全員参加の勝負を持ち掛けた焔と、彼女の挑発に乗った雅緋の2人が発端となり
さらに春花特性の薬を混ぜた水鉄砲を使った紅蓮竜隊、月閃、蛇女の3組による試合を行うこととなった
「…どうして、どうしてこんなことに?」
「安心してください光牙さん。僕も同じ思いです」
春花らによって半ば強引に参加させられてしまった光牙と紫苑はこの現象に頭を抱えていた
「じゃあみんなルールのおさらいをするわね。私特性の「服だけ溶かす液体」の入った水鉄砲を使ってすっぽんぽんになったら退場で最後まで残った人のいるチームの勝ちっていうサバイバルマッチ性よ。わかったかしら?」
「いいねいいね。やる気出てきたぜ!」ボォォ!
「…ねぇ春花、今ならまだ間に合うからこいつだけ強制退場させない?絶対に嫌な予感しかしないわ」
いつになくやる気の炎をたぎらせる邪な考えを抱く相馬を見て両備が退場を打診する
「両備ちゃん、不公平しちゃダメよ?」
「いやいや何言ってんのよ、いざ勝負になったら絶対こいつみんなすっぽんぽんにさせようとしてくるわよ?あんただって例外じゃないでしょ!?」
相馬という男がいかに危険な奴かわかっているはずだと両備が食い下がるように言った
「それなら問題ないわ。だって私、審判役を務めるもの」
「何それ!?横暴よ横暴!」
「さーて、それじゃみんななそろそろ始めましょうか♪」
「無視すんな!?」
しかし春花は審判だからという理由で参加しないと知って両備が猛抗議をするも無視して話しは進んでしまったのだった
♦
揉め事があったものの、全員が水鉄砲を手にし、勝負の開始を今か今かと待ちわびる
「みんな準備はいいわね?さぁ、
カーン!!
春花が開始の合図を叫んだ瞬間、ゴングの音が鳴り響いた
「「「「「「「「「「「「――っ!!」」」」」」」」」」
次の瞬間、光牙たちと紫苑たち、そして相馬たちが一斉に動き出した
地面の上を駆ける光牙たちと艦内に設置された建物の上を飛び回る相馬たち
「「「――っ!!」」」プシュシュシュ
先手を仕掛けてきたのは蛇女のほうだった
「ふっ!!」プシュ
「「――っ!!」」プシュシュシュ
だが焔たちも負けじと反撃を繰り出し、乱戦状態に突入する
「はぁ…まったく、結局参加させられてしまうとはな。我ながら呆れる…」
そんな彼女たちの様子を見ながら、あれだけ拒もうとしたこの競技に参加させられてしまっていることに光牙は頭を抱えていた
「隙あり!!」
「――っ!!」バッ
すると明後日の方向から水鉄砲が飛んできた
咄嗟に光牙がこれを避ける
「何ボーっとしてんだ光牙さんよ?」
「っ…相馬」
不意打ちを仕掛けてきたのは相馬だった
二丁の水鉄砲を指でくるくる回しながら光牙の前に立つ
「ふん、不意打ちとは貴様らしい姑息な手だな?」
「姑息で結構です~。ともかくこのゲーム俺が勝ち残ってあいつら全員すっぽんぽんにしてやるんだ。だが男の裸なんざ見る価値もないんでさっさとここで退場してくれねぇかな!」
水鉄砲の銃口を向けながら相馬は光牙に言い放った
「相変わらずくだらんことを…だが、ここまで舐めたことをされて黙っていられるほど俺も仏じゃないんでな。そっちがその気ならお望み通相手をしてやる。ただし、退場するのはお前の方だがな」
「ほざくな!!」パシャシャシャ!
会話を終えた直後に相馬が水鉄砲を発射し、光牙に薬品入りの水を飛ばしてきた
「あまい!!」
しかし光牙が地面を蹴ってバク転をすることで回避する
「ちぃっ!?」
「…―――っ!!」グィッ
着地すると同時に光牙は他の皆が持っているのとは明らかに違う弓矢方の水鉄砲を身構え、そこについているトリガーを引き絞る
「はあっ!」プシュシュシュ!
光牙がトリガーから手を離した瞬間、液体が詰め込まれたタンクの先端の口から液が発射される
「うわっと!?」
急ぎ回避を行い、物陰に隠れる
「…そろ~り?」
プシュシュシュ!!
「――っ!?」
陰から少し顔を覗かせてみるとその直後それを待っていたかのように液が飛んできたので再び隠れる
「隠れても無駄だ」
その向こうでは追撃のためにトリガーを引き絞る光牙が
「やべぇな。こいつはちっと分が悪いな…」アセアセ
奇襲して制圧するつもりでいたが、それが裏目に出てしまい、虎の尾を踏む形となって逆に追い込まれてしまったことに相馬は危機感を感じる
『どうするんだ?このまま隠れていても状況は変わらんぞ?』
するとそんな相馬に蒼馬が意見する
「分かってるよアオ、とりあえずこの状況をどうにかしないとな、てなわけで……いったん撤収!!」ビュゥゥゥ
「――っ!?」
ここで相馬が光牙がこちらの出方を伺っているであろうとみてすかさず物陰をバックに走り去っていく
「待て!!」
逃げ出した相馬を目にした光牙が追跡のためにその後を追っていのだった
♦
一方、光牙と相馬が撃ち合いをしていたその頃のこと
「来て来て、両奈ちゃんを見て~♪」
両奈のその言葉は無視ししながらも
詠、日影、未来が逃げる両奈に発砲してきた
尚も軽快な動きでそれを躱す両奈に追撃を仕掛けようとする詠たち
プシュシュシュ!!
「「「――っ!?」」」
しかしその直前に背後から水の飛ぶ音が聞こえてきたので振り返ると
そこには背後から詠たちに向けて水鉄砲を放つ月閃女学館の面々がいた
完全に詠たちは不意を突かれてしまっていた
だが、月閃とて目の前の相手ばかりに気を取られてはいけない
「――っ!!」プシュッ!
「「「――っ!?」」」キキィッ!
次の瞬間、狙撃体制に入っていた両備が雪泉たちを狙撃してきた
さらには夜桜がテーブルを傾けて盾代わりにしたり、四季と美野里が未来を追いかけたりと乱戦状態だった
そんな中、紫苑は建物の影に隠れてはそれを盾にして攻撃をかいくぐりながら留まることなく進んでいく
「見つけたぞ紫苑!」
「――っ!?」
するとその時だった物陰から周囲の様子を窺っていた紫苑に狙いを定めた忌夢が攻撃を仕掛けてきた
忌夢が標的である紫苑に向けて液を飛ばす
「(まずい!?)」
飛んでくる液を前に紫苑は焦りつつも一瞬身をかがませ勢いをつけると地面を蹴って宙へと舞い、それを回避する
「はぁっ!!」
プシュッ!
「――っ!?」
弧を描くように宙を舞うと共に紫苑が反撃の水鉄砲を放つ
危険を察知した忌夢が後ろに後退し、それを回避する
その直後、紫苑が地面に優雅に、華麗に着地する
「生憎だけど、そう簡単にはやらせはしないよ」
「ちぃ!」
水鉄砲の銃口を忌夢に向けながら紫苑はそう言い放つのだった