閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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第二十七章 絶・秘伝忍法を習得せよ

サベージ妖魔との戦いで一時的に発動させられたあの力を自分の意志で使えるようになろうと修行に励む佐介

 

 

しかし、どういうわけか未だにその力を使いこなすどころか発動すら満足にできずにいた

 

 

紫苑たちとの決戦が近づいているにもかかわらず、何の成果もあげられていない佐介は自分自身に焦りを覚えていた

 

 

だか、その焦りがかえって災いを招く結果となり、飛鳥との間に亀裂を生じることになってしまうのだった

 

 

そんな佐介の元に1人の人物が現れた

 

 

その正体は霧夜に呼ばれた光牙であった

 

 

霧夜が光牙たちを呼び出した理由は月閃との戦いに勝つべく、その手段として佐介たち究極の忍法『絶・秘伝忍法』を習得させるためであった

 

 

こうして月閃に勝つために『絶・秘伝忍法』の習得のため、佐介たち半蔵学院と光牙たち焔紅蓮竜隊の戦いが幕をあけた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全員がそれぞれの相手と共に各修行場に行っていた頃

 

 

「ちぇ〜、いいな〜、これから佐介たちってばすごい技を覚えてるっていうのに。僕らは先生とここで待機しながらおまけにドリルやらされる始末。ほんと貧乏くじもいいとこだよ」プンプン

 

 

「しょうがないよチェルシー、人数的にも私たちがいると数が合わなくなっちゃうし。頑張って一緒にドリル終わらそう。ねっ?」

 

 

「レイナは真面目だな~」

 

 

「もう、チェルシーったら~」

 

 

今回の戦いに不参加となったチェルシーとレイナは霧夜

 

 

居残り組みたいな感じでどうにも釈然としないチェルシーをレイナが宥める

 

 

「安心しろ。後でお前らにもそれなりの修行をつけてやる予定になっている」

 

 

「えっ?マジで?本当霧夜先生!?」

 

 

「あぁ、もちろんだ」

 

 

「よかったねチェルシー」

 

 

しかし、2人に後日ちゃんと修行をすると霧夜から聴かされ、チェルシーもレイナも嬉しそうであった

 

 

そんな二人の喜ぶ顔を見て軽く笑みを浮かべるとまた直ぐ様真剣な表情を浮かべながら佐介たちの行った方を見た

 

 

「(……さて、無事に技を習得できるか、ここからはお前たち次第だ。気を抜くなよ)」

 

 

口にこそ出さなかったが内心では佐介たちのことを心配しつつ、彼らの成長を見守る霧夜であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて。ここならいいだろう。さっ、早速始めるぞ佐介……佐介?」

 

 

光牙たちも修行場にたどり着き

 

 

早速修行を始めようと佐介に呼びかけた光牙だったが、とうの佐介から返事が返ってこない

 

 

不審に思った光牙が見てみると、暗い顔でうつむき、その場に沈黙している佐介がいた

 

 

「おい、聞いているのか佐介!」

 

 

「っ!?はっ、はい!…何ですか?」

 

 

やっと呼びかけに反応した佐介だったが、どうにも上の空状態であった

 

 

「さっきから気になってたんだが…お前、飛鳥と何かあったのか?」

 

 

「っ!?」

 

 

今一番自分が気にしてることを指摘され、尋常じゃないほどの驚きの顔を浮かべる

 

 

「い、いえ!べ、べべ、べつに何でもないですよ!?」アタフタ

 

 

慌てた様子で必死にごまかそうとする佐介を見て少しひきつった顔を浮かべる光牙だった

 

 

「…まぁ、お前らに何があったのか、それは今は置いておこう。そんなことよりも俺たちがすべきことは早く絶・秘伝忍法を習得することだからな」

 

 

「っ、はい…」

 

 

本来の目的を達成すべく佐介と光牙は互いに相対する

 

 

「「忍、転身!」」

 

 

そして忍装束を纏い、構える

 

 

「先手は譲ってやる。どこからでも来い」

 

 

「なら、遠慮なく!」

 

 

光牙の行為に甘んじて佐介が攻めてきた

 

 

「行きますよ光牙くん!」

 

 

「かかって来い!」

 

 

「はぁぁ!…獣王連撃!」

 

 

佐介は両方の拳に獅子を象った気を纏わせ

 

 

その拳で連続パンチを繰り出した

 

 

「やあぁぁぁぁぁ!!」バババババババ

 

 

「っ!!」キンキンキンキン

 

 

佐介の攻撃を光牙は弓を駆使して防御していく

 

 

「はぁっ!」ブゥン

 

 

「っ!?」

 

 

わずかな隙をついて光牙が弓を大きく振りかぶり

 

 

危機を感じた佐介はとっさに距離をとる

 

 

「次はこちらからだっ」

 

 

光牙が意気込みを入れた瞬間、光牙の待っていた弓がスライドした

 

 

「フォトン…」ギュォォ

 

 

そして力を高めていくと弓の刃の部分が光りだした

 

 

「ウェェェブ!!」ギュォォォ!

 

 

「っ!?」

 

 

十分に力を高めたと同時に弓を振ると、粒子の斬撃波が一直線に佐介に向かって飛んでいった

 

 

「くっ!獣波拳!!」ガォォォォ!

 

 

すかさず佐介は防御姿勢を取り、迫り来る光牙のフォトンウェーブに迎え撃つべく獣波拳を放つ

 

 

2人の技がぶつかり合った

 

 

 

 

その刹那

 

 

 

 

ザシュゥゥゥゥン!!!

 

 

 

 

「なっ!?」

 

 

獣波拳がフォトンウェーブに押し斬られ

 

 

勢いはそのままのフォトンウェーブが佐介に向かって飛んでいき

 

 

 

ドバアァァァァァァン!!

 

 

 

「うわぁぁぁぁ!!!」

 

 

技を放った反動で回避すらできずに攻撃をまともに喰らい、大きく後方へと吹き飛ばされた

 

 

「ぐっ…くぅぅ!」グヌヌ

 

 

なんとか起き上がる佐介

 

 

 

 

シュン!シュン!シュン!

 

 

 

 

「っ!?」

 

 

だが、そんな彼を射抜こうと光の矢が襲いかかる

 

 

それをなんとかギリギリのタイミングでかわしていく

 

 

「矢に気を取られすぎだ!」

 

 

「なっ!?」

 

 

「せぇい!!」

 

 

「うぐっ!?」グラッ

 

 

しかし、先ほどの矢の大群は佐介の注意をそちらに逸らす囮であり

 

 

その隙にまんまと懐に入った光牙は渾身の蹴りを佐介の腹部に直撃させる

 

 

佐介はその攻撃によって体をぐらつかせる

 

 

「ぐっ…やあぁぁぁぁ!」

 

 

負けじと佐介も拳を突き出す

 

 

 

バシッン!

 

 

 

「……なっ!?」グググ

 

 

「…」グググ

 

 

しかし、佐介の繰り出した拳は光牙に受け止められてしまっていた

 

 

「ふっ、せい、そい、おりゃあぁぁぁ!!」

 

 

「ぐあぁぁ!!!」

 

 

すかさず光牙が渾身の斬撃を嵐を繰り出す

 

 

佐介はその攻撃によって地を転がった

 

 

「(はぁ…はぁ…つ、強い…光牙くん。いつの間にこんなに強く?)」

 

 

先ほどから為すすべもなくやられていた佐介は光牙の急激な成長に驚いていた

 

 

「どうした?倒れるにはまだ早いだろうに?」

 

 

余裕の表情を浮かべながら佐介を煽る光牙

 

 

「えぇ…まだ…僕はまだやれます!」

 

 

そう言うと佐介は再び巻物を手にし、構える

 

 

「忍…超・(ソウル)転身!!」

 

 

佐介が掛け声を唱えた瞬間

 

 

蒼き炎が佐介を包み込み、振り払うとともに佐介は極限魂(オーバーソウル)へと転身を完了させた

 

 

「…」キリッ

 

 

「ふっ、そうだ。そうこなくてはな」

 

 

極限魂(オーバーソウル)へと変身した。佐介が全力で戦おうとしていることに光牙は歓喜の笑みを浮かべながら構えて佐介を迎え撃つべく

 

 

再度構えをとり、佐介との更なる激闘へと身を投じるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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