激しい戦いの末、アスタは仇敵ともいえるPXを倒し、地球に怒ろうとしていた未曾有の危機を防ぐことに成功した
あの戦いから早数日が経過していた頃、アスタは宇宙船にて修復が完了したモニターのスクリーンを見ていた
≪『ではPXは葬り去ることができたというんだね?』≫※
「はい。紆余曲折ありましたが討伐は無事に完了しました」※
モニター画面に映っていたのはいかにもお偉いさんと言った風貌の身なりをした中年の男性だった
アスタはその人にPXが倒されたことなどの報告をしていた
≪『そうか、よくやってくれた…っと本来ならこのまま褒め称えたいところではあるが、今回の騒動の事の発端は君のミスであることもまた事実。悪いがことの重要性という点を踏まえても報酬については…』≫※
「分かっております。自分も不祥事を招いた身で報酬を要求しようだなど厚かましいことをするつもりはございません」※
PX自体は倒せても不祥事の責任問題を考慮に今回は依頼は無効という形にまとまった
この件に関してアスタも納得の上だったため、特に問題はなかった
≪『ところでだ。話しは変わるがいいかいアスタ?』≫※
「話し?…はい、なんでしょう?」※
改まった様子を見てアスタもどうしたのかと尋ねる
≪『アスタ、君さえ良ければ
「――っ!?」※
アスタは提示された内容に共学する
それはかつて所属していた場所に戻ってこないかという誘いだった
≪『
成長し、
「…中佐、ご提案まことに痛み入ります。ですがすみません。せっかくのお誘いですが辞退させてください」※
しかしアスタは数秒考えこんだ末、提案を拒否する旨を伝える
≪『ほう?なぜかな?』≫※
「
自力で帰りたいとアスタは告げる
「それに実は
≪『休業を?』≫※
「はい。ですので自分が
再び誘ってくださいとアスタは進言した
≪『…わかった。君がその気なら私も止めはしない、だが私も君をこのまま諦めないよ。
「中佐…ありがとう、ございました」※
待っていてくれるという中佐からの言葉を聞いたアスタは感謝の言葉を述べるとともにモニターの電源を切った
「…い、…おーい!アスター!!」
「この声は…行けない、紅葉が呼んでいるみたいだ。急がなきゃ」※
宇宙船の外から聞こえてくる紅葉の声に気づいたアスタが急ぎ支度をする
出入り口に向かう際、アスタが耳に嵌めたのはあの戦いから宇宙船にて修理を施した翻訳機だった
そうして準備を終えるとアスタが宇宙船のハッチを開ける
完全に開いたハッチの先には自分が現れるのを今か今かと待っていたと思われる紅葉と玉響がそこにいた
「やぁ、待たせたね2人とも」
「いえ、わたくしたちも今来たところですから」
出迎えてくれた紅葉と玉響にアスタは挨拶を交わす
「それにしても似合っているじゃないかアスタ」
「そっ、そうかな?」
紅葉がアスタの格好を褒めた理由、その理由は今彼が着ているのは私服ではなく基立星十字学院の学生服を纏っているからだった
「本当によくお似合いですよ」
続くように玉響も学生服に身を包んだアスタを褒める
「馬子にも衣装って感じだな♪」
「ん?マゴ?…紅葉、それってどう言う意味なの?」
「あー!いえ、これはなんでもないんですよ!?」
「うぶっ!?」
アスタが紅葉の言った言葉の意味を聞こうとすると慌てて玉響が止めに入る
「紅葉さん、あんまりそう言うことは言うものじゃありません。有罪案件ですよ?」
「わ、悪かったよ」
「…っ?」
2人がどうしてそんなやり取りをしているのかわからず、アスタはただ小首を傾げていた
「っと、こんなことしている場合じゃなかったな。早く行かないと麗王たちに怒られてしまうな」
「そうですね、なんたって今日はアスタさんの学生としての初登校日なんですから」
時間が迫っていることを思い出した2人が取っ組み合いを止める
「さぁ、行こうアスタ」
「皆さんも待っていますよ」
「うん、わかった。行こう2人とも」
紅葉と玉響について行くようにアスタは学園に向かう
こうしてアスタの地球での生活が幕を開けるのだった…
ここはとある一軒の高層ビル
場面はそのビルの中に映り、社内廊下を歩くビジネススーツに身を包んだ1人の女性がいた
廊下を歩くこと少しして女性はある扉の前で立ち止まる
「――っ」コンコン
そうして女性が軽く手でドアをノックする
〈「いるぞ、入れ」〉
すると扉の向こうから声が聞こえる
「失礼します」
返事が来たのを確認すると女性は速やかにドアを開け、部屋に入る
女性が部屋に入るとそこには奥の立派な席座っている者がいた
「社長、ご報告にあがりました。お申し付けのあった例のサンプルを入手したとのことです」
「あぁ、つい先程俺の方にも回収部隊から報告が来た。守備のほうはどうなっている?」
「はい、報告では運よくゾディアック聖導会には気づかれずに事を済ませられたようです」
「よろしい、せっかく見つけた貴重なサンプルだ。奴らのせいで手に入らないという事態になるのだけはごめん被るところだったからな」
何やら意味深な会話を男と女性は語らっていた
「ともかく、我々は思わぬ収穫物を得られた訳だ。これから忙しくなりそうだぞ」
男は椅子から立ち上がると窓の向こうから外の景色を眺めつつ、不適切な笑みを零す
「それからこちらは別件になるのですが、実は社長に是非ともお見せしたいものが」
「面白いものだと?」
「はい、詳しい内容はこちらに纏めております」
そう言うと女性は持ってきていた封筒を提示し、男がそれを受け取り
中を開けて報告書に目を通す
「…――っ!?」
すると報告書を読んでいた男の顔色が変わる
「…ほうなるほど、確かにこれは実に興味深い案件だな?下手をすれば”カグラ衆”たちが動きを見せるやもしれんな?」
内容を見た男はそれはとても好奇心と言う名の狂気に満ちた笑みを浮かべる
「いかがいたしましょうか?」
「よし、この件についても別途調査隊を組んで情報収集にあたれ」
「ご命令承りました。それではわたくしはこれにて失礼します…”死童様”」
畏まるとともに女性は呟く、その男「死童」の名を
「あぁ、ご苦労だった」
部屋を出る女性に男、死童は一言声をかけた
彼女が部屋から出るのを確認し終えると死童は再び窓の方に視線を向ける
「さぁ、これからだ。これから面白い事になりそうだぞ…ふふふふふふふっ」
再び窓の向こうを眺めるとともにこれから起こりうることを想像し、不敵に笑うのだった
第一章、堂々の完
今後もこのようにして本編にも関わるキャラたちのストーリーを展開していきます。