そんな
「こいつで仕留めてやるぞクソ猪野郎が!」
【「ブルァアアアアアア!!」】
身構える夜叉を目にした
互いににらみ合う両者の間に緊迫の空気が場を支配する
「…――っ!!」ギュィン!ゴォオオオオ!!
【「――ッ?」】ピクッ
次の瞬間、夜叉の身体から凄まじい程のオーラが発生する
夜叉から発せられるオーラに
「さぁ、行くぜ。こいつがオレの全力の一撃だ。受けきれるもんなら受けきってみな!!」バッ!
刹那、夜叉がついに仕掛ける
勢いをつけ、地面を蹴るとともに空へと舞い上がる夜叉が
「食らえぇええええ!!」グルン!ギュルルルルル!!
空へと舞い上がった夜叉が二本の錫杖を構えると同時に身を勢いよく回転させ、突撃する
バシィイイイイイン!ギュィイイイイイ!!
「はぁあああああああ!!」
【「――ッツ!?」】
凄まじい衝撃と共に夜叉の攻撃が
寸前、
夜叉の最後の一撃に
「す、すごい。流石夜叉さん!?」
「ぐぅううううううう!!」
【「ブルァアアアアアア!?」】
攻める夜叉とその攻撃を耐える
「ふぁああああああっ!」
ピキッ…バリィイイイイン!!
次の瞬間だった
夜叉の繰り出した螺旋の一突きが
「――っ!」ズザァアアア!
【「グッ…――ッツ!?」】ドスゥウウン!
さらにそれと時を合わせるかのように
「…やっ、やった?夜叉さんが、夜叉さんがやってくれました!」
その光景を目にした夕焼は夜叉の勝利を確信し、急ぎ彼女の元に駆け寄っていった
「夜叉さん!やりましたね!」
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ……へへっ、どんな問題ってな」
夜叉の元に駆け付けた夕焼が彼女を賞賛する
夕焼から褒められた夜叉もまんざらでもない様な顔を浮かべ照れていた
「ぐぅ…」
「夜叉さん?」
「どうってことない。ただ力を使い過ぎてしまっただけさ」
話しの最中、倒れかけた夜叉を夕焼が支える
大技を使ったことにより体力を消耗してしまったのだと夜叉は語った
「…だが、これで奴も終わりだな」
地面に倒れる
…グゴッ、ゴゴゴゴ!
「――っ!?」
「この音、まさか!?」
だが、それも直後に聞こえてきた嫌な音のせいで杞憂に終わる
【「グググ!?ゴォオオオオオオオ!!」】
「な、なんだと!?」
「そんな!?」
2人の目の前で倒れていたはずの
【「ブルルルルルル!!」】
目覚めた
【「――ッ!」】
怒りに打ち震えるような形相を見せながら
状況はまさに絶体絶命の危機に陥ってしまう
「ねぇね!」
「…っ?」
「この…声は、まさか!?」
突如として聞こえてくる聞き知った声に振り向くとそこには九魅の元から駆けつけてきたユウがいた
「ユウくん!?」
「あのガキ、なんでこんなところにいるんだ!?」
ユウが現れたことに夕焼と夜叉が驚愕する
夕焼たちが驚いている中、ユウの方は
【「…ッ?」】
「ユウくん、危ないわ!早くここから逃げて!?」
このままでは危険と感じた夕焼がユウに逃げることを促そうとする
だが、そんな夕焼の言葉が耳に入っていないのかユウは
「(こいつの注意は今ボクに向いてる…だったら!)」
自身に意識が言っているのに気づいたユウは何か考えついたように頷く
「やーいイノシシ!ボクが相手だよ!捕まえられるもんなら捕まえてみなよ!!」
ユウが
【「ブルァアアアアアア!!」】
それを目にした
「――っ!!」
【「グゥウウウウ!!」】
「うわっ!?」
移動の最中、
危険を察知したユウが咄嗟に避けるも地面を踏みしめた際に起こった風圧によってその身は勢いよく吹き飛ばされてしまう
「うっ、うぅ…っ」
地面に倒れ、全身砂ぼこりを被りながらもユウが再び立ち上がる
「ぐうっ!…っ?」
するとその時、ユウは目の前に落ちた鎌に目をやる
「――っ!!」
鎌を見つけたユウはそれを手にし、
「こい化け物!ボクがお前なんかやっつけてやる!」
鎌を構え、そう告げるユウだったが
その覚悟とは裏腹に体は恐怖によってビクビクと震えていた
【「ブルルルルルル!!」】
「――っ!?」
だんだんと近づく巨大な影にユウは唖然とする
「(怖い、目の前の存在がとてつもなく怖い。正直言って逃げてしまいたいと思うぐらい今のボクの本能がそれを訴えてきている!)」
かつてイタチだったからこそわかる
目の前の
「(わかってるよ。ボクなんかじゃどうやったってこの怪物に太刀打ちできないことも、ましてやこんな武器じゃまったく歯が立たないことくらい)」
握りしめている鎌で
「(でも、それでも逃げるわけにはいかない。ねぇねたちを守るためにも!)」
たとえ勝てないとしても大切な人たちのためにユウは戦う意を示すのだった