送り込まれたスパリゾートへの招待状を手に、施設へとやってきた蛇女の面々は中に入るとそのまま更衣室に向かった
「ここか、更衣室は?」
雅緋たちが扉を開けて更衣室に入る
「あら、雅緋さん?」
「雪泉か。ここにいるということはお前たちも招待されたということか?」
「えぇ、いきなりどこからともなく矢文が飛んできてこれがそれに」
お互いにチケットを見せあいながらお互いにここに招かれたことを悟る
「ふん、いい度胸だな?罠かもしれんというのに?」
「もちろんそれは想定済みですよ。警戒も怠ってはおりません。その点に関してはそちらもではございませんか?」
「さぁ、どうだろうな?」
探り合いのような視線と笑みを浮かべながら雪泉と雅緋は互いを見つめ合っていたのだった
時を同じくして相馬が男子更衣室に向かっていた
「ちぇ~、せっかくのチャンスだったのに貸し切りだったなんてな。おまけに雅緋のやつカメラ壊しやがって、まったくもって災難だぜ」
『仕方ないだろう、あれに関してはお前が一方的に悪いんだから』
「ぐぅ、アオお前な~。ちっとは慰めてくれたっていいんじゃないですかね~?」
『俺は事実を述べてるだけだ』
先ほどのことを蒸し返す相馬とそれは自業自得でしかないと咎める蒼馬のやり取りを挟みながら更衣室のドアを開ける
「…っ///!?」
「あっ?」
するとそこには先にこの部屋に来ていた紫苑がいた
「そ、そそそそそ、相馬くん///!?」
「よぉ、紫苑じゃねぇか。お前も来てたんだな?」
「ま、まぁ…僕らの元にここの招待状が届きましたからね」
「なるほど、やっぱそっちにも届いてたんだな」
更衣室に紫苑がいるのを見て相馬もだいたいの予想はついた様子であり
紫苑のほうも同じように察したようだった
「ところでさ…今何隠した~?」ニヤリ
「っ!?」
すかさず話題を変えた瞬間、紫苑の顔がものすごい焦った様子を見せている
「な、ななな、なんのことでしょうか?」アセアセ
「今更とぼけても遅せぇよ。俺が入ってくる寸前に後ろになんか隠したじゃねぇか?」
「してません!何も隠してなんか!?」
必死に否定をする紫苑だったが、後ろに隠したものがチラッと見えている時点でアウトだった
「往生際が悪いな。いいから見せろ~w!」
「ちょ、まっ!?うわぁっ!?」
いきなり飛びかかってきたことに対処が間に合わず紫苑は相馬と取っ組み合いになってしまう
「おんや~w?ねぇねぇ紫苑さんよ。こいつはいったい何かな~w?」
そうして相馬が紫苑から手にしていたものを奪い取った
見てみるとそれはこれまた可愛らしさが十二分に押し出されている女ものの水着だった
「あらあら~。紫苑ちゃんったらこ~んな可愛らしい水着持ってきちゃってw~?」
「ち、ちちちち、違うんです!?それは僕のじゃありません///!?」
「いいっていいってw好みは人それぞれだからなw」
「だ~から!誤解なんですってば///!!?」
顔をトマトのように真っ赤にしながら必死に弁解をしようとするも相馬にいいようにおちょくられてしまっているだけだった
「僕は普通に男物を持ってきたんです!だけどまたしてもみんなに見つかって没収されちゃったんです!しかも四季ったら僕がもう一枚隠していることに気づいていたのかそっちまで没収していってしまって、ううぅぅ……///」
「分かってるわかってるってwお前も大変でございますねww」
しどろもどろになる紫苑の方をポンポンと叩きながら相馬はくすくすと笑いを堪えている様子だった
「ひ、他人事だと思って///!」
「実際に他人事ですしおすしw」
「むがぁぁぁぁぁぁ!!」
相馬にいじられにいじられ、紫苑は我慢できず思わず奇声を上げていた
「おい貴様らうるさいぞ」
「「っ?」」ピクッ
「静かに着替えられんのかお前たちは?」
「「光牙(さん)!?」」
不意に入口のある後ろのほうから声が聞こえてきたので視線を向けてみるとそこには今入ってきた様子の光牙が立っていた
「なんだ。やっぱお前もきたのか?」
「当然だ。今頃焔たちのほうも姉さんたちに挨拶している頃だろうな」
これにより招待状を受け取った全忍学生たちがこの場に集まったこととなる
「それにしても入口前から響いていたが、なんなんださっきからやかましい。貸し切りだからよかったからいいものの、通常営業してたら下手したら出禁案件だぞ?」
「だって紫苑のやつが〜」
「元はと言えば相馬くんのせいじゃないですか!?」
やかましくしていることを光牙が咎めると相馬と紫苑がまたも口論に発展する
「だから静かに着替えられんのかお前らは!」
同じことを繰り返してばかりの2人に光牙が怒鳴る
「相馬、お前は必要以上に紫苑を煽るな」
「ちぇ〜」
「それから紫苑、お前もだ。争っても結果はいつも通りになるんだからいい加減諦めろ」
「そ、そんなひどい!?」
相馬は注意をされてブタクサとした顔を見せ、紫苑の方は運命を受け入れた方が楽だと言われてしまい絶句するのだった
♦
そんなこんなで男性陣も女性陣も着替えが終わった
「ほ~、こらまた随分とすげぇな?」
「あぁ、確かにな」
一同がやってきた先には広々とした空間に様々な設備が用意されている光景だった
「わ~い!!」
「みのりちゃん。走ると危ないですよ!?」
我先にと美野里が駆け出し、愛花がその後を追いかけていった
「まったく、どっちが年上何だかわからんなあれじゃ」
「確かにな…だが、もっとわけわからんのは」チラッ
2人の様子を見て微笑ましいやら呆れるやらの複雑な心境を抱く2人
会話の最中に相馬が不意に視線を向けた先には
「あ~ん紫苑ちん、いいよいいよ綺麗だよ。プリティだよ。最高だよ♪」パシャシャシャ
「うむ、この可愛らしさ、四季、グッジョブだ」パシャシャシャ
「お見事ですよ四季さん!」パシャシャシャ!
スマホのカメラモードでひたすらにボタンを連打して写真を撮りまくる3人の姿が
そしてそんな彼女たちが写真を撮っているのはもちろん紫苑だった
今回、紫苑は花柄の水着にパレオを巻いた可憐な水着姿をしていた
「いやぁぁぁぁ!やめて、撮らないで、撮らないでぇぇぇぇぇぇ///!!??」
自分のこんな姿を写真に収められていることが耐えられない様子で必死に体を隠そうとしているが
はたから見ればその姿も愛らしくむしろ四季たちの撮影欲を搔き立てしまうのだった
ちなみにその横では忌夢が雅緋の水着写真をスマホに収めていたのはここだけの話し…