次元の狭間から現れたヒュージ妖魔を討伐すべく結界を展開しその中で戦闘を開始する佐介たち
紆余曲折を経てともに現場にやってきていたアムたちとともにヒュージ妖魔が召喚した眷属の妖魔たちとも交戦する
そうして戦闘もいよいよ佳境を迎え始め、先行して向かっていた佐介とアムは周囲の妖魔をすべて撃破し
残す標的はただ一つ、ヒュージ妖魔のみとなった
自身を見据える佐介とアムに対し、怒りに震えるヒュージ妖魔が2人に向けて攻撃を仕掛けるのだった
【「グォォォォォォ!!」】
「「っ!?」」
目線の先の2人に向かってヒュージ妖魔がその巨大な手から繰り出す掌底を叩き付けようとする
「アムくん!」
「うわっ!?」
咄嗟に佐介がアムを抱えて後方に向かって猛ダッシュ
ドゴォォォォン!!
『「っ!?」』グヌヌヌ
振り下ろされた掌底の威力は凄まじく、地面と激突した瞬間壮絶な衝撃が走り
凄まじい土煙が風速の勢いで飛んできた
同時にその衝撃に堪えられなかった雑兵の妖魔たちは次々と
「うっ!?ぐぅぅ!!」ザザァァ!
背後から押し寄せる風圧に吹き飛ばされながらも佐介は何とか受け身を取り、抱えていたアムとともに皆の元まで後退する
「佐介くん!?」
「アムくん!?」
飛鳥たちが急いで佐介たちの元に駆け寄っていった
「佐介、無事か!」
「はい、何とか…っ」
2人の安否は確認され、皆が一斉にヒュージ妖魔に視線を向ける
【「グルルルル!!」】
「奴め、しびれを切らしたようだな?」
「でもまぁ、そのおかげで鵜っと強い奴らも消えてくれたし」
「えぇ、仕留めるなら今が好機といったところですね」
雑兵たちが消えて標的を再び絞ることができた
「みなさん行、きましょう!これがラストアタックです!」バッ!
『「おー!」』バッ!
【「グォォォォォォ!!」】
ヒュージ妖魔目がけて全員が駆け出す
「まずは揺動だ!遠距離攻撃を使える奴は奴に集中砲火をかけるぞ!」
『「はい!」』
「全員放て!」
バババババ!シュンシュンシュン!ドバババババ!!
【「グッ、グウゥゥゥゥ!?!?」】
近接を得意とする者たちの道を作るべく光牙を筆頭に紫苑や夢結、楓、そのほか数名の者たちが遠距離からの攻撃を仕掛け、動きを鈍らせる
「よっしゃ!一番乗り!」
【「ッ!?」】
「からの~~…おっらぁぁぁ!!」
【「グォォッ!?」】
「アオ!」
「あぁ、わかってる!!」
相馬の先制の拳がヒュージ妖魔の腹部に直撃し、すぐ後に蒼馬の蹴りも加わり、その痛みに悶絶していた
「相馬らに続け!!」
『「やぁぁぁぁぁぁ!!」』
『「はぁぁぁぁぁ!!」』
その一撃を皮切りに皆もヒュージ妖魔の部位に攻撃を仕掛けた
あまりの連撃に身動きが取れない
【「ッ!グォォォォォォ!!」】ギュィィィ!!
『「っ!?」』
だがそこはヒュージ妖魔、それでも負けじと咆哮を上げると同時に口元にあの例の光線を放つべくエネルギーを集約させる
「まずいですよ!?」
「このままじゃ逃げ場が!?」
慌てふためく一同、しかしそれもお構いなしにとヒュージ妖魔がエネルギーをチャージする
最悪のインスピレーションを誰もが思った
その時だった
「はぁぁぁぁぁ!!」
「佐介くん!?」
「あいついつの間に!?」
いつの間にかヒュージ妖魔の頭上から急降下していた佐介に皆が驚く
バゴォォォン!
【「グぉッ!?」】
渾身の一発が入り、ヒュージ妖魔がひるむ
「かつ姉!」
「っ!?」
「力を貸してください!」
「…おぅ、任せろ!はっ!!」
佐介の呼びかけに応じ、葛城が跳躍する
「見せてやる!アタイのとっておき!秘伝動物【スプラッシュ・ドラゴン】!おりゃぁぁぁぁぁ!!」
ドゴォォォォン!!
【「グブッ!?」】
勢いよく右足を突き出し、龍のエネルギーを象った蹴りを顎にぶつけた
それによってヒュージ妖魔の口が強制的に閉じる
ボォォォォン!!
【「グォッ、オォォ…」】
暴発した光線のエネルギーをうけたヒュージ妖魔が混乱していた
「奴の攻撃を阻止したぞ!」
「よし、今奴は無防備、ここが攻め時だな」
相手が身動きできないこの状況はまさに好機だ
「みんな少しの間、時間稼ぎを頼む」
「アムくん、あれをやるんだね」
「あれ?」
「そうだ…ふん!」
ヒュージ妖魔との戦いに終止符を打つ、そう意気込みをいれたアムが二対のCHARMを宙に投げる
すると二つのCHARMは互いに共鳴し合い、その姿を重ね合わせ、一本のライフルに姿を変えた
「アムくん、それは?」
「これが僕のCHARMの真骨頂さ、このモードになったこいつの威力は並みのヒュージを吹き飛ばせるほどだ。でも威力相場の代償でチャージに時間がかかるんだ。だからチャージ完了までの時間を作ってほしいんだ」
「なるほどそういうことですね。わかりました!」
確実に仕留めるためにと懇願するアムの頼みを聞き、その時間を稼ぐことになった
「今だ!攻め込め!!」
『「っ!!」』
【「グァァァァァァ!?」】
チャージまでの時間を稼ぐため、相手が無防備になっているこの機を逃すまいと一気に皆で畳みかける
皆の全力攻撃がヒュージ妖魔を追い込む
【「グゥ、グォォォォォォ!!」】
「おわっっとぉぉ!!」ザザァァ!
最後の抵抗といわんばかりにヒュージ妖魔が薙ぎ払いを仕掛け、佐介は間一髪でこれを避け、ヒュージ妖魔の背後を取った
「僕も…やってやります!」ギュィィィ!!
身構えるとともに両手首を合わせる
集中し、掌にエネルギーを集約させる
「よし、チャージ完了!みんな、離れろ!!」
『「っ!?…っ!!」』バッ!
さらにアムのほうもエネルギーチャージが完了したことで攻撃態勢が整い、それを聞いた他のメンバーたちが一斉に距離を取る
「ふぅぅぅぅん!!」ギュィィィ!!
「ターゲット、ロックオン!」キリッ!
【「グッ!?」】
事の危なさに気づいたヒュージ妖魔だったが時すでに遅し、すでに逃げ場はなかった
「いけぇぇぇぇ!!【アサルト・バースト】!!」
「超・秘伝動物【滅・獣波拳】はぁぁぁぁぁ!!」
バシュゥゥゥゥゥン!!
ビュゥゥゥゥゥゥン!!
【「ッ!?」】
ボバァァァァァァァァン!!!
『「ッ!?」』
凄まじい衝撃が結界内を駆け巡る
【「ッッッッッッッ~~~~!!!!!!………」】シュゥゥゥ~
そしてヒュージ妖魔は光に包まれると同時にその姿を塵に返したのだった
「…私たち、勝ったの?」
「そうだよ。私たち勝ったんだよ」
「…やったぁぁぁぁぁ!!」
『「いぇぇぇい!!」』
ヒュージ妖魔を倒し、勝利を得た
これを皆が祝し、戦いは無事に終わった
戦いが無事に終わり、結界が解除された
結界のおかげで街に被害は及ばず、安どする
「あっ!みんなあれ見て!」
『「っ!?」』
四季が指さす先にはいつの間にか存在していた渦を巻く何かがあった
「これはいったい?」
何かと思って顔をのぞかせるとその渦の向こうからとあるものが見えた
「あっ、あれは百合ヶ丘学院だ!?」
「えっ?ということは」
「これは私たちの世界に通じているってことですか?」
「そうなるね」
なぜこんなことになったのかはわからない、だが、これは最大の好機でもあった
「じゃあこれをくぐれば私たち帰れるんですね!」
「だがあんまりのんびりもしてられないようだ。見ろ」
渦を見てみると少しずつ収縮しているのがわかる
「おそらく閉じたらもう二度と帰れなくなるぞ?」
「わかりました。みなさん、名残惜しいですがお別れのようですね。最後です。思い残しのないようになさい」
今を逃したら次はないと夢結は別れの言葉を述べる
「飛鳥さん、それにみなさん。もっともっと仲良くしたかったです」
「梨璃ちゃん…大丈夫、きっとまたいずれ会えるよ」
「えぇ、それに離れていても私たちは友人ですわ」
「…はい」
飛鳥たちの言葉に梨璃は涙をこぼす
「できるならもっと手合わせしたかったです」
「そう落ち込むな、今度会ったらまたやろうぜ」
「あぁ、その時は私が相手をしてやる」
「ありがとうございます。楽しみにしています♪」
焔たちとまた稽古しようという約束を夢結はする
「はぁ~…残念ですわ。素敵な時間がこんなに早く終わってしまうだなんて」
「まぁまぁ、気を落とさないで、また会えると願っていればいつか叶うよ」
「ですね…それではみなさんごきげんよう」
「うん、それはいいんだけど…僕を連れてこうとするのはやめてね」
どさくさに紛れて紫苑をお持ち帰ろうとしていた楓はそれに対して舌打ちをするのだった
「…アムくん」
「うん」
「短い間だったけどありがとうございました。僕アムくんとお友達に成れてよかったです」
「僕のほうこそ、ありがとう」
佐介とアムは互いに握手を交わす
「じゃあみなさん、お元気で!」ギュィィィ!!
「またいずれ素敵なティータイムをしましょう」ギュィィィ!!
「みんなのこと絶対に忘れませんから」ギュィィィ!!
「…みんな、ありがとう!」ギュィィィ!!
ギュヌヌヌ…シュゥゥゥ~
アムたちがくぐり抜けていったその数秒後、渦は消えてしまった
「行ってしまったな」
「…はい」
「寂しいか?」
「…いいえ、また会えると信じてますから」
悲しげな顔を浮かべる佐介に声をかける光牙だったが
また会えると信じている佐介の言葉に「そうか」とつぶやく光牙だった