守らんとする思いを胸に
「やぁあああつ!」
【「ブルァアアッ!」】
「うわぁああっ!?」
さらにはそんな夕焼たちの無念を晴らそうと挑み掛かるユウもまた
【「ブルァアアアアッ!!」】
ユウたちが全滅にまで追い込まれてしまい、
「(体が…あちこちが痛くて動けない…意識も朦朧としてきた…)」
「うっ…うぅ…」
【「…ッ?」】
するとその時、夕焼がかすかな呼吸をしているのに
【「ブグァアア〜!」】
「――っ!?」
まだ息があると知るや
自らの腹を満たすためか、確実に息の根を止めるためなのかは定かではないが、断言できるとすれば今まさに
「(まずい、このままじゃ夕焼ねぇねが食べられちゃう!?どうしたら、どうしたらいいんだ!?)」
目の前で夕焼が喰われかけているのを目にし、ユウは必死に何ができるのかを考える
だが、いくら頭を捻っても何も浮かばない、何も手立てなんて思い浮かばなかった
【「ガァァア〜ッ!」】
悩んでいる間に夕焼が喰われる寸前にまできてしまった
「(夕焼ねぇね!?このままじゃ夕焼ねぇねがあいつに食べられちゃう!?ダメだ。そんなの絶対にダメだ!?やめろ、やめろ、やめろ!?)」
夕焼が危ないとユウは必死に立ちあがろうとしつつ、心の中で待ったをかけようとする
しかし、心の声だけで物事が動くことはない、そんな思いとは裏腹に
「やめろぉおおおおおっ!!」
キュィン!ビュォオオオオオ!!
刹那、突如として場を覆いつくすほどの凄まじい強風が発生する
【「――ッツ!?」】
「こ、これは…っ?」
同じくしていち早く意識を取り戻した夜叉が強風が発生している震源地であろう場所に目を向ける
「…ゆ、ユウだと?」
強風の震源地にいたのはまさかのユウだった
「――っ!」ギロリ
困惑している夜叉を他所にユウは
【「――ッツ!?」】
その眼光に
「(な、なんだこれは?ユウの身体から凄まじい程の力があふれてやがる。いったいなにが?)」汗
目の前で起こる不可解な現象に夜叉は困惑していた
「(い、今のなに!?ぼ、ボク今何を…っ?)」
強風を巻き起こした自分の力にユウ自身も驚きを見せていた
「(よくわからない、けどこれなら!行けるかもしれない。お願い、ボクに力を貸して、ねぇねたちを守れる力を!)」
偶然かどうかはわからないが力を使えたことにユウは自身を付ける
するとその直後、突如として風が巻き起こり始める
ユウの前に風が集まっていく
「――っ!!」
次の瞬間、ユウが掴み上げた風の球から何かを引き抜くようにして振り払う
風の中からユウが手に入れたのは一つの巻物だった
「まっ、巻物!?」
夜叉もユウが風から巻物を取り出すと言う思いもよらぬ芸当に驚きを見せる
「…これが、ボクの力…ありがとう」
自分の手に握りしめた巻物を見つめながら自分に力を与えてくれた風と、それを気づかせてくれた師に対して心からのお礼を呟く
「……っ!!」
そして数秒の沈黙を終え、ユウが動きを見せる
手にした巻物を空に向かって舞い上がる
「獣転身!」
巻物を舞い上げるとユウは腹の底から声を上げて唱える
ビュオオオオオオッ!!
次の瞬間、巻物が開くと同時に中から凄まじい竜巻が放たれた
そうしてそのまま竜巻はユウを包み込んでいった
竜巻に包み込まれたユウ、すると外側からうっすらと見える彼らしき影に変化が起こる
少年の姿をしていた彼の肉体が一回り大きさを増していき、さらには輪郭も人から変わり始めていく
「なんだ?いったいこりゃどうなってやがるんだ!?」
理解が追いつかない夜叉は困惑した様子で言葉を吐露す
ブゥン!ブワッ!!
刹那、変化が終わったのか、竜巻の内側に見えたユウの影が動き出し
直後に竜巻が内側から四散し、周囲に風圧が巻き起こる
やがて風圧が収まるや夜叉が恐る恐る目を開けてみる
「――っ!?」
目を開けた夜叉は視界に入ったものを見て驚く
その先にいたのは手鎌を手に勇ましく構える一匹のイタチがいたのだ
しかしそれはただのイタチではない、成りはそうであるが、骨格は人間に近しく
まるで獣が人になったかのような姿をしていた
「まつ、まさかあいつは……ユウ、なのか?」
夜叉は若干己の目を疑いそうになるが、竜巻の中から現れた以上、否定しようもない事実がそこにある
自分の目に映るイタチが他ならぬユウであるのだと
「……っ」
【「――ッ!?」】
するとその直後、姿を現してから今まで目を閉じていたユウがその目を開く
開眼したその眼光を目にした
【「グッ、グオオオオオオオオ!!」】
しかし、
ユウに向かって突進を仕掛けてきたのだ
「まずい、ユウ逃げろ!?」
迫りくる巨獣がその身を武器に特攻を仕掛けてきたのを目にした夜叉が慌ててユウに逃げることを促す
「……っ」
だが、どうしたとこかユウは
【「ブルァアアッ!!」】
咆哮を上げながら
「…….っ!!」
シュイン!ビュオォォォォン!
それは一瞬の出来事だった風が吹き荒れた
【「――ッ!?」】
風が止んだと思った
ふと後ろに気配を感じ、振り替えるとそこにはいつの間にか背後を取るユウの姿があった
【「グッ…グォオオオオオオオ!!」】
まったく気づかぬままに背後を取られたことに怒りを表した
「…無駄だ」
最中、ユウがぼそりとそう呟いた
その時だった
ブチッ…ブシャァアアアアアア!!
【「――ッツ!?」】
「――っ!?」
突如として
【「ガァアアッ!?」】
訳も分からないまま