事態は思いがけない状況へとシフトした
この戦闘に横入りしてきたアピスが装甲を纏っていたのだから
「あれは…いったい?」
いきなりの出来事に佐介は困惑を隠せずにいた
「どうした?俺のこの怖気ずいちまったのか~?」
「くっ!!」
小馬鹿にした様子で尋ねてくるアピスの言葉に佐介はカチンとなったのか身構えた
「やる気になったみたいだな?そんじゃま、ちっとは楽しませてくれよ!!」バキュン!
「―――っ!!」バッ
アピスが先手必勝とばかりにトリガーを引いて銃口から光弾を放つ
咄嗟に佐介はそれを避けるとアピスに向かって駆け出していく
自分に向かってくる佐介を前にアピスがそれを阻止しようと光弾を連射する
佐介は突っこみつつも躱せるものは躱し、できないものは手の籠手を盾代わりに弾道をいなして回避していく
「はっ!」
「…っ?」
やがてある程度間合いに入ったと同時に佐介が地面を蹴って自身の身を宙へと浮かび上がらせる
「たぁぁあああああ!!」
落下の勢いをのせつつ、気を練りこんだ右手の一撃をアピスに向かって繰り出した
「気合入ってるな。だが――っ!」シャキン
ザシュィィィィン!!
「うわぁぁぁぁ!?」
距離が縮まる最中、アピスが左手についているガントレットの先端から光剣を展開する
下から振り上げるように光剣による斬撃を繰り出す
それは技を佐介の繰り返した佐介を簡単に返り討ちにして後方へと吹き飛ばしてしまうくらいだった
攻撃を返され、斬撃によるダメージを受けた佐介は地面に転がり落ち、その痛みに身を疼めていた
「おいおい、この程度でまいりましたってか?」
「ぐっ、ぬぅぅ!?」
挑発気味に語りかけると佐介が痛む体に喝を入れるように起き上がる
「そうだ。そうかなくっちゃ面白くねぇ。ほら、もっとこいよ」
「はぁ…はぁ……っ!!」
佐介は立ち上がりをみせると同時に再びアピスに向かって駆け出していく
対するアピスも再度トリガーを引いて光弾を放っていく
「同じ手はくいません!
光弾が迫りくる中、佐介が掛け声をあげる
ビュリリリッ!
「なんだ?」
次の瞬間、佐介の体から電気が発生し、その身を包み込んだ
そして佐介を包み込んだ雷の球体がアピスが打ち出した光弾を躱していき、瞬く間に距離を詰めていく
「――っ!!」ポォン!
間合いに入った瞬間、雷の球体が破裂すると同時に中から大きく振りかぶった状態で飛び出してくる影が
「ぴょぉぉぉん!ぴょん!!」
「なっ!?ぐぅっ!?」
妙な掛け声を挙げながら繰り出される思い一撃に咄嗟に防御の姿勢を取ったアピスだったが、勢いに押されて後方へと後退させられる
「痛~っ…なんだ今のは?」
ひりひりする手を振りながらアピスが前方に視線を向ける
するとそこには電力を帯びているように発行し、さらにはロップイヤーのような垂れ耳状のエネルギーを纏った髪に巨大な木槌を手にした佐介がいた
「どうだぴょん!思い知ったかぴょん!」
「「「ぴょっ、びょん?」」」
戦闘を繰り広げる現状にはあまりにもにつかわしくない語尾に3人は拍子抜けする
「変な語尾に変化したからって俺を倒せるとは思わないことだな!」
反撃と言わんばかりにアピスが銃を乱射する
「
だが佐介も次の
術が発動するや強風が佐介の身を包み、光弾はその風圧に負けて吹き飛んでしまった
「なんだと!?」
思わぬ事態に困惑するアピスを他所に発生する竜巻の眼の部分から飛び出してくる影が一つ
「どりゃぁぁぁぁぁ!!」
「――っ!?」
次の瞬間、落下の勢いをのせた全力のかかと落としが押し寄せ、アピスは慌ててこれを回避した
直後、アピスが先ほどまで居た地面が炸裂したかかと落としの激突によって凄まじいくらいに割れていた
「ちっ、躱しやがったか!」
アピスを取り逃がしたことを悔しそうにしている様子だった
「さっきまでの姿とはまた違った感じがしやがるな?なんなんだお前?」
「気になるか?こいつは
「また口調や一人称が変わってやがる。ややこしいやつだな?」
先の佐介の説明からそんな感じはしているがいざ聞いてみるとなんともややこしいものだとアピスも内心思っていた
「どんどん行くぜ!!」
そんなアピスへ佐介が突っ込んでいく
「おりゃっ!おりゃっ!でりゃっ!」
繰り出す度に風を纏った蹴りがアピスを襲う
「おらっ!」
「ぐぅ!?」
一発の蹴りが腹部に炸裂し、アピスは後退りする
「よし、一気に畳み掛けてやる!
勝機を逃すまいと佐介が三度
術が発動するとともに発生した水が佐介を包み込む
直後、水に無数の一線が刻まれていき、次の瞬間弾け飛び、中からアピスに向かってくる
「はあぁぁぁああ!!」シャキィィン!!
「――っ!?」
アピスとの間合いに入るや佐介が勢いよく二刀の水刃の小太刀で斬りこんだ
「どんだけ色替えが好きなんだよ!」
攻め込む佐介を調子つかせまいとアピスが迎撃をする
「はあっ!!」
「なっ!?」
しかしアピスが放った光弾を佐介は水刃で切り裂いた
「決めます!秘伝忍法!!」
これで蹴りをつけるという意思の元、佐介が秘伝忍法を発動させると水刃の刀身が輝きを放つ
「ふっ、はあぁぁぁっ!!」
身構えるとともに佐介が勢いよく地面を蹴り飛び込む
「【水刃僚斬】!!」
ザシュゥゥゥゥゥン!!
「ごぉっ!!?」
「――はあっっ!!」
斬撃が炸裂し、佐介が渾身の力でアピスを後方へと吹き飛ばした
地面を抉りながらアピスは大の字に倒れてピクリとも動かなかった
一部始終を見ていた
「……っ」
そうして暫しの沈黙が流れてもなんの反応もないことから佐介は自身の勝利を確信し、背を向けた時だった
「ふふっ…ふふふふふ…」
「…っ?」
佐介は不気味なその笑い声に足を止め、すぐさま視線を戻す
「ふふふ、ふはぁはっはははは!」
「――っ!?」
狂ったように笑い声をあげるアピスに佐介はおろか雪通華《せつか》たちも困惑気味だった
「いやはや…大したもんじゃねぇか兄ちゃんよ〜?さっきのはなかなかいい連撃だったぜ」
言っていることとは裏腹にあれだけの攻撃を受けて尚、アピスはけろっとしていた
「ちっとは楽しめたぜ。なかなかいい運動になった。さぁて、んじゃまそろそろこっちも本格的にいくとしようかね」
アピスがそう呟いたと同時に佐介はこの上ない焦りを抱くのだった