閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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姉妹の目指した正義 

雪泉が月光と戦闘を繰り広げる傍ら、飛鳥もまた閃光と激しい戦いを繰り広げる

 

 

攻めても守っても応戦する閃光に飛鳥の苦戦は必至だった

 

 

その最中、佐介が閃光に彼女たちが騙されていると告げ

 

 

自分たちを騙していると聞かされて憤慨する閃光を負けられないと奮闘する飛鳥が立ちはだかる

 

 

 

 

シャリリリリリリリ!!

 

 

 

「くっ!?」

 

 

飛鳥が閃光との火花を散らす中、雪泉もまた苦戦を強いられていた

 

 

 

クルルルルルルル!ドォォオオオオ!!

 

 

 

「うぅぅっ!?」

 

 

 

襲い掛かる月光の傀儡である藁人形(ジュジュ)が容赦なく雪泉を攻撃するからだ

 

 

「世界中の忍学生の皆さん、これが真の正義を心に宿す者の強さです!悪に傾く者、悪と交わる者、そして…”正義という言葉に甘えている者”皆、目を覚ましてください。真の正義とは”力”それを白日の元に晒すことこそが”シノビマスターズ”の意義なのです!」

 

 

雪泉がジュジュに追い込まれる中、月光がこの中継を見ているであろう世界中の忍たちに自分たちの掲げる正義こそが

 

 

真の正義だと知らしめる舞台こそがこのシノビマスターズなのだと告げる

 

 

「(これでよし、あとは先輩たちに勝利すれば私たちの信じる正義こそが正しいことがより信憑性を増すでしょう)」

 

 

勝利を確信し、これから起こるであろうことを月光は頭の中で考えていた

 

 

 

パキィィイイイイン!!

 

 

 

しかしその直後、凍てつくような寒さと何かが固まる音が聞こえてくる

 

 

「ジュジュ!?」

 

 

見るとそこには押されていたはずの雪泉がいつの間にか巻き返し、ジュジュを氷漬けにしている姿があった

 

 

まさかの事態に月光は困惑した

 

 

「…雪泉先輩、なぜですか?あなたも黒影様のように悪を憎んでいたのではないのですか!?」

 

 

動揺を隠せなずにいる月光が思わず雪泉に問うた

 

 

「人や世界が変わること、それはいけないことなのでしょうか?」

 

 

「えっ?」

 

 

その問いかけに対し、雪泉が質問を質問で返すように月光に語りかける

 

 

「私は変わってもいいと思っております。それが正しく意味のあるものであるのならば…」

 

 

「雪泉先輩、あなたはどこまで黒影様のことを愚弄するつもりですか!許せません!!」

 

 

雪泉のその言葉に納得のいかない月光がそれを黒影に対する冒涜であるとこれに月光する

 

 

三門鏡を展開させるとそこから反射したビームを放つ

 

 

「これで仕留めます!!」

 

 

放たれたビームが一直線に雪泉へと向かって飛んでいく

 

 

「「「「雪泉(ちゃん)(ちん)!?」」」」

 

 

危機が迫りくる雪泉を見て夜桜たちが心配のあまり声を上げる

 

 

「(雪泉、僕は信じてる。君は負けないって!)」

 

 

だがそんな中で唯一紫苑だけはこの光景を前に慌てた様子を見せてはいなかった

 

 

この局面を雪泉ならば凌ぐだろうと絶大な信頼をよせていたからだ

 

 

「倒れる訳には…参りません!!」

 

 

 

パキキキキィィイイイン!!

 

 

 

刹那、雪泉が月光の攻撃に対して氷の壁を発生させる

 

 

押し寄せるビームが氷の壁に当たる

 

 

しかしその直後に反射板のように氷の壁がビームを反射させて、逆に月光のほうにへと打ち返した

 

 

「な、なんですって!?」

 

 

まさかの事態に月光は驚きを隠せない

 

 

反射したビームが今度は月光に迫りくる

 

 

その時だった

 

 

 

シュン!バッ!

 

 

 

「ジュジュ!?」

 

 

雪泉がビームを反射したことで氷から解放されたジュジュがビームから主である月光を守るために自らを盾にするかのように身構える

 

 

 

ビュォォォオオオオオオ!!

 

 

 

「うぅっ!?ひゃあぁぁぁぁぁ!?」

 

 

次の瞬間、跳ね返されたビームがジュジュを直撃する

 

 

必死に防ごうとするジュジュだったが、勢いを殺すことは敵わず、背後にいる月光とともに後方へと吹き飛ばされてしまった

 

 

「ぐっ、ぬぅぅぅ…ま、まだ、勝負は…終わっていません――っ!」

 

 

地面に叩きつけられたダメージを負いながらも月光は身体に鞭打って立ち上がろうとする

 

 

「私たちは黒影様の信念を貫き、この世界を”善”で染め上げるのです!だからここで、こんなところで負けるわけにはいかないのです!」

 

 

自分たちの掲げる正義のためならばと月光はその意思の元になんとか起き上がり、雪泉に決意を込めた眼光を向けていた

 

 

「(似ている…)」

 

 

「(彼女たちを見ているとまるでかつての自分を見ているようだ)」

 

 

先の月光の言葉を聞いた雪泉と戦いを見守る紫苑は彼女たちにかつての自分たちを重ねて見ていた

 

 

悪を良しとせず、ただひたすらに善だけが存在する世界を志していたあの頃の自分たちと

 

 

「ふっ!はっ!せいっ!!」

 

 

「うっ、うぅぅ!?」

 

 

一方、その傍らでは閃光の猛攻に飛鳥が押され始めていた

 

 

「こいつで止めを刺してやる!!」

 

 

次の瞬間、閃光が名は体を表すかのように凄まじい速度で四方八方を行き来しながら飛鳥を追い込んでいった

 

 

何発もの攻撃を受け、飛鳥の身体はこれでもかというくらいに痛めつけられてしまう

 

 

これを食らってはもう立ってられないだろう、そう閃光も思っていた

 

 

「ぐぅっ!!」グヌヌ

 

 

「なっ、なに、まだ倒れないだと、どういうことだ!?」

 

 

あれだけの攻撃を受けて尚、飛鳥が倒れる気配のないことに閃光は驚きを隠せない

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…――っ!!」

 

 

「ぬぅっ!?」

 

 

立っているのも辛いはずだろうにも関わらず飛鳥は刀を振るい閃光に攻撃を仕掛けていった

 

 

 

飛鳥が傷つきながらも閃光に挑む中、雪泉は月光との睨み合いを続けていた

 

 

「悪とつるんではならない、悪はすべて滅ぶべき、この世に存在していい悪などない。黒影様の教えは私たちにとっての道しるべなのです。今も、これからも、私たちが今こうしてあるのは黒影様のおかげなのです。全ては運命だったのです…あの日から」

 

 

月光は過去の記憶を遡っていた

 

 

エリートとして何不自由ない日々を送っていたが、その代償なのか心はどこか満たされず、ただ毎日を過ごすだけの学園生活

 

 

だが、そんな中で月光と閃光は見つけた

 

 

かつて黒影が書き記した一冊の本を、その本との出会いが彼女たちの人生をガラリと変えた

 

 

2人はそれからと言うもの、いつか黒影のような忍になることを目標とし、ひたすらに精進してきたのだ

 

 

「まっすぐで揺るぎなく、それでいて、成し遂げるには過酷な道。純粋なる正義、私たちが目指すものはこれだとそう感じたのです」

 

 

月光は目から涙を流した

 

 

黒影への憧れ、自分たちが目指すべき目標が定まったこの出来事を思い返しながら

 

 

「……黒影様っ」

 

 

そんな月光の言葉を聞いていた紫苑が彼女につられるように黒影の顔が脳裏をよぎるのだった

 

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