閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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封じられし夜叉、取り込まれし夜叉 

瑠璃奈たちの突然の奇襲を受けてしまい、相手の実力も合間って劣勢に立たされてしまった遠野天狗ノ忍衆たちと佐介

 

 

さらにはその最中、夕焼が瑠莉奈に力を奪われかけるも間一髪のところで佐介が助けに入ったことで彼女たちを一時撤退にまで追いやることに成功する

 

 

だが、アクシデントを想定していた瑠莉奈が里の者たちを人質に制限時間内に来なければその者たちを亡き者とするという強迫を残して去っていった

 

 

これにどうすべきかと悩む一同だったがその間に我を忘れた夕焼が襲い掛かるという事態にも見舞われてしまう

 

 

しかし一同はどうにか時間内に里に到着して人質にされている里の者たちを開放するよう商談を試みるも

 

 

その際、瑠莉奈がいきなり攻撃を繰り出し、彼女たちと一緒にいた夕焼が佐介の変化であることを見破る

 

 

作戦が失敗したことで強行に出るも彼女たちには三忍衆が、佐介の前に瑠莉奈が立ちはだかる

 

 

佐介と瑠莉奈が戦いを繰り広げ、やや佐介が劣勢に追い込まれようとしていたその時

 

 

牛丸に監視させていたはずの夕焼が里に現れ、狙われるリスクを承知で救援に駆け付け、戦いに身を投じるのだった

 

 

 

 

乱戦の最中、夕焼が現れ、瑠璃奈と戦闘を開始したことに皆は驚きを隠せない

 

 

「どうして夕焼がここにいんだよ!?」

 

 

「そんなの私がわかるわけないじゃない!?」

 

 

なぜここにきたのかが分からない九魅と深里は困惑の言葉を吐く

 

 

その時だった

 

 

「ふぅ〜…やっと着きました〜」

 

 

 

 

 

 

「今度は負けねぇ!覚悟しやがれ!」

 

 

「ふん、かえって好都合だ!来い!」

 

 

刹那、夕焼と瑠璃奈の武器と武器がぶつかり合う

 

 

「おららららら!」

 

 

「威勢はいいが合間も変わらず単調な攻め、そんなもので私を倒せるなどと…思いあがるなよ!」

 

 

「ぬあっ!?」

 

 

攻め立てる夕焼だが、それは一瞬のことであり、すぐに状況は劣勢に追い込まれてしまう

 

 

「ふっ!はぁっ!」

 

 

「うわっ!?」

 

 

瑠璃奈の剣撃が夕焼を追い込む

 

 

「夕焼さん!」

 

 

夕焼のピンチを見た佐介が助けに入ろうとする

 

 

「邪魔はさせん、お前たち!」

 

 

「「「「っ!」」」」

 

 

「っ!?」

 

 

しかし、そんな佐介の動きを阻止すべく雑兵の数人が佐介の前に立ちはだかる

 

 

「どきなさい!」

 

 

自分の邪魔をしてくる雑兵を相手に佐介は突っ込んだ

 

 

 

 

 

「おいおい、やばいんじゃねぇのか!?」

 

 

「夕焼さんが押されてるわ!?」

 

 

「なんとかしてゆーちゃんを助けないと!?」

 

 

「同感だわ…でも」

 

 

瑠璃奈に押されている夕焼を助けに行きたい那智たちではある

 

 

しかし今は自分たちもそうも聞かない状況なのが現実だった

 

 

「アタシたちがいること」

 

 

「忘れてもらっちゃ困るぜ」

 

 

「でごわす」

 

 

彼女たちの前には三忍衆が立ちはだかり、こちらに向かってクスクスと笑みを浮かべていた

 

 

 

 

 

「ふぅん!」

 

 

「ぐぁぁぁ!?」

 

 

一方で瑠璃奈と夕焼の戦いは未だ劣勢であり、追い込まれていた

 

 

「う、ぐぅぅ!?」

 

 

「遊びは終わりだ。くらえ、はあぁぁぁぁぁ!」

 

 

 

瑠莉奈がそういうと剣に力を込める

 

 

「たああぁぁぁぁぁ!」

 

 

「ぐっ、うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

刹那、瑠莉奈が放った斬撃波が夕焼を襲い、大きく後方へと吹き飛ばした

 

 

地面を転がり、その際に刀を手放してしまう

 

 

「うっ…うぅ…あれ?私…痛っ!?」

 

 

刀が手から離れたことで本来の彼女に戻ったようだった

 

 

「ふん!」

 

 

「がはっ!?」

 

 

「「「「っ!?」」」」

 

 

「ゆーちゃん!?」

 

 

その夕焼に対して瑠璃奈が彼女を踏みつけ、動きを止める

 

 

「もう逃しはせんぞ、覚悟するがいい」

 

 

夕焼の動きを封じた瑠莉奈がこの機を逃すまいと再びあの水晶を取り出す

 

 

すると水晶が光り輝き、そこから鎖が飛び出してきた

 

 

 

シュルルル!ギュィィィィィン!

 

 

 

「ぐっ、ああぁぁぁぁぁ!?」

 

 

「夕焼さん!?」

 

 

「「「っ!?」」」

 

 

「ゆーちゃん!?」

 

 

水晶から放たれた鎖が夕焼の体の中を透き通り、その中に眠る力を引き出そうとする

 

 

「行けない、このままでは…邪魔をしないでください!」

 

 

何とかして夕焼の元に向かおうとする佐介だが取り囲む雑兵の忍たちは引き去るつもりは毛頭ないようでなおも佐介の行く手の邪魔をする

 

 

同じように那智たちも三忍衆の妨害によって動けない

 

 

「あぁぁっ、うがぁぁぁぁ!?」

 

 

その間にも夕焼の体から力を引き抜こうとする瑠莉奈の行動は止まりを見せない

 

 

徐々にぐいぐいと夕焼の体からエネルギー体が抜け出してきた

 

 

「…っ!」グィッ!

 

 

ラストスパートというかのように瑠莉奈が一気に手を引き抜いたその瞬間

 

 

エネルギー体が夕焼の体から完全に引き抜かれた

 

 

「あ…うぅっ…」

 

 

「…ふっ」ニヤリ

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

一同が騒然とする中、引き抜かれたエネルギー体に変化が起こり

 

 

シルエットだったその容姿が徐々に形を成していく

 

 

 

キュピィィィン!

 

 

 

「な、なんだこりゃ!?」

 

 

「ま、まぶしい!?」

 

 

「っ!?」

 

 

突然の光が視界一杯に広がる

 

 

光が徐々に収まりを見せていき視界が回復していった

 

 

「あっ、あれは!?」

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

そして次の瞬間、一同は驚愕の表情を浮かべる

 

 

なぜなら先程、エネルギー体であった存在が明確な形を成していた

 

 

人の姿に近しいが腕と足はまるでカラスのように黒い翼と足を生やしている

 

 

さらには彼女から感じるこの気配

 

 

佐介はすぐに確信した

 

 

彼女が妖魔であることを

 

 

【「こ、これは?」】

 

 

妖魔である彼女は自分の姿が実体化したことに驚きを隠せない様子だった

 

 

「ようやく出会えたな。お前を待っていたぞ…夜叉よ」

 

 

【「…夜叉?」】

 

 

「そうだ。それが本当のお前であり本当の名前だ」

 

 

【「夜叉…夜叉…オレは…っ!?」】

 

 

実体化を果たし、瑠璃奈が彼女に自身の名を告げた瞬間

 

 

彼女の脳裏に一気に記憶が流れ込んでくる

 

 

それもあの時とは比べものにならないくらい鮮明に

 

 

夜叉の流れ込んできた記憶、それはこれまでの彼女の軌跡

 

 

自分が何者で今どうしてこうなっているのかまで、それまでの記憶がフラッシュバックする

 

 

【「思い…だした…」】

 

 

俯きながら呟く彼女のその一言に皆が驚く

 

 

【「そうだ。オレの名は夜叉!誇り高き妖魔、夜叉さまだ!」】

 

 

夜叉は全ての記憶を思い出したようで自分の名を叫ぶ

 

 

「勇ましいな。流石は夜叉と言ったところか?……待っていたぞ」

 

 

瑠璃奈はようやくお目当ての夜叉を呼び出すことに成功したことに感極まるといった様子だった

 

 

最中、夜叉が瑠璃奈に気づいたと同時に彼女を睨み据える

 

 

【「テメェ!よくも散々オレをいたぶってくれやがったな!ただじゃおかねえぞ!」】

 

 

「ふん、威勢はいいが貴様は自分の置かれた立場がわからぬようだな?」

 

 

こちらに対して粋がりを見せる夜叉に瑠璃奈は今も身動きがままならない状態であることを指摘する

 

 

【「人間風情が舐めたこと抜かすなよ?テメェが何をしようとしてるのかは知らねぇが、こいつから抜け出せたのは好都合だ。あとはこのオレを縛ったやがるこの鎖を引きちぎればはれてオレは自由だ!」】

 

 

自由を得るべく夜叉は自分を縛る鎖を引きちぎろうと渾身の力を込める

 

 

【「ぐぅ〜〜!?くっ、ぬぅぅぅぅ!!!??」】

 

 

しかしありったけの力を込めてるにも関わらず鎖をちぎることが一向に出来なかった

 

 

【「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」】

 

 

鎖を千切ることも出来ずひたすらに体力だけが削られるだけだった

 

 

「どうした?もう終わりか?」

 

 

【「な、なんでだ?このオレ様がこんな鎖如きで!?」】

 

 

「忘れてはいないか?その鎖は今もお前から力を吸い取っているのだよ」

 

 

【「っ、なんだと!?」】

 

 

渾身の力を込めても鎖が千切れないのは今も鎖が彼女からエネルギーを吸っているからだと瑠璃奈は説明する

 

 

「自分の記憶を思い出せて良かったな夜叉よ、だが、残念ながらその喜びはここまでだ。お前は今からわらわにその力の全てを捧げるのだからな」

 

 

【「なに!?」】

 

 

瑠璃奈がそう告げた瞬間、鎖が力を奪う吸収スピードを上げ始める

 

 

【「ぬあぁぁぉぁぁぉぁっ!?」】

 

 

「……っ!?」

 

 

「ふふふふ」

 

 

夕焼は目の前で起こる光景にただただ絶句した

 

 

自分の前で鎖で身動きを封じられ、なす術もなく力を吸われ、苦しむ声を上げる夜叉の姿を見ることしかできずにいたからだ

 

 

そして吸収のスピードが加速して数秒が経過した頃だった

 

 

「さて、ここらで十分と言ったところか…」

 

 

夜叉から十分にエネルギーを吸い取ったと判断した瑠璃奈が水晶に念を入れ、それに反応した水晶が呪縛の鎖を解いた

 

 

【「……っ」】ドサッ

 

 

「あっ…ぁぁ…」

 

 

力を吸い取られた夜叉はなんの抵抗もできぬままその場に倒れ込んだ

 

 

「…やった。やったぞ、とうとう手に入れたぞ。妖魔、夜叉の力を!ふはっ、ははははははは!ははははは!」

 

 

念願が叶ったようで瑠璃奈は高笑いをする

 

 

夜叉から吸い取ったエネルギーを宿した水晶からは怪しく輝いていた

 

 

「…っ!!」グッ!

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

刹那、瑠莉奈が高笑いをやめると同時に水晶を自分の体に押し込んだ

 

 

「ぐぅ、ぐぅぅぅぅぅ!?」

 

 

「な、何を!?」

 

 

「ふっ、ふふふ。これが、わらわの臨んだこと。夜叉より力を…奪い、それによってわらわは最強の存在となるのだ…ぬぅぅ、ぬあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

歓喜と痛に耐えながら語る瑠璃奈を瞬く間に光が包み込んだ

 

 

眩い光によって次回が一瞬遮られたが、それが徐々に晴れていき、視界が元に戻る

 

 

「…っ!?」

 

 

「「「「っ!?」」」」

 

 

その時、夕焼たちは絶句した

 

 

【「ふふふふ、あはは、あははは!素晴らしい!これが夜叉の、いや妖魔の上位個体の持つ力なのか?全身から力が漲ってくるぞ!」】

 

 

彼女たちの視線の先には夜叉の力を取り込んだ水晶の力によって

 

 

もはや人よりも妖魔に近しい存在としての姿を成した瑠璃奈の姿がそこにはあった

 

 

「…瑠璃奈、義姉さん…」

 

 

変わり果てた姿になってしまった瑠璃奈を見て那智はとても悲しげな様子を浮かべる

 

 

【「くふふふ、これほどとは想像以上だ。……さて」】

 

 

力を手にしたことに喜びを浮かべている瑠璃奈が視線を晒す

 

 

視線の先には夕焼と夜叉が

 

 

【「夕焼、そして夜叉よ。お前たちにはわらわのためにもう一働かしてもらう」】

 

 

「どういうことですか?」

 

 

【「なに簡単なことよ。…お前たちにはわらわが手にしたこの力の試し相手をしてもらうのだよ!」】

 

 

その瞬間。瑠璃奈が武器を手に腕試しと称して夕焼と夜叉に襲いかかる

 

 

「っ!?」

 

 

迫りくる瑠璃奈を見て咄嗟に抱えている夜叉を庇おうとする

 

 

しかしこの間にも瑠璃奈の無慈悲なる刃が振り下ろされていく

 

 

 

カキィィィン!

 

 

 

刹那、騒音が響き渡るがどういう訳か痛みが来ない

 

 

恐る恐る視界を開いてみる

 

 

「ぐっ、ぐぅぅぅ!!」

 

 

【「貴様!?」】

 

 

「「「「「佐介(さん)!?」」」」」

 

 

その先には瑠璃奈の攻撃から夕焼と夜叉を守るために立ちはだかる佐介の姿があった

 

 

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