シノビマスターズ第三の試合が発表された
その名は
互いに大将を夜桜と雅緋に据え、試合が開幕したが、開始早々に壮絶な光景が繰り広げられていた
ババババ!!
「ぐ、ぬぅぅぅぅぅ!?」
「弾が出る出る。止まらないよ~ん♪」
「【リコチェットプレリュード】!!」
両備と両奈の姉妹の連携が夜桜を苦しめる
回避しようにも次々と繰り出される弾幕の雨に身動きが取れず仕舞いだった
「夜桜さん!」
「おっと、行かせないぞ!」
「――っ!?」
加勢に入ろうとする雪泉を雅緋が妨害する
「残念だったな雪泉、私を足止めして勝利を手にしようという魂胆だったんだろうが逆にこちらの罠にはまってしまって、さらにはお前たちの頼みの綱の紫苑もうちのが足止めしてくれている。お前たちに勝ち目はない!」
「くぅっ…」
雅緋の言う通り、今の現状は月閃にとってこの上ないほど最悪の状況だった
「誰か…助けてぇぇぇ!!」
シャリリリリリリリ!!
「ぬぅぅぅぅ!?」
「うぅっ、3対2なのにこっちが押されちゃってるよ~!?」
「マジどうなってんの!?」
叢、美野里、四季の3人も夜桜を助けたい気持ちはやまやまではあるものの
立ちはだかる紫の猛攻に押されてしまっていた
「えい!」
「ぐっ、ぬあっ!?」ザパァァン!!
「むらっち!?」
紫の追撃に応戦する叢だったが、二段構えの攻撃に対処しきれずそのままプールに落ちてしまった
「お姉ちゃんと一緒なら……負けない」
「紫、頼もしくなって…よし、ボクも負けてならないな!」
妹の成長した姿を見て忌夢は誇らしさを感じる
そんな紫の頑張りに応えるべく忌夢も仕掛ける
「ローリングサンダー!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」
忌夢が雷を纏わせた根を投げつけるとそれが美野里に命中する
攻撃を受けた美野里がそのままプールに落下し、叢同様にすっ裸にされてしまった
「お~っと、ここで早くも月閃のメンバー2人が脱落してしまった!勝利を手にするという蛇女の猛威が月閃を追い込んでいく~!!」
2人がやられてしまった様子を見ていたディラが実況で状況を説明する
「(まずい、こっちが押されてしまっている。なんとかして加勢に入りたいところだけど!?)」
雪泉や夜桜、さらには叢と美野里が脱落させられてしまったことにより四季のほうもピンチに追いやられている
なんとかしてこの危機的状況をどうにかしたいと思う紫苑だったが、ことはそう単純にはいかない
自分も今は相馬の放ったローブ付の刃に拘束されて身動きが取れない
「紫苑、お前の魂胆は見え見えだぜ。何とかして俺のこの拘束から抜け出てあいつらを助けてやろうってところだろうが、俺がこうしている以上お前に行動はさせねぇぞ!」グィッ!
「ぐぅっ!?」ギュッ
相馬は紫苑の考えを把握したうえでそれをさせまいと拘束中のロープをぐっと引き寄せる
それによりロープが先ほどよりもぎちぎちになり縛りを強めていく
「お前はそこで大人しく俺たちが勝利する瞬間を眺めてな!」
「うぅっ……ま、負けられ…ない!」
踏ん張りを見せる紫苑が視線を逸らすとそこには自分たちの試合を見ている飛鳥がいた
さらに脳裏には佐介の背中が浮かび上がる
「僕たちは、勝って…そして、半蔵のみなさんを助けるんです!」グヌヌ
「こ、こいつ!?」
飛鳥との約束を果たすという思いが紫苑の底力を呼び起こしだす
在らんばかりの力を籠め、身体を縛り付けるロープを解こうとする
思い通りにさせまいと相馬も縛り付けを強める
しかしそれでも紫苑は屈せずにもがき、縛られた状態のままに両手を重ね合わせる
「……――っ!」
手を重ね合わせ、印を結んだと同時に紫苑が精神を集中させ、念じる
ブクブクブク……ブシュゥゥゥゥゥ!!
すると次の瞬間、フィールドを覆いつくしているプールから水柱が巻き起こる
そして発生した水柱がまるで意思を持つかのように相馬のほうへと飛んでいった
「なっ!?」
迫りくる水柱に気づいた相馬が驚きの顔を浮かべる
「くっ――っ!!」バッ
危険を感じ取った相馬は渋々ながら回避のために紫苑の拘束を解き、すぐさまバックステップを取る
だがその際に回避がワンテンポ遅れたからか左わき腹部分のほうに水柱の一部が当たってしまい、その個所の衣服が溶けてしまっていた
「やろう、まさかプールの水を利用して俺の拘束から抜け出すとは」
してやったと思っていた相馬だったが、紫苑の思わぬ行動に度肝を抜かされた
「…――っ!」
相馬の拘束から抜け出した紫苑は視線を向けた先は四季を襲う忌夢と夜桜のいるほうだった
「はぁぁ……はぁぁあああああ!!」
刹那、紫苑は先ほど発生させた水柱を念力で操り、それを勢いよく投げつけた
「な、なんだあれは!?」
「こっちに…くる!?」
紫苑の操る水柱は生き物かの如く押し寄せてくる
忌夢と紫はやばいと感じ、すぐさま散開する
「危なかった…」
水柱を回避した紫が柱の上で安堵したように一息付く
「ダメだよ紫ちん」
「――っ!?」
しかしその安堵が背後から語りかけられる声によって一気に吹き飛んだ
「油断大敵!!」
「きゃあああっ!?」
「紫!?」
背後を取った四季の一撃を受けた紫がそのままプールに落下する
「い、いや……////」
プールから産まれた時の姿となった紫が上がってきた
「くっ、よくも紫を!許さんぞ!!」
妹の敵と言わんばかりに忌夢が四季に向かって突進する
「負けないよ~!!」
対する四季も受けて立つと言わんばかりに前進する
刹那、2人がぶつかり合う
その度に金属と金属のぶつかる音が響き渡る
「やるな!」
「そっちこそ!」
両者とも一歩も引かぬ攻防が繰り広げられていく
ある程度打ち合ったところで双方がいったん距離を取る
「(このままでは埒が明かないな)」
「(体力もそろそろ限界だしここは)」
「「(一気に勝負を決める!)」」
忌夢と四季の意識が一致する
「いくぞ四季!!」
「来なよ忌夢ちん!!」
ケリをつけるべく忌夢と四季が同時に動き出す
「はぁぁあああ!!」
「てやぁぁぁぁぁ!!」
次の瞬間、2人の最後の一撃が同時に繰り出された
互いの放った攻撃がぶつかり合い、衝撃波を生んだ
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
発生した衝撃波により忌夢も四季、どちらも吹き飛ばされてしまい、そのままプールに落下してしまった
「し、しまった///!?」
「マジありえないんですけど///!?」
2人の勝負の結末は相打ちという形で幕を下ろすことになったのだった