人質にされている里の者たちを見殺しにすまいと瑠璃奈の元にやってきた那智たち
しかし彼女たちの計画に感づいていた瑠璃奈はあっさりと夕焼に変化した佐介だと見破り
あとがなくなってしまったこともあり、強行手段に出る
雑兵の忍たち、三忍衆、および瑠璃奈を相手に戦うも芳しくない状況に傾く
さらにそこに危機を見過ごすことができなかった夕焼がこの場に参上してきたことで状況はさらに混乱する
仲間たちを助けたい思いで刀を抜き戦う夕焼だったが、それで差が埋まるわけもなく蹴散らされてしまう
夕焼を蹴散らした瑠璃奈は自身の目的を成就すべく水晶で夕焼の内に秘められし力を抜き出そうとする
阻止しようにも妨害にあい、それもままならず
そしてとうとう夕焼の中に秘められた力の象徴でもある妖魔、夜叉が具現化してしまい
夜叉もまた自由を得ようと抵抗するもそれすら及ばず、水晶は彼女から力を吸い取ってしまい
瑠璃奈は力を奪った水晶を自らに植え付け、その姿を人ならざる姿に変える
手にした力に歓喜し、その力を試すべく夕焼と夜叉を屠ろうとしたその瞬間、彼女たちを守らんと佐介が立ちはだかるのだった
今にも斬られかけた夕焼たちを間一髪のところで極限魂となった佐介が防ぐことに成功する
【「ほう、貴様がここにきたということは部下たちを倒したと言うことだな?」】
「お察しの…通りですよ!」
チラッと視線を向けるとそこには佐介が倒したと思われる兵士たちが倒れていた
【「またもわらわの前に立ちはだかるか?つくづく懲りぬ男よ」】
「これ以上あなたたちの好き勝手にはさせません!ふぅぅぅん!!」
極限魂となったことで佐介は一気に勝負を決めにかかる
【「流石だ。なかなかの力だ…と、言いたいところだが、一足遅かったな。すでにわらわは夜叉の力を取り込んだ。故にいかにお前が強くなろうともわらわには勝てん!」】
「っ!?」
その言葉を口火に瑠莉奈が畳み掛けるように攻めにかかる
素早い剣劇の嵐が佐介に迫りくるのだ
【「す、すげぇ…」】
「なんて速さ、目で追うのがやっとです」
2人の戦う様子を見ていた夕焼と夜叉はその迫力に驚愕していた
しかし状況は2人が思うほど拮抗しているわけではない
むしろ状況は明らかに劣勢に傾いてるのだ
「くっ!?」
【「ふっ、さすがに速いな。しかし避けてるばかりでは勝ち目はないぞ!!」】
瑠莉奈が言うことはもっともだった
確かに極限魂の速度で瑠莉奈が繰り出す攻撃をかわせてはいる
だがそれと同時に佐介はよけるだけで攻撃を仕掛けられていないのである
「っ、はあぁぁぁぁぁっ!」
【「っ?」】
刹那、佐介が動きを見せ攻撃を繰り出す
ガキィィィン!!
「くっ!?」
【「っ」】
だが、攻撃を剣で受け止められてしまう
【「…なるほどな」】
「何を笑ってらっしゃるんですか?」
【「とぼけても無駄だ。貴様のその姿、長所は先ほどからの素早く速度のようだが、逆に欠点はそれによって犠牲となった攻撃力だな?」】
「っ!?」
この一発だけで極限魂の弱点が見抜かれてしまった
【「いくら素早かろうと一撃の破壊力が乏しくては意味がない!!」】
「ぐぅぅう!?」
スピードは勝っているものの、攻撃力の少なさという弱点を見抜かれてしまい
アドバンテージを奪われてしまった
「…夕焼さん。逃げてください」
「えっ?」
佐介は夕焼に逃げるように促す
「で、でも佐介さん」
「今のままであなたを守るのはさすがにきつい、ここからは僕ももっと本気を出さないといけない、だからお願いします」
「…っ」
今のままでは状況はさらに悪くなることが懸念されることに気づいた
故に夕焼たちを逃がさなければ自分が本気を出せず、出してしまったらここにいる2人が危ないと思ったからだ
「わかりました。佐介さん、呉武運を…行きましょう夜叉さん!」
【「なにっ?おい、お前何を、って、うわっ!?」】
いうが早いか夕焼はこの場を佐介に任せ、夜叉を連れてその場から撤退する
【「敵前逃亡か?…ふん、妖魔を抜かれた途端力を抜かれた途端に一目散に逃げだすとはな。腰抜けだな」】
「聞き捨てなりませんねその言葉、夕焼さんをバカにするのは僕が許しませんよ?」
【「だったらどうする?わらわに先の言葉を撤回させたいのであれば力でしますほかないぞ?」】
「ご心配なく、はなっからそのつもりです!」ゴォォォォ!!
夕焼のことを腰抜けと称する瑠莉奈に佐介はドスの聞いた言葉を投げかけ、彼女に物申し
本気でやるべく力を高めていった
【「…面白い。来るがいい!」】
「ふぅぅぅん!」
【「っ!!」】
そして激しい怒号と共に佐介と瑠璃奈の本気の死合が幕を開けるのだった
一方その頃、佐介の願いを聞き、夜叉を連れて移動している夕焼は彼女を抱えながら戦場の中を進んでいた
移動の最中、ところかしこから金属のぶつかり合う音や爆発、騒音が響く
「(ひとまずここを離れないと、佐介さんに言われたとおりにしないと)」
夜叉を連れて出来るだけ遠くに行かなければと夕焼はせっせと足を動かし、戦場を行く
【「お、おい!どこまでオレを連れていく気だ、離しやがれ!」】
「ちょ、暴れないでください!?」
しかし彼女によって半ば強引に同行させられている夜叉はそれをよしとしていないのかじたばたして夕焼から離れようとする
「っ!」バッ!
「っ!?」
【「っ!?」】
刹那、瑠璃奈の手下の忍の一人が現れ、2人に襲い掛かる
「危ない!夜叉さんごめんなさい!」
【「うわっ!?」】
「っ!?」スカッ!
このままではまずいと判断した夕焼が咄嗟に夜叉を押して離れたことで攻撃がスカった
「…っ!」
攻撃がかわされてしまったことに恥辱を感じたのか忍がその原因を作った夕焼に再び襲い掛かろうとする
【「どこ見てやがる!」】
「っ!?」
【「テメェの相手はオレだ!よそ見してんじゃねぇ!!」】
「~~っ!?」
最中、夜叉が残っている力を駆使して敵を撃退することに成功した
【「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」】
「夜叉さん…」
しかし、力を抜き取られ、調子の出ない夜叉は少し動いただけでバテバテの様子だった
かわいそうに感じた夕焼が恐る恐る彼女に近寄ろうとする
【「触るな!」】
「っ!?」
だが、それに気づいた夜叉によって勢いよく振り払われる
【「今オレに何かしようとしやがったな!」】
「違います!私はただあなたが心配で」
警戒心剥き出しで夕焼にガンを飛ばしてきた
夕焼は必死に違うと、夜叉の身を案じているのだと必死に訴える
【「心配だと?寝ぼけたこと言ってんじゃねぇ!お前もあいつらもオレを封じ込め、自由を奪いやがっただけに飽き足らず今度はオレから力まで奪いやがって…忍ってやつはどこまで屑なんだ!」】
「…夜叉さん」
【「お前らのせいで…お前らのせいでぇぇぇ!!」】
「っ!?」
怒りに飲まれた夜叉の拳が夕焼に襲いかかり
咄嗟に夕焼はそれをガードした
【「っ!!」】
「ぐっっ!?
突き出された拳を夕焼は必死に防ぐ
ギュィィィィィン!?
「……っ!?」
夜叉の拳を防いだ夕焼、だが、その直後、彼女に不思議なことが起こった
刹那、夕焼はまばゆい光に包まれる感覚に襲われる
あまりのまぶしさに目を堪えてしまう
そして光が晴れていき、夕焼が恐る恐る目を開ける
「っ!?」
するとそこは先ほどの場所ではなかった
「これは」
夕焼の目に浮かぶのは穏やかな風景の場所だった