光牙たちと相馬たちが言葉を話す妖魔との戦いに発展している頃のことだった
扉の解除という役を申し出てその場に残った春花と愛花は作業を続けていた
「どうですか春花お姉さん?」
「えぇ、あと少しと言ったところね」
解除を試みて数分、あと一押しと言ったところまで来ていると春花は言った
「それにしてもししょーたちは大丈夫でしょうか?」
光牙たちのことを想うと心配で愛花は不安そうな顔を浮かべていた
「大丈夫よ愛花ちゃん。光牙くんたちがそう簡単にやられる人たちじゃないことは私たちがよくわかっているじゃない、たとえ相手が妖魔だろうと光牙くんたちなら心配いらないわ」
「春花お姉さん…そうですね。えぇ、そうですとも!」
不安がっていた愛花だったが春花の励ましによって元気を取り戻した
その時だった
ドドォォォォン!!
「「――っ!?」」
突如、春花と愛花は轟音を耳にする
「今のは…?」
「方向からしてもししょーたちが向かったほうからですよ?」
「とすればきっと光牙くんたちが妖魔と戦闘を開始したとみて間違いないわね?」
先の音からして激しい戦闘を繰り広げていることが容易に想像できた
「(みんな…)」
「(ししょー)」
2人は心の中で妖魔と戦う光牙たちの無事を祈った
ヒピッ、ピポポポポ!
その時、扉の暗証番号を解読していた春花の傀儡が反応をする
「春花お姉さん。これって」
「えぇ、暗証番号が解読できたんだわ」
傀儡の反応を見た春花が愛花にそう告げる
チィン!カポッ…ウィーン!
直後、傀儡からレンジのような音が鳴るとともに口が開閉して機械仕掛けの舌を出す
舌の上にはカードキーらしきものがあった
「これはなんですか春花お姉さん?」
「ふふっこれは読み取らせた暗証番号のデータを元に作り出したレプリカのカードキーよ」
春花が傀儡の舌から取ったものは扉開けるために番号をコピーした偽物のカードキーだった
「では早速」
完成した偽物のカードキーを扉のロックにスライドさせる
スッ…PPP-ピロリン…ガチャッ!
カードキーがスライドした直後、それを読みこんだ扉のロックがそれを認証したようで赤く光っていたランプが緑色のランプに替わったことで鍵が開いた
「開いたわ。これで中に入れるわ」
「やりましたね春花お姉さん!」
「さて、あの子たちがこうまでして厳重にしているこの向こうにはいったい何があるのかしら~?」
何が隠されているのだろうという妄想を膨らませながら春花が扉を開いたその時だった
「お
「きゃあっ!?」ドテェェン!
「――っ!?」
それは突然の出来事だった春花が扉を開いたと同時にその向こうから何者かが飛び出してきた
いきなりのことで不意を突かれた春花は受け身を取る暇もなくその場に倒れ、愛花に至っては何事かと驚愕していた
「痛たたた、なんなのよ…ん?」
打ち付けた頭を摩りながらに春花が視線を向けるとそこには自分に抱きついている
だが
「ど、どうしてこんなところに子供が?」
愛花も言葉を漏らすほどに動揺しており、2人とも何が何だかわからずにいた
「…あれ、違う?この感じ、お
すると春花に抱きついていた
「えっ?あれ?」アセアセ
「…えっと?」
春花と
「…す、すすすす、すみません///!?僕としたことがとんだ勘違いをしてしまって、しかも抱き着くだなんて///!?」
数秒後、ハッと我に返った
「い、いいのよ勘違いだったんだからそんなに謝らなくても」アハハ
こちらが困惑してしまうほどに謝るものだから春花も気にしていないと
「(それにしてもどうしてこんな子供があんな厳重な扉の中に?)」
心の中で春花は疑問を抱いていた
ちらりと扉の向こうを見てみるとどうやら
ならばなぜ人一人に対してあそこまで厳重なセキュリティをかける必要があったのか
考えられることは一つ
「(きっとこの子が月光ちゃんたちにとってあそこまでしてでも保護するべき対象なんだわ)」
そうでなければあそこまでセキュリティを強固にする必要はないだろうと春花は考え、これはこれで思いがけない収穫だったのではと思った
春花が頭の中で考えをまとめている時だった
ドドォォォォン!!
「「「…っ?」」」
再び奥の方から戦闘音らしき音が聞こえてきた
「春花お姉さん」
「えぇ、長引いているようね…加勢に行きたいところだけど」
音から察するに大分接戦を繰り広げていることが伺えるため、加勢に入りたいところではあるが
そんな春花たちを他所に
「この感じ…」
「どうしたの?何か言ったかしら?」
ぼそりと
しかし
どうしたのかと春花と愛花が小首を傾げた時だった
「ーーっ!」
「あっ、ちょっとあなた!?」
春花が止めようとするもその声に
「まずいですよ春花お姉さん!あの子が向かった方って!?」
「えぇ、まずいわ、よりにもよって光牙くんたちが戦っている方に行ってるわね?」
方向からしても
「このままじゃあの子ししょーたちの戦闘に巻き込まれてしまいます!」
「わかってるわ。急がないとね。行くわよ愛花ちゃん、あの子を止めないと!」
「はい、わかりました!」
戦闘に
目指すは光牙たちが戦っている戦場へ……