苦しい戦いを終え、勝利を手にした雪泉と飛鳥
だがその直後に現れたアピスとの次なる戦いが勃発する
雪泉と飛鳥の代わりに立ちはだかる佐介と紫苑を前にアピスが異形の姿へと変身を果たした
「な、なんなのあれ?」
変化したディラを目にした飛鳥が思ったことを口にする
「月光さん閃光さん、あれはいったい何なのですか?」
飛鳥と同じようなことを想った雪泉がアピスについてのことを月光と閃光に尋ねる
「す、すみません。私たちもアピスさんのことはあまりよくわからないんです」
「得体の知れないつかみどころがわからない奴だからな」
しかし月光と閃光から帰ってきた答えは「分からない」ということだった
行動を共にしていた彼女たちですらアピスのことを把握しきれていないようだった
「だがはっきりしていることはある。あの姿になったやつは我々ですらまったくもって歯が立たない程強い」
「そ、そんな」アセアセ
閃光から告げられた内容を聞いた雪泉は驚愕する
自分と飛鳥が苦戦を強いられながらようやく倒した月光が閃光が歯が立たない程の猛者であることを
そんな奴を相手にこれから一戦交えようとしているのだと知り2人の身を案じずにはいられなかった
一方、そんな彼女たちに見守られている佐介と紫苑が変身したアピスと睨み合いを続けていた
「待たせたな。さぁ、どこからでもかかってきな」
アピスが佐介と紫苑に対して手をクイクイとさせて挑発的な態度を見せる
「…――っ!!」バッ!
「佐介くん!?」
直後、アピスのその挑発に乗ったのか佐介が身構えると同時に勢いよく飛び出した
瞬く間の出来事に紫苑は完全に出遅れを食らってしまった
「はぁぁああああああ!!」
飛び出した勢いのままに佐介が瞬時にアピスとの間合いを詰めるとともに正拳突きを繰り出す
「――っ!!」ガキコーン!!
それに対してアピスが防御の姿勢を取ったと同時に佐介の拳が激突する
拳の激突によって発生した風圧が後方に控える雪不帰の髪とコートを揺らす
「ぬぅぅぅ――っ!!」
佐介が突き出した拳にさらに力を込めてアピスを吹き飛ばそうとする
「――ほうっ、前に戦った時よりもパワーが増してるな。俺に対する恨みと憎しみがその力の原動力って訳か?」
「ぐぅぅぅ!!」
しかしそれに反してアピスは吹き飛ばされる気配がなく佐介の攻撃を完全に防ぎきっていた
「なかなかのパワーだが、所詮その程度で俺を倒せると思ったら…大間違いなんだよ!」ドン!
「ぐおふっ!?」
ここで防御に徹していたアピスがすかさず反撃の一撃である蹴りを佐介に繰り出す
その一撃を受けた佐介が逆に後方へと吹き飛ばされてしまう
「佐介くん!…よくも!!」
シュイン!パシュシュシュシュ!
佐介がアピスの攻撃を食らった光景を目にした紫苑が仕返しとばかりに四元素の光弾を展開させるとともにそれを放つ
「おっと!!お前の試合を観察させてもらっていたがやはりその技、面白いな…っ!!」バキュン!
紫苑が放った光弾を回避するとアピスはその技のトリッキーさを賞賛しながら銃から数発の弾丸を発射する
「させません!クリア・ウォール!!」ギュィィィィィン!
カキキキン!!
「――っ!?」
反撃の弾丸を紫苑が障壁を展開させることでそれを防いだ
「――っ!!」バキュキュン!
「無駄です!」カキキキン!
再度銃を乱射するも強力な防御壁を前にしては豆粒を当てるようなものであった
「ほう、たいした防御力だな?」
「えぇ、だからあなたの攻撃なんて効きませんよ」
「さて、”そいつはどうかな”?」
「――っ?」
防御壁で攻撃を無力化させていることで優位性を保っている紫苑に対してアピスが意味深な言葉を呟く
どういう意味か理解できずにいる紫苑を他所にアピスが動きを見せる
アピスが懐から銃をベルトの脱着可能のスロットにセットすると別の武器を取り出す
取り出したのはナイフのような形状をした武器をだした
「――っ」ピクッ
紫苑はそれを見てアピスが接近戦を仕掛けて来るに違いないと警戒をする
しかしそれを使って接近戦を仕掛けるのかと言えばそうではなく、現状もその場に留まるだけだった
「――っ」ガチャン!
なぜ得物を手にしているのに攻めてこないのかと注意深く観察しているとアピスがナイフをいきなり分割させた
<『BLADE RIFLE!』>
すかさず先ほどスロットにセットしていた銃を手にしたアピスが今分割させたナイフを装着させる
それによりアピスの武器が拳銃型から剣と銃の複合武器に換装された
武器を合体させるとアピスがその銃口を壁を展開させている紫苑に向ける
「――っ」カチャ
バキュンバキュンバキュンバキュン!!
直後、アピスがトリガーを引いたと同時に3発の弾丸が銃口から発射される
キィン!
1発目の弾丸が防壁に着弾するも弾かれる
しかしその直後に2発目の弾丸が1発目に撃った個所に着弾したことで先端の部分が壁を貫通する
続いて3発目が2発目に続いて着弾し、2発目の先端をさらに壁の奥にめり込ませる
ヒュゥゥン!バリィィィィン!!
「なっ、ぐぅっ!?」ズシュッ!
「紫苑!?」
「…へっ」ニヤリ
そして最後の4発目の弾丸が決め手となり、2発目、3発目を撃ち砕くようにして壁を貫通、その先にいた紫苑の左肩を掠めた
防御壁を突破され、手傷を負った紫苑は勢いのままにその場に倒れてしまった
「う、うぅぅ!?」
掠めた肩の方からは血がにじみ出ており、痛みを伴っていた
「紫苑!!」
「よそ見とは余裕ですね!!」
「ぐぅっ!?」
紫苑が撃たれた姿を目にした雪泉が駆け寄ろうとするも
相手をしている雪不帰がそれを見逃すようなことをするはずもなく扇を振るった際に吹き荒れる氷風によって氷壁が生み出され、雪泉の行く手を阻んだ
「逃がしませんよ。あなたの相手は私だということを忘れてもらっては困ります」
駆け付けたいと焦る雪泉に対して雪不帰は氷のような冷たい視線を向けながらそう言い放ったのだった
「はぁ…はぁ…はぁ…――っ!」
「――っ!」
「おっ、まだ気力は残っているみたいだな?俺もその方が楽しくなるってもんだ。だからまだ倒れてくれるなよ?俺をもっともっと楽しませてくれ」
ダメージを受けて尚、自分に対して敵意を見せる佐介と紫苑にアピスは嬉しそうな声を上げながらそう言い放つのだった