里を攻めてきた
そこに加勢に入る夕焼たちだったが、他の者たち同様に
夕焼たちが
「はっはっはっはっは!」
急ぎ駆け足で戦いが行われている場所に向かおうとする人影が1つ
人影の正体、それは夕焼たちに演習所で待機しているように言われていたユウだった
「(みんな…)」
言いつけられていたものの、尚も続き、激しさを増す戦闘音を耳にし、居ても立っても居られなくなったユウは現場に向かって行ってしまっていたのだ
ドドォォォォン!!
「――っ!?」
先に先にと道を進む最中、ユウは新たな戦闘音を耳にする
「…近い。ねぇね!」
震音が大分近くなっていることに気づいたユウは現場に向かおうとする
それから少ししてのことだったユウが急いでいる時のことだった
ヒュゥウウウ!
「…っ?」
突如、どこからともなく空の方から何かがこちらに向かって落ちてくるのに気づいた
「…あっ、あれは!?」
次の瞬間、落下するものの正体を見知ったユウが絶句する
こちらに向かって落ちてきたもの、それは力なくただただ落下してくる九魅の姿だった
「九魅ねぇね!?」
九魅の姿を見るや居ても立っても居られないとユウが全速力で彼女の元に向かって駆け出して行く
しかしユウの足では九魅の落下地点までは到底たどり着けない
そうこうしている間にも九魅は落下していく、このままでは彼女の身が危ないことは誰の目から見ても明らかだった
「――だめぇええええっ!!」
ビュォオオオオオオオ!!
刹那、九魅が激突しようとしたまさにその時、感情のままに声をあげたユウから突如として強風が発生する
ユウから発生した強風はまるで彼の意思をくみ取るかのように九魅のほうに向かって吹き荒れる
さらには落下する彼女を風が抱きかかえるかのように優しく包み込み、落下を阻止する
「えっ?…あれ?」
だが、当のユウは風を発生させたのは無意識だったようであり、驚いている様子だった
困惑しているユウを他所に彼が呼び寄せた風が九魅をそっと地面に降ろした
「九魅ねぇね!?」
理由はどうあれ、ユウは九魅の元に駆け付ける
「大丈夫、しっかりして!?」
九魅の元に到着するとユウは九魅を抱きかかえ、必死に声をかけるように揺さぶる
「うっ…うぅん…ゆ、ユウ?」
「よかった。目が覚めたんだね九魅ねぇね」
「おま…なんで?」
ボロボロになりながらも九魅はユウにどうしてここにいるのかを尋ねる
「ねぇねたちが心配だったんだ。その怪我、あの化け物にやられたんだね?他のねぇねたちは?」
状況からある程度察したユウは他の皆のことを九魅に問う
「あ、あいつらはまだあそこにいる。奴と戦ってるんだ…アタシはその際に奴に隙を突かれて吹っ飛ばされちまったんだ」
ユウの問いに九魅は自分がどうしてこうなったかについてを答える
「…ぐっ、ぐぅうう!?」
「だっ、ダメだよ九魅ねぇね、その体で動いちゃ!?」
「奴はアタシら5人がかりでも苦戦を強いられるくらい強い、それなのにアタシが抜けちまったらあいつらがもっと不利になる。行かないと!?」
今も
「…九魅ねぇねはここで休んでて、夕焼ねぇねたちのところにはボクが行くよ!」
「なっ、何言ってんだお前!?」
思いがけないユウの言葉に九魅は驚愕する
「――っ!」
「おい待てユウ!?」ガシッ
「九魅ねぇね!?」
現場に向かおうとするユウの手を慌てて九魅が掴んでそれを止める
「自分が何言ってんのか分かってんのか!?あいつはアタシたちが束になってこのザマになる程の相手なんだぞ、お前が行ったところでどうこうなるような奴じゃないんだぞ!?」
危険な場所だからこそ、そんなことをさせまいと九魅がユウを引き留めようとする
「でもあそこでまだ夕焼ねぇねたちは戦っているんだよね?しかもあんな恐ろしいやつと?」
ユウの視界に映るのは激しく戦闘を繰り広げる
さらには
それはつまりあそこで皆が戦っている事に他ならなかった
「…夕焼ねぇねが、九魅ねぇねが、そして他のねぇねたちが戦っているのに、じっとしてなんて僕にはできないんだ!」
「あっ、おい待て、こらユウ行くな戻れ!?」
次の瞬間、ユウは自分の手を引く九魅の手を払いのけ、制止も振り切り単身で戦場に向かって行ってしまうのだった
一方その頃、場所は
ドドオオン!!
【「グォオオオオオオオ!!」】
荒れ狂う咆哮をあげながら
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
そんな場所にて肩で息をしながら刀を支えにする夕焼の姿があった
しかも辛うじて立っているのは夕焼のみであり、他の牛丸と那智、そして深里は既にボロボロになって地面に転がっていた
「うぉおおおおおおおおおお!」
【「グゥン!!」】
ガキイイイイイン!!
するとその直後、激しくぶつかり合う音が響き、夕焼が俯いていた顔をあげる
見上げた視線の先には戦闘の最中に夕焼の肉体から抜け出るように顕現した夜叉が
「どりゃぁっ!!」
【「グォッ!?」】
「はぁ…はぁ…や、夜叉さん」
流石は上位の妖魔である夜叉、
「ふぅ…ふぅ…ふぅ…ふぅ…」
【「…ブルルルル!!」】
「なっ、あれだけ撃ち込んだってのにまだ立ち上がるのかよ。くそったれ、どんだけタフなんだよ」
自分の攻撃をこれでもかと浴びせているにも関わらず未だ立ち上がるタフさに夜叉は嫌気がさす思いだった
「(まずいな。そろそろこっちに出ていられるのも残り僅かになってきちまった。戻る前にせめてこいつを次で仕留めるしかねぇ!)」
夜叉は自分がこうして実体を持てる時間が僅かになっていることを悟り、どうにか
「覚悟しろよ猪野郎、次の一撃でテメェを確実に葬ってやるぜ!」
【「ブウルルル!ブルァアアアアアア!!」】
何かしてくると感じ取った