路地裏の空き地にて出会った子供を連れて佐介はコンビニにやって来ていた
「ありがとうございました!」
お礼の言葉を背に佐介がレジ袋を抱えながら自動ドアを通り過ぎて行った
「お待たせしましたね」
「いえいえ、そんな待ってませんから」
コンビニを後にし、佐介がお腹を空かせているであろう子供の元にやってきた
待たせてしまったことを謝罪すると子供の方も気にする必要はないんだと佐介に言い聞かせようとする
キュルルル〜
「あっ///」
するとその最中、再び子供の腹の根が音を立てた
「ひとまず食べようか…はい、どうぞ」
「あ、ありがとうございます。熱ち!?」
「気を付けてね。出来たてだから」
「は、はい~」
見かねた佐介がすかさずレジ袋の中から先ほど購入した肉まんを取り出し、子供に渡した
「は~むっ……お、美味しい!美味しいですこれ!」キラキラ
「そうですか?それは良かった」
肉まんを一口かじった子供がその美味しさに目を輝かせていた
「はむ、はふはむ!はふはふはふ~!」
よほどおいしかったのか最初の一口を皮切りに次から次へと肉まんを頬張っていった
「っくん…はぁ~…とっても美味しかったです~♪」
最後の一口を食べきると子供は肉まんの美味しさの余韻に浸っていた
幸せそうな顔を見れて佐介としても奢った甲斐があったと思えた
「僕、こんな美味しいもの始めて食べました!」
「これって肉まんのこと?」
「はい!」
様子からしてこの子は嘘を言ってはいない、だが肉まんを食べたことがないという発言がどうにもひっかりを見せていた
「そうなんだ…あっ、そうだ。あとこれもあげるね」
「…これは?」
佐介が渡したのは「あったかいコーンスープ」と書かれた缶だった
「この時間帯は昼よりも寒くなりますからね。これで少しは温まっると思うよ」
「…あの、これどうやって開けたらいいんですか?」
「えぇっ!?」
すると子供が予想だにしないことを言いだしたので佐介は思わず声が出てしまった
缶の開け方も知らないところ見るにどうにも常識が欠如している気がしてならなかった
「えっとその蓋を捻ればいいんだよ。それで開くから」
驚きを見せるも佐介は一先ず子供に缶の開け方を説明する
戸惑いを見せつつも子供は缶の蓋を捻る
パキキという音が鳴ると共に蓋が開いた
「はぁ~、いい香りです……っ」ゴクゴク
子供は開いた缶から香るスープの香ばしい匂いを嗅ぎながらそのまま一口飲んだ
「ぷふぁ~…これもまた美味しい!濃厚な味わいのスープと一緒に入っているつぶつぶのこの触感がたまりません♪」
一口飲み終えるとコーンスープの味と食感を楽しみながら率直な感想を述べ、これもまた勢いよく飲み干してしまった
「ありがとうございました。食べ物に加えて飲み物まで頂いてしまって」
「気にしないで、それよりお腹のほうはどう?」
「はい。お腹も膨れて元気が出ました。本当にありがとうございます」
「いいよこれくらい、元気が出たようで僕も嬉しいよ」
元気が出てくれたようで何よりだと佐介もほっとした
「それでそろそろ聞いてもいいかな?君はなんであんなところにいたの?」
「…実は僕、この街に
知り合いと逸れて迷子になってしまったのが事の始まりだったのだとわかり佐介は子供が不憫でならないと感じた
「だったら僕が一緒に探してあげるよ」
「いいんですか!?」
思いもよらない提案に子供は驚いた様子を見せていた
「困った時は助け合いって言うでしょ、それにそんな話しを聞いた以上放っておくことなんてできませんしね」
「ありがとうございます!ならよろしくお願いします!」
願ってもない提案に子供は嬉しそうな顔を浮かべて佐介にお礼を述べた
「そうだ。そうと決まれば、ちょっと待っててね」
「はい?」
「いやね、僕今日は連れと一緒にここにきているからそのみんなに説明とかしないといけないなって思ったからちょっと連絡を取ろうかと」
猫耳を探しに来たのにこんな事態になると思っていなかったからこの子の連れを探す手伝いをする前に一度連絡を入れておかなければと佐介がポケットからスマホを取り出す
「…あっ、あぁ~しまった」アセアセ
「どうしたんですか?」
「どうやら十分に充電をし忘れていたみたいでね。バッテリー残量がもうないみたいなんだ。困ったなこれじゃ連絡が取れないや」
せっかく連絡を取ろうと思っていたのに肝心の残量がないと通話できても途中で切れてしまう
充電をちゃんとしておくんだったと後悔の念を抱いてしまっていた
「だ、大丈夫ですか?」
その様子を見て子供が恐る恐る佐介に声をかけてきた
「あっ、う、ううん大丈夫だよ。ごめんね不安にさせるような態度とって」
子供が不安そうにしているのに気づいた佐介が急いで心配ないことをアピールする
「(スマホの充電を忘れてしまったのは痛いけど幸いまだ予定時間を過ぎてはいない。とすれば)」
腕時計で時間を確かめ、わかれる前に打ち合わせしていた時間にまだ到達していないことを確認した
「ねぇ、君。ちょっと相談があるんだけどいいかな?」
「はい。何ですか?」
「実は僕と連れは時間を設けててその時間になったら集合をしようって約束をしてたんだ。スマホが使えない今はそれしか連れに会いに行けないんだ。だからいったん僕と一緒に来て連れと合流したらその後に君の連れを探しに行ければと思うんだけどいいかな?」
佐介は子供に事情を説明し、先に自分の飛鳥たちと合流してからその後に一緒に探しに行くのを手伝うことを提案する
「えぇ、構いませんよ。どうせ僕だけではおね様たちを見つけるのも一苦労でしょうから」
「そう言ってもらえると助かるよ。じゃあいこうか。待ち合わせ場所までそう距離はないからすぐに着くからね」
「わかりました。よろしくお願いします」
子供から了承を得た佐介は逸れないように再び手を繋いで当初の待ち合わせ場所に向かっていった
「(成り行きでこうなってしまったけど…きっと飛鳥ちゃんたちなら理由を話せばわかってくれるはずだよね)」
急なことで迷惑をかけてしまうかもしれないと思いつつも飛鳥たちなら訳を話せば協力してくれる
この子を連れの元に帰すためにも急がないとと思いながら目的地に向かうのだった