カンカンカンカンカンカン!
「皆様、新年あけましておめでとうございます。毎度おなじみ当小説の作者にございます。昨年もいろいろなことがありましたが皆さまはどうお過ごしでしょうか?私も日々忙しい中、閃乱カグラを心の支えに日々を満身しております。この小説も投稿して早10年近く経ちます。これも日頃読者の皆様が呼んでくださってくれるおかげでございます。これからも皆様のたくさんのご声援心よりお待ちしております」ペコリ
そう言うと作者はこの話しを呼んでくれている読者に向けてご挨拶をする
「おい作者」
「ん?あら光牙くん?それにみんなもどうしたの?」
するとその最中、作者の元に光牙や紫苑、相馬が現れる
「どうしたのじゃありません。作者さん、どういうことですか。佐介くんやゲストのみなさんはどこです!」
「会場のどこにもいねぇってことはまたあんたが拉致ったんだろ。さっさと白状しろ!」
佐介たちやゲストがいないことを指摘しながら詰め寄る
「ひ、酷い!?私を疑うだなんて酷い、私泣いちゃうからね!?」;つД`)
詰め寄られてしまい作者は悲しくて泣を浮かべる
「…で、本当は?」
「はい拉致りましt[バキィン!!]げぼぉっ!?」
光牙が不意に問いかけるとさも当然のように拉致を認めたので制裁を加えられてしまう
「まったく毎年毎年」
「どうするんですか?他のみなさんも困ってますよ?」
別のフロアではゲスト勢のヒロインらがおり、主人公たちの不在にソワソワしていた
「今度は佐介たちをどうしたんだ?さっさと教えろ。教えないと」
「まっ、まぁまぁ、そう焦らないで。今モニターに移すからちょっと待ってて」
そう言うと作者はリモコンを操作し、モニターを起動させる
するとその直後、画面が映し出される
「佐介、それに他の連中も!」
「ちょっと待って”あれって”……作者さん、いったいあれはどいうこですか!」
「落ち着いて、あそこは今回のゲームの会場さ、ほらそろそろみんな目を覚ますよ」
作者は皆にそう告げ、光牙たちも不安そうに画面に視線を向けるのだった…
一方その頃、ゲーム会場に飛ばされた佐介たちは…
「…はっ!?こ、ここは?」アセアセ
いつの間にか意識を失って倒れてしまっていた佐介が目を覚ました
辺りを見回してみるとそこはいつのまにかパーティ会場ではなかった
「いったいなにが…ってあれ?」
最中、佐介は自分の身に違和感を覚える
下を見下ろすと地面との距離感が明らかに近いことに気づく
さらには手も足もどこか小さいようにも感じられる
「…まっ、まさか!?」
何かを察した佐介はすかさず自分の顔をぺたぺたと触り、感触を確かめる
「まっ、間違いない。僕、幼くなってる――っ!?」
手足の小ささ、肌の感触から佐介は自分が縮んでしまっていることを察し、悲痛の叫び声を上げた
「そっ、そうだ。会場のみんなは!?」
幼児化してしまった事にショックを覚えつつ、佐介は会場にいる皆のことを思いだし、後ろを振り返る
「――っ!?」
直後、佐介が目にしたのは自分と同じように気を失って地面に倒れているゲストたちの姿だった
「みっ、みなさん!?」アタフタ
佐介はすぐさま皆の元に駆け付ける
「大丈夫ですか!?しっかりしてくださいみなさん!?」
ゲストたちの元にやってきた佐介は皆の身体を揺さぶってみる
「「「「「「うっ…うううん」」」」」」
するとその揺さぶりにより皆の意識が目覚め始めた
「あっ…あれ?」
「俺たちいつの間に眠ってたんだ?」
「いったいなにが?」
「よかった。みなさん目が覚めたんですね!」
皆が意識を取り戻していったことで佐介はホッと胸をなでおろす
「ってうわー!?な、なんだこりゃ!?」
「ど、どういうことですかこれ!?身体が縮んでるぅっ!?」
最中、意識を取り戻した白堊と蒼鬼が自分たちが縮んでしまっていることに気づき、驚愕の声を浮かべる
「…なぁ、佐介。まさかとは思うけどこのパターンって?」
「…えぇ、おそらく」
「…っと、いうことは」
白堊と蒼鬼がわめいている一方で勇樹が呆れたような様子で尋ね、佐介も苦笑いしながら肯定しようとした時だった
『あーあー、マイクテス、マイクテス!』
「この声は…」
「はぁ…」
事情が呑み込めない白堊と蒼鬼とは違い、慣れている佐介たちは聞こえてくる声に頭を抱える
その直後、近くにある建物のモニター画面から作者の姿が映し出された
『やぁやぁ、みんな無事に目覚めたようだね~?』
「まったく、あなたという方は…」イライラ
顔を見るなり佐介は眉間にしわを寄せながら血管が切れそうになるのを必死に堪えていた
「…で、僕たちをここに集めたということはまた何かさせようとしているんですよね?」
毎度のことで予定調和的な感じになってしまっているためか白堊と蒼鬼を除く全員がジド目を向けていた
『まぁね。今回もみんなのために素敵なゲームを用意したよ』
「「「「「(そのゲームのせいで毎度ひどい目にあってるんだけど)」」」」」
作者のその言葉を聞いた瞬間、佐介たちこれまで幾度もやってきた者たちからは心から呆れられていた
「えっと、そのゲームって言うのは具体的にどんなものなんですか?」
すると今回初であまり状況を飲み込めていない蒼鬼が作者に訊ねる
『いい質問だね。それじゃ質問に答えるためにも早速ルールの説明をしてあげよう!』
蒼鬼に触発されて作者はゲームを説明するためとある場所に皆の視線を集める
『今回のルールは至って簡単。この病院から脱出することだよ。ただし現状入り口は閉ざされている。この館内のどこかにある鍵を探さないと脱出はできないから注意が必要だよ』
「また脱出ゲームかよ?前回もそうだったよな?」
『よっ、余計なツッコミは無しでお願いします!私だっていろいろ仕事の合間を縫ってネタ探しに奔走してるんだから!?』
一馬の何気ない一言に作者の心は激しく抉られるのだった
「まぁともかくだ。ようはこの病院から脱出すれば言い訳か…ちなみに全員でゴールしないといけないけいなのかこれ?」
『いや、誰か1人でも出口を潜ればCLEAR扱いになるよ~』
一人でもゴール出来ればCLEARと知り、佐介たちの期待値は集る
「あっ、あの…ちょっといいですか?」
「「「「「っ?」」」」」
するとその最中、手を挙げて質問してきたのは結だった
「どうしたんですか結くん?」
「いえ、少し気になったんですけど僕以外のこの面子って共通点と言えば幼児化させられたろいうこと、ではどうして僕もここにいるのかなって?」
「…言われてみれば確かに?」
「どうして結くんまで?」
結の指摘に佐介たちもなぜだろうと疑問を浮かべ始めた
『いい質問だね。でも答えは簡単だよ。それはね~』
「「「「「「それは?」」」」」」
『結くんは元から幼児でショタだからだぁあああああ!』
「「「「「「あっ…そうですか」」」」」」
この時全員が理由を聞いてこれほど無意味な事はないと心の中で思うのだった
「ごっほん…で、この子が参加するのはまぁいいとしてともかく鍵を見つけてここから出ればいいんだろ?」
話しを戻そうと白堊が咳払いしながら作者に訊ねる
『そだよ。制限時間は45分。それまでに脱出できれば君たちの勝ちだよ。CLEARと同時に腕輪に仕込んである解毒薬が注入されて元の姿に戻れる仕組みになってるよ』
それに対して作者は制限時間までに脱出すれば勝ちと伝える
「な~んだそんなことか。だったら簡単じゃねぇか」
「ではそうと決まれば早く勝利して元に戻らないとですね!」
「みんなもパーティ会場で待ってるはずですから!」
勝利条件を聞いて佐介たちは早くも勝利を確信しているようだった
「よ~し、じゃあさっそく鍵を見つけて会場に戻るぞ!」
「「「「「「おー!!」」」」」」
ゲームをクリアして元の場所に戻るという思いで皆の心は一つになった
『気合十分だね。ではそろそろ始めるとしようか。みんな、準備はいいかい?』
「いつでもいけます!」
「「「「「「っ!」」」」」」コクン
作者の問いに佐介が答えると皆も同時に頷く
『いい返事だ…では、ゲームスタート!』
プゥウウウウーー!!
「「「「「「「――っ!!」」」」」」」バッ
開始の合図がなったと同時に佐介たちは一斉に駆け出して行った
『気を付けてね~♪』
勢いよく駆け出していく佐介たちに後ろから作者はエールを送った
『…まぁ、そう簡単にCLEARできるとは思わないことだね。ショタタタタ♪』
姿が見えなくなるや不適切な笑みと意味深な言葉を呟きながら…
ゲームが開始し、佐介たちは院内の廊下を走っていた
するとその道中のこと、佐介たちは階段のところにやってきていた
「…上と下に続いているということはここは中階ということでしょうか?」
「速く鍵を見つけないと、ぐずぐずしてたら制限時間も無くなっちまうぞ?」
「えぇ、もしCLEAR出来なかったら私たちここからずっと出られないですし、ずっとこのまま幼い姿でいることになってしまいます!?」
「「「「「「それだけは何としても避けないと!?」」」」」」
結を除く6人のこのゲームにかける執念は凄まじいものだった
「よし、上と下に続いているならここは3手に別れてそれぞれの階で鍵を探そう」
「確かに、その方が効率がいいですしね。そうしましょう!」
佐介たちはそれぞれ3手に別れて院内にあるであろう鍵を探しに動くことを決めた
そうして話し合いにより皆がそれぞれの階担当を決め、行動を開始することにした
下の2階を捜索することになったのは佐介、勇樹、結の3人、引き続き3階を捜索することになった瑠衣と蒼鬼、そして残る4階は一馬と白堊が担当することとなった
皆が一丸となって鍵を見つけるべく捜索を開始した
――病棟3階――
鍵を見つけに3階を捜索している瑠衣と蒼鬼は訪れる部屋を手当たり次第に探していた
「うーんないな~?……そっちはどうですか?」
「いえ、ダメです。まったく見つかりませんね」
「そうですか…どこにあるんでしょう?」
「さぁ?」
しかし一向に鍵が見つからないことに瑠衣も蒼鬼も困り果てていた
するとその時だった
「「――っ?」」
捜索を続けていると2人は近くからこつんこつんと足音が聞こえることに気づいた
「誰か来ますよ?」
2人はこちらに近づく足音に警戒する
「あらあら?ここはどこなのかしら?」
「…えっ?」
「女の人?」
直後、暗闇から現れたのは桃色のロングヘアーの中学生くらいの女性だった
「誰でしょう?」
「分かりません。でもここにいるってことは私たちと同じく作者さんに呼ばれたってことですよね。私、声をかけてきます!」
「あっ、蒼鬼さんまって!?」
女性と遭遇したことで蒼鬼は声をかけようと駆け出すも
作者のことを知る瑠衣からしたらこの状況波とても怪しかった
何とか止めようとするも遅く、蒼鬼は女性の元にたどり着いてしまう
「あの、すみません!」
「――っ?」
そして女性に近づくと同時に蒼鬼が声をかける
「あらあら、こんなところに愛らしい子が?」
「えっと、ここにいるということはあなたも作者さんに呼ばれたゲストの方で…っ?」
するとその時、蒼鬼の目にあるものが映る
視界に映ったのは女性の首にかけられたもの
「(か、鍵だ!)」
女性が首にかけていたのは鍵であった
蒼鬼はそれが脱出のために必要な鍵であると結論に至る
「あの、すみません。その首にかけている鍵を渡してもらえませんか!」
首にかけている鍵を貰えないかと蒼鬼は頼もうとする
「…っ?」
「あらあら、あら、あらあらあらあらあらあら!」
だが、直後に蒼鬼は即座に女性の異変に気づいた
しかし気づいた時には遅かった
「ど~ちたの~!こんな場所でなにちてるの~!♪」
「――っ!?」
女性は目にもとまらぬ速さで蒼鬼を抱きかかえてしまう
「ママとはぐれちゃったの~?お名前は~?」
さらには名前を訊ねながら逃がさないようにがっしりとホールドされていた
「(まっ、まずい!?い、息がぁああ!?)」
蒼鬼は女性の豊満なそれに顔を押し当てられ、息ができずばたばたしていた
「どこからきたの~?どうしてこんな場所にいるの~?ママとはぐれちゃったの?じゃあ見つかるまでの間、私のこと”お母さん”って言って見てもいいのよ~♪」
「(や、やばい。完全にやばい人だあれ!?)」
がんじがらめにされている蒼鬼と自分のことをお母さんと呼ばせようとする女性に瑠衣は恐怖心を抱く
「そこの君もこっちへいらっしゃい♪あなたも私のことお母さんって言ってもいいのよ?ほら、お・か・あ・さ・んって言って見て~♪」
すると女性は即座に瑠衣のほうにも視線を向け、蒼鬼と同じように自分のことをお母さんというように促そうとする
「けっ、結構です!?」
瑠衣はにじり寄る女性に焦りつつも必死にその提案を拒む
「あらあらあら、そんなこと言うなんて…もしかして
「(だ、ダメだこの人。狂ってる!?)」
だが、否定しても都合よく肯定的にとらえるその女性に瑠衣は絶句する
「(こっ、このままじゃ…で、でもぉ!)」
されるがままの蒼鬼は反撃を決意する
「――っ!」ブワッ!
「あら?」
「ふにゅう!」ガシッブチッ!
「きゃっ!?」
次の瞬間、蒼鬼は勢いよく女性の首の鍵を鷲掴み引きちぎるようにして奪い取る
その弾みによって蒼鬼は女性のホールドから脱出する
「蒼鬼さん!大丈夫ですか!?」
「はっ、はいなんとか」
廊下に倒れた蒼鬼に瑠衣が駆け寄る
「でも、鍵は手にしました!」
「お手柄ですよ蒼鬼さん!」
あの状況で見事鍵を手にした蒼鬼を瑠衣は賞賛する
「あらあらあら、随分とわんぱくなのねあなたち~?」
「「――っ!?」」
しかし喜びも床の間、再び語り掛けてくる声に背筋を凍らせる2人
見ると目の前には女性が自分たちを見下ろしていた
「でも、そんなところもかわいいわよ~♪」
まるで不審者と対面している感覚に2人は陥る
「に、逃げましょう瑠衣くん!?」
「はっ、はい!?」
ビュゥゥゥン!!
鍵を手にしたことで2人は即座に撤退しようとする
「あらあら、追いかけっこして遊びたいの?いいわ、お母さんめいっぱい付き合っちゃうわよ~!!」ガラガラ
逃げる瑠衣と蒼鬼を前に女性はとても人間とは思えないような奇行的動きで2人を追いかけ始める
その手におしゃぶりとガラガラを手に
「「ひぃぃいいいいいっ!?」」
瑠衣と蒼鬼は死に物狂いで逃げるのだった
――病棟四階――
「鍵はどこにあるんだ?」
「分からん。ともかく今は鍵を見つけてこんなところから一刻も早くでるのが先決だ」
「まぁそうだな」
四階を捜索している白堊と一馬は鍵を見つけるべく捜索を続けていた
「あら?どうしてこんなところに子供が?」
「「――っ?」」
その時、不意に後ろから声が聞こえてきたので振り返るとそこには一見人間に見えるが耳と尻尾を生やした女性がいた
「えっ?だ、誰?なんでこんなところに女の人が?てか耳とか尻尾もあるぞ?」
目の前に現れた女性に白堊は困惑している
「もうダメですよ。あなたたちみたいな小さな子がこんなところにいたら」
「い、嫌俺たちは」
「安心してください。一緒に親御さんを探してあげますからね~♪」
「「――っ!?」」
次の瞬間、耳のついた女性は一馬と白堊をそれぞれの手で抱きかかえる
「ちょ、離してくれ!?」
「俺たちにはやることが!?」
抵抗を試みるも見た目に反して力強く抱えられているため、逃げられない
「こ~ら、暴れちゃダメですよ。ほら、えい♪」
「「ふにゃっ!?」」
逃げ出そうとするのを阻止しようと耳のついた女性は2人をさらに自分に引き寄せる
その時、2人の顔が彼女の豊満なものに押し当てられる
「大丈夫ですよ~。私が責任をもって親御さんを探してあげますね。その間は私のこと”マミー”って言ってくれてもいいんですよ」
親御さんを一緒に探すから安心するように耳のついた女性が語り掛ける
「(うっ、うぉ~!?な、なんじゃこりゃ!?)」
「(ぽよんぽよんだし、ちょ~柔らかい!?)」
2人は押し当てられている耳のついた女性の豊満なそれの感触に驚いていた
「その間、好きなだけ私に甘えてくださいね~♪」
耳のついた女性は甘い言葉で2人に囁く
「(あっあぁ…や、やばい)」
「(包み込まれるような柔らかさにほのかに香る匂い…)」
「「(すげぇ、落ち着く…)」」
抵抗していた2人だが、耳のついた女性に抱きかかえられ、この上ないほどに安らぐような感覚に落ちかけようとしていた
「「(…――って、落ちちゃまずいだろ!?)」」
されどそこは各作品の主人公たち、土壇場で補正がかかったのか我に返る
「(何とかして!)」
「(逃げないと!)」
落ちる前に何としてもと2人は意気を吹き返す
「…んっ?」
するとその時、不意に白堊の目にあるものが止まる
白堊が視界に捉えたもの、それは耳のついた女性の腰に付いているものだった
「(あれは…鍵だ!)」
耳のついた女性の腰には鍵が付いていた
「(おい一馬。あれ見ろ!)」
「(あれ…あっ、鍵!?)」
ジェスチャーで白堊は一馬に呼びかけ
なにかと思った一馬も視線の先に鍵があることに気づいた
「「…」」コクン
2人は鍵を手に入れるために行動に出ることにした
「え~んえ~ん!」
「あら?どうしました?寂しくて泣いちゃいましたか?」
直後に一馬が泣きまねを披露し、それに気づいた耳のついた女性が心配そうにしている
「――っ!」バッ!
「あっ!?」
するとそのタイミングで白堊が耳のついた女性の腰に手を伸ばし、鍵を奪い取る
「取ったぞ!」
「でかした!」
「「ふん!」」
「きゃっ!?」
鍵を手にし、耳のついた女性が動揺している隙に白堊と一馬は拘束から抜け出した
「よし、鍵は手にした!」
「となればやることはただ一つ…」
「「逃げろ!」」ビュゥゥゥン!
まんまと耳のついた女性から鍵を奪い取った白堊と一馬は即座に彼女から逃げ出す
「あっ、待ってください!危険ですよ!?」
自分から逃げる白堊と一馬を目にし、耳のついた女性が声をかける
「へっ、俺たちにとっちゃあんたと一緒にいる方がきけn」
「――っ!」ビュゥゥゥン!
「「ってぇええええ!?」」
2人が驚きの声を上げたのも無理はない、呼びかける声に物申そうと振り返るとそこには
いつの間にか自分たちの真後ろに迫っている耳のついた女性がいたのだ
「もうダメですよ!小さい子が走り回っちゃ危ないですから!ほら、マミーの元に戻って来てください!」
「なんで追いついて来れてるんだよ!?」
「考えてる暇はねぇ!ともかく今は何も考えず、逃げろぉおおお!?」
「「うぉおおおおおおお!」」
白堊と一馬は追いかけてくる耳のついた女性から必死に逃げるのだった
――病棟二階――
三階、四階にてそれぞれが大変なことになっているとは知らぬ佐介たちもまた鍵を探して二階を回っていた
「皆さん大丈夫でしょうか?」
「大丈夫だって佐介、鍵を見つけるだけなんだからそう心配することないさ」
「そうですよ。皆さんのためにも鍵を見つけましょう」
「お二人とも…はい、そうですね!」
くよくよしてても仕方ないと2人の励ましの言葉で佐介も気合いを入れ直した
そんな時だった
「…っ?」
「どうした佐介?」
「いえ…近くに気配を感じます」
「えっ?」
気配を感じたという佐介の一言に勇樹と結が驚いていた時だった
「ったく、どこだよここは?」
曲がり角から現れたのは高身長でがっちりとした体形の女性が現れた
通常時であろうと見上げなければならないほど女性が高身長なことに佐介たちは驚きを隠せずにいた
「ん?」
「「「…あっ」」」
まじまじと見ていたせいか女性が自分たちの存在に気づいたことに思わず声を上げる
一方、女性の方も佐介たちを見るや徐々に顔がニヤケ始める
彼女のその様子に何か嫌なものを感じる佐介たちは刺激しないようにゆっくりとこの場を離れようとする
「うぉおおおおおおお!!」
「しまっ!?」
「「――っ!?」」
だが、直後に大柄の女性が突進してくるとともに佐介たちを一気に3人抱きかかえてしまう
「オイオイオイ!なんなんだこいつら、可愛いな~♪」
「「「ぎゃぁあああ!?」」」
逃げる暇も与えないほどに素早く行動してきた大柄の女性に佐介たちは成す術もなく捕まってしまう
「本当にかわいいな~♪もしかして迷子か?だったらオレがその間面倒見てやるよ。だからオレのことは遠慮せず”ママ”って呼んでくれていいぜ♪」
あまりにも屈託のない笑みを大柄の女性はこぼす
しかし当の佐介たちにはそれどころの話しではない
「(くっ、苦しい!?)」
「(なんて怪力なんだよこの人!?)」
「(息が、し辛くなっていく!?)」
凄まじい勢いで抱きしめられているがために佐介たちは苦しみを感じていた
「(このままじゃ…そうだ!)」
危機的状況の中、勇樹が何か秘策を思いついた
「あっ、あの、お姉さん。ちょっといいかな?」
「ん?どうした?」
勇樹の声に反応した大柄の女性が顔を覗かせた瞬間だった
「今だ――っ!!」
ピカァアン!
「なっ、ぐぁああああ!?目ガァアア!?」
次の瞬間、勇樹が腕時計型照明装置を起動させ、その光に当てられた大柄の女性は目をやられてしまった
その弾みで佐介たちは拘束から解放された
「ナイスです勇樹くん!」
「お見事です!」
「まぁな!」
佐介と結は助けられたことを勇樹に感謝する
「よし、今度は僕が――っ!!」ビュゥゥゥン!
解放されてすぐのこと、佐介は小さい身ながらに勢いよく跳躍すると同時に
未だ目をやられて悶えている大柄の女性が身につけているリストバンドの鍵を奪い取ることに成功した
「やりましたね佐介お兄さん!」
「鍵GETだ!」
「2人とも、速くこの場から逃げましょう!」
「「はい(おう)!!」」
鍵を奪い取ることに成功した佐介たちは用はもうないと出口を起動させる装置のある一階に向かって行った
そうして急ぎ移動することしばらくして佐介たちは1階に到着する
「ここに装置があるはずです」
「どこだ?どこにある?」
到着早々に佐介たちは装置を探す
「あっ、お二人ともあれではないでしょうか!」
「「――っ?」」
結が指さす方に視線を向けるとそこには確かに装置が置いてあった
「よし、速く鍵を入れようぜ!」
「はい、わかりました!」
「これで脱出できますね!」
勝利を確信しつつ、佐介たちは意気揚々と鍵を差し込んだ
ピコンピコンピコン…ブー!!
「「「えぇっ!?」」」
しかしモニターに表示されたのはエラーの文字だった
「ど、どうして!?」
せっかく鍵を刺したのにエラーが表示される始末
「おいおいおい、どういうことなんだよ。話しが違うじゃねぇかよ!?」
決死の思いで鍵を手に入れたのにこんな仕打ちはあんまりだと佐介たちは悔しさを滲ませる
「「うわぁあああああ!!」」
「「「――っ?」」」
そんな最中のこと、右の方から叫び声が聞こえ、近づいてくる
やがて暗闇の向こうから瑠衣と蒼鬼の2人が現れた
「瑠衣くん蒼鬼さん!?」
息を切らしながらやってきた2人に佐介たちも驚く
「ど、どうしたんですかお二人ともそんなに慌てて?」
「じっ、実は桃色の髪の中学生の女にいきなり襲われて何とかここまで逃げてきたんです」ゼェ…ハァ…
「生きた心地がしませんでした」ゼェ…ハァ…
「えぇっ!?お二人もですか!?」
話しを聞いてまさかの事態に佐介たちも動揺を隠せない
「まっ、まぁともかく。ほら見てくださいほら、鍵を手に入れたんですよ!」
「かなりしんどかったですけどね!」
そう言って瑠衣と蒼鬼が鍵を見せてきた
「「「えぇっ!?」」」
「なっ、なんですか皆さん、その反応?」
「何かあったんですか?」
瑠衣と蒼鬼は鍵を見せたのに驚く佐介たちに困惑する
「じっ、実は…」
佐介たちはここまでの経緯を2人に説明した
「なるほど、皆さんも鍵を手にいれてたとはな?」
「しかもその鍵を刺したらエラーが出たと?」
話しを聞いて瑠衣と蒼鬼も納得した
「ですがこれってどういうことなんでしょうか?」
「…そうか、おそらくこれは作者のミスリードだ」
「「「「ミスリード?」」」」
何かに気づいた勇樹の放った一言に佐介たちはどういうことかと小首を傾げる
「作者はここに鍵を探して刺せって言ったけど数までは言ってない。つまり鍵は一つじゃなかった。おそらくここ以外の全ての階に鍵があったんだ」
「でっ、では?」
「あぁ…瑠衣、蒼鬼。お前らの鍵を刺してみてくれ」
「わっ、分かりました」
言われるがままに瑠衣と蒼鬼は自分たちの鍵を刺しこんだ
ピコンピコンピコン…ブー!!
しかし反応は佐介たち同様だった
「ダメです。エラーです」
「とすると俺のこの予想が正しければ残るは」
「一馬さんと白堊さんが持っているであろう鍵が本当の鍵と言うことですね!」
このことを踏まえ勇樹は考察を告げ、佐介たちもそうに違いないと一馬と白堊が来るのを待っていた
「「うぉおおおおおおお!!?」」
「この声は!?」
「「「「――っ!?」」」」
するとその直後、今度は左の方向から声が聞こえてきたので見てみるとそこには案の定、一馬と白堊がこっちに向かってきている姿だった
「一馬くん白堊くん!」
「おっ、おお~!お前ら!ここにいたのか!」
「よかった合流できた!!」
佐介たちの姿を見て一馬と白堊も安堵した様子でこちらに駆け寄ってきた
「大丈夫ですか2人とも?」
「あっあぁ」
「なんとかな」
一馬と白堊は息切れしながらも自分たちを気遣う佐介たちに返答を返す
「ところでお前ら、鍵は持ってるか?」
「おっおう…これだろ!」
そう言って一馬が見せた鍵を見て佐介たちは漫勉の笑みをこぼす
「「「やったぁあああ!」」」
「流石ですお二人とも!」
「…おっ、おう?」
「すげぇ喜びようだな?」
事情を知らない一馬と白堊は佐介たちの喜びように若干困惑した様子を見せていた
「さぁ、ぼさっとはしてられません。早くこの鍵を使って入り口を解放しなければ!」
一馬から鍵を受け取った佐介が装置にそれを差し込もうとした時だった
「あらあら~?こんなところにいたんですね~?」
「「――っ!?」」ビクッ
左側の通路のほうから声が聞こえた瞬間、一馬と白堊は血の気が引いたような顔を浮かべる
すかさず視線を向けるとそこには自分たちのほうに歩いてくる耳のついた女性が現れた
「見つけたわ~!!もう探したんだから~!」
「「――っ!?」」ゾクッ
さらに今度は右の方から声が聞こえ、その声を聞いた瑠衣と蒼鬼もまた顔面蒼白になりながら恐る恐る振り替える
そこには案の定、桃色の髪の女性がこちらに向かってきている様子だった
左右からやってくる2人に瑠衣たちも一馬たちも怯えてしまう
しかし事態はこれだけに留まらなかった
ミシッ…
「なんだ?」
唐突に天上のほうから何かが軋む音が聞こえる
ドドォォォォン!!
次の瞬間、天上が凄まじい音を立てて崩れ落ちた
突然の事態に佐介たちが困惑している時だった
崩れ落ちた際に発生した土煙の中からひときわ大きな人影が姿を現す
「おっ、やっぱりここにいたんだな?まったく、目を離したらすぐどっかに行っちまうんだもんな。心配しちまったじゃねぇかよコノヤロー♪」
「「「ひぃっ!?」」」
人影の正体、それは佐介たちが逃げ切ったと思っていた大柄の女性だった
天上を突き破っての登場に加え、先ほどの恐怖がフラッシュバックし、佐介たちは悲鳴を上げる
鍵を使い、出口を解放しようというタイミングでそれぞれの恐怖の対象がここに集ってしまった
もはや万事休すかと皆の心に恐怖と不安がよぎる
「さぁ、鬼ごっこは終わりにしてそろそろ…ん?」
そんな中、大柄の女性が近づこうとする中、不意に他の面々の姿を視界に捉える
「「あらっ?」」
しかもそれはほか2人も同じだった
「おいおい、おいおいおい!なんだよこりゃ、可愛いのがこんなにもいやがるじゃねぇかよ♪」
「まぁまぁ、こんなにもたくさんの子たちがいるなんて驚いちゃいました~♪」
「あらあらあらあら!どうちたの~?あなたたちも迷子なのかちら~♪」
3人はそれぞれ他の面子を目にして目を輝かせていた
「よ~し、そういうことならこのオレが全員面倒見てやるよ…だから」
「皆さんのことは私がお世話してあげます。ですので」
「遠慮しなくていいのよ。だ~か~ら~♪」
彼女たちは甘い言葉をささやきながらじりじりと彼らに近づく
「「「
だが、その最中のこと彼女たちはお互いに放った言葉にきょとんとして顔を見つめ合わせる
「何だお前ら?今からオレはこのかわいこちゃんたちをママとしてお世話しようとしているんだが?」
「それはこちらのセリフです。それにそう言うことなら託児所を経営している私の方が適任です」
「いいえ、この子たちは全員、お母さんである私が面倒をみるわ」
「「「むむむむむっ!」」」ジジジ
すると3人は互いに自分が佐介たちの面倒を見ると主張しあい始め、にらみ合いを続ける
「こ、こいつは…?」
「仲違い…ですかね?」
予想外の展開に皆が面を食らう
「でもこれはチャンスだ。今のうちに鍵を刺しこんで出口を開ければ俺たち助かるぞ!」
「確かに!」
「そうですね!」
3人が言い争いをしている間に鍵を刺しこもうと皆の意見が纏まり、行動に出ようとする
「よし分かった。だったら今ここで決めようじゃねぇか。誰が一番ママにふさわしいかを!」
「いいですねそうしましょう!」
「望むところよ!」
しかしその直後、タイミング悪く3人の意見が纏まってしまう
「「「…っ」」」キュピン!
「「「「「「――っ!?」」」」」」ゾクッ
彼女たちが獲物を狙う捕食者のように佐介たちを見据える
「や、やばい、急げ佐介!?」
「はっ、はい!?」
危険を感じた白堊が慌てて佐介に鍵を刺すように指示する
佐介は困惑しつつも鍵を刺そうとしている
「早くしろ佐介、このままじゃ「――っ!」うわぁぁっ!?」
「か、一馬くん!?」
急かすかのように佐介に声をかけた一馬だったが、その直後に桃色の髪の女性に捕まえられてしまう
「あらあらあら、あなたも可愛いわね。あなたもママとはぐれちゃったの~?だったら私のことをお母さんって言ってもいいのよ♪」
「くっ、くそっ!?は、離せ!?」
捕まった一馬が必死に抵抗しようともがく
「お・しゃ・ぶ・り!」
「ふごっ!?」
「飴ちゃん!ガラガラぁああ!!」
「ふごふがぁあっ!?」
だが、桃色の髪の女性は一馬の口に様々なものを突っ込んでしまうのだった
「ど、どうしましょう。このままでは一馬くんが!?」
「ぎゃぁあああ!?」
「はっ、白堊くん!?」
一馬が捕まり、焦っている矢先に今度は白堊の悲鳴が聞こえる
「うふふっ、捕まえましたよ~♪」
「HA☆NA☆SE!!」
いつの間にか耳のついた女性に抱きかかえられてしまっている白堊が必死に逃げようとしていた
「もう暴れちゃ…――っ!」グイッ!
「むぎゅっ!?」
「めっ、ですよ♪」
しかし抵抗も虚しく強引に顔を彼女の豊満なそれに押し当てられてしまった
ジタバタと暴れる白亜の姿に佐介たちは困惑する
「今度は白堊くんまで。このままでは全滅してしまいます!?」
早くも2人が捕まり、佐介たちは焦りを抱く
「きゃあっ!?」
「し、しまった蒼鬼さん!?」
あちらこちらに視線を向けている間に蒼鬼までもが捕まってしまう
「まさかこんなところで同族に会えるなんて夢にも思わなかったぜ!ママが居なくて寂しいだろ?大丈夫、オレが責任をもってママになってやるからな♪」
「むぎゃぁああ~!?」
蒼鬼もまた捕まえられてしまい、身動きがとれなかった
「どうしよう、どうしようどうしよう!?」アタフタ
「お、落ち着いてください佐介くん!?」
「そうですよ佐介お兄さん!?」
二転三転する現状に佐介は混乱してしまっていた
「慌てている暇はないぞ佐介、大丈夫。このゲームは誰かが出口を潜ればクリアだ!」
「そっ、そうですよ佐介くん。まだ諦める時ではないはずです!?」
「あいつらには悪いがここは囮になってもらってその隙に俺たちで出口を潜るんだ。そうしなければあいつらを助けられない!」
「みなさん…はい、わかりました!」
勇樹と瑠衣の説得で我に返った佐介が鍵を刺しこんだ
ピコンピコンピコン…ピー!!
次の瞬間、エラーの時とは別のアラームが鳴る
さらには出口のロックが解除される音が聞こえる
「扉が開きました!」
「よーし、行くぞお前ら!」
「「「はい!」」」
後は出口に向かうのみと佐介たちは一斉に駆け出そうとする
「おっと!!」
「どこに行こうとしているんですか~?」
「ダメよ。子供だけで外に出ようとしちゃ!」
「「「「えぇっ!?」」」」
だが、そんな佐介たちの前に3人が現れ、行く手を阻む
「な、なんで!?どうして!?」
「あ、あんたらあいつらはどうしたんだよ!?」
目の前に現れた3人に驚愕の表情を浮かべる中、勇樹がなぜかと問い詰める
「あぁあいつらなら心配ないぜ」
「えぇ、まったく問題ありませんよ」
「ほら、あそこを見てみて」
「「「「――っ?」」」」
3人が見据える先に佐介たちも視線を向ける
「「「うっ…ぅぅ…」」」涙
そこにはいつの間にか幼稚園のスワックを着せられ、口におしゃぶりに挙句ベビーカーに乗せられている3人が恥辱に涙を流した空虚な目を向けていた
「安心しろ。お前らもあいつらと一緒にしてやるからよ」
「まとめて私たちが面倒を見てあげますからね」
「怖がる必要なんてないからお母さんに甘えてもいいのよ♪」
3人は佐介たちに次は自分たちの番であることを甘い言葉をささやくように告げる
だが、この時佐介たちが思っていたことはただ一つ
「「「「(絶対に掴まりたくない!?)」」」」
一馬たちのようにあんな風にされるなんてまっぴらだと佐介たちの心は一つとなっていた
「さぁ、大人しく!」
「マミーたちの元に!」
「いらっしゃーい!」
女性たちは残る佐介たちを捕まえるべく襲い掛かる
「(どうしたらいい、このままではやられてしまう!?)」
危機的状況を前に佐介は必死に試行錯誤をする
「…――っ!」キュピン
その時、佐介の脳裏に突破口が浮かぶ
「…勇樹くん、瑠衣くん!」
すると佐介はすかさず勇樹と瑠衣に声をかける
「「おう!」」
佐介の意図を組んでか、はたまた自分たちも同じ考えだったのか3人が互いにアイコンタクトを取りながら行動に出る
「「「――っ!!」」」バッ
「えっ!?」
次の瞬間、3人はあろうことか自ら彼女たちの元に飛び込んでいったのだ
「おぉ、そっちから来るとはな!」
「やっぱりマミーの温もりが恋しいんですね!」
「いいわよ。お母さんがいっぱい愛情注いであげるからね!」
そしてその直後、3人は飛び込んできた佐介たちを受け止めてしまった
「結くん今です!」
「えっ?」
「俺たちがこいつらを引き受ける!」
「君は真っ直ぐ出口に行ってください!」
3人は掴まる際に残っている結に出口に向かうように指示を出した
「で、ですが!?」
しかし結は皆を囮にしてしまうこのやり方に困惑し、戸惑いを見せてしまう
「もうこれしか方法はありません!」
「ここで全員が捕まってしまったら元も子もない!」
「お願いします。僕らの犠牲を無駄にしないで!」
「み、みなさん…」
結は佐介たちからの決死の頼みの言葉に心を響かせる
「…――っ!!」バッ
佐介たちの言葉とチャンスを無駄にしてなるものかと結は出口に向かって駆け出す
「おっと、ちょっと待て!」
「――っ!?」
だが、駆け出そうとした寸前、女性たちが結の前に立ちはだかる
「ダメですよ。1人で外に出るなんて危ないですから」
「だからほ~ら、あなたも私たちの元にいらっしゃい」
「ぐぅ!?」
凄まじい圧をかけながら女性たちはじりじりと結に近づいていく
もうダメかと思われた時だった
「そうはさせません!」
「――っ!!」
「「きゃっ!?」」
佐介と瑠衣が自分たちを抱えている耳のついた女性と桃色の髪の女性に妨害を加えて彼女たちを怯ませる
「結くん!」
「今のうちに!」
「はい!」
2人の声に応じるように結が再び飛び出す
「よし、俺も!」
残る大柄の女性の足止めをしようと勇樹が行動を始めようとする
「おっと、その手はもう通じないぜ!」
「なっ!?」
しかし先に一度目くらましを食らっていたこともあって大柄の女性は先に手を潰しにかかり、勇樹の作戦は失敗する
「――っ!!」バッ!
勇樹の動きを封じるや大柄の女性が結を追いかける
「まずい、逃げろ結!?」
「…――っ!?」
咄嗟に呼びかける勇樹の声に反応し、振り返った結は状況を理解する
何としても逃げるという思いのままに結は走り続け、やがて出口まで目前まで到達する
「ダメだちびっ子の1人出なんてママは許さないぞぉぉお!」
負けじと大柄の女性が手を突き出し、こちらも結の背後ギリギリまで迫りくる
逃げる結の足が撒くか、大柄の女性の母性愛が勝つか
息を吞む展開に世界の時がスローモーションのようにゆっくりと流れる
「ぐぅぅぅ!!」
「「「「「「結(くん)頑張れぇえ!」」」」」」
皆が結にエールを送る
「やぁあああああ!」バッ!
「なにぃっ!?」スカッ!
仲間たちの声援が力を与えたのか、捕まえられる寸前に結は素早くこれを回避した
思わぬ展開に大柄の女性も驚愕する
「たぁああああああ!!」
そしてついにその時はきた
「――っ!!」
結が出口を潜り抜けた
次の瞬間、場は静寂に包まれる
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
出口では結が荒くなった息を整えていた
するとその直後だった
≪GAME CLEAR!!≫
ゲームをクリアした結に勝者のファンファーレが流れる
「や、やった…やりましたよ!」
結は成し遂げたことへの達成感から飛び上がりながら喜んだ
その時だった
ギュゥウウウウン!!
「「「「「「――っ!?」」」」」」
次の瞬間、地面が真っ白な光に包みこまれていき、秒を追うごとに輝きを増していく
白く輝く光に佐介たちは全員飲み込まれるのだった…
「「「「「「――…っ!?」」」」」」
視界が開け、佐介たちは目を見開く
「よかった。皆さん無事でしたか!」
「紫苑さん?それに光牙くんたちも…ではここって?」
佐介たちは辺りを見回しながらここが先ほどまで居た場所でないことを確認する
「あぁ、もちろん会場だ」
「ということは――っ!」
「「「「「――っ!」」」」」
光牙の言葉にハッとなった佐介たちはすかさず自分たちの体を確認する
「も、元に」
「「「「「戻ってる~♪」」」」」
少年少女の姿から元に戻ってることにこの上ない喜びを覚え、全員が輪になって喜んだ
「よかった。本当によかった!」
「捕まってあんな格好させられた時にゃ俺はもうダメかと思ったぜ!?」
「無事に戻れて何よりです~♪」
捕まえられてスワックヲ着せられた3人は特にこのことに関して大いに喜んだ
「それもこれも全ては結くんが頑張ってくれたからですよ」
「あぁ、結が頑張ってくれたおかげで俺らはこうしてここにいられるんだ」
「ありがとうございます結くん」
一同が今回の勝利の立役者である結に感謝する
「いっ、いえそれほどでも///」
皆から褒められ、結も照れくさくも嬉しそうにしていた
「…」
するとそんな様子を陰から覗き見ているものがいた…作者だ
作者は物陰から様子を伺い、皆が話しに気を散られている隙にその場から立ち去ろうとする
「待て、どこに行く気だ?」
「ぎくっ!?」
しかし逃げようとした最中、背後から声が聞こえ、作者が恐る恐る振り返るとそこには光牙が立っていた
「あぎゃーす!?」
「「「「「「「っ!?」」」」」」」
直後、作者の悲鳴が聞こえ、皆が驚く
「な、なんだなんだ?」
「僕見てきます」
様子を見てくると言って佐介が声のする方に駆け付ける
「あっ、光牙くん?」
「佐介か?驚かせてすまなかったな。こいつが逃げようとしてたもんでな」
「…って作者さん!?」
佐介に気づいた光牙が手にしているものを見せた
光牙が抱えていたのはげんこつを食らったのか頭に瘤を付けた作者がいた
驚きつつも佐介が光牙と共に作者を皆の元に連行してきた
「あー!でたな諸悪の根源!」
「やぁ、やぁ〜みんな。ゲームクリアおめでとう!」
皆の視線に晒され、気まずそうな顔を浮かべながら苦し紛れに拍手を送る
「何をいけしゃあしゃあと!」
「あなたのせいでこちらは大変だったんですからね!」
「い、いや~。あはは…」アセアセ
拍手喝采で誤魔化そうとしても怒り心頭な皆には通じておらず、作者は冷や汗を垂らす
「ここまで皆さんに迷惑かけたんですから覚悟はできてますよね?」ニッコリ
「「「「「「むふふふ~」」」」」」
「あっ、あの~。皆さん笑みが怖いんですが…えっ、えっと…ごめんね、ゆるちて♪」
目に涙をためながら最後の抵抗と許しを懇願する
「「「「「「「はい却下♪ギルティ♪」」」」」」」
「ですよね…そ、それで皆さん。今年も「閃乱カグラ 忍たちの生き様」をヨロシヘグリ♪」
「「「「「「「天誅ぅううううう!!」」」」」」」
「アリーヴェデルチィィイイイイイイ!?」
こうして今年という新しい年が始まるのだった
――本日の出演――
勇樹:水岸薫様
白堊:麻婆豆腐メンタル様
蒼鬼:終末好きの根暗様
結:屍モドキ様
瑠衣:名もなきA・弐様
――ゲスト出演――
耳のついた女性:ウマ娘プリティーダービー
桃色の髪の女性:ぷにるはかわいいスライム
大柄の女性:エルフさんは痩せられない