月光と閃光たちと紫苑たちが接触した日より早数日の時が過ぎた
シノビマスターズへと向け、それぞれがその日に向けての日々を過ごしていった
そしてついにその日がやってきた
バンッ!バンバンッ!!
場を盛り上げるファンファーレが鳴り響く暗い会場が徐々にスポットライトの光に照らされていく
ガッチャン!!ガッチャン!!
直後、二つのスポットライトがステージに光を当てるとそこにはシノビマスターズのために用意された衣装に身を包んだ紫苑たち月閃女学館と相馬たち蛇女子学園の面々が現れた
「ほへ~?なんかライブみたいじゃん?」
会場の雰囲気を目にした四季が率直な感想を呟く
「なになに~?」
「どうしてこんなにショーアップしてるわけ?」
蛇女側である両備と両奈も思ったことを口にする
「はぁ~…かったり~な、これがゲームとかのような大会だったらテンションも上がるってのによ~」
「それ…わたしも、わかります」
「分かるな!まったく、お前たちここまで来たんだからいい加減腹を括ったらどうなんだ?」
「はいはい、わかってますよ~だ」ブツクサ
さらにはこの場に着ておいてあからさまに嫌な顔を浮かべる相馬と紫に対して忌夢が叱咤を入れていた
「気を付けて、何が起こるかわからない。十分に注意をしておくように」
「そうですね。ここは敵地。いつ何が起こるかわからないですからね」
紫苑たちのほうは皆に警戒を怠らないように注意を促していた
「慎重になる、臆病者に最強の座は掴めんぞ?」
すると紫苑たちの会話を聞いていたのか雅緋が他のメンバーを引き連れて歩み寄ってきた
「お言葉ですが雅緋さん、僕たちは称号を目当てにここに来た訳じゃないですよ」
「えぇ、私たちの目的はあくまでも半蔵学院のみなさんを助けるためです」
雅緋の煽りに対してあくまでも紫苑たちは飛鳥や佐介のためにも半蔵学院の皆を助けることが目的だと主張し
双方ともにステージの中央までくると互いに向かい並び立っていた
ガッチャガッチャン!!
直後、奥の方にライトが照射され、そこに月光と閃光が現れた
皆の視線が一斉に中央の2人に注がれる
「この大会を見なければ!善も悪も語れない!」
「最強の忍を決めるシノビマスターズ!いよいよ開幕です!」
月光と閃光がマイクを手にそう言った瞬間、会場内にファンファーレが響き渡る
「今、全世界の忍がこのシノビマスターズに注目しております!」
中継する月光が語った通りにこの映像は忍たちに向けて発信させられていた
「どう言うことだ?」
「あれは忍専用の動画サイトの生放送画面です」
辞退が飲み込めていない雅緋に紫が説明をいれる
すると鳴り響いていたファンファーレが終わり、一瞬場に沈黙が訪れる
「それではこれより開会宣言を行う!」
数秒の沈黙の挟んだ後、それを破るように閃光がシノビマスターズの開会宣言を行うことを告げる
その直前だった
月光と閃光が左右同時に一歩距離を取るとその背後からやってくる人影があった
「ようこそ、名だたる忍の皆様。私は”雪不帰”。この大会の主催者です。最強の忍を決めるため、数多の忍学校の中から私の目に敵った強者たちをこの場に招待いたしました」
紫苑たちの前に姿を現したのは以前、彼らのあずかり知らぬところでかぐらと一戦交えていたあの女性だった
雪不帰は紫苑たちや相馬たちに自分の目利きによってこの大会に呼ばれたのだと聞かされた
「…っ?」
「雪泉、どうしたの?」
「いっ、いえ、なんでもありません!?」
最中、雪不帰の顔を見た雪泉が何かを感じた
彼女の様子に気づいた紫苑が声をかけるも雪泉は必死になって問題ないことを伝えた
その反応を見て紫苑は不安そうな顔をしながらもそれ以上は追求しなかった
「(…どうしてでしょう?私、あの人のことどこかで?)」
紫苑を不安にさせたことに少しいたたられない気持ちになりつつも雪泉は再び雪不帰の方に視線を向けた
既視感の拭えない雪不帰の顔、しかしどこで会ったのか雪泉はなかなか思い出せずにいた
「それではこれよりシノビマスターズの開会します!」
そして雪不帰がシノビマスターズの開会を宣言した時だった
閉じられていたシャッターが開き、同時に花火が撃ちあがり、シノビマスターズが開会された
「鍛え上げられた「個」の力と築き上げた「絆」の力、シノビマスターズは最強のチームを決めるための大会です。五体無事で帰れる保証はありませんが、皆さん覚悟はよろしいですか?」
雪不帰が選手たる紫苑たちにシノビマスターズがどういうものかを改めて説明し、それに伴うリスクについてを語った
「もちろんだよ!」
「――っ」ピクッ
「「「「「「「「「「――っ?」」」」」」」」」
するとどこからともなく聞こえる声に皆の視線が行く
「随分と派手に盛り上がってるようだな?」
「ウチらも参加させてもらうっすよ!」
「文句は言わせないからね」
見るとそこには蓮華、華毘、華風流の巫神楽三姉妹がいた
「な、なんであいつらがここに!?」
「いや、よく見ろ、他にも何人かいるぞ?」
思いもよらない人物の登場に相馬が驚く中、雅緋がその横にいる3人の人物に注目する
「おいおいおい、ここはパラダイスか?かわい子ちゃんがわんさかいるじゃねえか?…野郎も若干居るみたいだがな?」
「貴様、空気を読むということはできんのか?こんなところでふざけている場合か?」
「こらこら、2人とも喧嘩しないの~」
そこには巫神楽三姉妹と並び立っているかぐら、奈楽、疾風の3人がいた
「あいつらいったい誰なんだ?」
「さぁな。だがわかることがあるとすれば戦う相手が増えたということだろうな?」
巫神楽三姉妹とともにいる3人のことが気になるところではあるが、今わかることは参加者が1組加わったという事実だった
「…来ると思っていましたよ」
「うん。この間の約束、忘れないでね!」
紫苑たちと相馬たちが状況を理解しきれていない間にかぐらと雪不帰は会話を交わしていた
「…おや?どうやらゲストの方がいらっしゃっているようですね?」
何かに気づいた雪不帰がそう呟くと同時に観客席の方にスポットライトが照射される
「――っ!?」
「えっ、あ、飛鳥さん!?」
観客席の中から現れたのはなんと飛鳥だった
かぐらたちの参加に加えて突然現れた飛鳥に場はさらなる混乱に包まれるのだった