飛鳥たちを逃がすために残った佐介たちはなんとかして脱出を図ろうとしていたが
島の崩壊の速度が思いのほか速く、佐介たちは術を失い、途方に暮れていた
ギュィイイン!!!
「「「「――っ!?」」」」
「…来たか」
その時、響くほどのモーター音を鳴らしながら一台の謎の飛行機が飛んできた
「何でしょうあれは!?」
「分からん!?」
突然現れた飛行機に佐介たちは驚く
「心配はいらない。あれは自分のだ」
「えっ?あなたの?」
「あぁ」
飛んできた謎の飛行機が自分の物であると告げる謎の男の言葉に佐介たちは困惑していた
すると飛行機が佐介たちの元に不時着すると出入り口のハッチが開いた
「アスタさん、ご無事ですか!!」
「お怪我はありませんか!?」
直後、その中から現れたのは2人の女性であり、顔を出すやすぐに名前を呼んできた
「麗王、銀嶺。自分は大丈夫だよ!」
声をかける少女たちに謎の男が声をかけたので先ほど彼女たちの言っていた「アスタ」がこの男であることを佐介たちは察する
「……っ」ピクッ
そんな中彼女の顔を見た瞬間、光牙はハッとした顔を見せる
「お前たちは…麗王、それに銀嶺!?」
光牙は驚きつつも女性たちの名を口にする
「どうしてお前たちがここに?」
「貴方は光牙さん!?どうして……いえ、今はその話しは後にしましょう、ここは危険です。さぁ速くお乗りください!ここも長くはもちません!」
「みなさんも早く、急いでください!」
なぜここにいるのかを訪ねようとするもことは一刻を争うと麗王ろ銀嶺が4人を急かしながら搭乗を促す
「仕方ない。佐介、紫苑、蒼馬。行くぞ!」
「ま、待ってくださいよ光牙くん!?」
麗王の言葉に従い、光牙が佐介たちを連れて飛行機に向かって駆け出していくとともに速やかに搭乗を完了させる
「全員乗りましたね……アスタさん、出せますか!!」
「あぁ、準備はいいよ!」
全員が乗ったことを確認すると麗王が操縦席に座るアスタに離陸の合図を送る
「いくよ、しっかり捕まってて!」
ギュィイイイイイン!ブォオオオオオオオオ!!!
「「「「「「――っ!?」」」」」」
アスタが速やかに離陸を始め、飛行機は宙に浮かび出し、駆け付けてきた時と同じ方に向かって飛んでいき
無事に島の上空に飛びあがった
「…ふぅ、助かった」
窓の外から崩壊していく島を一瞥した後、自分たちが無事に生還できたのだと実感し、安堵の表情を浮かべる
「光牙さん、ご無事で何よりでした」
するとその最中、麗王と銀嶺が光牙の元にやってくると共に声をかけてきた
「麗王、銀嶺。まさかこんな場所でお前たちと出くわすなんて思いもよらなかった。感謝するぞ、お前たちが来てくれたおかげで命拾いした」
「とんでもございません。我々としても”あの時の恩返し”ができたと心よりうれしく思っていますから」
「そうです。麗王様のおっしゃる通りですわ」
「…そうか」
礼を述べる光牙に麗王は以前の恩返しをさせてもらえたとしてむしろ感謝の言葉を送った
さらにはそんな麗王の言葉に同意するように銀嶺もうんうんと頷いてた
「あの~?」
「「「――っ?」」」
3人が会話に夢中になっていると唐突に佐介が声をかけてきた
「お取込み中申し訳ないんですけども光牙くん。そろそろ説明してもらってもいいですか?この方たちはいったいどちら様なんですか?」
「僕も気になってました。しかも光牙さんのそこのお二人の名前を知っていましたし、妙に親し気にしていることと言いどういうことなのかこちらとしてはさっぱりなんですが?」
「いい加減俺たちにも教えろ」
続くように同じく痺れを切らしていた紫苑と蒼馬も会話に加わり、光牙に2人のことや互いに知っている様子でいるのかなどを追求してきた
「落ち着けお前たち。慌てなくてもちゃんと説明してやるから……まずこっちの金髪の女が麗王、それから銀髪のもう一人が銀嶺だ」
「皆様、初めましてわたくしは麗王と申します。
「わたくしは銀嶺、同じくゾディアック星導会の一員であり麗王様の右腕です。以後お見知りおきを」
光牙からの紹介を挟み、麗王と銀嶺が佐介たちに挨拶をする
「ゾディアック星導会っ!?」
「紫苑さんどうしました?」
挨拶の最中、紫苑がゾディアック星導会の名を聞いた瞬間に反応を示し、その様子を見ていた佐介が彼に問うた
「いえ、大したことはないんですが、以前僕らがまだ皆さんと出会う前の頃、その名を耳にしたことがあったもので」
かつて佐介たちと出会う前、悪忍狩りを行っていた頃に標的の候補として調べていた組織の忍が目の前にいるのだと知って紫苑は驚いていた
「俺も以前、まだ道元が蛇女を指揮していた頃に奴から聞いたことはあったがお前たちがそのゾディアック星導会だったとはな?」
蒼馬のほうも道元の話しに出ていた者たちが自分たちの前にいるとは思いもしなかった
「でもそんな方たちとどうして光牙くんとお知り合いに?」
話しを聞けば聞くほど光牙たちと彼女たちとの関係が気になっていた
「話せば長い。それについてはまた今度教えてやるから」
今は教えないと知るや佐介たちからはブーイングが飛んできていたが光牙はそれを無視した
「そうだ。麗王、俺からも質問がある」
「なんでしょうか?」
「あそこにいる男はいったい何者なんだ?それにこの飛行船もだ。こんな乗り物今まで見たことがない」
その直後、今度は光牙が麗王たちに操縦席で船を操作しているアスタについて質問をする
「そうでしたね、ご紹介します。あの方の名前はアスタさんと言いまして縁あって我々と共に過ごしている者です。詳しいことについては本人の希望もあるので詳しくは教えられません。申し訳ないです」
「…いや、構わない。事情は人それぞれだ。わざわざ首を突っ込む気はない」
「ご配慮くださりありがとうございます」
質問には答えられないという麗王の主張に光牙は納得し、それ以上の追求は終いと決めた
「ところで麗王。助けられておいてなんなんだが頼みがある」
「はい?」
「実は俺たちの仲間が近くにいるいるんだ。そいつらに俺たちが無事であることを伝えたいんだが」
助かったからには先んじて脱出させた焔たちや他の面々たちに自分たちの安否を知らせなければと考え
仲間たちがいるはずの船を探してもらおうとする
するとそれを聞いた麗王たちは拍子抜けしたように一瞬ポカンとしたがすぐに笑みをこぼす
「光牙さんご安心ください。何を隠そうこの船は今、あなた方のお仲間が乗ってる船のほうに向かって飛んでおりますわ」
「なに?」
直後、麗王からまさかの言葉を返され、光牙はおろか話を聞いていた佐介たちも全員が驚いていた
「そ、それは本当ですか麗王さん!?」
「はい。本当ですよ」
再度確認を取っても同じ回答をしたので佐介たちはみんなと無事に再会できるのだと安堵の表情を浮かべ、互いに喜び合った
「麗王様、アスタさんから伝言です。間もなく到着するとのことです」
「そうですか。ご苦労様です」
「はい」
そうして佐介たちを乗せた飛行機がしばらく飛んでいると前方に船の影が見えてきた
佐介たちはいそいそと飛行機の窓から船の様子を窺う
「あっ、皆さんあれを見てください!」
窓から船を見ていた佐介が指さす先には船のドックに複数の人影があった
目を凝らしてみると人影の正体は自分たちの乗っている飛行機に手を振って出迎えている飛鳥たちの姿だった
「飛鳥ちゃん、それにみんなも…本当に無事にたどり着けたんですね」
「あぁ…そうだな」
「よかった…みんな無事でいてくれた」
「…これほどうれしいことはないな」
彼女たちの元気な様子を見て佐介たちはこの上ない安心感に抱かれるのだった