閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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第五章 勝手に人を巻き込むな

「あら、光牙くんちょうど良いところであったわ」

 

「ん?春花か、なんの用だ?」

 

「実はちょっと困ったことになっちゃったのよ」

 

「困ったこと?」

 

春花の話しによれば春花は今日も新作の傀儡の制作に取り込んでいたが

 

実験中にその傀儡が暴走してしまったらしい

 

「と言うわけで手をやいててね~。光牙くん。悪いんだけど壊すのを手伝ってくれない?」

 

「なぜ俺がそんなことに手を貸さなきゃならん?焔とかにでも頼むことだな」

 

「それが焔ちゃんも詠ちゃんも日影ちゃんも未来も、み~んな任務でいないんだもの」

 

光牙も記憶を思い返すと確かに今日、4人はDランクとはいえ、それぞれ任務でここにはいない

 

「ご愁傷様だな」

 

呆れた表情でやれやれと首を横に振る

 

「も~見捨てないでよ~」

 

「知るか、お前が蒔いた種だろ?自分で枯らせろ」

 

「そう言わないで、協力してくれたらお礼するわよ?」

 

「おい、離れろ」

 

ここから立ち去ろうとする光牙の腕に春花が抱きついてきた

 

「いいじゃない、なんならお礼としてわ・た・しと、楽しいことするのはどう?」

 

「断る」

 

どうせドSなこいつのことだ。楽しいことと偽ってSMプレイに発展させ、自分をいたぶったりするに違いないと光牙は内心思い、春花のお願いを断る

 

「万策つきたか?では俺は行かせてもらうぞ」

 

光牙は春花を振りほどき、その場から立ち去ろうとする

 

「ふ~ん。そう、でも光牙くん。行くってどこに?」

 

「どこというわけではないが、ここ以外のどこかだ」

 

「そっか~でも残念でした」

 

「残念?どういうことだ?」

 

春花の言っていることに理解ができない光牙

 

「だってもう、囲まれるみたいよ。私たち」

 

「……なに?」

 

光牙が周りを見わたすと

 

 

 

ギギギギ…

 

ガガガガガ……

 

 

暴走した傀儡たちが得物を見つけたと言わんばかりに二人を睨みつけていた

 

 

「……春花、貴様」

 

「ふふ、これでもう嫌とは言えないわね」

 

「…春花、殺してやる」

 

「まぁ怖い怖い」

 

握り拳をつくり、歯をギリギリと鳴らす光牙と、それを見てくすりと笑う春花だった

 

そして傀儡がしびれを切らしたのか二人に襲いかかる

 

「鬱陶しい、邪魔だ!!」

 

粒子の矢で襲いかかってくる蛇の傀儡を射抜く

 

射抜かれた傀儡がボトリと落ちるとそれを合図に他の傀儡たちが一斉に襲いかかる

 

「こいつらを倒したら、次は貴様だ。粒子変化(フォトランス)!!」

 

光牙は春花を睨みながら剣を振るう

 

「はいはい、これが終わったらね」

 

光牙と春花は互いに目の前の傀儡たちに向かっていく

 

「ふ、はっ!!」

 

光牙は粒子の弓と剣を駆使し傀儡を蹴散らす

 

一方春花も自身のサド気を生かした攻撃で傀儡を倒していく

 

「いくわよ。秘伝忍法・死の接吻(Death・kiss)!!」

 

春花は傀儡に向けて投げキスをするとキスマークが傀儡たちに迫り、ぶつかると意思のないはずの傀儡たちが目を♡型にして混乱していた

 

「うふふふ、死の接吻(Death・kiss)を喰らえば、誰であろうと私の虜となり、私のお人形になるのよ。まぁ、今回はもともとお人形さんだけどね」

 

「…えげつない技だ」

 

春花の秘伝忍法技を死んでも喰らいたくはないと密かにつぶやく光牙だった

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで終いだ!!!」

 

 

ザシュン!!!

 

 

ギガガガ…

 

 

ドバアァァァン!!!!!

 

 

「ふぅ…」

 

「さすがね光牙くん」

 

「褒められる云われはない、春花、次は貴様だ」

 

粒子で作った剣の剣先を春花に向ける

 

「別に私も相手するのはいいんだけど…」

 

「なんだ?その煮え切らない返答は?」

 

「いえ、この傀儡たち、今現在使われてる旧式の傀儡なのよね~」

 

「旧式…だと?」

 

春花の口からこの傀儡たちが旧式であることを聞かされる

 

つまり自分たちは学園で使われてる訓練用の傀儡と戦っていたのだ

 

では、春花のいった新型とはなんなのか?

 

 

ウィーーン ガシャン! ウィーーン ガシャン!

 

 

とその時、向こう側から足音が聞こえる

 

「来たみたいね」

 

「つまりあれが」

 

「そ、本命の新型傀儡よ」

 

それは馬鹿でかい傀儡であった

 

さらにといえばその背後に先ほどと同等の数の旧式傀儡がいた

 

「さしずめ傀儡たちのボスというところか?」

 

すると傀儡が腕を突き出すと

 

旧式傀儡が一斉に襲いかかる

 

「光牙くん。旧式のは私が引き受けるから新型のをお願い」

 

「…わかった。。粒子変化(フォトランス)!」

 

光牙は再び粒子の弓を作り出し、構える

 

新型傀儡も右手に刀をかまえ、ボウガンが装着されてる左手を光牙に向ける

 

「新型というからには、少しは楽しませろよ?ガラクタ」

 

 

ギギギギ バババババ!!!!

 

 

それを聞いた瞬間、傀儡がボウガンから苦無や手裏剣を放ってきた

 

粒子変化(フォトランス)!!」

 

光牙は剣の時のように2箇所の鍔から粒子を放出させ棒のように変換させ、それを高速で回転させることで苦無や手裏剣を弾き返す

 

「これで終わりか?冗談だろ?」

 

 

ギギギ ドスンドスンドスン!!

 

 

傀儡が猛突進してきた

 

「…ふ、そうでないと面白みもない」

 

ギギギ!!!

 

「ふん!!!」

 

 

 

ガキンガキン!!

 

スッ!!

 

バババ!!!

 

 

互いに攻防戦が続く

 

「ほう、見かけによらず、少しはできるようだな?」

 

「それはそうよ。私が作ったんですもの」

 

春花が傀儡と戦いながら自慢げに言う

 

「それで暴走してちゃ世話ないぜ」

 

「う…痛いところつくわね」

 

実際そのとおりだったので春花はなにも言えなくなってしまった

 

その時だった

 

 

ギガガガ!!!!

 

 

傀儡の胸のパーツがスライドし中から砲台が出ると同時になにやらチャージ音が聞こえる

 

「あれは?」

 

「…まずいわね。あれは高濃度圧縮チャクラ砲よ、こんなことで使ったら被害が多くでるわ」

 

「そうか、それはマズイな」

 

光牙は納得すると春花の前に立と全速力で突っ込む

 

「ちょ光牙くん。やめなさい消し炭になるわよ!?」

 

だが、春花の言う事を聞かず突き進む光牙

 

 

ギガガガ!!!!!

 

 

バキューーーン!!!!!!

 

 

傀儡から高濃度圧縮チャクラ砲が放たれた

 

「秘伝忍法…」

 

チャクラ砲が光牙を飲み込んだ

 

「光牙くん!!?」

 

攻撃を回避する春花、その際に戦闘していた旧式傀儡が消し飛ぶ

 

チャクラ砲が火を吹き続けていると

 

突然チャクラ砲が引き裂かれるかのように拡散していく

 

「いっ、いったい何が?」

 

驚きの現象に目を春花は見開く

 

「秘伝忍法・粒子竜巻(フォトン・トルネード)!!」

 

そしてその中から現れたのは体を回転させながらチャクラ砲を拡散させていく光牙の姿が

 

 

ギガ!?

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 

ザシュン!!!!

 

 

光牙に貫かれ新型傀儡の胸は砲弾もろとも破壊され大きな穴が出来ていた

 

 

ギガガガ…ガガガ!!!!

 

 

ボバーーン!!!

 

 

断末魔とともに新型傀儡は爆発し、跡形もなく消え去った

 

「…ふん」

 

光牙はそれを確認すると一呼吸する

 

「光牙くん。あなたどうやって?」

 

「ん?あれか?俺の粒子には電子レベルの微小な振動を起こすことができてなそれであのエネルギーを拡散させたのさ」

 

「(あなたって本当に興味が尽きないわ)」

 

光牙の凄さを改めて感じた春花だった

 

「さて、これで邪魔ものはいなくなった。次は貴様を「死の接吻(Death・kiss)」!?」

 

春花と戦おうとした瞬間、頬にキスをされ、動けなくなった光牙

 

「春花、貴様!?」

 

「ごめんね~光牙くんとまともにやったら私じゃ勝ち目がないもの。効力は軽めにしたから直に動けるわ。それにこれは今回のお礼の意味も含まれてるのよ♪」

 

「恩をアダで返すということか…くそ」

 

「別にそうじゃないんだけど…そう思うなら今はそれでもいいわ。じゃあ私行くから、協力してくれてありがとう。じゃね~」

 

そう言ってその場から去っていってしまった

 

「あいつにはある意味勝てんな」

 

しばらくして金縛りがとけた光牙は春花の厄介さと掴みどころが見つからないのを再確認するのだった


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