圧倒的な強さを誇る「ご主人様」に追い詰められる忍たちの元に謎の援軍が駆けつけ、2人と対峙するのだった
謎の男の登場によって場の空気が変わっていった
「隊長!」
「隊長が来てくださった!」
「隊長が来たなら百人力だ!」
現れた者を目にした忍達は先程とは打って変わり歓喜に震える
「ここからは俺が相手をする。巻き込まれたくなきゃあっち行ってろ」
「はっ、はい!」シュン!
「「「「――っ!!」」」」シュシュシュシュン!
男の指示に従い、忍たちが一斉にその場を離脱していった
雑兵の忍たちが消えたことで場は一気に静まり返った
「さてと、待たせちまったな。すまねぇな旦那?」
そんな中、男がその沈黙を破るかのように話しかけてきた
【「…貴行、何者ダ?」】
ただならぬ気配を感じ、おもむろに尋ねる
「俺の名か?聞かれちまったら答えるしかねぇよな。じゃあ教えてやるよ、俺はな、
「
男性が
【「知ッテイルノカ?」】
「はい…わたくしも直接目にするのは初めてですが「戦刃」の称号を持つ善忍陣営に所属する強者の上忍で「神楽」になれるほどの実力者であるとも聞いたことがあります」
「ほう、忍結界のことのみならず俺のことも知っているとは、あんた忍だろう?」
「…元、ですよ。私はもう忍なんかじゃありませんから」
しかし自分の素性を明かす
もう自分が忍じゃないと公言する
「ふーん、何やら訳ありって感じのようだな?まぁ、人にはそれぞれ事情ってもんがあるからな」
話しを聞いていた
「しかし、そんな方が私たちに何用なのですか?」
「何の用だって?おいおい、それは愚問ってものだぜお嬢ちゃん。俺がここに来たのはお前さんの隣にいるそこの「妖魔」について以外ないだろう?」
「…ど、どうして私たちの居場所が?」
「まぁ、ちょっとした偶然といったところだな。ここら一帯を警備している奴が男にナンパされた女を目撃し、その際に怪しげなローブを羽織った奴が来たと報告をしてきたんだよ]
「――っ」
居場所を知った経緯を問うと
「でな、その忍は感知タイプでお前さんが体から出す人ならざる者の尋常ではない気配を感知したということも報告してきたんだよ。んで、それを聞いた上層部の指示で俺がここに派遣されたってわけさ」
感知タイプの忍によって自分たちの居場所がバレてしまったのだと知り、納得するとともに迂闊だったと
「しっかし、お偉方の命令にいやいや引き受けてきたがまさかこんな大物に出くわすとはな?ちっとはあの爺どもに感謝してやんなきゃな」
【「ッ…」】
暇を持て余していた
「さてっと、いい加減これ以上の会話は意味がねぇし、俺も立場上動かねぇわけにもいかねぇ。何より久しぶりに楽しめそうな相手が目の前にいるのに「楽しくお話し」だけなんざ俺が納得できないからな。いっちょここらでおっぱじめるとするか?えっ?妖魔さんよ?」
話すことにも飽きたのか
「ご主人様」にその気を起こさせようとしてるのか指でくいくいと手招きしていた
「あの人、いくら名の通った忍だからってご主人様にあの態度を、許せません!」
【「待テ」】
「ご、ご主人様?」
【「オ前デハアノ者ニ挑ンダトコロデ返リ討チニ会ウノガ関ノ山ダ、ココハ大人シクシテイロ。ソレニ俺トシテモアノ者トハ一戦交エテミタイト思ッテイルノデナ」】
そういいながら
「ご主人様…わかりました。ご主人様がそれを望むのであれば私はそれに従います…どうかご無事でいてくださいね」
【「アァ…」】
敬愛する「ご主人様」が戦いを望んでいることを理解した
【「……ッ!!」】ファサッ!!
するとその直後のこと、「ご主人様」が羽織っていたローブを脱ぎ捨てる
「…ほう、こりゃまた。随分と”いかつい”姿じゃねぇの?」
ローブが脱ぎ払われ、その下に隠れていた容姿がついに露わになった
その外見は人の骨格をしているものの、その容姿は人間とは似ても似つかなかった
頭には額とこめかみあたりに立派に生えた3本の角、加えて全身は甲虫のような強固な外骨格に覆われていた
見るからに悍ましく、それでいてどこか勇猛さを見せつけるかのような「ご主人様」の容姿にここにいる誰もが目を奪われる
【「…ッ」】
身をさらけ出した「ご主人様」が一歩一歩独特な足音を鳴らしながら
「…ふっ」
「ご主人様」がこちらに来るのを見て梧桐もまた同じく歩き出していった
徐々に互いの距離が狭まり、ちょうどよさげな位置までくるとその歩みを止める
双方が互いを見つめている
そんな2人を
「改めて近くで見るとより一層わかるぜ。あんたがどれほどやばいかって言うのがな」
【「ソレハコチラモ同ジ事ダ。貴行コソ、凄マジイ闘気ヲ感ジル」】
「そう言ってもらえるのは光栄だな」
さらに2人は互いを賞賛し合っていた
「死合う前に改めて名乗らせてもらぜ。神楽衆肆ノ将、
戦う寸前に
【「ナラバ俺モ名乗ロウ…俺名ハ
名乗った
「…さぁ、覚悟はいいか?」
【「無論ダ。モウトックニデキテイル」】
「そうか、なら…始めるとしようかね!」
【「――ッ!」】
そしてついに2人が言葉を止め、互いに手にする武器を振るうのだった