突如として山に墜落した宇宙船らしき飛行物体を見つけたり、さらにその中から謎の少年が現れたりと
立て続けにいろんなことが起こる事態の中、紅葉たちはその少年を連れて学園に戻っていた
「…にわかには信じられないような内容ですが、先ほどこちらも監視カメラから墜落した飛行物体の映像は拝見しましたから概ね真実なのですね」
「分かってくれて助かるぞ麗王、正直私たちも何が何だか分からない状況で困っていたんだ」
学園に戻った紅葉と玉響はこれまでのことを麗王に包み隠さず伝えた
しかしながら麗王たちのほうも話を聞いたものの、まだ少し信じられないと言った顔を浮かべていた
「しかし、本当にこの方は何者なのでしょうか?」
そんな中、朱璃が紅葉と玉響が連れ帰ったとされる少女の顔を眺めながらぼそりと呟く
「未知の飛行船から現れたってことはこの子、もしかして宇宙人なんじゃないの?」
続くようにして藍夢も口を開き、宇宙船から現れたことを考慮に少年が宇宙人だと主張する
「何言ってるの藍夢ちゃん。宇宙人なんて実際にいるわけないって、SF映画の見過ぎだよ」
「む~!そんなことないもん。この子は絶対に宇宙人だよ!」
「こらこら、黒母衣さん藍夢さん、喧嘩はよくありませんわよ」
少女が宇宙人か否かで揉めあう二人を銀嶺が止める
「ん…んん……」
するとそんな時だった
「あっ、皆さん。この方、意識が戻りそうです」
「それは本当ですか」
玉響からそう聞いた一同が少年に視線を向ける
「……っ?」パチッ
直後、少年の閉じていた瞼が開いた
「気が付かれましたか。具合のほうはどうですか?」
目が覚めた少年に玉響が声をかける
「……――っ!?」バッ!
「「「「「「「――っ!?」」」」」」」
しかし目を覚ました瞬間、少年は麗王たちを見るなりすかさず距離を取り、辺りを確認しつつ警戒心をむき出しにしていた
「お、落ち着け、私たちは怪しいものじゃない、倒れたお前を手当てするためにここまで運んできただけなんだ」
なんとか警戒心を解こうと紅葉が少年に話しかける
「…ダノモニナハチタエマオ!?」
「…えっ?」
「ダンルテイキトダノモニナハチタエマオ!!」
「ちょ、ちょちょ、ちょっと待ってくれ!?」
紅葉は一先ず少年を宥めようと声をかけると慌てた様子で麗王たちのほうに目を向ける
「た、助けてくれ、こいつの言っていることがさっぱり分からないんだが!?」
麗王たちに助けを求めようと紅葉が言う
「そ、そんなの私たちだって一緒だよ。私たちだって何言ってるか全くわからないんだから!?」
だが、他の皆も少年の言葉を理解できずにただたじろぐばかりだった
「――っ!!」バッ
「あっ!?」
「ま、待ってください!!」
するとその直後、痺れを切らしたように少年が部屋から逃げ出してしまった
「ど、どうしましょう!?」
「ともかく急いで彼女を追いましょう!?」
脱走した少年を麗王たち全員で追いかけることになった
「――っ!」スタタタタタタ!
一方、その脱走した少年はというと1人必死に学園内を駆けまわっていた
「あはは、うん、それでね」
「へ~w」
「――っ!?」
「「えっ?きゃあっ!?」」
曲がり角に差し掛かった直前、その向こう側から歩いてきている女子生徒たちと鉢合わせするような対面となった
「――っ!!」バッダッ!
だがその直前、少年は女子生徒たちにぶつかる寸前に軽快な身のこなしでこれを回避し、そのまま彼女たちを通り過ぎて去って行ってしまった
「な、なんだったのかしら?」アセアセ
「さ、さぁ?」アセアセ
女子生徒たちは何が起こったのかわからず困惑していた
「そこのあなたたち、どうしたのですか?」
「「麗王様!?」」
するとそこに少年を追ってきた麗王たちがやってきた
「どうしてこのようなところに座しているのですか?」
「い、いえ、先ほど見知らぬ女性の方とすれ違い、危うくぶつかりそうになったものでしたので」
麗王が尋ねると女子生徒たちは何があったかを説明する
話しを聞いて麗王たちはハッとなった
「あの子に違いありませんわ」
「その方はどちらに?」
「えっとあっちの方に向かって走り去っていきました」
「あっちですね。わかりました。では気を付けてくださいね」
そう女子生徒たちに言い残して麗王たちは少年を追った
――場所は変わり森の中――
「――っ!!」タタタタタタ
麗王たちから逃亡を図った少年は夜闇の森を駆け抜けていた
「…っ」ピッピピピ
腕に備え付けられているガントレットの操作盤をいじりながら少年は宇宙船を探しているようだった
するとガントレットの液晶が宇宙船の場所を特定した
「イカチ…――っ!」
位置を確認すると少年はその方向に向かって全速力で駆け出した
森を駆け抜けて数分後のことだった
「…っ!」
ついに少年の目に宇宙船が映る
「タケツミ…」
宇宙船を発見したことで少年は急いでそこに向かった
艦内に入ると中は墜落の衝撃のせいかあちこち物が散乱していた
騒然たる現場に驚くも少年はは奥にあるコックピットを目指した
物が散らばった足元をかき分けながら進んでいき、少年はコックピットに到着した
「っ…」
そうしてコックピットに操作盤をいじっていく
すると電源が入ったのか艦内に明かりが灯る
「シヨ…ハトア…」
電源が入ったのを確認し、次に少年は宇宙船の起動を行おうとする
離陸を行うべく操作をしていくと機体がウィーンという音を立て始める
起動したことで少年は気分良い顔を浮かべる
ウィーーン!――ギュゥゥゥ――ン…
「――っ!?」
しかし途中まで上手く行っていたにもかかわらずあと一歩のところでエンジンがダウンしたようだった
「ソウ――っ!?」
少年は慌てて操作盤を確認する
直後モニターに機体図の映像が映し出される
そこにはエンジン系統が故障してしまったことが表示されていた
「ソクッ!?」ダン
エンジンが壊れてしまった事で離陸できないと知って少年は悔しそうにモニター画面を叩いていた
離陸できないことに焦りを覚えていた時だった
艦内に複数の足音がするのことに少年は気づいた
「ようやく見つけたぞ!」
「やはりここにいたんですね!」
「――っ!?」
運転席から後ろを見るとそこには艦内に侵入した麗王たちがいた
「――っ!!」
少年はすかさず運転席から飛び出し、近くに置いておいた武器を手にする
ジュィン!ブォン
「「「「「「――っ!?」」」」」」
「――っ!」
武器を手にした少年が麗王たちを威嚇するのだった