秘立蛇女子学園は悪忍の養成校だけあって毎日選抜メンバーの座をかけ争いが絶えない
だがそんなこの学園にも生徒たちの時間は存在する
日々厳しいが毎日が修行と言うわけではない
生徒たちも休みの時間は各々のしたい事をするものだ
その休み時間の中、この学園唯一の男、光牙は射撃練習所にいた
「……」
じっとつったったまま動かない光牙
その時
ガサガサ!!!
ギギ~~!!!
突然周囲にカラクリ人形が現れ
光牙に襲いかかる
最低限の動きと隙を突いての攻撃を行っていく光牙
弓を構え、カラクリに向けて放つ
それらにより沢山いたカラクリをあっという間に全滅させてしまった
「…つまらない」
光牙はそう言いながら服についたカラクリの破片をぱっぱとはらった
「やはりカラクリ相手では物足りない…はぁ…もっと手応えのある相手はいないのか?」
彼にとっては休みは退屈な時間でしかなかった。彼は早く新たな任務が来ることを望んでいた
空を見上げぶつくさと言う光牙、すると光牙の腹の虫がなった
今は丁度お昼の時間だった
朝から修行を続けていて食事をしていなかったのだ
このままいても暇なだけ、そう思う光牙
「…飯にするか」
修行をやめて食堂に向かって歩き出した
歩き出して少ししてのことだった
「ふっふふふ~ん♪」
「ん?」
自分の近くで鼻歌が聞こえる
「ふっふふふ~ん♪」
それは楽しそうな鼻歌でした
光牙は気になったのかその鼻歌がする方へ歩くと
そこには花壇の花をぬいている詠がいた
「詠、こんなところでなにをしてるんだ?」
光牙に気づいた詠は
「光牙さんストップです。ここは立ち入り禁止にしました」
「立ち入り禁止だと?」
「そうです!!」
詠の言ってることが理解できない光牙
「いったい何故だ?」
詠にその理由を問いただす
「見ての通り、家庭菜園ですわ。綺麗なだけのお花は抜き取って実用的なお野菜を育てるんです」
「ほ~」
「そうすればお昼ご飯にも困りません」
詠のその考えに光牙は共感する
「お前、見かけによらず随分たくましいんだな」
「ふふ、花より団子、団子よりもやしですわ」
「もやし?」
「はい、もやしこそ至高、もやしこそが究極ですわ」
もやしの話しが始まると先ほどよりもいきいきしていた
「ふん。そうか」
「ここはぜひ光牙さんにももやしの素晴らしさについて知っていただこうと思います!!」
「おい、まて、俺はそんな話に付き合う気は」
「そもそももやしとは煮てよし、焼いてよし、炒めてよしの三拍子揃った」
光牙の意見を聞かずにもやしについて語り始めてしまった詠
それからトークがしばらく続いていると詠からぎゅ~っとお腹から音が
「…詠、お前、腹がすいてるんじゃないのか」
「あっ、はい…そっその。お恥ずかしながらわたくし、今月がピンチでもう三日もお昼を抜いてて」
恥ずかしそうに詠はそう言うと何かひらめいたような顔をする
「そうですわ。光牙さん。今からわたくしとお昼ご飯をかけて勝負してください!!」
「なに?」
「わたくしが勝ったら光牙さんはお昼をわたくしに譲ること。光牙さんが勝てばわたくしは光牙さんの頼みを一つ聞き入れる。いかがでしょう?」
「…俺的には賭けに関してはどうでもいいが。勝負なら受けて立つ。丁度物足りなかったとこだしな」
互いに了承を得て二人は演習場に到着した
「ルールは簡単、どちらかがまいったと言えば終了ですわ」
「構わん。そういえばお前とはまだちゃんとした手合わせをしていなかったな」
「そういえばそうですわね」
軽くおしゃべりを終えると共に互いに武器を構える
「では行くぞ」
「えぇ、参りましょう」
「「忍転身!!」」
二人は忍転身し、忍装束へとその姿を変えた
※ちなみに光牙の服装はどこぞのNo.ハンターのような姿
互いに相手の出方を伺う二人
そんな中、先に沈黙を破ったのは詠だった
「はあぁぁ!!!」
数十キロあろう大剣を軽々と振るう詠
しかしそこはやはり大剣、パワーは申し分ないが振るたびに隙が出来てしまう
光牙はそれを突くため攻撃をかわし続ける。そしてその時が来た
「
ここだと言わんばかりに光牙が柄しかない武器を取り出し、その柄の鍔の部分から二本の粒子の剣が生成され、そのまま懐に飛び込もうとする
「予想通りですわね!!」
「ぬっ!?」
だが詠は手に装備したボウガンから手裏剣やら苦無を発射する
光牙はとっさに粒子を盾に構成し、それらを防御する
「起点が早いですわね」
「…危なかった」
もし盾を生成するのが遅れていたら自分は攻撃をまともに食らっていただろう
光牙は詠が一筋縄では突破できないやつだと再確認した
「まだまだこれからですわ!!」
再び大剣を振るう詠。そしてそれをかわす光牙
そんな中、交わしていく内に追い詰められたようで後ろには壁が
「ここですわ!!」
詠が大剣を振りあげる
光牙も盾で攻撃に備える
「無駄ですわ。土遁・加重岩の術(どとん・かじゅうがんのじゅつ)!!!」
ズウウゥゥゥゥン!!!!
術が発動すると光牙はその異変に直様気づいた
振り上げられ、ぶつかる際に大剣の重さが尋常ではないことに
ピキキと音をたてながら粒子の盾が大剣のパワーと重量に耐え切れずひび割れていき
壁を突き破り、ぱり~んと言う音と共に盾は粉々に砕け散り、光牙は壁の向こうに吹き飛ばされた
「いかがでしょうか?」
詠が剣を地面に刺し飛んでいった光牙に声をかける
先ほどの攻撃で吹き飛ばされた光牙は壁の向こう側にたっていた木を何本もへし折りながら
その中で一番でかい木にぶつかりようやく止まった
「……あ~痛ってぇ。頭がズキズキ痛む」
「うふふ。降参するなら今のうちですわよ?」
「…降参?ふっ、馬鹿な事を言うな。こんな面白い勝負、降参する訳がないだろう」
血のタンを吐くと光牙は再び粒子ダガーを手にすると詠に向かって走る
「そう簡単にはいかせません!!!」
詠がボウガンや大砲を乱射する
光牙はダガーでそれらを弾きながら尚も詠目掛けて突き進む
「はっ!!」
「っ!?」
光牙に接近され突き刺していた大剣を引っこ抜き、詠は光牙の攻撃を防ぎ続ける
詠も負けじと大剣を振りかざす
光牙はそれをかわす
「ならば!!秘伝忍法・シグムンド!!!」
大剣を巨大化させ、天に向けて大きく振りかざし、エネルギーをまとった大剣を地面へと叩きつけた
エネルギーが地面から噴出し。爆発する
煙がもくもくと立ち込める
「さすがの光牙さんもこれは効いたでしょう」
などと言いながら詠は警戒を怠らなかった
なにせ相手はあの焔を負かしたほどの実力者なのだから
その時だった
ヒュン!!!
「なっ!?」
煙の中から光の矢が飛んできて詠の大剣を持つ手を射貫いた
大剣が詠の手から離れ地面にドスンと言う音をたてながら落ちた
詠は痛みを堪えそれをとろうとするも尚も矢がはなたれ詠を射貫き続ける
その度に詠の忍装束はビリビリに破ける
「秘伝忍法・輝迅」
向こうから光牙の声が聞こえ、秘伝忍法の矢が詠を直撃し
ほとんどブラとパンツ以外の衣服は酷くズタボロ状態だった
そして晴れるのを待たずして光牙が弓矢を構えつつ詠に迫る
詠は最後の悪あがきと言わんばかりにボウガンを突き出すも
それさえ矢により破壊され
ついに詠の目の前に矢先が向けられた
「…チェックメイトだ」
「……ふぅ、わたくしの負けですわ」
詠が負けを認めると光牙は弓を消す
そして自分の上着を詠に被せると
「っ?」
おもむろに手を伸ばす
何も言ってはいないが光牙は詠にはわかった。彼は自分が立てるように手を伸ばしてくれてるのだと
詠は手に捕まると光牙はゆっくりと詠を立たせた
「ありがとうございます」
「ふん。勘違いするな。俺はただ、勝負の前に言った約束を果たしてもらうつもりなだけだ」
「…わたくしが負けたら光牙さんのお願いを聞くという約束ですよね。もちろん覚えてますわ」
「ならいい。そうだな…それじゃあ(ぐうぅ~~)……」
光牙が何にするか悩んでいると詠のお腹がなる
「ごっ、ごめんなさい。さっきの戦闘で余計お腹がすいてしまって」
恥ずかしそうに顔を赤くしながらあたふたする詠
それを見て呆れ、頼みごとを考えるのがアホらしくなった
「もういい、この件は保留にしとく。いずれキチンと約束をはたせ。いいな?」
「はっ、はい…」
そう言われてしまう自分の情けなさにシュンとする詠
「じゃあいくぞ」
「へっ?行くってどこに?」
「食堂に決まってる。昼飯なら奢ってやる」
「で、でも、それはわたくしが勝った時の話しでは?」
それを聞いたとたん光牙は歩みを止めると詠のほうを向くと
「…二度も言わせるな。俺が昼飯を奢ってやるって言ってんだ。さっさと来い。…それともまた昼飯を抜くか?」
「あ…ふふ。はい、喜んでおごっていただきます!!」
「………わかればいい」
そう言い終えると再び光牙は歩き出した
「(光牙さん。…見ためは厳しいですが本当はとっても優しい方ですわ)」
「なにをしているー?」
「はーい、今行きますわー!!」
光牙の以外な一面を知った詠
彼女は自分の先を歩く彼の背中を追いかけるのだった