閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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第二十九章 みんなでキノコ狩り

ここは半蔵学院から少し離れた山の中

 

 

「チェルシーちゃん、レイナ、ちゃんとついてこれてますか?」

 

 

「はい、私は大丈夫…ですけど〜」

 

 

困ったようにレイナが後ろを振り返ると

 

 

「うぇ〜、ちょ、ちょっと休憩しよ〜僕もう疲れて動けないよ〜」

 

 

疲れて駄々を捏ねているチェルシーがいた

 

 

「チェルシー、さっき休憩したばかりでしょ?もう少し頑張ろう、ねっ?」

 

 

「でも僕疲れちゃったよ〜」

 

 

レイナが説得しようとするもダメだった

 

 

「まぁまぁ、時間はあるんですし少し休憩しましょう」

 

 

「さっすが佐介〜話しがわかる〜♪」

 

 

「もう、チェルシーったら」

 

 

佐介の行為に甘えるチェルシーをレイナは呆れた様子で見ていた

 

 

そんなこんなで3人は休憩をとっていた

 

 

「楽しみですね兄さま」

 

 

「はい、今日はいっぱい収穫できるといいです」

 

 

佐介たちが山に来た理由、それはこの山には多種多彩なキノコが生えているからである

 

 

どれもこれも珍しいキノコばかりであり、食すと美味なものもあるとのこと

 

 

レイナたちが来る前も何度か訪れていたのだが、手伝いをしたいと申し出たことを気にみんなでここにキノコ狩りに来ていたのである

 

 

「さてと、目的地まであと少しですので頑張りましょう」

 

 

「はい」

 

 

「ほーい」

 

 

休憩をしっかりと取り、佐介たちは山道を歩き続ける

 

 

 

 

 

 

それからしばらく歩き続けること数十分

 

 

 

 

 

「…2人とも付きましたよ」

 

 

「…うわぁ〜」

 

 

「おぉー!」

 

 

佐介の言った通り、周辺には色とりどりのキノコが沢山生えていた

 

 

「キノコが沢山!」

 

 

「すごーい」

 

 

「さぁ、手分けして収穫しましょう」

 

 

と言うことで佐介たちは手分けしてキノコを取りに行った

 

 

 

 

 

 

「んっしょっと…取れた」ポキッ

 

 

佐介と一時別れたレイナはたどり着いた先でキノコを収穫していた

 

 

レイナが手にしたのは青い色をしたキノコだった

 

 

「レイナ〜、見て見て〜こんなキノコ見つけたよ〜」

 

 

「何かいいキノコ見つけたの?」

 

 

「うん。じゃ〜ん♪」テッテレ~

 

 

自信満々そうにチェルシーがレイナに見せたのは真っ黄色で如何にも危険そうなキノコだった

 

 

「ちぇ、チェルシー。すごいけどそのキノコはやめた方がいいと思うよ」アセアセ

 

 

「そう?」キョトン

 

 

「うっ、うん」

 

 

「ちぇ〜っ、いいと思ったんだけどな〜」ショボーン

 

 

ぶつくさと垂れながらもチェルシーはキノコを元の場所に返すのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、佐介のほうは

 

 

 

「……うん。これはいい感じだ」ポキッ

 

 

着々と食せるキノコを籠の中に入れて行く、それにより籠の中が早くもキノコでいっぱいになっていく

 

 

「これだけあればいろいろなキノコ料理が作れるぞ〜」ジュルリ

 

 

佐介の頭の中にキノコご飯にキノコの味噌汁、パスタやカルパッチョなど様々なキノコ料理が頭に浮かび上がり

 

 

それを思えば思うほどよだれが垂れる佐介だった

 

 

「さてと、そろそろレイナたちの元に戻らなきゃ」

 

 

キノコが入った籠を背負い、レイナたちと合流しようと歩き出そうとした時、ふと一本のキノコが目にとまる

 

 

それは佐介も今までに見たことないキノコだった

 

 

「これは…っ?」ポキッ

 

 

何気なく佐介はそのキノコを手にしてみた

 

 

「みたところ毒キノコの仲間ではないみたいだけど…?」

 

 

見ればみるほど不思議なキノコだった

 

 

「毒もなさそうだし、持って帰って調べてみましょう」

 

 

佐介はそのキノコが何かを調べるため持って帰ることにした

 

 

 

 

それから数分後

 

 

 

 

「いたいた。お~い二人とも~」

 

 

「あっ、兄さま」

 

 

「もう、遅いっての~」

 

 

「あはは、ごめんなさい」

 

 

集合場所に着くと既にチェルシーとレイナが来ており、遅れてきた佐介にチェルシーが文句をたれる

 

 

「二人もたくさん取れたみたいですね」

 

 

「まぁね~♪」

 

 

「兄さまもすごい量ですね」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

3人は互いに収穫したキノコを見て喜んでいた

 

 

「ん?佐介~、その手に持ってるのなに?」

 

 

「あぁこれですか?さっき戻る際に見つけたんです。珍しいキノコだったので調べようかと」

 

 

「…確かに不思議なキノコですね~」

 

 

不思議なキノコに3人は夢中だった

 

 

そんな時だった

 

 

「いつまで探せばいいのよ?ていうか本当にあるんでしょうね?」

 

 

『っ?』

 

 

「大丈夫だよ~ぜ~ったい、あるはずだから~♪」

 

 

向こうの方から聞いたことのある声が聞こえ、その声はどんどんとこちらに向かっているかのように大きくなっていく

 

 

そして佐介たちの先の方の草むらがかさかさと音を立てた時

 

 

草むらから二つの影が現れた

 

 

「そう言っておきながら実際見つかんないじゃないのこの駄犬!」

 

 

「きゃい〜ん♪両奈ちゃん罵られて幸せ〜♪」

 

 

「まったくもうあんたってやつ…は?」

 

 

その正体は以前、自分たちを攻めて来た蛇女子学園の生徒、両備と両奈だった

 

 

「…なっ!なんであんたがここにいるのよ!?」

 

 

「そっくりそのままお返ししますよ!?」

 

 

硬直していた両備がいち早く我に帰り、佐介たちがいることに突っ込み

 

 

佐介もまたそう返すのだった

 

 

「あらら〜ん?佐介くんたちはどうしてこの山に〜?」

 

 

「みりゃ分かんでしょ、キノコ狩りだよ」

 

 

両奈の問いにチェルシーが答える

 

 

「はう〜ん、じゃあ佐介くんたちも両奈ちゃんたちとおんなじなんだ〜♪」

 

 

「同じ?…と言うことはお二人もキノコ採取に?」

 

 

「そ〜なの〜、この山に生えてるあるキノコを探してて〜「そこまでよ!黙りなさいバカ犬!」きゃい〜ん♪」

 

 

理由を話そうとすると両備が両奈を罵倒し、口封じをした

 

 

「どうしたんですか?」

 

 

「なっ、なんでもないわよ!あんたたちには関係な……っ!?」

 

 

喋っていた両備が突然、黙り込む

 

 

そんな両備の目線に写っているのは、レイナが持っているあの不思議なキノコだった

 

 

「両奈、あれってもしかして?」

 

 

「そう、そうだよ両備ちゃん、あれだよ両奈ちゃんたちが探してたのは♪」

 

 

「…あれが…あれが」

 

 

レイナが持っているキノコを見てから両備の様子が変わった

 

 

「…こせ」

 

 

「えっ?」

 

 

「そのキノコをよこしなさぁぁい!」

 

 

「ひゃっ!?」

 

 

突如、荒れ狂うかのごとく両備がレイナに襲いかかり、レイナのもつキノコを奪い取ろうとする

 

 

「おい!僕のレイナに何するんだよ!」

 

 

レイナの危機にチェルシーが乱入する

 

 

「邪魔すんな!いいからさっさとキノコを渡せぇ!」

 

 

「ふざけんな!これは僕たちが先に見つけたんだぞ!」

 

 

「ふっ、2人ともやめて〜!」

 

 

前後から挟まれ、板挟み状態のレイナは苦しそうだった

 

 

「この!離れろっての!」

 

 

「うわっ!?」

 

 

イラついたチェルシーが両備をどんと押した

 

 

突然の攻撃により、後方に仰け反った時

 

 

不覚にも両備が下に滑り落ちそうになる

 

 

「あっ、危ない!」

 

 

佐介が慌てて両備を助けるべく手を掴む

 

 

「〜〜〜…っ!?」

 

 

「ちょ!?」

 

 

「うわあぁぁぁ!!」

 

 

「きゃあぁぁぁ!!」

 

 

しかし、掴んだはいいものの落ちる勢いが優ってしまい佐介も一緒にはずみで

 

 

たまたまその先が坂になっており、ゴロゴロと転げ落ちた

 

 

さらにその先がたまたま崖になっていてそこをまっすぐに落ちていった

 

 

崖の下がこれまたたまたま川になっていたのでそこをまっすぐに落ちていった

 

 

「佐介兄さま!?」

 

 

「佐介!?」

 

 

「両備ちゃん!?」

 

 

慌てて下を見るも2人が水面に上がってこなかった

 

 

「ど、どうしようレイナ!佐介が!?」

 

 

「両備ちゃんが〜!」

 

 

あまりのことにパニック状態になるチェルシーと両奈

 

 

「と、とりあえず2人とも落ち着いて!…ともかく先ずは急いであそこに向かおう」

 

 

「うっ、うん!」

 

 

「わかったの」

 

 

2人を助けに3人が動き出すのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃佐介と両備は落ちた川の少し下流付近の洞穴に避難していた

 

 

もうすぐ日が暮れることを踏まえると、今日はこれ以上の移動は無謀と考え

 

 

寒さを凌ぐべく近くから集めた火を起こすのに使えそうな木々を集めて火を焚いて濡れた服などを乾かしていた

 

 

「それにしてもこんな場所に洞穴があって助かりましたね」

 

 

「こっち見んな変態!」

 

 

「あっ、すっ、すみません」

 

 

現在、2人は服が川に落ちて濡れてしまい、替えの装束も持ち合わせなしということでほぼ裸だった

 

 

そのため、佐介は火を焚いたあとは後ろを向いており、両備は佐介が薪と一緒に見つけた捨てられていた毛布にくるまっていた

 

 

「……ねぇ」

 

「っ?」

 

 

「なんであんた両備を助けたりしたのよ?」

 

 

「えっ?」

 

 

等々に尋ねられた両備の質問の内容に佐介はキョトンとする

 

 

「だって両備たちは敵同士なのよ?あんたが両備を助ける理由なんてないはずなのに…こんなものまで用意してくれるなんて」

 

 

頬を赤らめもぞもぞしながら両備は尋ねる

 

 

「…人を助けるのに理由なんていりませんよ。落ちたら危ないと思って必死に手を掴んだだけですよ」

 

 

「…っ!?えっ、偉そうなこと言ったって結局落ちてたら意味ないじゃない」

 

 

「あはは、確かに」

 

 

その私的を両備に突っ込まれ佐介は苦笑いする

 

 

「寒くないですか?もし寒いなら言ってくださいね、もう少し火を強くしますから」

 

 

「あっ、ありがとう」

 

 

両備は前方に座る佐介の後ろ姿を見て思っていた

 

 

この男はどうしてここまで人に優しくするのだろう、自分たちは敵同士であるにも関わらず

 

 

そのことが両備にはどうしても理解できなかった

 

 

するとその時だった

 

 

「〜っ!?」ぎゅ〜

 

 

突然、両備のお腹が鳴った

 

 

「お腹が空いたんですか?」

 

 

「ちっちが!そんなんじゃ!?」ぎゅ〜

 

 

口ではなんと言おうとも体は正直なものだった

 

 

「…ちょっと待っててください」

 

 

「どこ行くのよ?」

 

 

「近くに何か食べれそうなものがあるか探してきます」

 

 

 

「はぁ!?あんたバカなの!?こんな寒い中そんな格好で外でたら死ぬわよ!?」

 

 

佐介の驚きの発言に両備はびっくりする

 

 

「大丈夫、僕、鍛えてますから…じゃあ行ってきます」

 

 

「あっ!ちよっと!」

 

 

両備が止めるのも聞かず、佐介は駆け足で闇の中に消えて行った

 

 

1人取り残された両備はある思いにかられていた

 

 

「……あいつってなんだか、お姉ちゃんに似てる…のかな?」

 

 

誰にも分け隔てなく優しく、自分や両奈にとって自慢である姉とどことなく佐介は似てると感じる両備だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数分後

 

 

 

 

 

 

「お待たせしました」

 

 

「おっ遅いわよ!両備を待たせるなんていい度胸ね!」

 

 

無事に戻ってきたと言う安心感を抱いてはいたものの、素直な性格ではないため、思っていたことと反対のことを口走る

 

 

「ごめんなさい、取ってくるのに時間がかかりすぎちゃいましたね…でもその分、収穫はありましたよ」

 

 

そう言うと佐介は取ってきた果実や魚などを見せる

 

 

「どうしたのよこんなに?」

 

 

「この子たちに手伝ってもらいました」

 

 

すると佐介の両手に手裏剣アニマルたちが着地する

 

 

「ふーん……って!?ぎゃああぁぁ!!?」

 

 

「どうしました!?」

 

 

「ねねねね、ネズミ〜〜!?」

 

 

突然騒ぎ出した両備が見たものは佐介が取ってきたネズミだった

 

 

「あぁこれですか、串焼きにして食べようと思ってまして」

 

 

「こっち近づけんな〜!いやぁぁぁ!!」

 

 

まるでどこぞのネコ型ロボットのようにネズミに悲鳴をあげる両備だった

 

 

 

 

 

 

 

 

それから程なくして食事を済ませた2人は服が乾いたため、着替え終えていた

 

 

 

「じゃあそろそろ寝ましょう。明日になったらみんなを探しに行きましょう」

 

 

「えっ、ええ、言われなくても」

 

 

「では僕はお先に…おやすみなさい」

 

 

そう言うと佐介はすやすやと寝息をたてながら眠りについた

 

 

そこからしばらく沈黙していた両備だったがふと気づいた

 

 

「(よく考えたら、これ、絶好の好機じゃない!?)」

 

 

目の前には無防備に眠る佐介、そして周りには邪魔ものは1人としていない

 

 

「(あの時の雪辱を晴らすなら、今よね!)」

 

 

意を決して両備は愛用武器を手に佐介にゆっくりと近づく

 

 

そして佐介を起こさないように向きを変えて、そこから馬乗りになる

 

 

「(こいつで仕留めてあげるわ!)」

 

 

両備が佐介に武器を振り下ろそうとする

 

 

「〜〜……っ!?」

 

 

しかし、両備はその手を寸止めで止まるとともにガタガタと震えだす

 

 

確かに最初は敵として佐介に負けた恨みがあった

 

 

だが、彼の気づかい、優しさなどを目にしたことで両備の中で何かが揺れ動いていた

 

 

「(な、なんで…なんで躊躇うのよ両備!?)」

 

 

自分で自分を責める両備は今の自分がわからなくなっていた

 

 

そうして自責の念に苦しんでいる時だった

 

 

「〜〜…う〜ん、ううん」

 

 

「ふぇ!?ちょっ!?」

 

 

なんと佐介が馬乗りにの両備をそのまま抱き寄せ、抱きしめる

 

 

「〜〜〜〜っ////!?!?!?」

 

 

予想だにしない状況に驚く

 

 

「(ちょ、なにこれ!?今私、男に抱きしめられてる!?!?)」

 

 

驚きの展開に戸惑いながらなんとか逃げ出そうとするも

 

 

「(こ、こいつなんて力なのよ!?)」

 

 

両備の力では佐介の腕を振りほどくことなどできなかった

 

 

完全に身動きがとれない

 

 

「(ど、どうすればいいのよこの状況!?)」

 

 

抱きしめられていることにより両備は全身が佐介と密着していた

 

 

おまけに佐介の胸元からは彼の心臓の鼓動が聞こえる

 

 

何より男の人に抱きしめられてドキドキしない女性はいなかった

 

 

「〜…いい子いい子…」

 

 

「っ!?」

 

 

寝ぼけた佐介が両備の頭をなでなでしてきた

 

 

「(なっ!きゅ、急になにをするかと思えば何よこれ!?こんなもので両備がどうにかなるわけ!)」

 

 

だが、なでなでされる度になぜかとても安心する気がした

 

 

「(なんか…お姉ちゃんになでなでしてもらった時の感覚に似てる…)」

 

 

ここでもまた佐介に姉と似たところを感じる両備だった

 

 

 

 

 

 

 

コケコッコ〜♪

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ん〜〜!あぁ〜、よく寝たです」

 

 

朝が来て佐介が目を覚ますとともに体を伸ばす

 

 

「ふっ、ふん!今起きるなんてとんだ寝ぼけね!」

 

 

「あっ、両備ちゃんおはようございます。昨日は寝れましたか?」

 

 

「とっ、当然!もうぐっすりよ」

 

 

もちろん嘘である。あの後我に帰った両備は抜け出すのに必死で抜け出てたのであんまり寝てなかった

 

 

「さてと、じゃあそろそろ行きましょうか」

 

 

「なっ、なによ?」

 

 

「ここはあまり来たことがないので逸れたら大変ですから手を繋いだ方がいいと思いまして」

 

 

そう言うと佐介は両備に手を差し伸べる

 

 

「いっ、いらないわよ!」

 

 

恥ずかしそうにそそくさと歩き出した両備の後を追いかける佐介だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして準備が整い、佐介と両備は自分たちを探しているであろうみんなを探しに行った

 

 

「あんたってさ、さぞいい思いしてるんでしょうね」

 

 

「えっ?」

 

 

唐突な両備のその言葉に佐介はキョトンとする

 

 

「だってそうじゃないあんなにたくさんのかわいい上に腹が立つほど羨ましいデカ乳女たちに囲まれてるんだから」

 

 

若干、恨みのオーラを湧き上がらせながら両備は言った

 

 

「そうですかね?…でも僕は両備ちゃんは可愛くてとっても素敵な女性だと思いますよ」

 

 

「っ////!?」

 

 

突然の佐介の爆弾発言に両備は顔中真っ赤になる

 

 

「…ありがとう」

 

 

「何か言いました両備ちゃん?」

 

 

「な、何でもないわよ!……バカ///」

 

 

先ほどの爆弾発言といい、自分に見せる一点の曇りもない笑みを見せられ、両備は佐介の顔をまともに見れなくなっていた

 

 

そんな時だった

 

 

「あっ!あそこ!」

 

 

「ほんとだ!おーい佐介〜!」

 

 

「両備ちゃ〜ん!」

 

 

声のする方を見るとそこには自分たちを探しているであろうレイナたちがいた

 

 

「みんな、おーい!」

 

 

佐介もそれに答えて手を振るのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

「まったくあんたらのせいで散々なキノコ狩りになっちゃったじゃんか」

 

 

「チェルシー、リラックス〜」

 

 

「そうだよチェルシーちゃん」

 

 

あれから合流するやいなやチェルシーが事の発端である両備たちに毒づく

 

 

「悪かったわね!」

 

 

「でもでも〜みんな無事で何よりだよ〜♪」

 

 

と言う感じになんだかんだあったが、佐介たちと両備たちはそれぞれの帰る場所に戻る時が来た

 

 

「…佐介」

 

 

「何ですか?」

 

 

すると突然、両備が佐介を呼び止める

 

 

「あ、あんたには貸しができたわね…今度会う時はこの借りはきっちり返してあげるんだから」

 

 

「はい、楽しみにしてますよ」

 

 

2人はそう約束を交わす

 

 

「それと、これからは後ろには気をつけなさいよ」

 

 

「えっ?」

 

 

「油断してると撃ち抜くからね、言っとくけど、両備は意外と一途でしつこいんだからね!」

 

 

「…ふぇ?」

 

 

キョトンとする佐介をよそに両備は両奈を連れて去っていくのだった

 

 

 

 

 

 

 

「両備ちゃん、何かあったの〜?」

 

 

「別に、ただ……あいつのことちょっと気に入ったくらいかしらね」

 

 

そう言いはなった両備を見た両奈は微笑んだ

 

 

「…あれ?なんか忘れてるような〜?」

 

 

「何だっけ?」

 

 

「うーん…思い出せない」

 

 

両備はどうやら佐介との出来事に頭がいっぱいで本来の目的を忘れてしまったようであった




ジュ~

「はい、二人とも焼けましたよ」

「おお~うまそ♪」

「美味しそうです」

山から戻った3人は早速とってきたキノコを食べることにした

「そういえばさ、なんであいつらそのキノコ欲しがったんだろ?」

「いわれてみればそうだね」

両備たちはなぜこのキノコを必死に奪い取ろうとしたのかと疑問を抱いていた

「どれから食べよっかな~」

「私、これにするね」

レイナが摘んだのは例のキノコだった

「…いい香りです。いただきます」パクッ

例のキノコをぱくりと食べたレイナ

「…っ!?」ビクッ

「ど、どうしたのレイナ!?」

「っ!?」

すると突然、レイナに異変が

「な、なにこれ…か、身体が、熱いよ…」

レイナが苦しんでいたその時


ポチ~ン ボイ~ン♪


「ふぇ?」

「「なっ!?」」

突然、男であるはずのレイナの胸がひばり並みに大きく膨らみ、ぱつんぱつんになった服のボタンが吹き飛んできて行った

「れ、レイナの胸が…ぷ、ぶふ~!?」鼻血

「あ、…あぁぁ///」アタフタ

「どうなってんだよこれ~!?」アタフタ


後日判明したことだが、あのキノコの名は「バインバインダケ」といい食べた者を性別問わず胸が大きくなるというものであった

幸い、そのキノコを食べてしまったレイナの胸は次の日には戻っていた


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