月光と閃光の情報を得た紫苑たちは彼女たちがいると思われる中等部に向かおうとしたが
紫苑と雪泉に気づいた生徒たちが押し寄せるという事態に見舞われ、やむなく一時撤退
どうにかして潜入をしようと模索する紫苑たちに四季が提案を持ち掛け、一同はそれを実行することにした
♦中等部校内
中東部の校舎の廊下、そこを歩く5人の姿が
「バッチリだね。四季ちゃんの作戦♪」
「まだJCでも通用するし、我ながらいい作戦だったよね~♪」
「叢もギリギリセーフのようですしね」
「うむうむ」コクン
校内に潜入すべく取った作戦は中等部の生徒に成りすますことであり
効果覿面ですれ違う生徒らも雪泉たちのことを同じ中等部の生徒と思っているのか特に反応はなかった
「ですが紫苑は災難でしたね?」
「うん。しょうがないよ。やっぱり紫苑ちんにはこの潜入は無理だったんだよ」
「「「うんうん」」」
可哀想な顔を浮かべながら皆、ここにいない紫苑のことを話題に出していた
というのも本当は紫苑もまた中等部の恰好をして雪泉たちと同じく潜入を試みた
…しかし、そこで彼は結局同じ轍を踏むことになってしまった
「「「お姉様ぁぁあああ!!」」」
「ひぇぇぇぇぇぇえええええ!!??」
生徒たちに終われる中、紫苑は鬼気迫る表情を浮かべながら全力疾走していた
「いつもの制服も素敵ですが私たちと同じ制服を着てくださるお姉様のお姿も素敵です!」
「待ってお姉様ぁぁぁぁぁ!!」
「逃がしません。私と結婚してください!!」
「「「ずるい私が先ぃぃぃ!!」」」
「どうして、どうして僕だけこんな目にぃぃぃぃぃ!?」
後ろから追いかける生徒たちの黄色い声に恐怖を覚えながら紫苑はこうなってしまった自分の不運を呪うのだった
♦
紫苑が中等部の生徒達に追いかけまわされている頃、潜入に成功した雪泉たちはというと…
「皆さん、月光と閃光を見つけてもまずは様子を見るように、もし戦闘になってしまえば無関係の中等部の生徒たちも巻き込んでしまいますからね」
「うん、わかった。何があっても落ち着いて行動だね!」
潜入の最中、雪泉が皆と今後の段取りを示し合わせ、皆もそれを理解した様子だった
「…では参りましょう」
そうして雪泉たちは月光と閃光を探すべく捜索を開始した
最初は体育館から始まり、グラウンド、プールなどを探していった
「全然いませんね?」
「はい…あっ」
「どうしたのですか雪泉?」
「夜桜さん、いつの間にか四季さんたちがいません」
四季たちがどこかに行ってしまっていることに今更ながら気づいた
ハッと気づいた時には既に遅かった
「はぁ~まったく……仕方ありません。こうなればわしらだけでも2人を探しましょう」
「えぇ、そうですね」
紫苑に続いて3人ともはぐれてしまったことに頭を抱えながらも雪泉と夜桜は2人で月光と閃光を探すことにした
♦中等部 校内食堂
一方、雪泉たちと離れてしまった四季、叢、美野里の3人はというと中東部の食堂でケーキなどを注文してそれらを食べていた
「もぐもぐ……んっ?」
「なんだか向こうが騒がしいね?」
「いったいなんだ?」
美味しそうにケーキを頬張っている中、さっきまで比較的に静かだった食堂前が騒がしくなっていく
「…あっ、あれって」
何事かと思いながらも四季、叢、美野里の3人が人だかりのほうに視線を向ける
するとその視線の先には
「着きましたわお姉様。こちらが中等部の食堂です」
「ここの食堂は料理もスイーツも絶品なんですよ♪」
「是非ともお姉様にも食べていただきたいです♪」
「う、うふふ…み、皆様のお心遣い、大変痛み入りますわ」アセアセ
中等部の生徒たちと一緒にこの食堂にやってきた紫苑の姿があった
「「「(ら、拉致られてる!?)」」」アセアセ
こんなところでまさかの展開を目にした3人は唖然となった
「さささ、お姉様。どうぞこちらに♪」
3人がそう思っていると中等部の生徒が紫苑を席に案内しようとした時だった
「――っ!」ピクッ
「「「あっ…」」」
紫苑が3人の存在に気づいた様子だった
「皆様、申し訳ございませんがわたくし、あそこの席に座りたい気分ですの」
四季たちに気づくなり紫苑は中等部の生徒たちにその席に行きたいと懇願した
「ですがお姉様、あそこは既に先客がいるようですが?」
当然事情を知らない生徒たちはその申し出に否定的な意見を述べる
「……ダメ、でしょうか?」ウルッ
「「「「「「……――ぶふぅぅぅぅっ!?」」」」」」ブシャァッ!
しかしその直後に繰り出された紫苑の申し訳なさそうに頼み込む仕草を目にした生徒たちはその可憐さに心を鷲掴みにされてしまった
興奮しすぎて耐久力のない者たちに至っては鼻血を出して倒れてしまう始末だった
「み、皆さん大丈夫ですか?」
「は、はひ、問題ございまぜんわ」
生徒たちのその様子を見て紫苑が慌てて声をかけると鼻を抑えながらに大丈夫であることを伝えてきたので紫苑としてもホッとした
「さて、ではわたくしはあちら――にぃぃっ!?」
とりあえず問題なさそうであることを確認したところで紫苑が四季たちのほうに声をかけようとするも
直後に目に入った光景に啞然となる
そこには中等部の生徒たち同様に鼻から血を流してうっとりした顔を浮かべる四季と
四季同様に鼻血が出ているのかマスクが血で滲んでいる叢に目をキラキラさせている美野里の姿あった
「ちょ、ちょっとみんな大丈夫なの!?」ヒソヒソ
すかさず駆け寄りながら紫苑が3人に尋ねる
「大丈夫、まったくもって問題ないよ」ドクドク
「うむ、別に先の言葉に興奮したとかでは断じてないのでな」ドクドク
「紫苑ちゃん。とっても可愛かったよ~♪」
「って、そんなことを言っても説得力皆無だからね?叢はマスク変えて、あと美野里、あんまり褒めないでほしいな。恥ずかしいから」
3人に対して紫苑は一人一人に次々とツッコミをいれるのだった
「ところで雪泉と夜桜は?」
「いや~、それが今別行動中って感じなのよ」アセアセ
「そうなんだ?」
はぐれたなんて言えない3人は紫苑の問いにこう答えるのだった
「なるほど、ともかくこうして3人に会えたのは好都合、それになし崩し的とはいえここは食堂、生徒たちが多くいる。月光と閃光の情報を得られるかもしれないからね」
「そうそう、あたしらもそうしようって思ってたところなんだ」
「だからこうしてここに来たんだ~」
「情報を掴むには持って来いだからな」
若干紫苑に便乗するように四季たちも同意する
「よし、ではまずは聞き込みと行こうか」
こうして紫苑たちは月光と閃光の情報を得るべく聞き込みをすることにしたのだった