川辺を舞台とし、今一色触発の空気が漂っている
【「…ッ」】
「へへっ!」
蟲髑と褐色肌の女の子から現れた半人半鳥の容姿をした妖魔がにらみ合いを利かせていた
思いもよらぬ事態に椎奈と5人の少女たちはひやひやとしていた
「……ふっ!たああぁぁぁぁっ!」
【「ッ!!」】
ガキィィィィィン!!
沈黙が破られ、半人半鳥の妖魔が攻撃を仕掛けてきた
咄嗟に蟲髑が戦斧を盾にその攻撃を受け止める
「旦那さま!?」
この事態を目にした椎奈が思わず声をかける
【「~~ッ!!」】
「へへへっ、やるな…久しぶりだな蟲髑?」
【「オ主モナ”夜叉”」】
互いに得物を手に鍔迫り合いを行う中
両者が互いの名を呼び合う
「今、夜叉さんあの妖魔の名前を呼んでましたよね?」
「えぇ、しかも相手の妖魔も夜叉さんのこと知ってる様子だったわ?」
「どういうことだ?あいつら知り合いなのか?」
その様子を見ていた5人組が驚いた様子を見せる
半人半鳥の妖魔「夜叉」が相手の妖魔の名前を呼んだこと
さらには蟲髑のほうも夜叉の名前を呼んでいたのでそれを聞いて驚かずにはいられなかった
一同が困惑する間にも蟲髑と夜叉の鍔迫り合いは続いていた
「まさかこんなところでテメェと出くわすなんてな。思いもよらなかったぜ!」
【「私ハ貴殿ノ気配ヲ追ッテココニ来タ」】
会話を挟みながら夜叉はすかさず鍔迫り合いを溶き、後方へと後退する
再び両者ともににらみ合いを利かせる
「へぇそうかい?だがな、オレの縄張りに堂々と来るとはいい度胸だな。覚悟はできてるんだろうな?」ギロリッ
【「相変ワラズ血ノ気ノ多イ奴ダナ、シカシ誤解サレテハ困ル、俺ハタダ貴殿ト話シヲシニ来タダケデ縄張リヲ荒シニ来タ訳デハナイノダ」】
「あっ?オレに話しだと?」
【「ソウダ。私タチノ目的ハソレ以上デモソレ以下デモナイ」】
自分に用があるのだと聞いた夜叉が呆気にとられた顔を浮かべる
「…っち、つまんねぇな。あ~、やめだやめだ」
興が削がれたようで夜叉は武器を収めた
その様子を見て蟲髑も戦闘態勢を崩した
「…っ、旦那さま!」
「っ…私たちも行きましょう!」
戦いが終わったことに気づいた椎奈が蟲髑の元へと駆け出す
さらに椎奈に続くように褐色肌の女の子たちも続いていった
「旦那さま、ご無事ですか!?」
【「問題ハ無イ。アレハ単ナル戯レニスギヌノダカラナ」】
「…さようでございますか、私少しひやひやしましたよ」
【「ソウカ」】
不安そうな顔を浮かべてやってきた椎奈に蟲髑は少し申し訳ないと感じていた
「夜叉さん、何をやってるんですか、いきなり攻撃を仕掛けるなんて」アセアせ
「るせぇな、言っとくがオレは悪くねぇぞ、こいつがオレの縄張りに入ってくるのが悪いんだからな…ふん!」
「もう…夜叉さんったら」アセアセ
いきなり手を出したことをとがめるも夜叉は一貫して謝ろうとはせず、それどころかふてくされたようにそっぽを向いてしまう始末だった
「大変ご迷惑をおかけしました。お怪我とかはございませんか?」
「は、はい。私は特に問題ありません。私のことよりも旦那さまのほうが気掛かりです」
【「心配ニハ及バヌ、コノ程度、タダノジャレ合イニスギヌ」】
「そうなんですか?…だとしたらいいのですが」
椎奈は蟲髑の身を案じ
蟲髑のほうもさほど問題はないことを伝えたことで椎奈は安堵の表情を浮かべた
「ところでよ、そろそろ説明してくれねぇか、あんたらいったい何者なんだよ?」
きつね色の髪をした女性のその一言によって一同はハッとした顔を浮かべるのだった
「あっ、すみません。自己紹介がまだでしたよね。私の名前は椎奈と申します。そしてこちらは私のご主人様である蟲髑と申します」
ハッとしたように椎奈が自分たちの自己紹介をし、蟲髑に至ってはそれに反応するかのように吐息を吐く
「ではそちらが名乗られた以上、こちらも自己紹介と参ります。わたくしは那智といいます。この山の所有者をしております」
まず先に上品な面持ちの女性、那智が名乗る
「私の名前は深里って言います。で、こっちのガラの悪そうなのが九魅って言います」
「おいアホ深里、何変な言い回ししてくれたんだ。誤解招いたらどうすんだよこの野郎!」
「招くも何も事実でしょうが」
「んだと!?」
次に自己紹介をするはずが2人そろってもめあいだしてしまった
2人を何とか那智が仲裁に入って止めようとしていた
「あとは私たちですね。私は夕焼って言います。でこっちはうーちゃんです」
「はじめまして~、うーちゃんこと、牛丸です~」
褐色肌の女の子、夕焼とその友達である牛丸が自己紹介をする
「あとはもう知ってると思いますけどこちらが夜叉さんです」
「オレのことはいいんだよ!」
夕焼が説明をすると夜叉はめんどくさそうに一言いうのだった
あらかた自己紹介も終わり、夕焼たち一同は着替えを終え、改めて2人から事情を聴いた
「つまり、あなたたちは夜叉さんに御用があって気配を辿り、この山にやってきたと?」
「はい、その通りです」
椎奈が事の経緯を説明する
自分たちがこの山に来た目的が蟲髑が夜叉の気配を察知したからだと話す
「それで夜叉さんに聞きたいことというのは何なんですか?」
「あっ、えっと…その…」
わざわざ訪ねてきたのはなぜなのかを夕焼が問うと椎奈は困ったような顔を浮かべた
【「…娘達ヨ、スマヌガココカラハ我ラト夜叉ノミデ話シヲサセテハモラエヌカ?貴君ラニトッテモアマリ聞イテイイ話シデハナイノデナ」】
「あらあら、左様ですか…わかりました。わたくしたちは席を外しますのでどうぞお話ししてくださいませ」
【「ウム、感謝スル」】
「ありがとうございます」
2人の意を組んだ那智が夜叉との話し合いの場を設けるべくこの場から離れていった
「…んで、オレに話しってのはなんなんだ?わざわざあいつらを厄介払いまでさせてよ?」
夕焼たちが離れたことを確認すると夜叉は開口一番にこの場を作らせ他訳を蟲髑たちに問うた
【「アァ、ソノコトナノダガ」】
「旦那さま。ここは私が話します。これは私のことですから」
【「…ソウカ」】
話しをしようとする蟲髑を静止し、椎奈は自分の口で説明することを告げる
「夜叉さん。私たちがここに来たのはあなたにある方法の心当たりがないかを聞くためなんです」
「心当たり?なんだよそれは?」
「……“人間を妖魔にする”方法です」
「…っ!?」
椎奈からの思いがけない発言に夜叉は驚きの顔を浮かべるのだった
告知
誠に勝手ながら今日より1週間程休暇タイムとさせていただきます。
次回の投稿は10月26日となります。
それではみなさん、次回までヨロシヘグリ!