アスタたちに追い込まれ、異形なる姿に変貌したPXとの交戦が続くも
その最中、功を焦った紅葉がPXから集中攻撃を受け、今まさに絶体絶命のピンチに陥った
【「――ッツ!!」】シュルルルルルル!!
「「紅葉さん!?」」
PXの繰り出した触手たちが一斉に紅葉に迫りくる
紅葉が危険な状況に置かれる中、麗王と玉響が焦り気味に声を上げる
彼女を助けたい、そう思う気持ちはあれど自分たちも触手たちの対応で動けなかった
シュルルルルウウウウウウ!!
「うぅっ!?」
触手たちが目前まで迫り、紅葉はやられると思わず目を瞑る
「――っ!!」ヒュゥウウウ!!ガシィイッ!!
刹那、触手たちが身を貫こうとしたまさにその時
後方から飛んできた影がそれよりも先に紅葉を捕まえ通り過ぎる
ズシャアアアアッツ!!
標的を失った触手たちがそのまま地面に突き刺さった
「――…っ?」アセアセ
いつまでも訪れぬ痛みに困惑しながら紅葉が目を開ける
「大丈夫か紅葉?」
「あっ、アスタ!?」
パッと目を見開くと紅葉は自分がアスタにお姫様抱っこの状態で抱えられながら宙を浮かんでいる状況に気づく
「――っと!!」シュタッ!
ある程度の距離まで進んだアスタが地面に着地するとともに紅葉を降ろした
「大丈夫かい?」
「あっ、アスタ。助かったぞ」
未だ事態が飲み込めていないのか困惑しつつも紅葉はアスタに礼を述べる
「良かったです。紅葉さんが無事で」
アスタの手によって紅葉が助けられたことに玉響は安堵する
「玉響さん、今の内です。距離をとりますよ!」バッ!
「えっ?あっ、はい!!」バッ!
直後、麗王の声にハッとなった玉響が彼女と共に距離を取る
全員が距離をとったことで状況は仕切り直しとなった
【「グルルルルルルル!!」】
当のPXのほうはせっかく獲物を仕留められるチャンスを失い、悔しそうに唸り声を上げる
「どうやら奴さん相当ご立腹のようだぞ?」
「分かっている。だが、負けるわけにはいかない、奴は絶対に倒す――っ!!」
「アスタ!?」
PXを倒すという意思の元、アスタが突っ込んでいく
「たぁあああ!!」
【「――ッツ!!」】
間合いを詰めるやアスタとPXが交戦を開始する
「ふっ、はっ!せぇい!!」
【「グゥウウ!!」】
果敢にアスタが攻め込んで行く
されどPXもタフネスを見せつけ、今一決定打を入れられなかった
「(このままじゃ拉致が明かない!)」
その状況がアスタに焦りを齎す
「はぁああああ!!」
状況を好転させるべく次なる一手を繰り出そうとする
【「―ッツ!!」】スッ!
「なっ!?」
しかし焦りによって功を急いだせいで動きを読まれてしまった
【「――ッツ!!」】ブォン!
「しまっ!?ぐああああっ!?」
「「「アスタ(さん)!?」」」
焦りが災いを呼び、攻め込んだアスタが逆にカウンターを食らってしまう
「うっ…ぐぅ…」ガクッ
「アスタ!?」
よほどカウンターの一撃が聞いたのかアスタの意識が途切れてしまう
【「…――ッツ!!」】
気を失ったアスタに止めを刺そうとPXが身構える
「させるかっ!!」スタタタタ!
するとその直前、アスタを助けるべく紅葉が突っ込んできた
【「――ッツ!!」】
自分に向かって飛び込んでくる紅葉に気づいたPXが狙いを彼女へと変える
【「ギュアアアア!!」】シュルルウウ!!
標的に見据えるやすかさず身体から触手を展開させ、紅葉に攻撃を仕掛けてきた
「ふっ、はぁっ!」バッ!
だが、先ほど不意を突かれた失敗を経て紅葉は触手を躱し、いなしていった
「麗王、タマ。力を貸してくれ!」ズザァアアア!
「紅葉さん?」
「私たちで奴の注意を逸らすんだ!」
攻撃を躱していく中、紅葉が近くにいた麗王たちに手伝いを申し出る
「紅葉さん…麗王さん!」
「はい、わかっております!」
紅葉の声に麗王が玉響が行動を開始する
三者それぞれがPXに向かって行く
【「グゥッ…――グィオオ!!」】シャキン!
触手の攻撃を諸共しないことに業を煮やしたPXが両手を刃物へと変える
【「グォオオオオオ!!」】ブォオン!
「まずい、2人ともしゃがみなさい!?」
「「――っ!?」」
シュィイイイン!
PXが両手を振り払おうとした寸前、麗王たちは地面にダイブすることでこれを回避した
「お二人とも大丈夫ですか!?」
「は、はい。なんとか」
「あ、危なかった…――っ!?」
シュルルルルウウウウウウ!!
攻撃を躱して一息と思った矢先、3人の頭上から追撃の触手が襲い掛かろうとしていた
「「「――っ!?」」」
次々と自分たちを刺し貫こうとする触手たちを紙一重で躱しながら麗王たちはどうにか体制を立て直す
「(何という攻撃範囲、隙がまったく見えてこない)」アセアセ
圧倒的な攻撃の手数を誇るPXに苦戦を強いられていく
【「グウゥウウ…」】
またしても攻撃を躱されたことでPXはムッとした表情を浮かべる
しかし麗王たちのほうもまた決定打を与えらず、どっちもどっちな状況だった
【「…グゥウウウウ!!」】グニュニュニュニュ~!!
「な、なんですかあれは?」アセアセ
「奴の身体がまた脈動り始めたぞ?」アセアセ
「気をつけてください2人とも、きっとまた何かをしてくるつもりです!」
PXが突如として力みだし、それに好悪して身体が脈動し始める
麗王たちは警戒しつつ様子を窺う
するとその直後の事、PXが背中から数本の触手を展開させる
展開した触手の先端が徐々に形を成し始めていき、それらはPXが今まで吸収した動物たちの顔に変わっていった
【「ギュアアアア!!」】プシュシュシュシュシュシュ!!
そして次の瞬間、PXは展開した動物の顔を模した触手の口から小さく先端を鋭利にした自身の肉片を発射してきた
「「「――っ!?」」」」
無数の鋭利な物と化した肉片による弾幕が麗王たちを襲う
「ぐぁあああっ!?」
「ま、まずいです。このままでは!?」
「うっ、うううううっ!?」
徐々に肉片によって3人の身が傷つけられていく
万事急須とこの場の誰もがそう思った時だった
ピクン!
【「――ッツ!?」】
突如として肉片たちがピクリとも動かなくなった
「「「……っ?」」」
麗王たちも恐る恐る目を開け、自分たちの状況を知る
訳もわからず不意に視線を向けてみる
「――っ!!」グググッ!
するとそこにはいつのまにか自分たちとPXの間に割って立つアスタの姿があったのだった