サベージ妖魔との戦いを終えた佐介は次なる戦いのために修行していた
さらに佐介に至ってはあの戦いからいくらやってもできないあの力を使いこなすための修行も行っていた
そんな中、佐介の前に二人の人物が現れ、佐介を強襲するとともに持っていた網で拘束した
それにより勝ちを確信していたが、飛鳥たちの乱入、おまけに捕まえたと思っていた佐介は彼の使った変わり身の術であり
二人は自分たちがあわてふためく間に背後に回っていた本物の佐介に捕まえられてしまった
しかし、片方が抵抗するように暴れ、その際に顔を隠すために巻いていた布が解れて素顔を晒してしまった
その時、その顔を見た佐介は知った顔だったこともあり驚きの顔を浮かべた
さらに案の定、もう一人も佐介の知る顔であり、突然の事態に困惑するのであった
「な、なななな、なんでチェルシーちゃんとレイナちゃんがここに?」アタフタ
「あ、それはですね」
「決まってんじゃん。日本に留学のために来たんだよ~♪」
「りゅ、留学~?」
チェルシーとレイナは自分たちが日本に留学のために来のだと説明した
「あの~佐介くん?」
「っ、なにかな?」
「いや、何かなじゃねぇだろ?」
「さっきからお前らだけで話しを進めてるようだがそろそろ説明しろ、そいつらはなんなんだ?」
しびれを切らした飛鳥たちが佐介に二人との関係を尋ねる
「そうでしたね。えっとこの子達はといいますと」
「はぁ~い♪いつもニコニコスマイルがもっとう。元気一杯のチェルシー・ポットで~す♪」
「ず、随分と元気のいい方ですね?」
佐介が紹介するよりも早く自己紹介をするチェルシーのそのテンションに飛鳥たちは少々驚きの表情を浮かべていた
そして次はもう人の自己紹介が始まった
「み、みなさんこんにちは、先ほどはどうもすみませんでした…レイナ・ポットと申します」ペコ
「僕たち双子なんだ~、ね~レイナ~♪」
「う、うん」
元気一杯なチェルシーに比べ、双子のレイナはおとなしい感じだった
「二人とは僕が師匠と度を続けていた修行時代に会ったんだ」
「修行時代?」
「修行時代って確か…?」
「そうです。僕が海外に行っていた頃です」
飛鳥と斑鳩は以前そう言う話しを聞いていたので思い出してハッとなる
「僕がふたりと出会ったのは日本を離れて2年目のことです。飛鳥ちゃんたちには話しましたが、2年目、つまり今から3年前、ちょっとしたトラブルがあって、僕は師匠とはぐれてしまいまして、師匠と再会するまでお世話になっていたのがこの二人の家だったんです」
「この二人の家に?」
「そうなんだよね~。僕とレイナが偶然行き倒れた佐介を見つけて家に連れてってあげたんだ」
「それからざっと一ヶ月は私たちと一緒に生活してたんです」
佐介たちが自分たちがであったきっかけを説明する
「なるほど、そんなことが」
「ちなみに僕たちこう見えても結構腕が立つんだよ」エッヘン
「えっ?そうなの?」
「えっ、えぇ…佐介兄さま指導を受けたことがありまして」
話しを聞いて飛鳥たちも佐介と二人の関係を知った
さらに二人が佐介から忍としての知識を教わったと聴かされた
「でもチェルシーちゃんにレイナちゃん。留学のために日本に来たってのは聞いたけどどこに留学するの?」
「海外から来たということは
飛鳥と斑鳩が二人に尋ねる
「違う違う。僕たちはこの学院に留学しに来たんだよ」
……
「「「「「「えっ?」」」」」」
「だーかーら~、僕たちはこ・こ・に留学するんだよ」
「「「「「「えぇぇぇ~~~!!!!????」」」」」」ビックリポン
想いにもよらない答えに佐介たちは驚く
「むぅ~なにさ全員して同じような反応しちゃってさ」
「この場合仕方ないと思うけど」アハハ
佐介たちの驚く姿にちょっと不満を抱くチェルシーをレイナがなだめるのだった
その後、佐介たちは急ぎ霧夜のもとに向かった
いったいこれがどういうことなのかを確かめるために
「すまない、実はいろいろあって報告が遅れてしまったんだ」
「じゃあ本当に?」
「あぁそうだ。では改めて俺から紹介しよう。今日から新しくこの学院の忍学科に入ることになったチェルシーとレイナだ。二人は明日からお前たちとともに忍を学ぶ仲間となる。みんな仲良くしてやってくれ」
「「「「「「はい!」」」」」」
そして問いただした結果二人の入学は本当のことらしく
明日から自分たちとともに忍を学ぶことになったようである
「さて、とりあえず今日の授業はここまでだ。お前たちには二人を学生寮まで連れて行ってもらう。これから寝食をともにするのだ。いろいろ教えてやってくれ」
「「「「「「はい!」」」」」」
霧夜はそう言い残し、その場を去っていった
佐介たちは言われた通り二人を学生寮まで連れてきた
「さぁ付いたよ、ここが学生寮だよ」
「へー、ここが〜?」
「素敵なとこだね。たしか日本ではこういうの『風流』って言うんだっけ?」
「うーん。風流かどうかはよくわかんないけど、とりあえず中に入ろうか」
そういうと全員が室内に入って行った
「うわぁ~、中も綺麗なんですね~?」
「当然さ!なんたって毎日佐介が綺麗に掃除してんだもんな!」エッヘン
「いや、あなたが威張ってどうするんですか!」ベシッ
「ぐぇ!?」
佐介のしたことをまるで自分のように得意気に話す葛城に斑鳩が突っ込みを入れる
「じゃあ二人を部屋に案内するのは私がするね」
「わかった。まかせたよ飛鳥ちゃん」
「うん」
そうして飛鳥が二人を部屋へと案内しにいった
「ここがチェルシーちゃんとレイナちゃんの部屋だよ」
「へ~ここが~?」
チェルシーがドアを開けると部屋は最低限の家具があり、人気はないが中はしっかりと掃除の手が加えられていた
「ありがとうございます」ペコ
「ううん。気にしないで、これから一緒に過ごす仲間なんだから。じゃあ私は部屋に戻るから」
飛鳥はそう言いながら部屋に戻ろうとすると
「あっ、ちょっとまって」
「っ?どうしたの?」
突然チェルシーが飛鳥を呼び止めた
「いや~ちょっちお風呂はいらせて欲しいんだ。僕もレイナも汗かいちゃったからさ」アハハ
「あぁなるほど、うんわかった案内するからついてきて」
そう言いながら飛鳥の後に続いて二人は風呂場に到着した
「じゃあゆっくりしてってね」
「サンキュ~♪」
「ありがとうございます」
二人のお礼の言葉を受け取りながら飛鳥はその場から立ち去っていった
飛鳥がいなくなってから数分たった時だった
「ふぅ~。今日はいっぱい汗をかいちゃったからお風呂にはいって疲れを洗い流そう」
佐介が一日の疲れを洗い流そうと風呂場についた
ドアを開けて中に入るとふと違和感を感じた
「あれ?灯が付いてる…それに、誰か入ってるみたい?」
浴槽のドアから人影が一つ見えた
「もしかして霧夜先生かな?なるほど、それならなっとくだ」
以前から霧夜もここの浴槽を使っているので佐介は気にせず
衣服を脱ぎ、下半にバスタオルを巻いた
「よし」
準備が整いいざ浴槽へ
「霧夜先生、お仕事お疲れ様です。よければ背中をなが…し、ますよ?」
しかし浴槽に入った佐介が見たのは霧夜ではなく
「あっ…」
シャンプーで髪を洗うレイナの姿が
「れれれれれれれ、レイナちゃん!!!???」アタフタ
「さ、佐介兄さま!?」アセアセ
「なななななな、なんでレイナちゃんが男湯にぃぃぃぃ!?」
「お、落ち着いてください!?」
その瞬間、佐介は顔を真っ赤にし、混乱してしまい
レイナがなだめようとするも全く効果はなかった
「はっまさか!僕は男湯に入ったつもりが本当は間違えて女湯に入っちゃったのか!?」
「ち、違うんですよ兄さま!?」
「ご、ごごご、ごめんなさいレイナちゃん失礼しました!!」
「ちょっとまってください兄さま!?」
HIEEEEEE~
再度佐介を止めようとするもやはり話しを聞いてはくれず大慌てで隣の部屋に行ってしまった
「はぁ…はぁ…危なかった~。危うく僕は男として最低なことをするところでした…でも今度こそ大丈夫でしょう」
今度こそ間違いないと言わんばかりに佐介はドアに手をかけた
「さて、今度こそ汗を洗いなが…そう?」
「えっ?」
ドアを開けた瞬間、佐介は再び固まった
なぜならドアを開けた先には今まさに体を洗おうとするチェルシーの姿が
沈黙が続く中、段々とチェルシーの顔が真っ赤になっていく
「あっ、えっと~?これはどういう?」
「なにジロジロ見てんだよこのスケベやろうが!!」
「ゲフッ!?」ドテチィン
理解できない状況に小首をかしげる佐介にチェルシーが近くの桶を投げつけ
見事にクリーンヒットし、佐介はその場に倒れ込む
「まったく、そんな趣味があったなんて信じらんねぇ!このスケベ大魔王が!!」
「ちぇ、チェルシー!?」
「なになに!?どうしたの!?」
「って、佐介!?何やってんだよお前!?」
様子を確かめにきたレイナや物音に気づいた飛鳥たちが駆けつけ事態は騒然としていた
「「「「「「な、なんだって!?レイナ(ちゃん)(さん)は男の子ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!???」」」」」」
「…はい」ソワソワ
あれからいろいろあってようやく目が覚めた佐介も交えてレイナが自らの性別を明し、自分が女の子ではなく男の子だと明かした
そしてチェルシーとレイナの口からことの顛末を聞かされた
飛鳥が去ってからすぐのこと
「じゃあレイナ、ささっと入ろうか?」
「あ、あのねチェルシー、そのことなんだけど」ソワソワ
「うん?」
レイナとともに風呂場入ろうとしたチェルシーだったが
その時、レイナがチェルシーに語りかけた
「もう私たちも中学生なんだし、いい機会だからこれを気に
「えぇ!?」
レイナのその言葉にチェルシーは驚く
「大丈夫だよ、部屋は一緒なんだし…ね?」
「ちょ、レイナどうしちゃったのさ!?」アタフタ
「どうもしないよ、ただ私たちが成長するためにもこういうことからしてかなきゃいけないと思うから」
「で、でもさ~」アタフタ
チェルシーを説得するレイナだったが、当のチェルシーは不満そうな顔をしていた
「それじゃ、また後でねチェルシー」
「ちょ、レイナ、レイナってば~」
必死に自分を止めようとするチェルシーの静止を振り切り男子浴室に入り、その数分後に佐介が訪れた
これがこの事件の真相であった
「しっかし、驚いたな~?このなりで男なんてな?」
「よく言われます」
「ちょっとちょっと、レイナが困ってんじゃんか、離れなって!」
男だと判明するやいなや物珍しそうにレイナを見る葛城たちからレイナを守ろうとするチェルシーだった
「月閃の紫苑という方といい勝負ができるかもですね?」
ヘックシュン!
ドウシマシタシオン?
ダレカガウワサシテルヨウナキガスル?
「佐介兄さま。私のせいですみませんでした」
レイナが佐介に謝罪をした
「ううん。僕のほうこそ知らなかったとは言えごめんなさい」
「知らなかったですんだら警察はいらないけどね~」ギロ
「ウグッ!?」グサ
「チェルシー、佐介兄さまも悪気があったわけじゃないんだから許してあげて」
気にする必要ないと言い聞かせる佐介にチェルシーが言葉の針を突き刺した
それを見て彼女をなだめようとするレイナだった
こうして半蔵学院にチェルシーとレイナ。双子の姉弟忍が新たに仲間に加わったのであった