閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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堕落した信念

温泉施設の屋上にて光牙はこれまで行方知れずだった佐介と接触する

 

 

「はあぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「――っ!」バッ!

 

 

話し合いの中、佐介が光牙に攻撃を仕掛けた

 

 

咄嗟に光牙は後方にへと後退し、攻撃を躱す

 

 

「やる気のようだな。ならば…忍、転身!」

 

 

後方へと退避した光牙は佐介が本気で自分を潰しに来ていることを悟るとともに忍装束をその身を纏う

 

 

「てやぁぁぁっ!!」

 

 

「ふっ!!」

 

 

 

カキィィィン!

 

 

 

刹那、光牙が佐介の繰り出した二の手を刃弓で防ぐ

 

 

「ふぅん!!」

 

 

「くぅっ!?」

 

 

攻撃を防いだ光牙がすかさず刃弓を振りかぶり、それによって佐介は後方へと下がらされる

 

 

距離を保ちながら体制を立て直すと共に互いを視線に入れる

 

 

「思えばこうしてお前とやり合うのも久しぶりだな。それがこのような形で叶うとは何とも皮肉なものだな」

 

 

光牙は佐介とこのような形で本気でやり合うことになったこの事態にあまりいい印象を抱いていない様子だった

 

 

「だったら今ここで潔く僕に潰されてください!」

 

 

そんな光牙の態度など意に返さないと言うかのように佐介が再び攻め込む

 

 

「残念だな、生憎そんな気はない!」

 

 

すかさず光牙がそれを回避して躱す

 

 

「ふっ!!」

 

 

「ちいっ!?」

 

 

後方は下がると同時にトリガーを引き絞り、間髪入れずにその手を離す

 

 

刃弓の矢尻から放たれた光の矢が佐介めがけて飛んでいく

 

 

自分めがけて飛んでくる矢を見て佐介もまた後方へと後退しこれを躱す

 

 

「今のを躱したことは誉めてやろう。だが、俺を前に距離を離しすぎるのは愚策だということを忘れたか!」

 

 

光牙はそう言うと再度刃弓を構え、トリガーを引き絞るとそれを瞬時に離す

 

 

再び矢じりから光のエネルギーが放たれる

 

 

「くっ!?」

 

 

佐介は飛んできた矢をギリギリのところで回避する

 

 

しかしその直後のことだった

 

 

「…っ!?」

 

 

攻撃を回避した佐介の視界に飛び込んできたのは既に先ほどよりも矢じりに高エネルギーを纏うほどにトリガーを引き絞る光牙の姿だった

 

 

「はあっ!!」

 

 

次の瞬間、光牙がエネルギーを蓄積させたるとトリガーから手を離す

 

 

そしてそれによって矢じりの先端から高エネルギーを纏った矢が放たれる

 

 

先の攻撃を躱した直後に飛んできた矢を前に佐介はそれを避ける術はなかった

 

 

「うわあっ!?」

 

 

刹那、光牙の放った矢が佐介を直撃し

 

 

佐介は大きく後方まで吹き飛ばされ、地面を転がった

 

 

「……っ」

 

 

まともに大技を受けてしまった佐介は倒れたまま地面に横たわり、動きを見せずにいた

 

 

光牙は構えを解き、佐介の方へと歩みだし、すぐ目の前までやってきた

 

 

「残念だったな。この勝負、俺の勝ちだ」

 

 

倒れる佐介へ光牙は自身の勝利を宣言した

 

 

「佐介、お前があいつらのことを想っていることはわかる。だが所詮1人でやれることには限界がある。ましてこんなところで苦戦しているようではシノビマスターズに参加したところでお前に勝ち抜く事などできはしない。諦めることだな」

 

 

さらに光牙は何もかも1人でやろうとしている佐介に説くように語る

 

 

1人でやれることには限界があるのだと、故にたった1人でシノビマスターズに参加としている佐介に戒めを込めるように

 

 

「安心しろ、残りの半蔵の奴らは俺たちが助けてやる。お前は早く帰って飛鳥を安心させてやることだ」

 

 

そして最後に佐介に対して光牙は学院に戻り、安否を心配する飛鳥の元に戻るように告げてその場を去ろうとする

 

 

「…光牙、くん……」

 

 

「…っ?」

 

 

するとその最中、佐介が弱々しい声で語り掛けてきたことに気づいた光牙が振り返ろうとした瞬間だった

 

 

 

ザシュン!

 

 

 

「――っ!?」

 

 

次の瞬間、光牙は腹部に突如強烈な痛みを感じた

 

 

恐る恐る痛みがする方に視線を向けるとそこには気のエネルギーでできた鋭利な爪が光牙の腹部を貫いていたのだ

 

 

これを行ったのはただ1人

 

 

「…っ」

 

 

右手から気の爪を生成して光牙の腹部を刺した佐介しかいなかった

 

 

「ぐっ、うっ!?」

 

 

「……――っ!」ズシュッ!

 

 

「――っ〜!?」グラッ

 

 

腹部を刺されたことに絶句している光牙だったが、そんなのお構いなしに佐介がその爪を引き抜いた

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…っ!?」

 

 

貫かれ、血が流れる腹部を抑えながら光牙は数歩後ずさりした後にその場に跪いた

 

 

「ま、まさかお前がこんな不意打ちを仕掛けてくるとはな。…いつも正義を示そうとしていた者の手とはとても思えんな」

 

 

「光牙くん…僕はあの敗北で悟ったんです。この世界に正義なんてものはない、弱いものは強者に全てを奪われる。だからこそ卑怯であろうと姑息であろうと僕は勝利する。どんな手を使ってでも!」

 

 

 

シュン!ダダダダダダダダダダダ!!

 

 

 

「ちぃっ!?」

 

 

深手を負ってしまった光牙に佐介が休む暇を与えまいと連撃を繰り出す

 

 

光牙のほうも傷を負ってしまってからのこの状況になったせいで防戦一方となってしまい

 

 

不意打ちによる一手によって形勢は丸っと逆転してしまった

 

 

このままでは状況は圧倒的に不利だった

 

 

「(仕方ない、ここはっ!)」ギュィン!

 

 

「――っ?」ピクッ

 

 

聖・粒子変化(エル・フォトランス)!!」

 

 

 

キュピィィィイイイイン!!

 

 

 

「くっ!?」

 

 

刹那、光牙が回号の言葉を唱えると光の力がその身を包み込む

 

 

次の瞬間、光のベールが剥がれるとそこには絶・転身の姿へと変わった光牙がいた

 

 

「佐介、こうなった以上もう手加減はできない。飛鳥や他の半蔵のやつらには悪いが少し手痛くいかせてもらうぞ!」シュィン!

 

 

そう言いながら一瞬身構えるとその直後に光の速度で光牙が加速する

 

 

「速い!?」

 

 

光速による移動は佐介の視界から光牙を一瞬にして消しさった

 

 

「――っ!!」シュォン!

 

 

「なっ!?」

 

 

しかしその数秒後、光速の速度で瞬く間に光牙が佐介の間合いに入る

 

 

「こいつは痛いでは済まされんぞ、ふぅぅぅん!」

 

 

 

ブォン!ジャキィィィイン!

 

 

 

「ぐぅっ!?」

 

 

間合い入りこまれてしまった佐介に光牙がすかさず刃弓による一太刀(斬撃波)を入れる

 

 

咄嗟に両腕で防御の構えを取り、その全身で光牙の繰り出した斬撃波を防ごうとするも勢いまでは殺せなかった

 

 

強烈な一撃により佐介は大きく後方まで吹き飛ばされてしまう

 

 

「――~~っ!!」ザザァァ!

 

 

吹き飛ばされる勢いを抑えるため、咄嗟に受け身を取り、地面を削りながらもなんとかそれに成功する

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…ぐぅっ!?」

 

 

しかし何とか凌いだものの、先の一撃のダメージは凄まじく、佐介はその場に膝から崩れ落ちたのだった

 

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