シノビマスターズの開催まで紫苑たち月閃女学館の面々は各々の時間を過ごしていた
しかしそんな中、夜桜が月光と閃光に関する重要な情報を手に入れたことにより
紫苑たちは中等部への潜入を試みることとなった
「みんな、準備はいい?」
「うむ、問題はない」
「わしもです」
「みのりも~!」
潜入のため、一同は中東部の校門前の近くに着ていた
「しかし高等部の制服では目立ちそうですね?」
「確かに、特に紫苑ちんはやばいね、紫苑ちんは月閃のアイドル的存在だから制服なんか関係なく目立っちゃうよ。気をつけたほうがいいよ、紫苑ちんは”今から5秒後”とかに女の子たちに取り囲まれるくらいのやらかし魔だからね~」
「ちょっとちょっと四季、流石にそれは大袈裟すぎるんじゃないかな?いくらなんでも流石に5秒でそんな”トラブルに巻き込まれるわけないって”」
四季の心配をあまり紫苑は気に留めてない様子で自分のその考えにうんうんと目を閉じ頷いていた
「あ、あの、紫苑!?」
「ん?どうしたのゆ……みぃっ!?」
するとその5秒後にどこか慌てた様子な声で雪泉が声をかけてきたので紫苑が閉じていた目を開いた瞬間だった
「「「「「きゃぁぁああああああ!!」」」」」
「――っ!?」
開けた視界に映ったのは自身を中心に四方八方から取り囲んでいる中等部の生徒たちがいた
「こ、こここ、これはどういう!?」
思いもしなかった出来事を前に紫苑は絶句する
「見て!紫苑お姉様、紫苑お姉様よ!」
「登校したら紫苑お姉さまがいらっしゃるんだなんて思いもしませんでしたわ!」
「わたくし。とても感激です!」
「あぁ、お姉様、今日も一段とお美しいですわ!」
皆、矢継ぎ早に憧れの紫苑が中等部にやってきたことに生徒たちは感極まっているようで興奮が抑えきれない様子だった
「み、みみみ、皆さま、おおおおお、落ち着いてください!?」
こんな時でも紫苑はどうにかいつもの”お姉さまかぶり”で中等部の生徒たちを宥めようとする
「見て、紫苑お姉様がおどおどしてらっしゃるわ!」
「なんてことでしょう、お姉様がそのような仕草を」
「でもそんな姿も素敵だわ」
「「「「「わかるぅぅぅぅ!」」」」」
紫苑の想いとは裏腹に声をかけただけで黄色い声援が飛ぶ始末
「(あああああ、ま、まずい。これは本当の本当にまずいよ!?)」アセアセ
宥めようとしてより状況の悪化につながってしまったことで紫苑の脳内は混乱状態に陥ってしまっていた
「お姉様、ずっとお慕いしておりました!」
「は、はい!?」
さらにはこの状況で紫苑に猛接近し始める
「ツーショット撮らせてください!」
「そのお肌を触らせてください!」
「結婚してください!」
「子供はふたりで!」
1人が口火を開いた途端、次々と要求をし始める中等部の生徒たち
その要求の中にはとても危なげものが含まれていたりした
「「「「「お姉様ぁぁぁあああ♪」」」」」
「あわわわわわわ!?」アセアセ
四面楚歌な状況に紫苑はもはやたじたじだった
「み、皆さん、そこまでにしてください。紫苑が困っておりますので!?」
見かねた雪泉がこの場に割って入る
「ちょっとみんな、雪泉さまもいらっしゃるわ!」
「えっ?本当!」
「雪泉さまも!?」
「えぇっ!?」
しかし次の瞬間、雪泉の存在に気づいた子たちによってまさにミイラ取りがミイラになるかのように紫苑同様生徒たちに取り囲まれてしまった
「紫苑お姉様のみならず雪泉お姉様までいらっしゃるだなんて!」
「今日はなんて素敵な日なのでしょう!」
「お二人が並んでみるとまた一段と素敵に見えますわ!」
「「「「「わかるぅぅぅぅ!!」」」」」
雪泉が来てしまった事で事態はさらに悪化し、生徒たちの黄色い声援はますます強くなっていった
「み、皆さん。申し訳ございませんが今はそれどころでは――っダメです。全然通れません。どうしましょう紫苑!?」
「どうしようって言われても!?」
取り囲まれて身動きができないことに困った雪泉がどうしたらいいかと紫苑に尋ねるも
紫苑のほうもこの状況をどうしたらいいのか打開策を見いだせずに右往左往する事しかできなかった
コロコロ……
「「「「えっ?」」」」
するとその時、紫苑たちと中等部の生徒たちの足元に丸いものが転がってきた
生徒たちがそれに気づいて小首を傾げた次の瞬間だった
ボォォォオオオオン!!
「「「「「きゃぁぁああああああ!!??」」」」」
突如足元に転がってきたそれが破裂し、紫苑たちと生徒たちは煙に包み込まれてしまった
「「「「ケホケホケホケホッ!?」」」」
いきなり発生した煙によって中等部の生徒たちは蒸せて咳き込んでしまっていた
そんな中、煙の中から抜け出す二つの影があり、素早くこの場から離脱する
「「ごほっ、ごほっ!?」」
「大丈夫ですか紫苑、雪泉?」
「危ないところだったね?」
たちこむ煙の中から紫苑を連れて離脱したのは夜桜と四季だった
「は、はい。ありがとうございます夜桜さん、四季さん」
「おかげで助かったよ…ハァ…」
彼女たちのおかげで紫苑と雪泉はなんとか無事に生還できたのだった
♦︎月閃 忍部屋
「だぁ〜、あ、危なかった〜」ふぅ~
「ですね」
包囲網から解放され、忍部屋に戻ってきた紫苑と雪泉はぐったりした様子で腰掛けていた
「とか言いつつ本当は紫苑ちん、かわいい中等部の子達に囲まれてデレデレしてたんじゃないの〜?」
「そ、そんなことないって///!?」
まるで地獄への片道に手を突っ込んだみたいな顔をしている紫苑に四季が悪戯めいた笑みをこぼして皮肉を言ってきた
「な、なんですって!?それは本当なのですか紫苑!?」
「ダメですよ紫苑、そんな破廉恥なことをしていては"男の子"になってしまいますよ!?」
「どう言う意味!?て言うか僕はそもそも男だよ!?」ガビーン
さらにはそれを真に受けた雪泉となにやら意味のわからないことを言う夜桜の発言に困惑の顔を浮かべていた
「それで、これからどうするのだ?生徒として潜り込む作戦は失敗に終わってしまったわけだが?」
「うん。そうなんだよね…どうしよう?」
最中、叢が今後のことについてどうするべきかを話題にあげた
「ふっふ~ん。その点に関しては安心して、まだアイディアはあるから」
「本当かい四季?」
「モチモチろんろん♪任せてよ」
すると四季が問題ないと胸を張って宣言してきたのだった