突然何かを感じ取ったかのように駆け出して行ってしまった
「「「「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」」」」
妖魔を相手に戦闘を繰り広げていた光牙たちだったが
戦闘が思いのほか長引いてしまったこともあり、光牙、焔、雅緋、相馬、鈴音を除く他のメンバーは疲労の蓄積からか荒々しく息を吐いていた
「まずいぞ光牙、みんな消耗が激しい、これ以上は」アセアセ
「分かっている。だが、状況が状況だ。下手に動いて隙を見せたらやられる可能性もある」
「うっ…」
消耗する仲間たちのためにも撤退を考慮に考えようと提案する焔だが妖魔がそれを良しとしないだろうと光牙が懸念をあげていた
「――ふぅ、よもやこれほどの力とは思いませんでした。ここまで手こずるとは私としても想定外過ぎましたね」
そんなやり取りをしている最中、妖魔のほうもやや疲れを感じているように見えるがその実はまだまだ余力を残している様子をみせていた
「ですが今のであなた方の技量はだいたい把握しました。今度こそ仕留めてあげましょう」
さらには次でこちらを殲滅するという宣言をしてきた
「おいおい大丈夫かよ。これちっとどころかかなりやべぇんじゃねぇか?」
「そんなこと言われなくても分かってる!――くぅっ!」
こちらはここまでの激しい戦闘の末に疲労困憊、今だ実力を発揮しきっていない妖魔を前に圧倒的に不利なこの状況に皆が困惑する
「……っ」スッ
「「「「「――っ!!」」」」」バッ!
妖魔が身構えるのを見た光牙たちもまた攻撃に備えようと構える
双方ともに緊迫した空気を漂わせ、いつぶつかってもおかしくないほどに空気が張り詰める
その時だった
「…――っ?」ピクッ
突然、踏みこみをいれるも、妖魔が何かを感じたように動きを止めた
「な、なんだ?」
「動きが止まったぞ?」
相馬たちもいきなりこのことで困惑する
「…っ?」ピクッ
「どうした光牙?」
「…何者かがこっちに近づいてきている」
「まさか新手の妖魔か!?」
遅れて光牙も何者かの気配を感じ取った
新手の敵かと皆が光牙と妖魔が向く方に視線を向ける
「羅刹お
「
次の瞬間、視線の先にある出入口の向こうからこの場に
「誰!?」
「子供!?」
予想の斜め上をいく者の登場に場は困惑する
「光牙くんみんな!」
「ししょー!」
「――っ!?」
さらにそこから遅れたかのように春花と愛花がやってきた
「愛花、それに春花も?」
「ごめんね光牙くん。到着が遅れてしまったみたいで」
「それは問題ないが…これはいったいどういう状況なんだ?」
ただでさえ
「羅刹お
「
そんな光牙たちを他所に
妖魔のほうは
「おいおい、ありゃいったいどういうことだよ?」
「子供が妖魔とまるで親しそうにしている?」
目の前で起こっている光景が光牙たちにさらに驚愕させていたのだった
一方、光牙たちがそんな事態に陥っている頃、雪不帰とアピスを相手に戦闘を繰り広げている佐介たちはというと
バキュキュン!
「――っ!?」
「そらそらどうした!逃げるだけで精一杯か!」
アピスが佐介に向かってトリガーを引く度に銃声が鳴り響く
接近しようにもこう乱射されては迂闊に近づけなかった
「ふん……ん?」
「あまり僕たちを!なめないでほしいですね!」
刹那、ディラの頭上に紫苑が現れる
紫苑は宙に飛ぶと同時に周囲の大気を集めると巨大な風の玉を作り上げる
「吹き飛べぇぇぇ!!」
十二番にエネルギーを溜め込んだ風の大玉をアピスに向かって投げつける
「ほう、こりゃ凄まじいな!だったら―っ!」
≪[ Venemy!Charge!]≫
自身に向かって飛んでくる大玉を見たアピスが銃のスロットに再度巻物をセットすると同時に銃口を突きつける
巻物がセットされた瞬間、銃口にエネルギーが蓄積されていく
≪[Venemy!burststrike!]≫
「――っ!」バキュン!!
最大限まで力が高まったと同時にアピスがトリガーを引く
銃口から集約された毒々しい色したエネルギー波が放たれる
エネルギー波は紫苑の放った風の大玉に一直線に飛んでいく
ビュリィッ!ドォォオオオオオ!!
両者の技と技がぶつかり合う
「くっ、ふぅぅぅぅぅん!!」
紫苑は目一杯力を籠め、大玉を押し込もうとする
「なかなか粘るねぇ…だが、無意味なことだ――っ!!」
対するアピスもエネルギー波にさらに力を注いだ
その直後だった
キュィン!ズシュゥウウウウウン!!
「なっ!?」
技と技のぶつかり合いを制したのはアピスほうだった
アピスのエネルギー波に押し負けた風の大玉は跡形もなく消滅してしまう
ビュウウウン!ドバァァァン!
「うわぁぁぁっ!?」
「っ!?」
さらに紫苑の技を粉砕しても尚、エネルギー波は勢いを失っておらず後方の紫苑に命中した
直撃を受けた紫苑は勢いのままに地面に向かって落下した
「紫苑ちん!?」
「「「――っ!?」」」
墜落した紫苑を目にした四季たちが紫苑の身を案じる
「紫苑さん!?」
「だい、じょうぶ…です」
佐介が声をかけると苦しそうではあるが紫苑が返事を返す
「ほう、あれを直撃してまだ立つ気力が残っているとはな?」
「この程度で、僕はやられるわけにh――っ!?」ドックン
「まぁ、だから何だって話しだがな」
言葉を言い切る前に紫苑は突然、身体に苦しみを感じ、倒れこむ
「…紫苑、さん?」
「がっ…あがっ―っ!?」
「ど、どうしたんですか紫苑さん!?」
胸をかきむしらんばかりにひっかき、口からはとめどないよだれと泡を噴出している
尋常ではないことは誰の目から見ても明らかだった
「効くだろ俺の仕込んだ”毒”は?」
「毒ですって!?」
「そうよ。さっきの攻撃には俺の毒がしみ込んでいた。それを食らっちまったがためにそいつは苦しんでいるという訳さ。早くなんとかしないと全身けいれんして呼吸困難になって死んじまうぞ」
「――っ!?」
さらにはこの状態が長く続けば紫苑は死ぬとまで言われてしまっていた
「まぁ、助かる方法があるとすれば毒が回り切る前に俺を倒すか解毒する以外に方法はないがな」
「――だったら、僕があなたを倒すまで!!」
紫苑を救うために佐介が突っ込んだ
「はあっ!!」
「残念!そんなせっかちな攻撃が俺に効くか!!」
「ぐぅっ!?」
しかしその攻撃は躱され、ナイフ形の武器による反撃を受けてしまった
「く、くそぉ~!?」
「諦めるんだな。お前に俺は倒せない、そこでお友達の最後を見届けるんだな?」
手も足も出せない佐介にアピスが残酷なことを告げる
どうにもできないのかと佐介が悔しさを滲ませていた
その時だった
ヒュ~…パキキキキキキキキィィィィイイイイ!!
「――っ!?」バッ
突然明後日の方向からアピスに向かって氷が押し寄せてきた
間一髪のところで回避したアピスとそれを見ていた佐介がその氷が飛んできた先に視線を向ける
2人の視界に映ったもの
「――っ!」ゴォォオオ!
それはこの上ないほどの殺気を滲ませてアピスを睨みつける雪不帰がいた