佐介と紫苑がアピスに苦しめられている中、そこに横槍を入れたのはあろうことか敵対している雪不帰だった
場は一気に混乱に陥ってしまっていた
「おい雪不帰!いったいなにやってんだよ。よりにもよって俺を攻撃するなんて」
アピスは当然の反応とばかりに味方である自分に攻撃してきたことを問いただす
「…それはこちらのセリフだ――っ!!」ガシッ!
「え、ちょ?うおっ!?」グィッ
その問いに対して雪不帰が一瞬きょとんとした顔を見せたと思ったらすかさずアピスの胸部部分を鷲掴みにすると同時に引き寄せる
「どういう…こと?」
なぜアピスに向けて雪不帰が攻撃を仕掛けてきたのか、今2人がいがみ合いをしているのはなんでか
状況がまるで飲み込めなかった
「――~っ!!」
「ちょ、ど、どうしたんだよ雪不帰、か、顔がめっちゃ怖いんだがw?」アセアセ
まさに鬼の形相と言わんばかりに怒りに満ちた顔を見せる雪不帰にアピスはきょどっていた
「うるさい!お前のせいだ!お前がこんなところで油を売らずあの子を見ていないから―っ!」
「そ、その口ぶりからすると”
「…えぇ、そうです。先ほど”彼女から”送られてきたのです。「今
雪不帰の反応からして
事の経緯は数分前に遡る
光牙たちと羅刹が戦闘を繰り広げる中、そこに
「
自分に抱きついている
「ごめんなさい、ドアが開いたのでお
「…
問いかける羅刹に対して
自分のことを心配し、駆けつけてくれたのだと知り、羅刹は複雑な心境に陥る
光牙たちのほうは目の前で起こっている事態に困惑していた
「(思いもよりませんでしたがこれは由々しき事態ですね。ともかく今は
「
「はい、わかりました」
羅刹が語りかけるように言い聞かせると
「(雪不帰、雪不帰…)」
そうして
一方その頃…
「はぁああああ!」
「――っ!」カキン!
「なっ!?」
「ふん、それがお前の切り札か?つまらん!」
場面は雪泉と雪不帰の対決の場へと変わり
氷王へと転身し、優位を取ったと思っていた雪泉だったが、忍転身し、装束を纏った雪不帰によってそれは大きく覆ってしまった
繰り出した氷の剣も簡単に鉄扇で防がれ、さらにそこから追い込みをかけられてしまうという圧倒的劣勢な状況に追い込まれていく
「ぐぅっ!?」
雪不帰の攻めは激しさを増し、氷王の力をもってしても雪泉は防御に徹するしか手立てがなかった
「まずいです。雪泉が押されております!?」
「しかも氷王って時間制限あったよね?」
「マジやばいじゃん!?雪泉ちん早く決めないと!?」
戦いの様子を見ていた夜桜たちが一方的な展開であることや状態意地に制限時間が設けられている氷王がこのままでは解けてしまう
そうなればただでさえ押されている状況が最悪の形で悪化してしまうことを示唆していた
「ふっ!!」
フォン!バリィィイイイン!
「――っ!?」
次の瞬間、夜桜たちの懸念が現実のものとなってしまう
繰り出された雪不帰の鉄扇により氷の剣はおられてしまった
「はあぁぁぁっ!!」
「きゃぁああああ!?」
「雪泉ちゃん!?」
得物を失ってしまった雪泉に雪不帰が止めの一撃を放った
それにより雪泉は倒れてしまった
「…ふん。他愛ない」
目の前に倒れる雪泉を見下ろしながら雪不帰はそう吐き捨てる
≪「(ぶき…雪不帰。聞こえますか)」≫
「…ん?」
するとその最中だった雪不帰の脳裏に声が聞こえて来た
「(羅刹か、どうした?私は今取り込み中なんだが?)」
念話が届いたようで雪不帰が応答するも現在彼女は雪泉と交戦している真っ只中であった
≪「(すみません。しかし問題が発生してしまいました)」≫
「(問題?何かあったのか?…もしや忍どもが人質を取り戻そうと裏で動いていたとでもいうのか?だとしてもそれならばお前であれば問題はないだろう)」
信頼を寄せているからか念話越しに聞こえる声に対して雪不帰はまったく疑いを持ってないような感じであった
≪「(違うんです雪不帰、そのことではありません。
「(――
しかし直後に
≪「(今私の元にいるのです。
「なにっ!?」
羅刹から報告を聞いた雪不帰は念話ではなく直接口に出すほどに驚いた様子を見せる
「どういうことだ!なぜ
≪「(私にも状況が飲み込めないのです。ですが
「なっ…!?」
詳細を聞いた雪不帰はこれまでに見たことないほどに動揺していた
「
≪「(落ち着いてください雪不帰。ともかくこの会話を終えたらすぐに
「…なら頼む。
≪「(任せてください)」≫
愛する弟が危険に晒されるかもしれないと知るや雪不帰は藁にも縋るような思いで羅刹に
「……――っ!!」ギロリ
念話を終えると雪不帰がすかさず視界に捉えたのはアピスだった
「はぁああああ!!」
ビュオォォオオオ!!パキキキキキキィイイイイイ!!
そうして怒りの矛先をアピスに向け、氷を放った
これが雪不帰がアピスに攻撃を仕掛けた真相なのであった…