蛇女子学園にてシノビマスターズについての報告などの会合が行われている中、蒼馬と両奈の醜態とそれに対しての両備のツッコミなどで場は騒がしい状況に包まれていた
「…あ、あの…鈴音先生?」
「なんだ紫?」
騒がしくしている蒼馬たちを無視して紫が鈴音に声をかける
「善忍と悪忍は表裏一体……善忍が滅べば、必ずしも悪忍の繁栄に繋がるとは…思えません」
「紫…」
ここで紫が考えさせられるような意見を述べてきたことに忌夢は驚いた様子を見せる
「確かに一理あるかもしれんな?」
「俺もその意見には賛同だな」
紫の考えに鈴音と蒼馬も肯定的にとらえた
「それと忌夢、なにも紫とてただ何もなしで「無償の友」のために動くわけではない。何かしら打算を考慮しての考えなのだろうからあまり頭ごなしに否定するものじゃないぞ?」
「…蒼馬さん…」
「っ…ふん!」
さらに蒼馬は紫に対してフォローを入れ、忌夢の方は面白くなさそうにそっぽを向いていた
「ねぇねぇ蒼馬く~ん。もうちょっと縄の縛りを強くして欲しいな〜♪」
「おねだりとはいえ俺に指図するとは…調子に乗るな」グッ!
「うっ――っ、ふぁう〜ん♪いい、いいの!とってもいいの〜///♪」
蒼馬が手にしている縄を引っ張るとそれによりさらなる締め付けが起こり、両奈は嬉しそうな顔で喘ぎ声を出していた
「まったく、あんたたちときたら…」
その様子を側から見ている両備は呆れ果てた様子で頭を抱えていた
「まぁ、ともかく蒼馬も言ってたけどこの件で半蔵に恩を売っておけば今後何かしら両備たちにとってメリットに繋がることがあるかもしれないしね」
2人に呆れながらも両備は鈴音に半蔵を助ければ自分たちにとっても何かしらいいことがあるかもしれないということを説いた
「鈴音先生、シノビマスターズへの参加を許可していただけないでしょうか?」
「月光と閃光とやらの狙いも気になる…よし、お前たちの参加を許可しよう」
「ありがとうございます」
雅緋が鈴音に自分たちのシノビマスターズへの参加の許可を打診し、それに対して鈴音も敵の狙いを探るためにもという名目の元、参加を許可した
「怪しげな大会であろうとも参加するからには勝ちに行く、蛇女の誇りを奴らに見せつける。いいな?」
鈴音から許可を得た雅緋が皆に参加するからには勝利を手にするという意を皆にも告げる
「はい」
「僕は雅緋についていくよ」
その問いに対して紫と忌夢が最初に承諾の返答を送る
「両備も了解よ」
「俺も問題ない。お前もそうだろう両奈?」グイッ
「ひゃう~ん♪うんうん。両奈ちゃんもわかったわ~ん♪」
続いて蒼馬たちのほうも参加に異論はないということで
こうして蛇女の総意は決まり、シノビマスターズへの参加を決めるのだった
♦
月光と閃光によるシノビマスターズの開催の宣言を受けた次の日のことだった
紫苑と雪泉は半蔵学院へと向かって道中を歩いていた
「そうか、僕たちと別れてから飛鳥さんとそんなやり取りをしていたんだね?」
「はい。すみません、今の今まで黙ってて」
目的地に向かう途中、雪泉が紫苑に昨晩のことを聞かせていた
「謝らないで雪泉。むしろ僕はこのことを教えてくれたことに感謝してるんだ」
「紫苑…そう言っていただけるのであれば私としてもほっとした思いです」
飛鳥と会っていたことや少しの間とはいえこの事実を隠していたことへの後ろめたさを感じていた雪泉だったが
彼女を責めるでもなく紫苑は逆に感謝の言葉を送ったことに雪泉は気持ちがいくらか楽になったようだった
そのようなやり取りをしている間に半蔵学院が目の前にまで迫ったところのことだった
「おい、止まれ貴様ら」
「「――っ!?」」
突如、背後から声が聞こえ、紫苑と雪泉は歩みを止める
「…おやおや、まさかこんなところで会うとは奇遇ですね?いったいどうなされたんですか?”光牙さんに焔さん”?」
紫苑が背後から聞こえた声と気配から誰なのかを察知し、声をかける
「質問しているのはこちらだ。どうしてお前たちはここにいるんだ?」
光牙は質問を投げかけているこちらの方が優先だと再度紫苑たちに半蔵学院に来た経緯を尋ねる
「私たちは飛鳥さんから相談を受けたのでそれについて策を考えようということになったんです」
「何?雪泉、お前飛鳥と合っていたのか?」
「はい。実は昨日に」
渋々雪泉が自分たちがここに居る理由を語るとそれに真っ先に焔が食いついた
「それで、お二人の方こそ何故ここに?」
「お前たちと似たり寄ったりな感じだ。やっぱりあんな映像を見せられた後だったからな、もしかしたらと何か手がかりでもつかめないかなって思ってここに来たんだがここにきて思いもよらない収穫を得ることになるとは思わなかったぞ」
光牙が質問に質問を返しながらも、それに続くように焔が自分たちがここにいる理由が
昨日の映像の中にいなかった佐介と飛鳥のことを気にかけてせめて手がかりでもてにできればと思いここに来たことを明かす
「お互いに目的自体は同じという訳ですね。でしたら乗り掛かった舟ということでお二人もご一緒に行きましょう」
経緯こそ違えどここを訪れた理由は一緒であるから一緒に飛鳥に会いに行こうと紫苑が提案する
「あぁ、そうさせてもらう」
「うむ」
焔と光牙もそれに同意し、紫苑たちについていく形で半蔵学院に向かうのだった
数分後、半蔵学院の校門前まで一同はやってまいりました
「…待ち合わせの時間的にはそろそろですね」
事前に雪泉は待ち合わせ時間を飛鳥と決めており、時計を見ると約束の時間になっていた
そうして待つこと少ししての時だった
「――っ!」シュン!
4人の元に舞い降りる影が1つ
「雪泉ちゃんお待たせ、待ってたよ」
「飛鳥さん」
現れた陰の正体は案の定飛鳥だった
約束の時間ピッタリに飛鳥が出迎えに来てくれたのだ
「ってあれ?…焔ちゃん!?それに紫苑さんに光牙さんまで!?」
次の瞬間、飛鳥はこの場に雪泉のみならず紫苑や光牙たちがいることに驚いた様子を見せる
「驚かせてすみません。紫苑とは一緒にきたのですが、焔さんたちとは先ほど出会ったばかりで成り行き的な感じにご一緒することになったんです」
雪泉が飛鳥に紫苑たちがここにいる経緯を伝える
「飛鳥、雪泉にだけずるいじゃないか。私たちにも何があったのかきちんと説明してもらおうか」
2人の会話に割り込むように焔が飛鳥に物申す
「ご、ごめんね焔ちゃん。わかった、ちゃんと説明するよ。さぁ、付いてきて」
そうして飛鳥に続いていきながら紫苑たちは半蔵学院に入っていくのだった