佐介と共に楽しい都会での思い出を作ろうとしていた遠野天狗ノ忍衆の面々
だが、そんな楽しい時間も那智の義理の姉である瑠璃奈の登場によって一変する
瑠璃奈は佐介たちに夕焼の中に眠る妖魔をもらい受けることを宣告し
それを実行に移すべく手下たちを呼び寄せ
手下たちは彼女の命令によって佐介たちを忍結界に閉じ込めてしまった
さらには戦闘に発展している最中に夕焼と対峙していた瑠璃奈は彼女と那智を巻き添えに手下たちに更なる結界の発生を命じ
まんまと罠にハマった夕焼と那智は二つ目の結界に閉じ込めてしまった
助けに行こうとした佐介たちだったが、そんな彼らの前に瑠璃奈の親衛隊を名乗る3人の人物が現れ、行手を阻む
夕焼と那智を助けるべく早々にこの3人を排除しようとする一行だったが
3人もまたやり手であり、尚且つ彼らの持つ武器の能力によって苦戦を強いられてしまうのだった
佐介たちが手練れの手下3人衆に苦戦を強いられている一方、結界内では
キンキン!キン!カキィィィン!
「っ!?」ザザァァ!
「っ!!」
「くそっ!」
「ふっ…」
罠にはめられて那智とともに結界内に閉じ込められてしまった夕焼が自分たちをここに閉じ込めた瑠莉奈と戦っていた
しかし瑠莉奈の実力は相当であり、夕焼が歯が立たないと思わされる程だった
「っ!」
「っ!?」
そうして瑠璃奈が夕焼に向かって剣を振り下ろそうと身構える
「瑠璃奈義姉さん!」
「っ?」
しかしその直後、瑠璃奈の振り上げた手に釣竿の糸が巻きつく
「これ以上はやらせません!」
「…あいつ」
那智が夕焼を守ろうと瑠璃奈を妨害したのだ
「ふっ、那智よ。この程度でわらわを押さえ込んだと思っているのか?…だとしたら笑止千万よ!」
「っ、きゃあっ!?」
だが、そんな妨害をもろともしない瑠璃奈が逆に糸に絡められている腕を勢いよく引き寄せ、それによって力負けした那智が引き寄せられてしまった
「っ!」
「っ!?」
「なっ!?」
直後、引き寄せた那智に向けて瑠璃奈が自由が聞く右手に持つ剣を那智に突き立てる
だが、那智に剣を突き出したにも関わらずた突き刺すというよりもただ腹部に先端を当てただけに感じられた
「あいつ、何をする気だ?」
「気になるか?…安心しろ、今すぐ見せてやる」
何をするのか警戒している夕焼に瑠璃奈がそう告げる
「っ!?」
刹那、那智は自身の体に異変が起きていることに気づく
突きつけられた剣先を通して体から力が吸い取られていた
「つ…ち、力が…あぅ…」
「…ふん」
「っ!?」
力を吸い取られてしまった那智は脱力感に襲われ、その場に倒れてしまった
「テメェ!」
一部始終を見ていた夕焼は怒りに震えて瑠璃奈に特攻する
「甘いな…ふっ!」
それを見ていた瑠璃奈がやれやれと言うかのようにもう片方の剣を突きつける
何をする気だと思っていたその時だった
ギュィン!バシャァァァァァ!!
「っ!?」
突きつけられた剣先から水のエネルギーが噴き出した
「うわっぁぁ!?」
完全に不意を突かれた夕焼は避ける動作もできぬままにその攻撃の直撃を受けてしまった
「い、今のはいったい?」
「見たか、これがこれが私の魔具「ソード・リカーランス」の力だ。これら二対の剣はそれぞれに能力を有し、右手に持つこの剣には触れた相手の力を吸収する効果、そして左手の剣は逆にその吸収した力を自身の力として放つことができる効果があるのだ」
「じゃあ、さっきのは」
「そうだ。今のはこの剣に吸収させた那智の力を貴様に向けて放ったのだ」
先の攻撃が那智から奪ったエネルギーから繰り出されたものであることを瑠璃奈は告げる
「驚くのはまだはやいぞ、今頃外にいるであろうお前の仲間たちは私の忠実な僕たる三忍衆と対峙しているだろう、無論奴らにもこのソード・リカーランスと同じ魔具を所持させてある。この意味がわかるな?」
「っ!?」
瑠璃奈のその言葉を聞いて結界の外で仲間たちが今どうなっているのかを知る
彼女のような実力と武器を所持している奴らが他にもいて今この結界の向こうで皆と戦っている
それを考えるとこうしてぐずぐずもしてられなかった
「だったら早々に蹴りつけてやらぁ!!」
「できるものならな!」
「ぬかせ!!」
早く瑠莉奈を倒して皆のもとに向かわなければという思いで夕焼は特攻する
「おりゃっ!!」
「ふん、はぁっ!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」
だが、そんなことで状況がひっくり返るわけもなく、結局瑠莉奈に圧倒されて後方に吹き飛ぶ
「無様だな…所詮貴様ではその程度の力しか出せんか」
「ぐっ、うぅぅ…」
「さて、そろそろ遊びは終いにするとしよう」
そういうと瑠莉奈は剣を地面に突き刺した後、懐からあるものを取り出す
取りだされたそれは何かの水晶のようだった
「なんだ、それは?」
「こいつもまた魔具の一つだ。これには強力な封印術の術式が仕込まれていてな。これを使えばありとあらゆる封印術を施せる…そう例えば、こんな風にな!」
瑠莉奈がそういった瞬間、水晶から無数の鎖が飛び出してきた
「なっ!?があっ!?」
飛び出してきた鎖がすり抜けるように夕焼の体に突き刺さり、苦しみで悶えだす
さらにそれだけにとどまらず、体に突き刺さった鎖が今度は引き寄せる力に変わり、自身の体から捉えたと思われるそれを引っ張り上げようとしているようだった
「ぐあぁぁぁぁぁぁぁ!?」
苦しみによる断末魔が結界内に響き渡る
「…っ、わ、わたし…っ!?」
最中、気を失っていた那智が目を覚まし、視界に捉えたのは夕焼を苦しめている瑠莉奈の姿だった
「夕焼さん!?」
「ぐぅ、うぅぅぅぅ!?」
「瑠莉奈義姉さん!やめてください!」
「ほう、目を覚ましたか那智、だがそれに応じる義理はない、もうすぐわらわの目的が叶うのだからな」
必死に止めようとする那智の言葉に耳を傾けることをこばみ、自身の目的を優先するべく手を緩めることはしなかった
「ぐぅ……っ!?」ドックン
刹那、夕焼の体にさらなる異変が起こる
空間を貫いて夕焼の体を蝕む鎖を引き上げて続けて数秒が経過したあたり
夕焼の体から徐々にエネルギーのようなものが抜け出始めてきた
「あっ、あれは!?」
那智がこの光景に驚愕する
「な、なんだ…こりゃ!?」
「おぉ、出てきたか!」
夕焼の体から抜け出るものを見て明らかに瑠璃奈は興奮していた
「ぐう、ぐぁぁぁぁ!?」
「ふふふふふっ!」
徐々に抜け出てくる様子に苦痛の声を上げる夕焼と高まりの笑いを見せる瑠璃奈
「(いけない、このままでは!?)」
助けに行きたいのに動くことが出来ずにいる那智はただこの光景を眺めるしかないのかと悔やむ
だが、そうこうしているうちにもどんどんと夕焼の体から霊体が完全に抜け出る寸前にまで陥る
もはやここまでがと誰もが思った時だった
ピキッ…ビキキキ!
「「っ!?」」
「なんだ?」
突如、夕焼たちを閉じ込めている結界に亀裂が走り出した
発生した亀裂は秒を追うごとに広がりを増していく
3人がその光景に釘付けになっている次の瞬間
バリィィイン!
「なにっ!?」
「「っ!?」」
外から結界が破られた
シュン!
「「あっ!?」」
さらに直後、結界の向こうから素速い動きで結界内に侵入する影が
シュタッ!
「っ!?」
「ふぅぅん!」
「なっ、くっ!?」
ドゴォォォォン!
「ぐぅぅ!?」
いきなりの攻撃に驚きつつも直撃仕掛けた際、瞬時にソード・リカーランスを引き抜き盾代わりにする
だが、蹴りの勢いがすごく後方へと吹き飛んだ
「ぐぅぅ、なんだ!?」
突然の不意打ち、自身が蹴り飛ばされたことへの恥辱に怒りを露にする瑠莉奈が視線を向ける
「っ、お前は!?」
その際、瑠莉奈は自身の目を疑う
なぜならそこにいた人物とは
「さ、佐介さん!」
「お待たせしました。ご無事ですか?」
極限魂に転身した佐介の姿だったのだから