閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

74 / 809
第六章 チーム戦か、面白い

トコ…トコ…トコ…トコ…

 

薄暗い部屋に響く足音一つ

 

その足音の主は光牙だった

 

光牙は何かを担ぎながら迷うことなく真直に歩いて、程よくして歩みを止めると担いでいたものを前方に向けて投げつけた

 

【グギヤ…ギュィィィ】

 

それは見るからに悍ましく、まさしく化物と言っても過言ではないほどに気味の悪い生物だった

 

「……」

 

【ギャァァァァァ!!】

 

「っ!!」ギュゥゥゥン

 

光牙は怒りと憎しみを孕んだような目で化物を見ると化物を殺そうと言わんばかりに粒子の刃を突き立てようとする

 

 

 

 

……しかし、その時

 

 

 

 

『ダメだよ光牙、妖魔を殺しては』

 

「っ!?」ピタ

 

部屋に鳴り響く年老いた男声が光牙の手を止める

 

『これは私たちにとって重要な存在だからね』

 

すると目の前にモニターが表示され、男の姿が映し出される

 

「もう、我慢の限界だ。今すぐコイツを八つ裂きにさせろ!今まで俺が捉えた奴らも含めて全部まとめて殺す!」

 

『落ち着きたまえ光牙』

 

「こいつら妖魔は俺から母さんを奪い、姉さんまでも…こいつらのせいで!!」

 

『契約を破るのかね?』

 

男の放ったその言葉に光牙はまたも体の動きを止めた

 

『今ここで君が妖魔を殺せば契約破棄とみなす。そうなれば君の大切な姉さんがどうなるかな?』

 

「…姑息な手を」

 

光牙は血がにじみ出るほどに拳を強く握り締める

 

そして妖魔は床から出てきた折に閉じ込められると共に床に吸い込まれるように消えた

 

『安心したまえ、君がこれからも私に協力してくれる限り君のお姉さんにはなんの危害も加えぬさ』

 

「…本当だろうな?」

 

『もちろんだよ。早くお姉さんが元気になることを心から願っているよ』

 

モニターごしで不適切な笑みを男が浮かべる

 

光牙はもう一度妖魔を睨みつけると来た道の方に体を向ける

 

『さぁそろそろ授業の時間だ。もう行きたまえ。次の任務も期待しているよ』

 

「…そうさせてもらう。これ以上話しをする必要はないし。これ以上いると自分を抑えておけなくなりそうだ」

 

そう言うと光牙はその部屋を後にする

 

「(心から願うだと…どの口が言うか)」

 

光牙は男の嘘臭さに満ちた態度に内心舌打ちをしていた

 

それを見送ると共にモニター越しに男は再度、不適に笑うとモニターの映像が消えるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして授業の時間となり、今回の授業の内容を説明された

 

 

 

「チーム戦だと?」

 

「そうだ、1チーム3人でサバイバルを行ってもらう、忍はチームで任務に当たることが多いからな。そこでチームを組んでもらいお前たちおチームワークを私に見せてもらう」

 

 

今回の授業がチーム戦ということとなり

 

「てなわけで早速クジを引くわよ!」

 

「「「「「おー!(ふん)」」」」」

 

順に春花の差し出した棒をとっていく

 

そして全員が引き終えると棒には赤い印と青い印がついていた

 

赤い印をとったのは光牙、焔、未来。青い印をとったのは春花、日影、詠

 

こうしてそれぞれメンバーが決まった

 

「ではこのチームで競合ってもらう。ではそれぞれ指定場所に集合。合図あるまで待機!」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

「…了解した」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

指定された場所にたどり着いたものの、そこはとても不気味な場所で場合によってはおばけが出そうなほどに不気味だった

 

「ううぅ…なんか不気味な雰囲気の場所ね」ガクブル

 

「ふ、ふん、おっ、おじけづいたのか未来、わわわ私は平気だぞ」ガクブル

 

「ほほほ焔のほうが怖がってるじゃん!」((;゚Д゚)ガクブル

 

「わわわ、私は怖くなんかないぞ!」

 

ギャーギャー喚く二人を見て光牙はアホらしいと思っていた

 

「貴様ら、ビビっている暇があるなら集中しろ」

 

「「あっ…」」

 

光牙は呆れつつも地図を広げる

 

「まずこの訓練の内容を再確認する、この訓練での勝利条件は2つ。先に相手側のチームの誰かが持ってる玉を先に奪ったほうの勝利と、相手チームの全滅、一番簡単なのは玉を奪うことだが、相手の玉を持ってるのは相手側のやつしかしらない」

 

「となればやはりここは相手チームを全滅させて「頭を使えバカ」なっ、なんだと!?」

 

「光牙の言うとおりよ。仮に春花さまたちに遭遇して戦闘を行っても、誰かに私たちの玉を取られた時点でこっちの負け、ここは慎重に行かなきゃ」

 

「うっ…たったしかに」

 

焔も納得したところで作戦を考える3人

 

「まず俺たちのチームは近接戦闘を得意とする焔と遠距離攻撃を得意とする未来。そしてそのどちらもできる俺、対するあいつらは、パワータイプの詠、俊敏性をもつ日影、頭脳派の春花の組みわせ…この中で注意すべきは"春花"だな」

 

「うん。向こうには春花さまもいるし、春花さまのことだから何か企んでるに違いないよ」

 

普段から特に春花と行動をともにしてる未来もそれに同意する

 

「ではどうするんだ?」

 

焔はない知恵を絞ろうと左右に小首を傾げる

 

「…一つ策がある」

 

「えっ?本当、光牙?」

 

「なんだそれは?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃

 

 

「詠ちゃん日影ちゃんそっちはどう?」

 

『はい、まだ相手は発見できてません』

 

『今、捜索中や…いや、見つけたで』

 

通信中の日影から発見したとの知らせが

 

「見つけた。光牙さんや」

 

静かに息を潜めて物陰から光牙を監視する

 

『光牙くんの周りに他の二人は?』

 

「いや、周りには誰もいないで。多分相手は3人別々に捜索してるみたいやな?」

 

辺りを見るが光牙以外の二人の姿は見当たらない

 

『光牙くんを野放しにするのは非常に危険よ。玉を持ってる持ってないに関わらず、彼はその場から動かさないほうがいいわ』

 

「つまりわしが光牙さんを足止めすればええんやな?」

 

『そうね。お願い日影ちゃん』

 

「了解や。ほんならな」

 

日影が通信機のスイッチを切ったその刹那

 

シュン!!

 

「!?」

 

光牙が背後に隠れていた自分に粒子で生成した苦無を投げつけてきた

 

「ぐっ!?」

 

それに伴い日影が光牙の前に姿を表す

 

「ふん。それで隠れていたつもりか?」

 

「…いつから気づいとったんや?」

 

「最初からだ」

 

「ほんま、恐ろしい人やな」

 

日影はそう言うとナイフを構え臨戦態勢に入る

 

光牙もそれに答えるように弓と矢を生成する

 

「行くで!」

 

「こい!!」

 

加速し、光牙との間合いを詰めていく日影に対し光牙は散弾効果をもつ矢を撃ち続けそれを妨害する

 

「あかんな~…隙が見当たらんわ」

 

あまりの攻撃にたまらず木の裏に隠れる

 

「どうした?さっきの勢いはもう終わりか?」

 

元々、日影と光牙とでは相性が悪すぎる

 

「まだまだこれからですわ!!」

 

「っ!?」

 

その時、上空から大剣を突きつける詠が現れた

 

光牙は間一髪でそれをかわす

 

地面に突き刺さるとともに地面は大きく割れる

 

「っ、外しましたわ」

 

「詠さん…増援とは頼もしいな~」

 

「遅くなりました。加勢しますわ日影さん!」

 

大剣を引っこ抜き光牙に先端を突きつける

 

「さて、本番はここからか」

 

弓から剣に替え、二人を睨む光牙だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さ~て、日影ちゃんたちが光牙くんを足止めしてくれてるから…残るは」

 

シュタ! シュタ!

 

「「春花(さま)!」」

 

「当然あなたたちよね」

 

春花の前に焔と未来が立ちはだかる

 

「光牙が日影たちを足止めしてる間に」

 

「春花さまを叩く!」

 

二人は武器を構える

 

「(おそらく玉を持ってるのは春花さまで間違いない)」

 

「(ここはなんとしても奪い取る!)」

 

「(なんて考えてるでしょうね。確かに玉は私が持ってる。二人のどちらかに玉を渡したとして万が一光牙くんに倒されればそこで終り、でもそれはおそらく向こうもそう。玉を持ってるのは光牙くんに違いない。二人には頑張って光牙くんを倒してもらう。そのためにもここは私が)」

 

内心でそう決めると春花も構える

 

「っしゃあいくぜ!!」

 

「って焔!?」

 

焔は勢いよく走り出した

 

「そんなに走ると危ないわよ~」

 

「なに?」

 

春花の言葉に小首を傾げる焔だったが

 

 

プツン

 

 

「?」

 

走る最中、なにやら走る勢いで草むらに隠れて見えなかったがワイヤーらしきものを切ってしまったようだ

 

そしてその時、走る焔の真横からロープで吊るされた丸太が襲いかかってきた

 

「なに!?ぐあぁぁ!!!」

 

「焔ぁぁぁぁ!!?」

 

丸太が激突し、焔は吹き飛ばされた

 

「だから言ったのにね」

 

「ぐっ、さすが春花さま、抜け目ない」

 

 

改めて春花の怖さを知った未来は後ろにステップしながら距離を取ることにした

 

「遠距離ならあたしの距離だよ春花s「そこも危ないわよ~」えっ?」

 

何歩かめのステップで踏んだ地面は落とし穴だった

 

「いにゃあぁぁぁぁぁ!!」

 

「二人とも、面白いようにかかってくれるわね」クスリ

 

「ちくしょう!負けてたまるか!!」

 

「まだまだ!」

 

焔と未来は負けじと再び春花に挑んだ

 

 

 

 

 

一方光牙は

 

 

「ここですわ!」ブン

 

「甘い!」ガキン

 

「そこや!!」シャリリリン

 

「ふん!」キンキン

 

詠と日影、二人を相手に攻防を繰り広げていた

 

「さすが光牙さんですわね」

 

「わしら二人を相手に苦悶の表情すらみせへんとは…」

 

「…ふん」

 

光牙の戦闘技術はいつ戦っても目を見張るものだった

 

「(焔たちはうまくやってるだろうか?…ふん。あのバカならやってくれるだろう。俺がすべきことは!!)」

 

そうして内心焔たちのことを気にしていたが、二人を信じ矢を構える

 

 

 

 

 

 

「「はぁ…はぁ…はぁ…」」

 

「随分ボロボロになったわね」

 

「誰のせいだ誰の!?」

 

「どんだけ罠仕掛けたんですか春花さま」アセアセ

 

あれから焔たちは春花の罠に何度も引っかかり全身ボロボロだった

 

「だが、これでお前の罠はもうない!」

 

「…確かにそうね。あなたたちのせいで罠がなくなっちゃったわ~」

 

「ここが攻めどきだ!いくぞ未来!」

 

「うん!」

 

焔と未来は勢いよく走り出す

 

そして先行したのは未来だった

 

「春花さま!覚悟!」

 

「ふっ」

 

「えっ?」

 

 

カチッ

 

 

「かち?」

 

 

ボバァァァァァァン!

 

 

「いやあぁぁぁぁ!!!」

 

「未来ぃぃぃぃ!!!」

 

「切り札は最後にとっておくものよ」

 

未来は地雷を踏んでしまい吹き飛ばされた

 

「くっ、未来……うおぉぉぉぉ!!秘伝忍法!」

 

「ふふふ、残念だけどこの距離なら私のほうが速いわよ。これで後は光牙くんを倒せば私たちの勝ちよ」

 

 

春花は焔が技を出す前に死の接吻(Death・kiss)の態勢をとり、焔を狙う

そうして二人を倒した後は詠たちの応援に行き、光牙を倒そうと春花考えていた

 

さすがに三人まとめて相手ならば光牙を倒せるだろうと

 

だが、その時。焔がいった一声に春花は驚く

 

「かかったな!作戦通りだ!」

 

「なんですって?」

 

「光牙、待たせたな準備できたぞ!!」

 

焔が通信気を遣い光牙に通信する

 

 

 

同時刻

 

 

「シグムンド!!」

 

「っ!!」

 

「これでもくらいや!!」

 

「ぐっ!!」

 

光牙は二人の秘伝忍法を食らってしまいよろける

 

「よし、このままならいけます!!」

 

「往生せいや!!」

 

「(焔、未来、まだか!?)」

 

あせる光牙だったが、その時だった

 

『光牙!』

 

焔から通信が入る

 

『待たせたな。準備できたぞ』

 

「…ふん。遅いんだよ」

 

軽く笑うと光牙は再び弓を構える

 

「秘伝忍法!!」

 

「「!?」」

 

光牙が輝迅をはなつ体制を取る

 

「させませんわ!」

 

「っ!!」

 

それを阻止せんと詠と日影が襲いかかってきた

 

だが、光牙は想定内と言わんばかりに笑う

 

「…かかったな」

 

「なんですって!?」

 

「どういうことや?」

 

「秘伝忍法・フォトン・シフトチェンジ!」

 

その時、光牙の身体を光が包み込むと次の瞬間

 

「うおぉぉぉぉ!」

 

「なんやて!?」

 

「どうして焔さんが!?」

 

光牙が消えたと思いきや、直ぐ様その場に先程まで春花と戦ってた焔が現れたことに驚きを隠せない二人だが、替わず焔は二人の隙を突き

 

「秘伝忍法・隼!!」

 

「「きゃあぁぁ(なあぁぁぁぁ)!!!」」

 

秘伝忍法を炸裂させ、二人を倒した

 

「よっしゃぁぁ!作戦通りだ!…後は頼むぞ光牙」

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

 

 

 

「なに?何が起きてるの!?」

 

焔の身体が光出したことに春花が驚く

 

そして焔が消えると焔が立っていた場所に輝迅を放つ寸前の光牙が現れた

 

「こっ、光牙くん!?」

 

「チェックメイトだ。輝迅!!」

 

放たれた矢は春花に向かって一直線に進み

 

「きゃあぁぁ!!」

 

春花を直撃し、その場に彼女の身体は横たわる

 

光牙は春花を抱き起こす

 

「こう…がくん」

 

「俺たちの勝ちだ」

 

光牙はそう言うと春花の胸の谷間に手を突っ込むと、そこから玉を取り出す

 

「どうせこんなところだろうと思ったぞ」

 

春花から玉を奪ったことで勝負は光牙たちの勝利で終わった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、説明してくれる?あの技はいったい?」

 

戦いが終わったあと、光牙は春花たちに質問攻めされていた

 

なぜ、いきなり自分たちの目の前にいた人が入れ替わったのかを

 

「あれはフォトン・シフトチェンジといって自信とマーキングをつけたやつと場所を交換する秘伝忍法だ。まぁ力を消耗しやすいからあまり多様はできんがな」

 

「マーキング?」

 

「俺が触れたものに付けることができるものだ」

 

「つまり…こういうことだ」

 

焔は恥ずかしそうに胸元を見せるとそこにはマーキングの印が

 

「なにを恥ずかしそうにしている?」

 

「人の初めてを奪っておいて何だその言い草は!?」

 

「仕方ないだろ。俺のマーキングは対象者の心臓に位置する部分につけないと意味がないのだから。まぁ未来は簡単に出来たがな」

 

「それってあたしが貧乳だからってことかチクショーーー!!」

 

初めてを奪われたことに怒る焔と自身の気にすることを言った光牙を怒鳴る未来だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある忍病院

 

 

 

 

忍学生たちの病院にて光牙は目的の病室の窓の外にある木の影から病室の中を覗く

 

病室には上半身を起き上がらせている白い髪の女性と彼女に病院食を食べさせてあげている眼鏡をかけた女性がいた

 

眼鏡をかけた女性は白い髪の女性に他愛ない話しを優しげに語りかける

 

白い髪の女性もそれを静かに聞いていた

 

「…姉さん」

 

光牙はそう小さく呟いた

 

その際に白い髪の女性が見せる僅かな綻びに心から安堵の表情を浮かべた

 

ふと眼鏡の女性が光牙のいる木の方に目を向けると先程までいた光牙の姿はなく

 

ただただ木が風にゆらりと揺れているだけだった

 

眼鏡の女性はしばらくその木を眺めていたが、また白い髪の女性との会話をし始めるのだった

 

 

 

 

 

「(姉さん……姉さんは必ず守ってみせる。守れなかった母さんの分まで!)」

 

決意の意志を胸に秘め、光牙はというと木々を跳回るように蛇女へと帰りの道をかけていた

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。