閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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銀幕の章
KAGURTrilogy episodeフレア 1


道元の襲撃によって引き起こされた騒動から数ヶ月の月日が流れ、蛇女子学園にいつもの日々が戻ってきていた

 

 

ところどころで生徒たちは立派な悪忍を目指すべく、修行に活気が溢れていた

 

 

 

 

 

 

「やー!」シャキン!

 

 

「ふっ!はぁっ!」シュシュシュ!

 

 

「…はっ!」ドロン!

 

 

演習所では生徒たちがそれぞれの自主トレに励んでいた

 

 

「みんな張り切ってんな~」

 

 

『一人前の忍になろうとみな懸命なのさ』

 

 

「ふ~ん。そういうもんか、ちょっと前の俺だったら理解できずにただろうな」

 

 

元は忍の世界とは無縁の一般人だった自分が紆余曲折を経て忍として、蛇女の選抜メンバーの1人としてここにいる

 

 

人生何が起こるかわからないなと思わずにはいられないと内心思う相馬だった

 

 

 

 

 

 

「……」トコットコッ…

 

 

時を同じくして蛇女の校内を1人の生徒が歩いていた

 

 

「…あれはっ?」

 

 

その様子を向かい側の廊下を歩いていた鈴音が目撃した

 

 

この時、鈴音は生徒に違和感を感じていた

 

 

顔に生気は篭ってなく、まるで死んで蘇ったゾンビのようにただ前をトボトボと歩いているだけだった

 

 

数秒間様子を伺っていると移動しているルート的に彼女が向かっているのが学園長室であると悟った

 

 

何か酷い胸騒ぎを覚えた鈴音は急ぎ彼女の後を追った

 

 

 

 

 

 

生徒が廊下を歩き続けていると

 

 

「そこのお前、止まれ!」

 

 

「……っ?」

 

 

追いついた鈴音が生徒を呼び止める

 

 

「お前は確か2年の沙希?……学園長室になんの用だ?この時間帯、生徒はみな演習の筈だが?保健室に行こうとして道を間違えたとかそれらの苦しい言い訳は通じぬぞ?」

 

 

鈴音は警告するように生徒、沙希に言い聞かせ、この状況を逃れるための言い訳の出鼻を先んじて挫いておいた

 

 

「……不抜けた蛇女子学園に裁きを」

 

 

「っ?」

 

 

「…っ!!」バッ

 

 

「あっ!待て!」

 

 

沙希の呟いた一言の意味が分からず困惑している隙きを突き、沙希は走りだした

 

 

反応が遅れてしまった鈴音は慌てて沙希を追いかける

 

 

全力疾走で追う鈴音だったが沙希はやたら足が早く、なかなか追いつけない

 

 

そんな中、曲がり角に差し掛かった時だった

 

 

「それでね蒼馬くんがね~」

 

 

「あっ、両奈!後ろ!」

 

 

「えっ?あん!」ドン!

 

 

「ちょっと、どこ見てんのよあんた!?」

 

 

曲がり角から現れた両奈が沙希にぶつかり尻餠を付いた

 

 

沙希の方は若干のぐらつきがあったものの、止まらず走り去った

 

 

両備が両奈を押し倒したことに文句をたれるのもおかまいなしに

 

 

「両奈、大丈夫か!?」

 

 

「鈴音先生?」

 

 

「怪我はないか?」

 

 

「は、はい、大丈夫です」

 

 

駆けつけた鈴音が両奈の身を案じ、大丈夫なことに安心していた

 

 

「鈴音先生、さっきのやつは何なんですか?」

 

 

「すまないが今は説明してられん。悪いが先を急がせてもらう!」

 

 

「あっ、鈴音先生!?」

 

 

両奈たちの無事を確認すると鈴音は再び沙希を追って駆け出した

 

 

 

 

 

 

しかし、両奈たちのほうに気が行ってしまったことにより大きなタイムロスとなってしまい、沙希は学園長室にたどり着いてしまった

 

 

「待て!」

 

 

遅れて鈴音もやって来るが沙希はそんな彼女にニヤリと不適切な笑みを向けると同時に一気にドアを開け、学園長室に入っていった

 

 

「…っ?なんだ君は!?」

 

 

突然の来訪に気づいた学園長が警戒をしながら沙希に問いただす

 

 

「……お前はここを統治すべき器ではない。ここで、果てろ!」スッカチャッ!

 

 

「っ!?」

 

 

そう言いながら沙希が取り出したそれが機動と同時にピコピコと点滅を始めた

 

 

慌てふためく学園長を見ながら沙希は不適切な笑みを浮かべる

 

 

「学園長!」

 

 

「鈴音先生!?」

 

 

直前、駆けつけた鈴音が沙希から爆弾を取り上げようとした

 

 

……だが

 

 

 

Piiiiーーーー!!!

 

 

 

「…ふっ」ニヤッ

 

 

「「ーーーっ!?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボガアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!

 

 

 

 

 

 

 

「な、なんだなんだ、なんだ!?」

 

 

突然の爆発音に外で演習を眺めていた相馬は驚く

 

 

「お、おい、あそこってさ?」

 

 

『あぁ、あっちは学園長室のあるほうだな』

 

 

相馬たちが目を向けると学園長室のある辺りからはモクモクと爆煙が吹き出していた

 

 

周囲が唖然とする中、ふと相馬は慌てた様子で自分たちの前を走り去る3つの影を見た

 

 

それを見た相馬は急いでその影を追いかけ、声をかける

 

 

「お、おい雅緋!忌夢!紫!」

 

 

「っ?相馬か?」

 

 

前を走る影の正体は雅緋と忌夢だった

 

 

「なぁ、これ一体どういう状況だよ?いきなり爆発が起こったみたいだが?」

 

 

「そんなの僕たちが知りたいくらいさ、何が起こったって言うんだ?」

 

 

「…なんだか、嫌な予感がします……」

 

 

状況がまるで読み込めずにいる2人を他所に雅緋は非常に焦っていた

 

 

無理もない、蛇女子学園の学園長は彼女の父親だ

 

 

家族が被害を受けたのではないかと雅緋は気が気ではなく、とにかくもう無我夢中で学園長室のほうに向かって全力疾走した

 

 

 

 

 

 

数分後、相馬たちは学園長室に到着した

 

 

学園長室の前にはすでに相馬達同様に騒ぎを聞きつけて来た多くの生徒たちが駆けつけており、野次馬状態になっていた

 

 

「ん?あれは?」

 

 

そんな中、相馬たちはその野次馬の中に見慣れた二人組がいた

 

 

すると二人もこちらに気づいたようであった

 

 

「雅緋、それに忌夢!」

 

 

「相馬くんも一緒に来たんだね」

 

 

「両備、両奈!」

 

 

相馬たちは学園長室の前で両備と両奈と合流を果たした

 

 

「2人とも、何があったんだ?」

 

 

「そ、それが「しっかりしてください!鈴音先生!」っ!」

 

 

話しをしようとした時、先に部屋に入っていた救出班が部屋から鈴音を連れ出す

 

 

鈴音はえらくボロボロにな姿になっていた

 

 

「大丈夫ですか!?気をしっかりしてください!」

 

 

「お気を確かに!"学園長"!」

 

 

「っ!?」

 

 

そこから続いて救出班が連れ出して来た人物を目にした雅緋は目と耳を疑った

 

 

何故なら現れたのは学園長、そう、雅緋の父なのだから

 

 

「と、父さん!」

 

 

「おっおい雅緋!?」

 

 

傷ついた父親の姿を目にした雅緋は居ても立っても居られず野次馬の中をかいくぐり、父の元に向かうのだった

 

 

「雅緋、かわいそうに…」

 

 

悲しさと不安でいっぱいであろう雅緋の気持ちを察したかのように忌夢は彼女の後ろ姿を見ていた

 

 

『…』

 

 

「アオ…」

 

 

ふと相馬は蒼馬が怒りに満ちている姿を見て、彼もまた世話になっている鈴音がこんな目に遭わされたことへの怒りにはらわたが煮えくりかえる思いなのだと察した

 

 

「で、話しを戻させてもらうぜ……いったいこれはどういうことなんだ?」

 

 

「両備たちはここに来る前に妙な生徒と鉢合わせになって」

 

 

「妙な生徒?」

 

 

そこで両備と両奈は自分たちの知りうるすべてのことを話して聞かせた

 

 

自分たちが廊下を歩いていると向かい側から走ってきた生徒が両奈にぶつかりそのまま逃げ去り

 

 

さらに後から鈴音がやってきてその生徒を追いかけて行った

 

 

だが、その数分後に爆発が起こり、駆けつけてみたらすでにこの有様だったという

 

 

「そんなことが」

 

 

これまでの経緯を聞かされ相馬達は鈴音と学園長と生徒の間で何かしらのことがあったのだと考えていた

 

 

相馬たちが見たのは荒れ果て、面影もないほど酷い有様になっていた学園長室だった

 

 

「こ、こりゃ酷いな…」

 

 

「あぁ、あたり一面黒焦げじゃないか?」

 

 

家具も史料も何もかもが一瞬にして灰と化していた

 

 

「いったい、誰がこんなことを!」

 

 

「……許せねぇ、せっかく戻ってきたみんなの日常を壊しやがって…ぜってぇ!許さなねぇ!」

 

 

学園を混乱に落とし、鈴音や学園長を傷つけ、雅緋を不安に陥れたこの事件を起こした正体不明の黒幕に相馬の心に怒りの炎が滾るのだった

 

 

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