突如として佐介たちの前に現れた少年アム
それによって佐介たちと少々トラブルが起こったもののなんとかことを収めることができた
誤解が解けた直後、焔を通してアムの仲間らしい人物が一緒にいるとの情報を得て
佐介たちは情報の交換も兼ねて学院の演習場にて集合することとなった
待つこと暫しして一番目に到着した光牙たちと共にアムの仲間の一人である梨璃が現れ、アムとの再会を果たす
さらにそれに続くように蛇女子学園組が夢結を、月閃女学館組が楓を連れてきたことにより、アムはようやく仲間たち全員と再び会うことができたのだった
全員の集合に伴い、アムたち4人全員が集結したことによって一行は場所を忍部屋に移す
部屋の中で佐介たちとアムたちが向かい合う状態で茶の間に座っていた
「みなさん、改めましてありがとうございました。おかげさまでこうして仲間たちと再会できました。感謝してもしきれませんね」
会合が行われるや最初に口を開いたのは夢結だった
正座から丁寧に頭を下げ、佐介たちにお礼を述べる
「ゆ、夢結さん頭を上げてください」アセアセ
「そうだぞ、さっきも言ったが俺たちは別にそこまで礼を言われるようなことはしていない」
かしこまってお礼を述べる夢結に少し申し訳なさを感じてしまう
「そのくらいでいいだろう、頭を上げなさい」
霧夜が口をはさみ、お礼はもういいと伝え、夢結は頭をあげる
「さて、ではそろそろ説明を説明をしてもらおうか。お前たちが何者なのかを」
少々脱線気味になったが霧夜が代表してアムたちに素性を尋ねる
「はい、ではまずは自己紹介からですかね。雅緋さんや相馬さんたちはもうご存知ですが他の方々とはまだ初対面ですしね」
夢結の言葉にアムたちは頷く
「では私から…改めましてみなさん、私の名は白井 夢結と申します。私立百合ヶ丘女学院の二年生です。よろしくお願いいたします」
自己紹介をするとともに軽く会釈する
「次はどなたが?」
「あっ、次は私がやります!」
次の自己紹介に名乗りを上げたのは梨璃だった
「み、みなさん初めまして!わ、わたし一柳 梨璃っていいます!夢結お姉さまや楓さんたちと同じく百合ヶ丘学院の生徒で一年生です!…そ、その、よろしくお願いいたしましゅ!…///っ!?」
『「(あっ、噛んだ)」』
ぎちぎっちに固まった様子で必死に自己紹介をする梨璃だったが最後の最後で噛んでしまい、恥ずかしそうに頭から煙を噴き出していた
「うふふ、まぁ梨璃さんったら、その様子を見ていると出会った当初を思い浮かべますわね」
「も、もう!楓さん///!?」
余計な茶々を入れる楓に梨璃が反論する
「丁度いいですし次は私が行かせてもらいますわね」
そういうと楓はすっと立ち上がりスカートの裾を軽くつまみ礼をする
「みなさま初めまして。わたくしは楓・J・ヌーベルと申します。梨璃さんと同じく一年生でございます。ぜひぜひ覚えてくださいませ♪」
「まぁ、なんて上品な礼儀作法でしょう」
「全くですわね。ことらのほうこそよろしくお願いいたしますわ」
「はい♪」
どこか似たものを感じた斑鳩と詠は楓に共感を覚えた
「(それににしても…)」
ふいに楓が皆に視線を向け、端から端まで全員を一人一人見ていく
「(おいしそう)」ジュルリ
全員を見るなり楓の口からよだれが垂れ出る
「(なんというユートピアなのかしら…右を向いても左を向いても年上の美女美女、あ~)」ウズウズ
考えれば考えるほどに楓の頭が桃色に染まる
「(月閃の方々もさることながらどのお姉さま方も素敵な方ばかりで尚且つわたくしを軽々と上回るあのスタイル!…まぁ例外はいるようですが、それを置いても目移りしてしまう。これは是非とも仲良くすべきとわたくしの本能が叫んでますわ!)」グヘヘ
「「「(あっ、何かよからぬこと考えてるなさては?)」」」
彼女のことをよく知るアムたちは表情を見てまたかと言いたげな顔をする
「(特に…一押しは)」チラッ
「っ?」ビクッ
「(グヘヘヘヘヘヘ)」ニヤリ
「(な、なんだろう、急にすごい悪寒がしてきたんだけど!?)」ゾワゾワ!
この時紫苑は楓からの視線にこの上ないほどの寒気と恐怖が体の全身を駆け巡るような感覚に襲われていた
「さて、最後は僕だな。初めまして、僕はアムだ。よろしく頼む」
アムの自己紹介を経て、これでようやく全身が紹介を終える
「それでは自己紹介も終わりましたので本題に移りましょう。率直に申しますと私たちはこの世界のものではないと思われます」
「本当に率直だなおい?」
自分たちがこの世界の人間ではないとストレートに言い出す夢結に相馬は驚きの顔を浮かべる
「夢結といったね。その根拠は何だ?」
「…雅緋さんたちとともにここに来るまでの間街の景色などを拝見させてもらいましたが、私たちの街とこことは少々異なっているところが多々ありました」
「なるほど、しかしそれだけでは根拠としては薄いのではないか?」
多少、街の印象が変わっているとてそれだけでその答えに息つくには無理があるのではないかと指摘が入る
自分が知っているようで意外と知らないということもあるからだ
「確かに、ですがもっと確実な根拠はあります。まず第一に光牙さんたちの時もそうでしたが皆さんが百合ヶ丘学院の名を知らないということがあげられます。私たちが通う御校は近隣では有名な「GARDEN」の一つですから」
「百合ヶ丘学院…GARDEN?」
夢結が語る百合ヶ丘学院。しかしながら当然佐介たちにはそれもGARDENというのも聞き覚えのない名前である
「まぁGARDENは私たちが通うそこ以外にもいくつか存在しますので私たちが通う学院を知らないことはこの際さておきます。ですが百歩譲るとしても第二の根拠であり、一番の重要なことである「ヒュージ」の存在を知らないなどということは私たちの世界では絶対に有り得ないことです。これが私たちがこの世界の人間ではないという根拠です」
ヒュージの存在を知らないということが確固たる根拠なのだと夢結が断言する
「度々話題に出てきますが実際のところそのヒュージとは何なのですか?重要とまでおっしゃられてましたが?」
紫苑がここで夢結たちに先ほどから話題に出ていたヒュージについて尋ねる
「ヒュージとは…」
「…世界に破滅と厄災をもたらす化け物どものことだ」
『「っ!?」』
アムのその言葉に一同は身震いを覚えるのだった