怒涛の連続攻撃を仕掛け、優位に立てていると思っていた佐介を嘲笑うようにアピスが平然と立ち上がり
今までがただの準備運動のようなものであり、ここからが本番だと豪語し、佐介を困惑させていた
「さぁ、第二ラウンドと行こうじゃねえか…ほら、遠慮しないでかかってきていいんだぜ?」
おどけた態度で手招きをして佐介に攻めてくるよう促す
「い、言われなくてもそうさせてもらいます!!」
佐介はアピスの徴発に乗ってしまい、構えを取るとすかさず接近する
「ふふふふっ」
仕掛けてきている佐介を前に何故かアピスは何も妨害行動を行わず、まるで招き入れるかのように両手を広げながら突っ立ってる
「はぁぁあああっ!はあっ!!」
何が狙いなのかと疑いつつも間合いに入った佐介が水刃を勢いよく振りかぶりアピスに斬りこむ
「おっと、危ない危ない!」
「――っ!?…ぬぇい!!」
それをアピスが素早く躱し、佐介は次こそはと追撃を仕掛ける
けれどそれらは全てアピスのおどけたような態度で且つまるで手の内が読まれているかのように次々と躱されてしまう
「それなら!!」シュン!
「おっ?」
「――これなら、どうですっ!!」
正面から仕掛けると見せかけ、直前に高速移動によって相手の視界から自身を消すことで注意を逸らした佐介は背後からアピスを攻撃する
これならと行けるという思いを込め、佐介が水刃を振りかぶる
「――っ!!」ヴォン!
ガキィン!!
「なっ!?」
「今の奇襲はなかなかだったが残念だったな。俺をやるには一歩及ばなかったな」
背後を取ったと思っていた佐介だったがアピスは振り返ることなく左手のガントレットからエネルギーブレードを出すことでこれを防いだ
「くぅっ!?」ザザァァァ!
奇襲が失敗したことで佐介は慌てて距離を取る
「そ、そんな」アセアセ
序盤こそこれでもかと当たっていた攻撃が今や掠りすらしない
何をしようともアピスに決定打を与えられない佐介は激しく動揺していた
「ほらどうした?さっきまでの威勢はどこ行っちまったんだ~?遠慮しないでかかってこいよ。俺が”遊んでやるから”」
「っ――はぁぁぁぁ!!」
攻撃を与えられず焦りに満ちていた佐介にこの煽りは応えてしまった
挑発に乗ってしまった佐介がアピスに突っ込んだ
「忍…超・
その際に佐介が解号の言葉を口にした瞬間、
「ほう、そいつは今までに見たことない奴だな?」
「はあぁぁぁああ!!」
「んんっ!?」
力いっぱい引き締めた拳がアピスに繰り出される
アピスが左手を盾代わりにこれを受け止めるも直後、驚きと悟りが入り混じった表情を浮かべる
「はあっ!!」
ガードをされながらも佐介がアピスを吹き飛ばした
「――っ!!」ザザァァァ!
後方に飛ばされたアピスが受け身を取りつつ衝撃の勢いを殺した
「……っ?」ガクガク
しかし佐介から一撃を受けた左腕はまだダメージが残っているのか少し震えていた
「対した攻撃力だな、こんな隠し玉を持っているとは驚いたぞ?」
「これが僕の切り札
「ふっ!はあっ!!」
「なるほど、パワーだけじゃなく他の基礎能力もかなり向上しているようだな!」
一心不乱に攻め込む佐介とは対照的にアピスはこの状況を前に冷静に分析を行っている
「くぅ、やあっ!!」
「実に面白い力だ…だがな!!」
「なっ!?うわっ!?」
次の攻撃を繰り出そうとする佐介だったが次の瞬間アピスがカウンターを仕掛けた
逆に攻撃を受けてしまった佐介が後方に吹き飛ばされる
「いくら力があっても所詮当たらなかったら意味はない」
「うっ、うぅぅ…」
「もう手品は出納めか?正直もう飽きてきたし、そろそろ終わらるとしようか!!」
バキュキュキュン!
ここまで受けに転じていたアピスが一気に攻めに回る
駆け出すとともに光弾を乱射させて間合いを詰めていく
「――っ!?」
攻撃を受けた直後の追撃によって回避が間に合わず光弾の集中砲火によりダメージの蓄積に加え動きを封じられてしまう
「っ、おらおらおらおら!」ヴォン!!
ザシュシュシュシュン!
「がはっ!?」
間合いに入ったアピスが再びガントレットからレーザーブレードを展開し佐介を切り刻んでいった
「おらよ!」
「ぐふっ!?」
怯む佐介に蹴りを入れ、押し倒した
「はぁ…はぁ…はぁ…ぐっ、うぅぅぅ…!」
「ほう、まだ立ち上がろうとするか。見上げた根性だな?」
こんなにもボロボロになっても尚、挑もうとする佐介にアピスは関心の目を向ける
「…けません」
「ん?」
「くは…負けません!!」
次の瞬間、自分が優勢に立っているが故に油断していると見た佐介が気爪天凱を発動し、生成した気の爪で斬りかかる
これでどうだと内心思いながら
「おっと!」
「なっ!?」
起死回生として繰り出した気双天凱だったが、アピスがそれを寸前で躱したことで不発に終わってしまう
「残念。惜しかったな…っ」
攻撃を躱され、唖然としている中、アピスは銃型の忍具についているレバーをスライドさせる
直後銃口にエネルギーが集積する
「はあっ!!」
バキュゥゥゥン!!
「――っ!?」
刹那、銃口から放たれた強力なエネルギーの光弾が佐介を襲った
それにより後方へと吹き飛ばされるとともに佐介の転身が解除され、初期の状態に戻されてしまった
「うっ…ぅぅう…」
「勝負、ありだな。よく頑張ったと褒めてやるが、所詮俺には勝てなかったな」
銃型の忍具から巻物を取り除きながらそう言うとアピスの姿も出会った時のコートを羽織った容姿に戻る
「さて、そんじゃま、
「め、命令するな!」
戦いも終わり、探し物も見つかったのでアピスは3人を連れて帰ろうとする
彼に指揮かられていることが好ましくなさそうに閃光が文句を垂れる
「さぁ、行きましょう
「で、でも…」
ボロボロに倒れてしまった佐介のことを
「
「あっ」
半ば強引に月光に連れられながら先をいくアピスと閃光とともにこの場を去って行った
残ったのは戦いに敗れ、気を失っている佐介のみ
するとそんな中、佐介の敗北を憂うかのように空から燦々と雪が降り始めるのだった