるへぇ!嫌なもんは嫌なんじゃない!!」

 

 

説得を混ぜて引っ張るも頑なに離そうとしない

 

 

「こういうのは女の子を優先させるべきです!」

 

 

「うんそうだね。こういうのは女の子が優先だよね。よし、俺もみんなのために残るぞ♪…っとでも言うと思ったか!絶対に嫌だね、こんなところに居たら死ぬ可能性大じゃねぇかヤダァァァ!!」

 

 

「ちょ、相馬くん。本当にクズですよそれ!?」

 

 

「あぁクズで結構!」

 

 

開き直るなよと全員が心の中で総ツッコミしていた

 

 

『まったく、これ以上見てられん。ソウ、身体を借りるぞ!!』

 

 

「えっちょ、待てアオォォォ!?……ふぅ…」

 

 

駄々をこねる相馬に痺れを切らした蒼馬が強引に主導権を奪った

 

 

「この感じ、お前、蒼馬か?」

 

 

「そうだ。みんなすまないなソウのやつが」

 

 

申し訳なさそうに蒼馬が皆にわびの言葉を送る

 

 

「未来、今のうちに行け、ソウがまた駄々をこねる前にな」

 

 

すかさず蒼馬が未来に上昇するように促す

 

 

「わかったわ。じゃあみんな、今度こそ行くよ!」

 

 

蒼馬からの太鼓判をもらったところで未来が再度上昇を試みてみると

 

 

さらに人数が減ったことでようやく定員オーバーでなくなったようで飛行機が空に向かって上昇していく

 

 

「やった。今度こそ浮かんでくれましたね!」

 

 

「これで一安心だな」

 

 

その様子を見てこれでみんなが助かると佐介たちが安堵の表情を浮かべた

 

 

「佐介くん、絶対に死なないでね。信じてるから!」

 

 

「そうだぞ光牙、生きて帰ってこいよな!」

 

 

「無事に帰って来てくださいね紫苑!」

 

 

「光牙、無事でいてくれよ。それと蒼馬、あのバカ含めてしっかり生き延びるんだぞ!いいな!」

 

 

上昇する中、飛鳥たちは島に残される佐介たちに生き延びてくれるように願いを伝えた

 

 

やがてある程度の高度まで上昇した飛行機が船の方へと向かって飛んでいくのだった

 

 

「…行ったな」

 

 

「えぇ、これでひとまずみんなは大丈夫でしょう」

 

 

それを見届けた佐介たちは軽く安堵の表情を浮かべる

 

 

「さて、のんびりしている暇はありませんよ。早く僕たちも脱出しなければ本当に危ういんですから」

 

 

「確かにな、なら早く急ごう」

 

 

島が沈没する前に佐介たちも脱出をしなければ命はない

 

 

佐介たちは脱出のために行動を開始した

 

 

 

ピキキキキ!ドォォォン!!

 

 

 

「――っ!?」

 

 

非難する最中、蒼馬が危うく落ちてきた岩に潰されかけた

 

 

「蒼馬くん、大丈夫ですか!?」

 

 

「あぁ、大丈夫だ!」

 

 

急いで佐介が手を貸し、再び駆け出す

 

 

「急いでください、このままじゃ!」

 

 

先を行く紫苑が遅れてしまった2人に声をかける

 

 

 

ドンガラガシャァァァァン!!

 

 

 

「「「「――っ!?」」」」

 

 

するとその最中、前方にあった遺跡が瓦礫となって崩れ落ち始める

 

 

落下先には佐介たちが

 

 

「まずい!?」

 

 

「ここは僕が!はぁぁぁああああ!!」

 

 

崩れ落ちる瓦礫を前に紫苑が念じると周囲の地面が右手と左手に変化し、自分たちを覆うように囲う

 

 

それによって佐介たちは瓦礫から身を守ることができた

 

 

「…危なかった」

 

 

「紫苑さんありがとうございます。おかげで助かりました」

 

 

紫苑によって救われたことに佐介が礼を述べる

 

 

「これくらい大したことはありません」

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴ!!

 

 

 

「「「「――っ!?」」」」

 

 

地響きとともに天井から落ちて来る岩の数が増していく

 

 

「くそっ、これでは迂闊に動けん!?」

 

 

「どうすれば」アセアセ

 

 

目の前の事態を回避したとてさらに悪化する現状によって佐介たちは窮地に追いやられる

 

 

「……ここまで、なんでしょうか?僕たちはここで終わりなんでしょうか?」

 

 

「「「…っ」」」

 

 

俯いた顔を見せながら佐助がそんなことを呟く

 

 

諦めるなと言いたいところだが他3人も正直今の現状を前にもうお手上げ状態だった

 

 

「まぁ、あいつらを救えただけよしとするか」

 

 

「…そうですね。雪泉たちが無事でいれば」

 

 

「悲しませてしまうことにはなるだろうが、こればっかりは仕方ないしな」

 

 

大切な人たちを救うことができただけ儲けものだとそう考えていた時だった

 

 

 

ジャキン!!

 

 

 

突如、瓦礫の一つに一筋の線が刻まれる

 

 

 

ジャジャジャジャ!ジャキィイイイン!!

 

 

 

さらにその直後に次々と線が刻まれ、瓦礫たちが一斉に砕け散った

 

 

突然の事態に佐介たちが面を食らっていた時だった

 

 

「――っ!!」スタッ!

 

 

「「「「――っ!?」」」」

 

 

そんな佐介たちの前に降り立つ人影が

 

 

「誰だ!?」

 

 

光牙が即座にその人影に声をかける

 

 

「…落ち着け、心配するな。自分はあんたたちの敵じゃない」

 

 

しゃがみの体制から立ち上がり、顔を見せる

 

 

露わになった素顔は佐介たちと同年代風の男の子だった

 

 

だが、手に持っている武器と言い雰囲気と言い、どこか普通の人には見えなかった

 

 

 

 

ギュィイイン!ブゥウウウウン!!

 

 

 

 

「「「「――っ!?」」」」

 

 

「…来たか」

 

 

するとその直後、どこからともなく聞こえる音に目を向けるとそこにはこちらに向かってくる一台の飛行物体があったのだった

 

 

 

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