半蔵学院にやってきた紫苑たちは道中光牙たちに出くわすという思わぬ事態に遭遇する
同じ半蔵学院の面々を心配する者たち同士ということで一緒に現地に赴き、そこで共に飛鳥に出迎えられ忍部屋にへと訪れた
忍部屋に通された紫苑たちは茶の間にいた
「はいみんな、これどうぞ」
「ありがとうございます飛鳥さん」
「いただくぞ」
飛鳥が人数分のお茶を淹れ、皆に振舞う
紫苑たちと光牙たちは差し出されたお茶でいっぷくした
「……さて、飛鳥、そろそろ聞かせてもらおうか。お前がここにいるのに佐介の姿がないのはなぜなのかな」
一息ついたところで光牙が飛鳥に尋ねる
「そうだぞ飛鳥、どういうことか教えろ」
あらかたの事情を知っている紫苑と雪泉と違い、光牙と焔に至っては未だ状況を飲み込めてはいない
故に説明を要求していた
「うん、わかってる…実はね」
そうして飛鳥は光牙と焔にこれまでの経緯を説明する
「…なるほど、そういうことだったのか」
「嘘だろ、まさかあの佐介がやられちまうなんて?」アセアセ
事情を聞いて光牙と焔は驚きを隠せない様子ではあった
「佐介さんのことも気掛かりではありますが昨日の2人のことやあの仮面の男、確か名をディラと呼んでましたが、飛鳥さんが聞いた佐介さんの話を考えるとその3人には何か繋がりがあるのかもしれませんね」
さらに紫苑はここまでの話しの流れから自分たちが2回にもわたり遭遇した仮面の男、ディラが
この事態に何らかの形で関わっているのではないかと考察していた
出会った当初から不気味な存在感を出しているやつとは思っていたが、その実力が佐介を倒してしまうほどだったことには肝を冷やす思いだった
「飛鳥、それから佐介の行方は掴めていないのか?」
「うん。思い当たる場所は探してみたんだけど今のところ手がかりは何一つ掴めてないの」
自分の目の前から去ってしまってからというもの佐介の行方は今も分からず仕舞いだった
「…っ」
「…やっぱり心配だよな?」
「…うん」
あらかたのことを話し終えた飛鳥はとても不安そうな顔を浮かべていた
斑鳩たちのこと、そして何より佐介のことも気になってしょうがないと飛鳥は気持ちを伝える
「元気を出してください飛鳥さん、大丈夫です。わたくしたちも全力で協力いたします。必ず佐介さんを見つけましょう」
「無論私も協力してやろう、大船に乗ったつもりでいるんだな」
「雪泉ちゃん、焔ちゃん…ありがとう」
2人からの励ましの言葉を貰って飛鳥もいくらか心が救われた気がした
「どうやら雪泉たちのおかげで少し元気になってくれたみたいですね?」
「あぁ、そうだな」
雪泉と焔の励ましによって多少なりとも元気を取り戻した飛鳥の様子を見て光牙と紫苑も少し安心したようだった
「よし、湿っぽい話しは一旦忘れて温泉にでも浸かるとしよう。私がいいところを紹介してやろう」
「温泉ですか」
「いいかも、ありがとう焔ちゃん」
「そうと決まればみんなを呼んで早速行くぞ!」
こうして焔の提案によってみんなで温泉に行くこととなったのだった
♦かぽ~ん♪
一旦別れた紫苑たちと光牙たちは他の面々と飛鳥を連れて紅蓮竜隊行きつけの温泉施設にやってきていた
「わーいわーい♪温泉だぁ~♪」バシャバシャ
「こら、あんまりはしゃぐものではありませんよ!?」
湯船に浸かりながら足をパタパタさせる美野里に夜桜が注意を促す
「焔さんありがとうございます。こんないい場所に連れてきてくださり」
「私もだよ焔ちゃん。連れてきて暮れてありがとう」
「構わんさ、飛鳥はともかくとしてもシノビマスターズに備えて私たちも万全にしておかないと思ったからな」
「えぇ、そうですね」
施設に取れて来てくれたことに感謝の言葉を送る雪泉と飛鳥
それに対して焔はお礼を言われるほどではないこと、シノビマスターズに参加するためにも自分たちの体調を整えておくことも必要だと説いた
「それにみんなも喜んでくれているようで私としても嬉しい限りだ」
そう呟きながら焔は視線を周りに向ける
「ここはいろんなお風呂があって楽しいんですよ」
「マジ?チョー楽しみなんだけど」
「確かにな」
詠が四季と叢にこの施設の説明をし、それを聞いた2人は期待に胸膨らませていた
「あら叢ちゃん。お風呂に入る時くらいお面を外したら?」
「…ふぁ、ふぁぁぁっ///!?」
お面を取られて叢は慌てふためきながら顔をタオルで隠していた
「…」じ~
「な、何春花さま?あたしたちのほうをじっと見て?」
身体を洗いっこしあっている未来と愛花のほうをじっと見る春花に2人はどうしたのかと困惑する
「いやね、未来も愛花ちゃんもちょっと大きくなってきてる気がしてね」
「ほ、本当!?」
「そうなんですか春花お姉さん!?」
胸が成長しているかもしれないと言われて未来も愛花も気持ちが昂る
「本当よ…でも、揉んでみないと分からないわ!」
「うにゃっ///!?」
「ひゃう///!?」
うんも言わさぬ勢いで未来と愛花は春花に捕まえられてしまったのだった
♦かぽ~ん(男湯)
「ふ~…っ…」
一方、男湯の方では光牙が湯船に浸かってリラックスしていた
≪『ーーーっ!!』≫ワイワイガヤガヤ
「……ーーーっ、うるさい」ピキピキ
しかしそんなまったりしている光牙だったが、女子風呂から聞こえてくる喧しい声に徐々にイライラを募らせていた
「光牙さん、気持ちは分かりますがここは心を込めてください」
「分かってはいる。だが少しくらいはゆっくりしたいと思うだろう」
「あはは…まぁ、そうなんですけど」
不満を吐く光牙に紫苑が宥めるように声をかける
「…にしても紫苑」
「はい?」
「お前、タオルの巻き方が女みたいになってるぞ?」
「えぇっ///!?」
光牙がそう指摘すると紫苑は慌てて自分の姿を見る
確かに自分が体に巻くタオルの形が女性風になっていた
「な、なななななんで僕が、こんな///!?」
「日頃あれだけ「僕は男です」とか言っているくせにいざとなればこれか?…お前、本当は女になりたいんじゃないのか?」
右往左往する紫苑に光牙は皮肉めいたように尋ねる
「そ、そそそそそ!そんなわけあるわけないじゃないですか///!?」
「本当か~?」
「もう、本当に、僕は男なんですぅぅぅぅぅ////!!!」
恥ずかしそうに顔を赤らめる紫苑の悲しい叫びが施設内に木霊するのだった