閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

724 / 816
KAGURTrilogy episodeエレメント 3

抜忍対策組である影丘に抜忍である琴羽捜索の助力を求められた紫苑たちは

 

 

彼らとともに琴羽捜索に乗り出した

 

 

その甲斐あって早期発見に成功したが彼女の抵抗を受け、隙きをついた琴羽が逃走を図る

 

 

紫苑は動けない阿道の代わりに彼女を追いかけるのだった

 

 

 

 

 

「待ちなさい!」

 

 

「やだね!」

 

 

街中を舞台に紫苑と琴羽の逃走劇が繰り広げられていた

 

 

「紫苑!」

 

 

「夜桜!」

 

 

そこに後から遅れて夜桜が合流した

 

 

「近くを探していたら紫苑たちを見かけたもので!」

 

 

「そっか、心強いよ!」

 

 

信頼できる援軍ほどホッとするものはないと思う紫苑だった

 

 

「…らちがあかない。僕はこっちから行くから夜桜はあっちから!」

 

 

「了解じゃ!」

 

 

逃げた琴羽を捕まえるべく紫苑と夜桜が分かれて挟み討ちにしようと駆け出した

 

 

そこからしばらくは逃走劇が続いていたが

 

 

「おっと!そこまでです!」

 

 

「っ!?」

 

 

突然、目の前に先回りしていた夜桜が現れ、びくっとなりながらも別の道に向かって駆け出す

 

 

尚も逃走を続ける琴羽、それにいち早く追いついたのは紫苑だった

 

 

「もう逃がさない!はあっ!」

 

 

「っ!?」

 

 

必死に逃げようとするも紫苑の方が上手だったようで見事に捕まえられてしまった

 

 

「鬼ごっこは終わりです」

 

 

「…っ!!」

 

 

「ぐっ!…もう、タックルは通用しませんよ!」グヌヌ

 

 

悪あがきをしようとする琴羽だったが同じ手が通用するはずもなく、軽くぶつかった程度でそれを防ぎ切った

 

 

「無駄な抵抗はやめておとなしく!」

 

 

 

とこ…とこ…

 

 

 

「…っ?」

 

 

そんな中、前方からこちらに近づく足音にふと紫苑が前方を見るとそこには

 

 

仮面を被った2人の忍が現れたのである

 

 

「こいつらは、昨日の…いや、似てるけど仮面の柄が違う?」

 

 

ぱっと見昨日の襲撃者と思ったがその襲撃者が被っていた仮面の柄とはまた別の柄の仮面だった

 

 

「「っ!」」

 

 

「っ!?」アセアセ

 

 

突然の事態に驚きを隠せない紫苑達だったが、敵のほうはおかまいなしにと所持している刀を構え、襲いかかる

 

 

「っ!このままではやられる……えっ?あれ?ま、巻物が!」アセアセ

 

 

戦うしかないと紫苑が忍転身すべく巻物を取り出そうとしたが、どういうわけか懐にしまっているはずの巻物がなくなっていた

 

 

「こ、これじゃ忍転身ができない!」

 

 

焦る紫苑、だが、敵の方は待ってなどくれない

 

 

「ふっ!はっ!はぁぁぁぁっ!せいやっ!!」

 

 

止む終えず押し寄せる敵を転身せずに紫苑は応戦する

 

 

「…っ!」バッ

 

 

「あっ、待ちなさい!」

 

 

だが、その最中、この混乱に乗じて琴羽は逃げ出した

 

 

「くぅっ、このままでは…」

 

 

「紫苑!」

 

 

「っ!」

 

 

その時、紫苑の元に夜桜が駆けつけた

 

 

「紫苑、大丈夫ですか!」

 

 

「夜桜、ありがとう。助かったよ!」

 

 

駆けつけた夜桜が紫苑を庇うように前に出る

 

 

「遅くなってすみません。こいつらが紫苑の言っていた?」

 

 

「正確には違うけど、でも仲間であることは間違いないと思う」

 

 

「…それで抜忍のほうは?」

 

 

「また逃がしてしまった。出来ることなら追いかけたいところだけど」

 

 

このまま敵を倒していても琴羽は行方を晦ますのが落ちだった

 

 

「ところで紫苑?どうして転身をしてないのですか?」

 

 

「それが、なぜか巻物が消えてしまって転身できないんだ」

 

 

「な、なんですって!」

 

 

話しの最中にも関わらず敵が襲いかかる

 

 

「邪魔をするな!秘伝忍法・極楽千手拳!」

 

 

巨大化させた右手で殴りつけ、放たれたエネルギーが襲撃者たちの至近距離で爆発した

 

 

衝撃で吹き飛ばされるも、襲撃者たちは軽い身のこなしで受けみをとった

 

 

「くっ、なかなかにやるようですね……紫苑、ともかくここはわしが引き受けます。あなたは彼女を追ってください!」

 

 

紫苑に琴羽を追いかけるよう申し付け、夜桜は敵と相対する

 

 

「…わかった。頼んだよ夜桜!」

 

 

「任されよう!」

 

 

夜桜を信じ、琴羽を追いかける紫苑だった

 

 

 

 

 

隙をついて逃げだした琴羽は林の中をかけていく

 

 

その時だった

 

 

 

シャリリリリリリ!

 

 

 

「っ!?」

 

 

前方から手裏剣が自分に向かって飛んできた

 

 

直前でかわし、手裏剣が飛んできたほうを向くと

 

 

《ふん、いい動きだな》

 

 

そこには昨日自分たちを襲い、仲間たちを殺したあの仮面の忍がいた。声色は機械で変えているような感じであった

 

 

「…お、お前はっ!」ハッ

 

 

姿を見るなり琴羽は怒りに囚われる

 

 

「昨日は驚いたわよ。まさかお父さんを殺したあんたにまた会う日が来るとはね!」

 

 

《覚えていたか、ずいぶんと探すのに苦労したぞ》

 

 

「よくも…よくもお父さんを!」

 

 

親の仇が目の前に現れた事に怒り心頭し、殴りかかる

 

 

「なんで!なんでお父さんを殺したよ!それに関係ない亜美たちまで!」

 

 

《奴は見てはならないものを見てしまった。それが運の尽きだったのさ、…それにお前は奴の娘だ。あのこと奴から聴いてるはず。さらにそれを仲間たちに話している可能性もあったからな、情報漏洩を防ぐためにあの者たちにも死んでもらっただけのことだ》

 

 

「……許さない!」

 

 

悪びれる様子もなくさも当然のように言い放つ仮面の男に向かって琴羽は何度も攻撃をしかけるが仮面の忍には通用せず、逆に吹き飛ばされる

 

 

「うっ、うぅぅ…」

 

 

《貴様如きが私に勝てるとでも?》

 

 

「くっ、ぐうぅぅ」

 

 

《さて、では観念するがいい》

 

 

そう言いながら琴羽に手を掛けようとした時だった

 

 

「やあぁぁぁ!」

 

 

《なに!?ぐあっ!!》

 

 

「大丈夫ですか?」

 

 

「あ、あんた!」

 

 

間一髪のところで紫苑が駆けつけた

 

 

「これはいったいどういう状況なんでしょうか?」

 

 

目の前にいる仮面の忍、彼によって傷つけられたであろう琴羽の姿

 

 

予想だにしない光景が紫苑の目には写っていた

 

 

《すまないが取込中なんだ。邪魔をしないでもらえるかな?》

 

 

「生憎、この状況を目の当たりにしてはいそうですかと引くほど僕はお人好しではありませんので」

 

 

《そうか…ならば仕方ない。その女諸共、ここで消えてもらおう!》

 

 

そう言うと仮面の忍は方を手に紫苑に斬りかかる

 

 

転身ができない状況下でも紫苑は負けじと応戦する

 

 

《すばしっこいな…ならばこれでどうかな?》

 

 

すると仮面の忍が何かのタネを取り出しばら撒くように地面に投げつける

 

 

しばらくするとそれは植物の兵士に変わり、紫苑を睨みつけた

 

 

「これは?」

 

 

《驚いたか?このタネを使うことでお手軽にあらゆる場所に生み出すことができるのだよ。やれ!》

 

 

植物兵たちが一斉に襲いかかる

 

 

「はっ!せい!てぇい!」

 

 

紫苑は連戦が続いているせいか動きにキレがなくなってきていた

 

 

 

シュン!

 

 

 

「しまっ、があっ!」

 

 

不意を突かれた紫苑は後頭部に一撃を受け、その場に倒れ込んだ

 

 

《ふん。口ほどにもないな……さて》

 

 

無様に地面に横たわる紫苑を嘲笑いながら仮面の忍は琴羽に近づき

 

 

倒れていた彼女を強引に起き上がらせた

 

 

「ぐっ、うぅ!」

 

 

《正直に答えろ。"アレ"はどこにある?、貴様が持っているんだろ?さっさと寄越せ》

 

 

「な、なんのことよ?私、なんにも持ってないわ!」

 

 

《シラを切るつもりか?…だったらこうしてくれる!」》

 

 

琴羽が尋ねると仮面の忍はニヤリと笑みを浮かべながら彼女の腕に腕輪をつけた

 

 

「何、この腕輪?」

 

 

《ふふふ》

 

 

「か、彼女に…彼女に何をしたんですか!」

 

 

倒れていた紫苑が仮面の忍を問いただす

 

 

《これは言うなれば時限爆弾だ。その腕輪のタイムが0になった瞬間、この女は…ボン!っというわけだ》

 

 

「なっ!?」

 

 

「なんですって!」

 

 

《くくくく、いい、いいぞその顔、貴様のような"ゴミ"が恐怖に慄く姿は最高に爽快だ》

 

 

不適切な笑みを浮かべ高笑いする仮面の忍の言葉を聞いた紫苑は思い返していた

 

 

 

『まったく救いようのないゴミだ』

 

 

 

始めてあった時、阿道がまさにそんなセリフを吐いていたことを思い出した

 

 

「(まさか、この人の正体は?)」

 

 

あのセリフ、この場にいない、これらの状況から紫苑は仮面の忍が阿道なのではと考えていた

 

 

「紫苑!!」

 

 

「夜桜!?」

 

 

するとそこに夜桜が駆けつけた

 

 

「ようやく追いつけ…な、なんじゃこの状況は!?」

 

 

夜桜はこの現状を見て驚く

 

 

「夜桜、やつらは!」

 

 

「なんとか片付けました、それよりも紫苑、これはいったいどういうことなのですか?」

 

 

「それが僕にも何がなんだか」

 

 

紫苑とて把握できていないこの状況を説明するには難いとこだった

 

 

しかしそんな2人の会話の最中、仮面の忍はしめたというかのように指を動かす

 

 

「……っ!夜桜!」

 

 

「っ?どうしt『ジャキーン!』ぐ…がはっ!」ドバッ

 

 

すると突然、背後から激痛が走り、恐る恐る下を向くと後ろから前にかけて刀が自分を貫いていた

 

 

「し…しお…ん」ドサッ

 

 

「夜桜!!」

 

 

夜桜の身体がゆっくりと地べたに倒れ込む

 

 

さらに彼女の後ろには倒したと言っていた仮面の忍の仲間の二人共が立っていた

 

 

「っ、うおおぉぉぉぉ!!」

 

 

咄嗟に駆け出し、二人共を夜桜から引き剥がす

 

 

そして彼女を抱き寄せるとともに突き刺さってしまったままの刀を引き抜き呼びかける

 

 

「夜桜!夜桜!しっかりして夜桜!」

 

 

体をゆするも夜桜は反応しなかった

 

 

《…よくやった》

 

 

()コクッ

 

 

どうやら二人共は仮面の忍の部下であるようだった

 

 

《少々、予定とは異なるが、まあいい。これでお前もまた一蓮托生の身となったな。…いいか、タイムリミットまでに"アレ"を持って来い、さもなくば貴様は木っ端微塵に吹き飛ばされるんだ。いいな?》

 

 

そう言い残すと仮面の忍はその場を後にした

 

 

「夜桜…ごめん僕のせいで」ウルウル

 

 

彼女が傷ついたことを悲しむ紫苑を琴羽は見つめていた

 

 

「紫苑!」

 

 

「っ?」

 

 

するとそこに別行動を取っていた雪泉たちと阿道と連れの忍がやってきた

 

 

「紫苑…これはいったい?」

 

 

「…それが」

 

 

これまでの経緯を説明をしようとした時だった

 

 

「阿道さん。これを見てください」

 

 

「これは…なるほどな、お前、この刀でそいつを斬ったんだろ?」

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

夜桜を刺した刀を見た阿道が紫苑を問い詰める

 

 

「ち、違う!僕は!」

 

 

「嘘をつけ!この刀でそいつを斬ったに違いない。このゴミが!」

 

 

「っ!?」

 

 

否定しようとするも阿道は話しを聞こうとしなかった

 

 

「阿道さん、きっとなにかの間違いです!」

 

 

「我も同感だ」

 

 

「紫苑ちんが夜桜ちんを斬るなんてマジありえないんですけど!」

 

 

「そうだよそうだよ!」

 

 

雪泉たちも必死に否定するが

 

 

「黙れ!ともかくまずは連行だ。白状するまでみっちり絞ってやる」

 

 

断固として聞かず、つれとともに紫苑と琴羽を捕まえようとする

 

 

「(…このままでは阿道の思う壺だ…だとしたら取るべき手は一つだ!)」

 

 

この状況を打開すべく紫苑が行動する

 

 

咄嗟に琴羽の手をとる

 

 

「行きましょう!」

 

 

「えっ、いくって…うわっ!」

 

 

「あっ!まて!!」

 

 

追いかけようとする阿道達だったが、一歩遅かったようで紫苑たちは逃げ出すことに成功した

 

 

「っち、おい、今すぐ影丘さんに連絡を取れ、逃亡者が2人に増えたとな」

 

 

「了解です」

 

 

阿道が連れの忍に指示を出すとゆっくりと雪泉達のもとに歩み寄ってきた

 

 

「悪いが協力はここまでだ。逃亡者が接触を図る可能性があるからな。よってお前たちを監視下に置かせてもらうぞ」

 

 

「そ、そんな…」

 

 

琴羽を連れて紫苑が逃亡したことによって雪泉たちは監視下に置かれることになってしまった

 

 

「(…紫苑、私は信じてますからね)」

 

 

彼がこんなことをするはずがない、雪泉はそう信じるのだった

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。