第二試合
雅緋がかぐらたちの馬に飛び乗るという想像もできない事態に発展する
「ちょ、ちょっとこれ反則じゃないの!?」
自分たちが作り上げた馬の上に自軍の大将であるかぐらのみならず敵側の大将である雅緋が乗っていることに華風流が抗議する
「おいおい、何言ってんだよ。忘れた訳じゃないだろ?これは
「そ、そんな~」
しかしアピスがこれはあくまでも騎馬戦であるが故に馬に乗っている限りは何をしても問題はないと華風流の抗議を却下する
「ルールの穴を突いて来るなんて流石は雅緋ちゃんだね!」
「それほどでもない、それよりも余裕ぶっている暇などあると思っているのか!」
「おわっと!」
手にしたこの好機を逃すまいと雅緋が刃を振るう
それに対してかぐらは紙一重でそれを躱すと空中に舞う
「逃がすか!」
雅緋が後方へと飛んだかぐらを追いかけるべく、奈楽たちの作った馬を足場に宙へと舞う
互いの陣営の他のメンバーたちも大将である雅緋とかぐらの元に集って行く
「はああぁぁぁぁ!」
間合いを詰めつつ雅緋が手にする刃に力を込める
「えーい♪」
「なっ、ぐうっ!?」ビリッ!
しかしその刃を振るうよりも先にかぐらが頭突きを繰り出しその直撃を受けた雅緋はダメージとともに
胸から腹当たりの服が消滅した
「「――っ!!」」
一方その最中、蒼馬と疾風が尚も交戦を続けている
「そぉら!」
「ふっ!」
直後、蒼馬と疾風が互いに蹴りを繰り出し、激突する
蹴りの打ち合いからすかさず両方ともに距離を取る
「(向こうは派手に暴れているようだな。なんとかして加勢したいところだが、この状況ではそうもいかんか)」
戦闘を繰り広げる中、蒼馬ははす向かいのほうで同じように戦っている雅緋たちに何とか力を貸してあげたいところではあるが
如何せん相手が疾風であるが故にそれもままならなかった
「俺様を足止めしておいてまだ欲張ろうとか思ってねぇかお前?そんなことされちゃ俺の立つ手がない。いい加減にしやがれよ!」
シャリリリリリリリ!
「くっ!?」
まるで心を読んだかのような発言をするとともに疾風がチェーンを繰り出し、蒼馬がそれを躱す
「――っ!!」バキュン!
「おっと!?」
蒼馬も負けじと反撃の射撃を放つも、先の自分と同じように疾風もこれを躱す
「
打ち出したチェーンを回収すると同時に身を一回転させながら薙ぎ払いの一手を繰り出す
「――っ!?」
それを見た蒼馬が身を屈ませることでこれを回避する
「よく躱したな…だが、この後はどうするかな?」
「…――っ!?」
疾風が意味深なことを言った直後、蒼馬の周囲に影が広がりだし
何事かと上を見るとそこには先の疾風の薙ぎ払いによって倒された柱たちが瓦礫となって落ちてきているところだった
「くぅっ――っ!?」
ドドォォォォン!!
次の瞬間、凄まじい音とともに土煙が舞う
数秒後、土煙が晴れるとそこには崩れ落ちた瓦礫の山が出来上がっていた
「あらら、こりゃちょっとやりすぎちまったかな?」
積み重なった瓦礫の山を見ながら疾風は蒼馬が今頃ぺちゃんこになっているだろうことを想像する、
しかしその時だった
「「――っ!!」」
「……っ!?」
突如、疾風の頭上の左右から落下してくる二つの影が
疾風はそれに気づくと咄嗟に地面を蹴り、後ろに後退する
直後にものすごい轟音が響く
「あぁくっそ、逃げられた!」
「仕損じてしまったか」
土煙が晴れるとそこには相馬と蒼馬がいた
「おまえらどうして、瓦礫の下敷きになったんじゃねぇのかよ?」
「へっ、みくびってんじゃねぇよ!こちとら瓦礫が落ちる直前にアオと分裂して回避してたんだよ〜だ!」
「そういうことだ」
相馬たちは自分たちが今に至る経緯を疾風に説増し、まんまと鼻を明かしてやったと言った顔をする
「まったく、性懲りもないガキどもだな…ってかおい、審判員さんよ?奴さん分裂したけどこれってありなのか?向こうは1人増えちまったんだが?」
ムッとした顔を浮かべながら疾風がアピスたちに問いただす
「それに関しては元々個人が持つ能力の一部だから問題はない」
「てなわけで試合に関しては問題ないってこった」
「…あっそ」
能力だから合法だと言う判断に腑に落ちないようではあるが渋々納得した
「雅緋、こいつは俺たちが全力で押さえておく、だからお前たちはかぐらに専念しろ!」
「わかった。では任せるぞ!!」
疾風を足止めすると告げ、蒼馬たちは雅緋たちにかぐらを任せた
雅緋たちのほうもその言葉を信じてかぐらたちに専念する
「おいおい、いいのか?お仲間さんたちの前でそんな短歌きっちまって?それともマジで俺を食い止められるとでも思ってんのか?」
「俺ははっきりとそう言ったはずだが?」
「思う思わないはこの際どうでもいいんだよ。ガラじゃねぇが、あいつらのサポートしなきゃなんねぇからさ。てなわけで今日のノルマはとりあえず……テメェをぶっ飛ばす!」
「へっ、言うじゃねぇの?そういうやつは好きだぜ俺様よ。だったらやってもらおうじゃねぇの!!」
自身を足止めすると言ってのける相馬たちに疾風は突っ込んでいった
一方、蒼馬たちに疾風を任せた雅緋たちはかぐらたちと接戦を繰り広げていた
「はぁああああああ!!」
「えへへへへ~!」
ドドォォォォン!!
2人のぶつかり合いによって凄まじい衝撃波が発生する
「お~っと。これはなかなかに接戦しているようだぜ。視聴者もハラハラドキドキだろうな~!」
この光景を見ていたアピスがそんなことを呟いていた
「しまった!?」
衝撃と衝撃のぶつかり合いを制したのはかぐら、撃ち負けた雅緋が落下する
「雅緋!!」
「忌夢、すまない!」
間一髪のところで忌夢が肩車の形で雅緋の馬となり、危機を脱した
「これくらい当然さ…雅緋のためなら♪」
……若干邪な笑みを浮かべる忌夢を除けば
「あははは♪」
そんな中、せめぎ合いを制したかぐらが宙を舞う
「よいしょっと♪」
かぐらが一人で二ある場所に降り立つ
「……っ」
「「――っ!?」」
「なっ…あいつ」
彼女が降りた場所、そこは雪不帰たちのいるところだった
「「……っ」」
互いを見つめ合うようにかぐらと雪不帰がその場に佇む
「ねぇ、地面に落ちたからこれって負けだよね?」
困惑する運営陣営を他所にかぐらが自分が負けたことを尋ねていた
「だ、第二試合、勝者「蛇女子学園」!!」
ハッと我に返った月光が試合の勝者を告げ、試合は相馬たちの勝ちに終わった