ナンパ男たちに絡まれたことから始まり、そこから両備たちと戦うことになってしまい、返り討ちにした直後雪泉が現れたりと
状況が二転三転と急展開な出来事を終えた紫苑は雪泉とともに月閃に帰る帰路を歩いていた
「最近日が落ちるのが早いな?」
「そうですね。時期も時期ですし」
「ちょっと急ごうか、あまり遅すぎるとみんなが不満をぶつけてくるかもだし」
「えぇ、そうしましょう」
季節の関係かもうあたりが暗くなってきていることを感じた紫苑たちは学館で待っているであろうみんなの元に帰ろうとしていた
そんな時だった
「あ~ちょいちょい?そこのお二人さん?」
「「っ?」」
不意に声をかけられたので見るとそこには見るからに怪しげな人物がいた
「あの、な、なんでしょうか?」
「いや~実はちょっと尋ねたいことがあってね。声をかけさせてもらった」
「はっ、はぁ…?」
尋ねたいことがあるというその人物、特徴は長いコートで全身を覆っており、さらにはフードまでかぶっていて顔が見えないという見た目だった
そんな中、紫苑はすぐに違和感に気づいた
「(…おかしい?こんなにも怪しさ満点の人物が街にいるというのに僕ら以外の者たちは全く無関心だなんて?)」
自分たちには目の前にいる人物は怪しさバリバリに見える
にもかかわらず周囲の人物たちはまるで彼の存在など最初から視界にすら入れてないように素通りしている
「(いったいどういうことだ?)」
謎が謎を呼び、すぐには理解できずにいた
「それで尋ね事とは何でしょうか?」
先のナンパ男たちのこともあり、紫苑はさりげなく聞くとともに雪泉を守ろうと一歩前に立つ
「お~お~、警戒しちゃってるのか?…まぁ、この格好じゃ仕方ねぇかw」
警戒心むき出しな2人を見たその者は少し困ったような声をあげるも自分の格好なら仕方ないなとポジションな発言をしていた
「なんなんですか?用がないなら僕たちはいかせてもらいますが?」
「そう睨むなって本当にただ聞きたいことがあったから声をかけたんだよ。まったく、今の時代ものを尋ねるのも一苦労とは世も末ってね~」
その人物は今の世の人たちに対する不満をつぶやいていた
「…あの~?」
「おっと、また脱線するところだったな悪い悪い…あんたらここらへんでガキを見かけなかったか?」
「ガキ?」
「あぁ、年は12歳くらいってところでな。俺の連れ何だがちょっと目を離した隙にはぐれちまったもんで今探してる最中だったんだ」
連れの子供を探しているからいろいろな人に声をかけているんだと話す
外見からも怪しいのに子供を探しているなんて聞けばさらに怪しさ満点だった
「すみませんが私たちもそのような人は見かけておりません。お力になれず申し訳ありません」
関わるのは危険だと早々に話題を切る
「何気にするな。そういうことなら悪かったな引き止めちまってよ。またなお二人さん。Cheerio~♪」
その人物は紫苑たちに引き止め、邪魔をしてしまったことを詫び、アイルランド語で別れを意味する言葉をつぶやいてその場を去っていった
「なんだったんでしょうねあの人?」
「よくはわからないけど…なんだか変な感じがした」
「変な感じ…ですか?」
人ごみの中に消えていったあの人物について2人は不思議そうにしていた
ppp…ppp…
「「っ?」」
最中、突然携帯が鳴りだした
かかってきているのは雪泉の携帯だった
「誰でしょう?…あら、夜桜さんですね?」
「夜桜が?」
発信先を見てみると相手はどうやら夜桜だった
「もしもし夜桜さんですか?」
《「おお、雪泉!よかった繋がった!」》
「どうしたんですか夜桜さん?なんだか息が荒いようですが?」
電話に出てみると夜桜の声が聞こえるが何やら息が荒いような感じがしていた
《「それが大変なんじゃ!不良どもが子供を誘拐したんじゃ!」》
「誘拐?それは本当かい夜桜?」
《「この声、もしや紫苑か?だとしたらなんと良いタイミングじゃ!そうなんです。気づいたときにはもう車に入れられ連れ去られてしまって、なんとかあの手この手で情報を掴んでようやくやつらのアジトの場所を特定できたんです」》
誘拐現場を目撃した夜桜はなんとかさらわれた子を助けようと行動に移し、アジトを突き止めたのだという
「わかったよ。今から僕たちもそっちに向かうよ」
《「助かります。では詳しい場所の画像を送りますのでそこで落ち合いましょう」》
夜桜はそういって電話を切った
「行きましょう、紫苑」
「うん」
善は急げ、その言葉のように2人は急いで現場に向かうのだった
夜桜の連絡を受けて数分後
「おぉ、2人とも来てくれたか!」
「遅くなりました」
指定された場所に到着した2人を待っていた夜桜が出迎える
彼女が突き止めたアジトとは工事途中で中断されたと思われる建物だった
その中には複数のスケバンたちがおり、奥のほうにソファで横たわる見た目、12歳くらいの子が寝そべっていた
「わしの弟や妹と同じくらいの子じゃ、あんな小さい子を…許せん!」
子供を誘拐したスケバンたちの行いに夜桜が怒り心頭な顔を浮かべる
「なんとしてもあの子を助けねば!」
「確かにそうだね。僕も全力で協力させてもらうよ」
「おぉ、紫苑そういってくれますか!」
「うん、僕もやつらの行いを許すわけにはいかないからね」
夜桜の意見に共感したとともに乗り込もうとする
「あっ、お前!」
「「「っ!?」」」
最中、乗り込もうとする3人の背後から声が聞こえ、振り返るとそこには奴らの仲間のスケバンが立っていた
「しつこい奴だなこんなところまで追いかけてきやがって!」
「やかましい!お前らのやってること、わしは絶対に許しませんよ!」
「あんな小さい子を誘拐するなど恥ずかしくないのですか?」
夜桜と雪泉はスケバンに対して誘拐したことについてを問いただす
「小さい子?あぁ、あの子のことか…まぁお前らにはそう見えるんだろうな」
「えっ?それはどういうことですか?」
「雪泉、悪党の言葉に耳を傾けてはいけません」
「夜桜の言う通りだ。理由はどうあれこの者たちは犯罪に手を染めている悪しき者たちだ。だからこそそんな奴らを排除しなければならないんだ。それが絶対なる正義の道筋なのだから」
スケバンの意味深な言葉に雪泉はその真意を聞こうとするも紫苑と夜桜が割って入り、それを聞くことは叶わなかった
「そうじゃ、この外道め!お前らは悪じゃ絶対悪じゃ!情けはない、全員再起不能にしちゃる!」
夜桜がスケバンたちをぼこぼこにすると宣言する
「やれるもんならやってみろ!あたしたちだってやられるわけにはいかねぇんでな!おまえらであえ!」
『「っ!!」』ゾロゾロ
呼びかけに応じるように紫苑たちをスケバンたちが取り囲む
「雪泉、夜桜、いくよ」
「おう!」
「は、はい」
「君たちを絶対なる正義の名のものとに粛清してあげましょう」
自分たちを取り囲むスケバンたちに紫苑はそう宣言するのだった