突如として肉体が成人に成長してしまった愛花とそれに驚きを隠せない光牙たち
想定外過ぎる展開に困惑を隠せなかったが、原因解明のために愛花の身体検査を春花が提案し
調査を行うのだった
春花が調査に専念している中、光牙たちは結果が出るまで好きに時間を使うことにした
「行きますよ焔お姉ちゃん!」
「おう、こい愛花!」
「てやぁぁぁぁ!!」
「おりゃぁぁぁ!!」
悩んでばかりでは埒があかないということで気持ちをすかっとさせるには訓連が一番だという焔とそれに賛同した愛花の意向もあって現在演習所では2人が訓練の真っ最中だった
「いくぜ!おりゃりゃりゃりゃ!」
焔が六爪を巧みに操り、素早い連続斬りを繰り出す
「ぬぅ…はっ!」
「っ?」
「指電磁砲!!」
バキュン!
「なっ、うわっ!?」
ボバァァァァァン!
間一髪で攻撃を回避する焔だが、直ぐ様先ほどまでいた自分が立っていた場所に視線を戻すとあたりが焼け野原のようなありさまになっていた
「うっ、うわぁぁ」
「す、すげぇ…」
放たれた指電磁砲の威力を垣間見た2人はその光景に声を失う
「い、今のみましたか?」
「うん、愛花の技、凄い威力だった」
2人の戦いを鑑賞していた詠と未来が愛花の技の威力に驚く
「愛花さんの技、凄じいな~…光牙さん?」
「…」
日影が感想を求めるように尋ねるも光牙は無言のまま愛花のほうをじっと見据えていた
「(先日の時より技の威力が格段に跳ね上がっている、肉体の成長に伴って技もパワーアップしてるのか…愛花)」
底知れぬ力を秘めている愛花、しかしどうにも光牙は気が気でない思いが払拭できなかったが、今はただ見守るほかないと様子を見続けるのだった
「(すごい、すごすぎる。これが私なんですか?最初こそ驚いたけど、この姿になってから今までの日じゃないほど強くなってる…今なら何でもできる気がする!)」
愛花はその光景を見て自分が前よりも強くなれてると確信する
「この調子なら!……ふっ!」
自身をつけた愛花が焔に向かってダッシュする
「てやぁぁぁぁ!」
「くっ!!」
飛び込みパンチを繰り出す愛花の一撃を咄嗟に六爪で受け止める
「今なら焔お姉ちゃんにも負けません!」
「ほ~う、随分と舐めたこと言ってくれるじゃねぇか…だが~!どりゃぁ!」
「ぬあっ!?」
即座に返しをとり、跳ね除けられた愛花は宙に身体を浮かせる
「はぁぁっ!!」
「きゃあっ!?」
すかさず焔が繰り出した斬撃の衝撃によって愛花は後方へと吹き飛ばされる
「まだまだ!」
「これ以上は!ふ~~ん!雷球!!」
迫り来る焔を止めるべく、愛花が両手から雷のエネルギーを纏った球体を発生させそれを放つ
「あめぇ!!」
ザシュシュン!シュワワ~!
「なっ!?」
「はあぁぁぁぁ!!」
しかし怯むことなく突っ込んだ焔が愛花の放った雷球を切り裂き、機動がずれた雷球は後ろのほうで落下し爆発した
驚いた愛花を余所に焔が間合いに入った
「どりゃぁぁぁ!!」
「きゃあぁぁぁ!!」
そして一気に振り上げた斬撃の一撃が愛花を吹き飛ばし、地面に伏せさせた
「どうだ愛花、これが私の実力だ。恐れ入ったか」
慢心気味の愛花に格の違いを思い知らせるように焔が言い放つ
「くっ…ううぅ…さ、さすが焔お姉ちゃんですね」
「おっ、まだ立ち上がるか、いいぜそういう諦めない精神嫌いじゃないぜ」
合えて実力差を見せつけたが、依然諦めない愛花の熱意に感銘を受けた焔が賞賛の言葉を送る
「焔お姉ちゃんは本当に強い…でも、これしきでへこたれる訳には行きません。私はもっと強くなりたい、もっともっと強くなるんです!!」
己のうちに秘めた思いを高らかに叫んだその時だった
キュピーン!
「えっ?」
「「「「「っ?」」」」」
突如、愛花の胸のペンダントの宝石が今までになくどこか禍々しいものを放ち出す
「な、何…これ?」
「…これは」
「愛花の胸元のペンダントが!?」
異変を目の当たりにしたその場にいる全員が驚きを隠せなかった
しかし、事態はそれだけに留まらない、宝石が光を放って直ぐのこと
凄まじい電力が愛花の身を包みこんだ
「うっ…うぅぅ!?」
「愛花!」
「何か様子がおかしいです!」
すると愛花が悶え出しその場に跪き、一同に動揺が走る
「愛花どうした?しっかりしろ!?」
心配そうに焔が訪ねようとしゃがみこみ、顔を覗かせてみる
「お、お姉ちゃ…にげ、て…お、お、さえが…きか……」
「えっ?」
苦しそうに何かを訴えるも数秒も経たぬうちに愛花は口を閉じる
「…っ!」ギュピーン!
「っ!?」
「「「「「っ!?」」」」」
直後、顔を上げた愛花が目を開くと彼女の瞳には鋭い眼光が光を発していた
「…っ」スッ
「っ?」
「っ!!」ギュィィィ!
「なにっ!?」
唖然となり、完全に気を逸らしていた焔の腹部に愛花が指を突き出したと同時に指先に電気エネルギーが発生する
そう、それは愛花が今まさに指電磁砲を放とうとしている合図だった
「危ない焔!」
異変に気づいた未来が焔に声を出すも
ビュリリリリリ!!
「っ~~~~~!?」
「ほ、焔!?」
「焔ちゃん!?」
「っ!?」
至近距離の指電磁砲の一撃が焔を直撃し、数秒の沈黙の後、焔はその場に崩れ去る
「焔!焔!?」
「ぐっ、…うぅぅ」
様子を見る限り息はあるようでそれに関しては多少の安心は得たが、だが目の前に立ちはだかる愛花は明らかに異常だった
「未来、日影。俺と詠が何とか愛花の注意を逸らす。お前たちはその隙に焔を安全なところに」
「う、うん!」
「了解」
光牙が指示をだし、未来と日影がいつでも動けるように準備する
「詠、いけるか?」
「はい、問題ありませんわ」
「よし…では行くぞ」
「えぇ!」
掛け合いを済ませた2人が駆け出す
「っ?」
狙い通り愛花の視線が光牙達の方に向けられる
「今よ日影!」
「ほーい」
手はず通りにと未来と日影も焔のもとに駆けつけ、素早く救出した焔とともに離脱を開始する
「よし」
その光景を見ていた光牙がひとまずは大丈夫だと安心する
「光牙さん!」
「っ!?」
詠の声でハッとなり、視線を戻すとそこには
「っ~~!!」
光牙と詠に狙いを定めた愛花がエネルギーを溜め込んでいた
「気を付けろ詠!」
「はい!」
攻撃に備えて姿勢を整えた時
「っ!!」
愛花がエネルギーを溜め込んでいた両手を突き出し、そこから弾幕を放つ
「詠、俺の後ろに」
「はい!」
指示を受け、詠が光牙の後ろに身を潜める
それと同時に弾幕が迫り来る中、冷静な態度で弓矢をかまえ、矢を放つ
「ふんっ!!」
すぐに光牙が放った矢に向けて念をいれる
ボン!ビュゥゥン!!
迫り来る弾幕に向かっていた矢が光牙の念の力を受けて爆発し、それによって無数の粒子が拡散した
ボボボボボン!!
拡散した粒子が愛花の放ったエネルギーに着弾し、ぶつかり合い相殺された
「っ~!」
攻撃を防がれてしまった愛花が恨めしそうにこちらを睨みつけていた
「愛花…待ってろ、すぐにお前をもとに戻してやるからな」
今もその内の中で苦しんでいるであろう愛花を救うと宣言し、光牙が弓を身構えるのだった