紫苑と雪泉が帰路に就く帰りの最中、何やら怪しげな者に連れの行方を尋ねられていた時
夜桜からの連絡で誘拐事件が起きていることを聞かされ急ぎ現場に向かった
そこで紫苑たちが見たのは工事ビルの跡地に屯っているスケバンたちと誘拐されたと思われる子供がおり
あの子を救うべく紫苑たちがスケバンたちと戦う意をしめすのだった
スケバンたちのアジトにて紫苑たちが交戦を開始する
「ふっ!」
「はっ!」
「どっせい!!」
『「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」』
しかし結果は目に見えており、呆気なく返り討ちにされてしまった
「く、くそぉ~…」
「まだじゃまだ終わらん、お前たちは徹底的に」
「夜桜さん、お待ちください。すみませんが私はこの方に聞きたいことがあるのです」
「雪泉?」
掴みかかろうとする夜桜を制止し、雪泉はスケバンに尋ねる
「あなたたちはあの子をどうしようというのですか?」
「…あの子は道に迷っていて連れとはぐれたって言ってて交番に連れていこうにもこの見た目じゃそれもできない、だから仕方なくあたしたちのアジトに連れて休ませてやってたんだ」
「なっ、嘘じゃ!見え透いた嘘をつくな!」
スケバンたちが子供を保護したのだと主張するも夜桜は信じられない様子だった
「だろうな。あんたたちの目にはあたしたちは悪者に見えるんだろ?誰だってそうさ、みんなあたしたちのような輩を信じようとはしない、だからあたしたちにはこの道しかないんだよ」
あきらめともとれる言葉をスケバンは漏らす
「確かに君たちの言い分もわからなくはない、でも確かに一度悪に堕ちたものはそのままだ。だから君たちはここで粛清する以外の道はない」
「紫苑しかしそれでは!?」
「…やれよ。もうこんな思いをするのもたくさんだったところさ、いっそのことそうしてもらえば楽になれるかもしれないしね」
「そんな」
もはや疎まれ続けることに疲れたとスケバンは語り、紫苑に自分たちの処遇を任せるといった
「いい心がけだ。君たちの来世に幸あらんことを祈るよ」
「っ、紫苑?」
その言葉を聞いた瞬間、雪泉は嫌な予感が全身をよぎる
このままではいけないと感じずにはいられない
「紫苑、おやめください!」
「雪泉、何をしているんじゃ!?」
雪泉はスケバンをかばう
「…雪泉。なぜ庇う?両備さんたちの時ならまだわかる。でもそいつらは」
「……正直わからないです。でもこんなことしてもおじい様が喜ぶとは思えないんです」
「黒影様が喜ばないだなどと…そんなことあるわけが?」
「少なくともこれは違う気がします!私は…そう思うのです」
必死に訴える雪泉は一歩も引かない、こんなことで黒影が喜ぶだなんて思えなかったからだ
「雪泉、どくんじゃ!こいつらは悪い奴らなんですよ!」
「夜桜さんの言い分もわかります、でもここまでの経緯を見る限り彼女は根っから悪いというわけではないと思うんです」
「あ、あんた」
夜桜も加わり庇うのをやめるように促すも雪泉は引く気はない様子だった
拮抗状態がしばし続く
ふとここで紫苑が何かを察知した
「…いつまでそこで見物してるつもりですか?」
「紫苑どうしたんですか?」
紫苑の唐突な声にその場の皆が驚く
「ほ~、気が付いとったんやな?」
「「「っ!?」」」
刹那、紫苑たちの背後に一人の少女が現れた
「ま、まったく気配を感じなかった!?」
「お、お主何者じゃ!?」
「わしか?わしは日影ちゅうもんや」
2人の問いに名乗るように答えたのは蛇女にいたころの日影だった
「忍学生ですねあなた?」
「そうや、蛇女のな」
「蛇女!」
「あんたらも忍やろ?動きが普通の人と違うのがようわかるわ」
日影は自分が蛇女の学生であること、紫苑たちが忍だということに気づいていたことを語る
「蛇女、確か悪忍の養成校でしたね!もしやそいつらの仲間か!」
「まぁ確かにこいつらとは仲間やった時期があった。せやけど今は別の道を歩んでいるから違うといえば違うな」
「そんな些細なことはいい!お前はこいつらを助けに来た援軍なんじゃろ!」
悠長に会話をする日影に食って掛かるように夜桜は言う
「何を勘違いしているか知らんが不正解や、わしがここに来たんはこいつらにちょっとお灸をすえに来たからや」
「どういうことです?」
「わしは昔の知り合いがよくないことに染まっていこうとしてるのが見過ごせなかっただけや、こいつらを見話したらわしを救ってくれた人に顔向けできへんからな」
「救ってくれた人?」
日影のつぶやいた言葉に雪泉は反応する
「てなわけでどうやろ?こいつらの処遇に関してをわしに一任してはくれへんか?」
「なっ、ふざけるな!そんなこと承諾できるわけなかろう!」
「あんたの言い分もわからなくはないが、わしはただこいつらに償いの機会を与えてやりたいんや、己のしたことにきっちり責任を取らせるつもりや」
かつての仲間たちをこれ以上落ちぶれさせたくないという日影が想いを告げる
「君の言い分はわかった。しかし口では何とでもいえる。そんな根拠のない口約束で僕らを納得させられるとでも思っているのかい?」
「わしとてそう簡単に行くなんて思ってへん、せやけど今はこうする以外のすべがないからな、これで納得してもらうしかないんや」
紫苑の問いに日影はそう答える
「なら僕らが納得してなかったらどうする?」
「この状況がまずいんは承知の上や。せやけどわしも譲れないんでの~。何としてでも納得してもらわなな」
直後、紫苑と日影が身構える
「紫苑」
「やる気じゃな!」
戦う意を示す紫苑と応戦する構えを取る日影
両者が互いを視野に入れる
「「……っ!!」」
そして2人が一斉に飛び掛かる
「いけぇ!紫苑!」
「っ!?」アセアセ
皆が見守る中、2人の距離が迫り、互いが攻撃可能範囲に入り、一撃を放つ
ドスゥゥゥゥゥゥン!!!
ものすごい音が響く
現場は騒然となる
だがそれは2人がぶつかったからではない
皆が驚愕したのは別のものだった
「おいおい、そういきり立つなってお二人さんよ~?」ファサ
「「「っ!?」」」
2人の攻撃がぶつかり合う瞬間、真ん中に割って入り、2人の攻撃を受け止めたのはあのコートの人物だった
これには皆驚いた様子だった
「あ、あなたは先ほどの?」
「よぉ、誰かと思ったらさっきの嬢ちゃんたちか?久しぶり…でもねぇか?」
雪泉が話しかけるとフードの人物は気さくに挨拶する
「雪泉。あれは誰です?」
「えぇ実は」
会話についていけてない夜桜に雪泉は彼との経緯を説明する
「…なぜここに?」
「あん?あぁ、俺がここにいるのが不思議ってか?出会い頭に話したろ?人を探してるって」
「ということは?」
「ご名答、あそこで寝てるあいつがそうさ」
なんとフードの人物の探してる相手はまさに今自分たちがもめている原因でもあるあの子供だった
「そこのスケバンのねぇちゃん」
「あ、あたし?」
「わりぃな、あいつを保護してたみたいで、見つからなくて困ってたもんでよ」
「えっ?あっ、い、いいってことよ」
フードの人物のペースにスケバンも状況が状況なだけについていけてなかった
「さて、それじゃ俺はこいつを連れていかなきゃならないんでここいらでお暇するとしますかね」
そういってフードの人物はソファで横たわる子を抱き上げた後に背負う
「っと、そうだ。これは俺からの礼だと思ってくれよ」パチン
ぱちんとフードの人物が指を鳴らした瞬間
ブオオォォォン!
「うわぁ!?何だこりゃ!?」
「なんや?」
「「「っ!?」」」
突然、日影とスケバンたちの足元に黒い靄が発生すると同時に彼女たちを呑み込む
次の瞬間、黒い靄が消えたがその先に日影たちの姿はなかった
「ど、どういうことじゃ!?」
「何が起こったんですか!?」
一瞬の出来事に雪泉と夜桜は困惑する
「何をした?」
「大したことはしてねぇよ。こいつを助けてくれた礼にここではない別の場所に飛ばしてやっただけだ」
「なに?」
「あのままじゃあいつらお前らに何されるかわかったもんじゃねぇからな。こいつを助けてもらった借りを返したってところさ」
探し人を助けた彼女たちを気まぐれから助けたとフードの人物は語る
「余計なことを!もう少しで悪しき者たちに制裁を加えられたというに」
「そんなことは俺は知らん」
「悪に加担する者を放っておくわけにはいかない!あなたにも正義の鉄槌を下します!」
彼女たちを逃がす手助けをした仮面の人物に対し紫苑は身構える
「お~怖い怖い、そうカッカしなさんなカルシウム不足になるぞ~?」
「ほざきなさい!」
挑発めいた言葉を述べる仮面の人物に紫苑が飛び掛かる
「やあっ!」
「…ふっ」モワァァ~
「「「っ!?」」」
しかしその直前、フードの人物がさっき日影たちに対して発動させた黒い靄を発生させその中に吸い込まれる
紫苑の攻撃は当たることなく空振りに終わる
『「悪いが俺は今お前らの相手をしてる暇はないんでね、遁ずらこかせてもらうぜ。縁が合ったらまたなcheerio~♪」』
その言葉を最後に声が途絶えた
「…くそっ」
「取り逃がしてしまいましたね」
「…仕方ないさ、それにこれが終わりなんじゃない、むしろ始まりなんだ。僕らが目指す正義のための」
「私たちの正義の…」
紫苑のその言葉に胸を撃たれつつも雪泉は複雑な心境を覚えるのだった
これが彼らがかつて経験した出来事である
そして場面は現在に戻る
「…ほんといろいろあったね?」
「はい、そうですね」
「あの頃は少々荒れていましたもんね?」
「でも、そんな僕らを変えてくれたのが佐介くんたちとの出会いだった」
過去を振り返り今の自分たちの経緯を振り返りながら物思いにふける
「…さて、帰ろうか」
「えぇ、そろそろ皆さんも返ってくる頃でしょうからね」
「帰りに夕飯の食材もかわなきゃですしね」
そんなやり取りをしながら帰り支度をし終え、雪泉と夜桜がおしゃべりをしながら先を行く
紫苑があ地を追おうとする直前、今一度墓標のほうに顔を向ける
「(黒影様…僕たちはこれからも自分たちの正義を貫いてまいります)」
今一度、墓標に向けて自分たちの想いを囁いた
「紫苑、どうしたんですか?」
「早く来ないと老いていきますよ~?」
「わかってるよ今行く」
2人の呼びかけに答え、紫苑が追い付き、3人で笑いあいながら帰路を行く
このとき彼らは気づいていない、墓標の横で彼らの姿を見てにこやかな笑みを浮かべている黒影の霊がいたことを
モワ~ン!
「ふぅ~。無事回収完了っと」
紫苑たちの前から消えたフードの人物がワープを終えて一息つく
「何をのんきにしているのですか?」
「なっ!?」アセアセ
しかし背後からとてつもない殺意が
「よ、よぉ~、なんだ戻ってたのか?」
「…っ!」
「あっ!?」
フードの人物が軽く声をかけるも聞く耳持たず、彼から子供を奪え返し距離を取る
「おいおい、そう怖い顔すんなって?」
「黙りなさい、あなたのせいで雪通架が危ない目にあったのですよ?」
「悪かったって、ちょっと目を離したと思ったらついな?」
【「見苦しい言い訳ですね?」】
何とか機嫌を取ろうとしたがいいわけであると論破されてしまった
「…う~ん?」
最中、眠っていた雪通架と呼ばれる子が目を覚ます
「雪通架。起きましたか?」
「…お
「えぇ…無事で何よりです」
目を覚ました雪通架にフードの人物の時とは違う優しげな顔を浮かべる
「もしまた雪通架を危険な目に合わせたらただでは起きませんからね?」
「へーへー、以後反省しとくよ」
【「反省してるようには見えませんが?」】
「ほっとけ」
いちいちツッコミを入れられてしまっていた
「ではいきましょう、雪通架が返ってきた以上長居は無用ですから」
「お
「雪通架の喜ぶ場所に行きましょうか」
「本当ですか!…お
雪通架に抱きしめられ、嬉しそうな顔を浮かべていた
そうしてフードの人物と雪通架たち4人はどこかに向かっていってしまうのだった