閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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理想と現実、奪われた意思 

鈴音から生徒たちの暴動騒ぎがあると聞かされた光牙たちは

 

 

そこで生徒たちを襲い、信者と称して操る芦屋と遭遇した

 

 

止めに入る光牙たちを前に芦屋は彼らも信者にすべく信者と化した生徒たちに命じて襲わせるのだった

 

 

 

 

 

 

「行け、信者たちよ」

 

 

「「「「「うおぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」

 

 

芦屋の号令とともに信者たちが迫りくる

 

 

「やるぞ」

 

 

「あぁ!」

 

 

「仕方ないわね!!」

 

 

迫りくる信者たちと光牙たちが戦闘を開始した

 

 

「おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「「「「「うわあぁぁぁぁぁぁ!?」」」」」

 

 

「お痛する子たちにはお仕置きよ!!」

 

 

「「「「「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」」

 

 

襲い掛かる信者たちを次々となぎ倒す

 

 

しかし予想以上に数が多く

 

 

数の暴力がその真価を発揮していく

 

 

「くそ、キリがないぜ!?」

 

 

「信者たちの数が予想以上に多いわ。面倒ね!!」

 

 

愚痴をこぼすも、それでも手を休めず、排除に努める

 

 

「はっ!ふぅん!…っ?」

 

 

光牙もまた迫りくる信者たちに応戦していた

 

 

「ふふふ、見たか?我が教団の力は?なかなかじゃろ?」

 

 

「芦屋、貴様どんな手を使った?」

 

 

「どんな手じゃと?ふっ、ならば教えてやろう、今我が身は神と一体化しておるのじゃ、これらはすべて神の御業なのじゃ…見せてやるぞ。ふぅぅん!」ギュィィィン!

 

 

「「「っ!?」」」

 

 

すると芦屋からものすごいプレッシャーが放たれた

 

 

「な、なんだこれは!?」

 

 

「明らかに普段の芦屋ちゃんとは何か違うわ。気を付けてみんな!」

 

 

この何とも気持ちの悪い力を放つ芦屋に危機感を覚え、春花が全員に注意を促す

 

 

「どりゃぁぁぁぁ!」

 

 

「あっ、焔ちゃん!」

 

 

先手必勝と焔が六爪を両手に装備し、芦屋目がけて突入する

 

 

「いい加減雑魚の相手はうんざりだ。勝負しろ芦屋!」

 

 

「ふっ、いいじゃろう、かかってこい!」

 

 

自分に対して向かってくる焔を迎え撃つ意を示す芦屋が構える

 

 

「おりゃぁぁぁぁぁ!」

 

 

「はっ!」

 

 

刹那、互いの武器がぶつかり合う

 

 

「こいつを食らえ!!」

 

 

「なっ、うわっと!?」

 

 

チャクラムをブーメランのように投げつけ、攻撃を繰り出してきたが焔はそれを辛くもかわす

 

 

「私にそんなものは効かん!!」

 

 

「ほう、突進する以外能がないと思っておったが意外とやるではないか?」

 

 

「ほざけ!」

 

 

そうこうしている間に焔が再び接近し間合いに入る

 

 

「どりゃぁぁぁぁ!!」

 

 

「ふっ、はぁぁぁ!!」

 

 

刹那、焔の六爪と芦屋のチャクラムがぶつかり合い、そのまま鍔迫り合いに持ち込まれる

 

 

鍔迫り合いが起こるとともに周囲に衝撃が舞う

 

 

「いくら候補メンバーとはいえ所詮は候補止まり、選抜メンバーである私に勝てると思うな!」

 

 

すかさず持ち前のパワーで圧倒しにかかる

 

 

「ふん、焔よ。確かにお前のパワーは凄まじい、しかしながら神の加護を受けた我の前にはそんなもの無意味じゃ!」

 

 

芦屋が焔に対してそう言い放った直後だった

 

 

押し込みをかけていた焔を芦屋が返しにかかった

 

 

「なっ、なに!?」

 

 

焔は驚きに包まれる

 

 

普段の芦屋からは考えられないほどの力で焔を押し返し出してきたことによって形成が早くも逆転してしまった

 

 

今は焔の方が芦屋の押し込みに耐える立場にさせられていた

 

 

「どうした焔?自慢のパワーはその程度か!」

 

 

「ぐっ!?くそっ!?」

 

 

踏ん張りを見せようにもそれすら芦屋の力が凌駕していた

 

 

このままでは鍔迫り合いを解かれ、追い討ちを食らうのは誰の目からも明らかだった

 

 

「そこまでよ芦屋ちゃん!」

 

 

「っ!?」

 

 

「春花!?」

 

 

「焔ちゃん、下がって!」

 

 

その時、頭上から春花が現れ、焔に退避を促す

 

 

春花の指示に従い、焔が後方に下がる

 

 

「芦屋ちゃん、少しお痛がすぎるわよ。これを食らって大人しくしなさい!」

 

 

直後、春花が懐から多色の液体の入った試験管を取り出してそれを投げつける

 

 

「相手を拘束することに特化させて作り上げた私お手製の薬よ。すぐに身動きが取れなくなるわ。これまでね!」

 

 

「くそっ…っ?」

 

 

どうしたらと思い悩んでいた時だった

 

 

突然、信者たちが芦屋の前に立つ

 

 

「な、お前たち何をしているんじゃ!?」

 

 

【「芦屋よ。今の内じゃ、そいつらを盾にして後ろに後退しろ」】

 

 

「えっ!?…で、ですが!?」

 

 

【「早くしろ、私の言葉が効けぬのか!」】

 

 

神の言葉を聞いた芦屋だったが腑に落ちない気持ちもあった

 

 

しかし、神の使いを自称しているがゆえにそれに逆らうことはできず、結局は言う通りに交代する

 

 

地面に激突し、割れた試験管の中から液体が空気と混じったことによって煙となって周りに充満する

 

 

芦屋の身代わりとして攻撃を食らった信者たちは苦しそうに倒れていった

 

 

「そ、そんな!こんな方法で私の技を跳ね返すなんて!?」

 

 

「…っつ」

 

 

信者たちが倒れる様を光牙はまじまじと見た

 

 

「芦屋、貴様ぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「っ!?」

 

 

この光景を見て怒りの声を上げながら焔が斬りかかる

 

 

「はっ!」

 

 

しかし、その攻撃を間一髪のところで芦屋はかわした

 

 

「「っ!?」」

 

 

「惜しかったな!覚悟はよいか!裁きの時間じゃ!食らえ!!」

 

 

そしてそのまま今度は自身の身を手裏剣のように回転させながら焔めがけて突進してきた

 

 

「焔ちゃん!」ドン!

 

 

「うわっ!?」

 

 

こちらに向かってくる芦屋を見て春花が咄嗟に焔を突き飛ばした

 

 

「せいやぁぁぁぁ!!」

 

 

「うっ!?…きゃあぁぁぁぁぁ!?」

 

 

「春花!?」

 

 

焔を逃した代償として春花が芦屋の繰り出す一撃を受けてしまう

 

 

芦屋の放った一撃は春花の衣服をブレイクし、戦闘不能にまで追いやった

 

 

「くっ、すまない春花…」

 

 

自分の身代わりとなってくれたことへの嬉しさと

 

 

同時に彼女をこのような目に合わせてしまったことへの罪悪感という板挟みに苛まれる

 

 

「春花にしてやられてしまったか?」

 

 

【「芦屋よ。こま、いや、信者たちの数が減っておる。そ奴はなかなかに強い、信者にして戦力にするのじゃ」】

 

 

「えっ?で、ですが我が君。春花はさっきの攻撃でダメージを追っています。これ以上の戦闘を敷いては春花の身が」

 

 

【「そんなことはどうでもいい!ここで使えなくなるようならそんな者は信者としていらん、ともかくそいつを使え!神の命が効けんのか!」】

 

 

芦屋は抵抗を覚えつつも倒れた春花に生徒たちに漬かったのと同じ技を使う

 

 

すると戦闘不能になった春花が立ち上がる

 

 

その目は他の者たちと同じように信者にされていた

 

 

「くっ!芦屋ぁぁぁぁぁ!!」

 

 

春花の敵と言わんばかりに焔が芦屋目掛けて飛んで行った

 

 

「っ!?」

 

 

「っ!!」

 

 

「は、春花!?」

 

 

しかしその攻撃も芦屋を守るように飛んできた春花によって阻止され、さらには拘束されてしまう

 

 

【「今だ芦屋。その娘が奴を抑えているうちに斬れ!」】

 

 

「えっ!?で、ですが神よ。それでは春花までも斬ってしまいますぞ!?」

 

 

【「そう言っただろう、さっきも言ったがここで使えなくなるような奴はいらんと…わかったらさっさとやれ!」】

 

 

「っ…」ガクブル

 

 

芦屋の心は乱れに乱れ出していった

 

 

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

どうしたらいいのか自分でももう訳が分からない状況に陥りながらチャクラムで焔に仕掛ける

 

 

振り下ろされたチャクラムが迫りくる

 

 

 

パシュン!

 

 

 

「っ!?」

 

 

「っ!!」

 

 

 

刹那、突如として飛んできた矢に驚き距離を取り芦屋は後方に下がる

 

 

すぐさま視線を向けるとそこには光牙がいた

 

 

「こ、光牙、なぜお前の相手は信者たちが…!?」

 

 

なぜ光牙が駆けつけられたのかと驚いていたがすぐに事態を把握する

 

 

既に信者たちは光牙が一人残らずかたずけてしまっていたのだ

 

 

「何ということじゃ」グヌヌ

 

 

【「ちっ…!」】

 

 

「っ!!」

 

 

「うわっ!?」

 

 

すかさず神の意思が春花に命令し、焔を盾にして光牙に攻めよってきた

 

 

「あまい、抜き足!!」

 

 

 

フォン!ドスッ!

 

 

 

「~っ…」バタン

 

 

「なっ!?」

 

 

抜き足の高速移動によって背後を取った光牙が手刀で春花を気絶させた

 

 

「これで残るはお前だけだ」

 

 

 

「な、なにっ!?」

 

 

「終いにするぞ焔」

 

 

「っ、わかっている!」

 

 

光牙が速攻で春花を気絶させたことで形勢は一気に逆転した

 

 

「…くそっ」

 

 

【「芦屋、こうなったのは全部お前のせいだぞ!なぜ私の言う通りにしなかった!?」】

 

 

先の戦闘の際に春花を操って焔を倒し

 

 

その後、焔も信者として操れば形勢は違った形になっていたはずなのにと神は芦屋を問い詰める

 

 

「…お言葉ですが、神よ。信者とは同じ神を崇拝し、その意思を分かち合う同士です。ですが、これでは皆がただの道具も同然ではありませんか!こんなの我々が目指すものとは違います!我が宗教は皆が幸せになるための者のはずです!」

 

 

ついに我慢の限界に来た芦屋が神に対して異議申し立てをした

 

 

【「きれいごとを言うな、そんなこと言っておきながら貴様も強引に奴らを信者に仕立て上げたではないか?正攻法で信者を集められない無能者だからこそ貴様は私にすがったのではないか?」】

 

 

「っ!?」

 

 

確かにそうだ

 

 

自分も最初は与えられたこの力で生徒たちを無理やりに信者にした

 

 

いつも頑張っても信者を増やせられず、挙句あんなことがあったせいで手段を択ばずこのようなことをしてしまった

 

 

だが、信者となった者たちが自分の身勝手で傷ついていくことを見て芦屋の心に罪悪感が芽生えたのだ

 

 

「我は…我らのやり方は間違っていると思うのです。神よ。もうこれ以上はやめにしましょう、これ以上無益な争いはしてはいけない」

 

 

取り返しのつかなくなる前にやめようと懇願する

 

 

【「…はぁ、残念だよ芦屋、もう少し役に立ってくれると思っていたんだがね?」】

 

 

「えっ?」

 

 

刹那、彼女のみが黒い靄に包まれた

 

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「芦屋!?」

 

 

「何が起こっている!?」

 

 

突然の事態に光牙と焔は困惑する

 

 

「光牙、あれはなんだ!?」

 

 

「っ!?」

 

 

焔が指し示す方を見ると発生した靄の中に不気味な目が光っているのが見える

 

 

「なんなんだあれ!?」

 

 

【「さぁ、ここからは私がやらせてもらう」】

 

 

そういって不敵な声を上げながら靄は芦屋の中に入っていった

 

 

「ふふふ、ようやくコントロールを奪えたぞ?」

 

 

「な、声が変わった!?」

 

 

「気をつけろ、奴は芦屋じゃない」

 

 

変化に気づくとともに光牙が告げる

 

 

目の間にいるのは芦屋ではなく芦屋の体を操る何物かということを

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