春花が大きくなってしまった愛花の原因究明に動いている中、愛花は焔と修行を始める
修行の中、序盤こそ焔といい勝負といったところまできていたが、本気を見せた彼女には圧倒されてしまう
もっと力が欲しいという愛花の願いが最悪の形で具現化した
それが災いし、計り知れない力に精神が耐え切れなくなった愛花は暴走し、仲間たちに手をかけるほど無作為に暴れだした
暴走した愛花を止めるべく光牙たちが戦闘を開始する
「うぅぅ…うおぉぉぉぉぉぉ!!」
ビュリリリリリ!!
「逃げろ!雷励挫だ!」
「きゃあっ!?」
迫り来る雷のエネルギー波が光牙たちに襲い来る
咄嗟に光牙の指示で回避に成功する
「愛花ちゃん!目を覚まして!」
「っ!」
「詠、不用意に近づくな!」
安易な接近は危険だと注げるも詠には声が届かないのかまっすぐ突き進んでいく
「はっ!」
「っ!?」
「てやあぁぁぁぁ!!」
ある程度距離を詰めた詠が跳躍と同時に大刀を振り上げる
「…ふぅぅん!!」
「きゃっ…な、なにを!?」
だがその瞬間、愛花が突然自分めがけて飛んでくる詠に自ら飛び込み、抱きつく
一体何をしようとしているのか詠にはわからなかったが、刹那、愛花の身体に稲妻が発生する
「詠、今すぐ愛花から離れろ!」
「えっ?」
何かを察した光牙が詠に拘束から逃れるよう良うも時既に遅し
怪しげに愛花の口がにやけた瞬間
ジジジ…バリリリリリリリリリリリ!!!
「あばばばばばばばばばばばばばばばばば!?」
「詠!?」
愛花の全身から高圧電流並みの電撃波が発生し、拘束されていた詠は逃げることもできず感電
「……ぷはぁ…っ……」
口から黒い煙が吹き出るとともに愛花が手を離すと詠はその場に倒れた
「…愛花ぁぁぁ!!」
光牙が愛花に向けて矢を放つ
「っ!?」
間一髪のところでギリギリそれをかわす
「はあぁぁぁぁ!!」
だが、それはただの囮であり、その隙に光牙が間合いに入っており、弓の刃で斬りかかる
一瞬、慌てた様子をみせるもすぐさに柔軟な対処でそれをかわす
「ふん!せいっ!だあっ!」
「っ!!」
光牙の繰り出す連続の斬撃をかわしていくが、完全にはかわしきれておらずところどころ攻撃が掠っていた
「(なるほど、いくら技の技量や攻撃力はアップしていてもあいつは愛花、まだまだ未熟なところが多々ある。ならばそこを突いていけば)」
戦闘の中、技量や攻撃力こそ上がっていても実戦経験の少なさがこの状況を生んでいるのだ
つまりそこが今の愛花にとって一番の弱点であり、彼女を止められる方法なのだ
「愛花、今正気に戻してやるからな」
「ぬぅぅ…っ!!」
愛花をもとに戻すべく光牙が駆け出す
しかしそうはさせじと愛花も反撃すべく発生させた電気エネルギーによって周囲の岩や木を引き寄せていく
「ぬぅぅぅん!」
引き寄せた岩や木を向かってくる光牙目掛けて投げつける
「そう来るか、ならば!秘伝忍法……輝迅!!」
それに対して光牙が秘伝忍法によって放った矢で迫り来る岩や木を跡形もなく消し飛ばした
「はあっ!!」
「ぬっ!?」
攻撃を相殺され、呆気に取られている隙に再び光牙が接近戦を仕掛ける
「ぬああっ!!」
「あまい!」
近距離からの雷撃波を既のとこでかわし、と同時に懐に潜り込んだ
「はあっ!!」
「ぐふっ!?」
素早い斬撃によって斬られた愛花は立ち眩む
「てぇい!!」
「ああぁぁぁ!?」
すかさず追撃の連撃をお見舞いし、たまらず愛花は大きく後方へと吹き飛び、地面を転がる
「愛花?」
地べたに転がる愛花の様子を伺う
連撃によるダメージからか地面に倒れたままピクリとも動かずにいたが
「うっ…うぅぅ…」
「っ、愛花?」
徐々に愛花がゆっくりと起き上がりを見せる
半分警戒しつつも光牙はその様子を見ていた
「…愛花、返事をしろ」
「…し、ししょう…」
「愛花……正気に戻ったか」
先ほどまで言葉らしい言葉を発していなかった愛花が「師匠」と自分のこと呼んでいるということは正気を取り戻したのだと安堵の表情を浮かべる
「ししょう…わたし…うぅっ!?」
「どうした!?」
「だ、ダメ…また、抑えがっ!」
しかし、どうやら一時的な現象のようで早くもまた自我を失いかけそうだった
「ん?なんだ?」
さらに愛花から流れ出た雷が形を成していき、やがてそれは竜を模様したエネルギーへと変貌する
「なにっ!?」
突然のことに驚きを隠せない
【ギュオオオオォォォォォォォ!!】
竜を模様した雷エネルギーが咆哮を上げ、光牙をたじろかせる
「くそっ、まずい、このままでは!?」
こうなれば気絶させてでも止めるしかないと思い立ち、弓を構えようとした時だった
「光牙くん!力を貸すわ!」
「っ!?」
愛花の頭上に飛び込んでくる黒い影、その正体は春花だった
「愛花ちゃん!今なんとかしてあげるわね!」
「お…ねえ…さん」
「何をする気だ春花!」
「こうするのよ!!」
そう言うと春花は真下の愛花めがけ試験管をばらまく
地面に落ちた試験管が次々と割れていき、中に入れられていた液体が愛花の周囲に広がるとともに爆発した
「うっ、あう……」
爆発の直撃を受け、ダメージをうけた愛花の動きが鈍ってきた
「よし…光牙くん!」
その様子を伺っていた春花がタイミングを見計らい光牙の元へ
「春花、助かる」
「未来たちから話しを聞いて駆けつけたのよ」
「なるほど…そうだ。春花、詠が」
「心配いらないわ」
春花に詠がやられてしまい、手当をすべきだと主張しようとするが
それを予知していたかのように光牙をなだめる
「春花さん、詠さんも無事やで」
「日影?」
「ありがと日影ちゃん、手当は戻ってからするから、詠ちゃんのこと頼んだわよ」
「ほーい」
いつの間にか春花とともにやって来ていた日影が詠を回収していた
直ぐ様、指示をうけた日影が詠と共に戦線を離脱する
「光牙くん!これを」
「これは?」
「私が開発した安定剤と麻酔薬効果を秘めた薬品の入ったカートリッチよ、これで愛花ちゃんを」
春花がタイミングを見計らい光牙に後を託す
「相変わらずの手際の良さ、感服するぞ……愛花、少し痛いが我慢しろよ」
そう言うと光牙は早速弓に春花から受け取ったカートリッチをセットし無線リモコン搭載の弓をダイヤルで操作し、セレクトを完了させるとすかさず弓矢をかまえ、愛花に狙いを定める
「ふっ!!」
「きゃあっ!?」
放たれた矢が愛花の胸元に命中した。
胸元に命中した矢の先端から注射針のようなものが突き刺さり、愛花の身体に薬品を投与していく
「うっ…あぁ…」
薬の効力によって愛花の意識は薄れ、その場に倒れ込む
「っ!」
地面に倒れ込む直前、光牙が彼女の身を抱き抱えた
「…愛花」
眠りについた愛花をジッと見つめる光牙と春花
刹那、ペンダントの石が光を失った。すると今まで大人の姿だった愛花が元の幼女の姿に戻っていった
「…春花、まさかこれは?」
「えぇ、どうやら一連の騒動はこの石が原因だったらしいの、しかもこれは封印術が込められてるみたいね」
「やはりそうか、しかしあの感じ、まるで俺と同じものを感じた…なぜ愛花が?」
「さぁ、そこまでは…」
あの雷の竜の正体も、愛花のペンダントに封印術が組み込まれているのも、謎が謎を呼ぶことばかりだった
「焔お姉ちゃん!詠お姉ちゃん!本当にごめんなさい!」
「いいっていいって、大した怪我じゃないんだしさ」
「そうですわ愛花ちゃん、あまり自分を責めないで」
あの後、意識を取り戻した愛花は事の顛末を聴き、自分のせいで傷つけたと罪悪感に苛まれ、焔と詠に誤った
しかし当の本人たちは気にする様子もなく、普通に接してくれていた
「愛花ちゃんホッとしてるわね」
「無意識にとは言え2人を傷つけてしまったからな。愛花としては許してもらえるとは思ってなかったんだろう」
3人の様子を少し離れた場所から見ていた2人はそう話し合っていた
「…今後は少し注意深くあいつを見てやらなければな」
「そうね。いつまたああなるかもわからないしね」
あの力を目にしたことで今後、愛花の身に何が起こるのか問題は山住だと思う二人であった