閃乱カグラ 忍たちの生き様   作:ダーク・リベリオン

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Sion the LIGHT&DARKNEES 6 

 

 

 

 

⦅忍結界内⦆

 

 

水の怪物を倒した紫苑だったが男の中から出現した雪泉そっくりな女性に驚きを隠せずにいた

 

 

「どういうことだ……君は、君はいったい何者なんだ!?」

 

 

警戒心を強めながら紫苑は女性に問うた

 

 

『私が何者か、ねぇ~…』クスクス

 

 

「何がおかしいんだ?」

 

 

その問いを聞いた彼女がまるで紫苑をおかしな人を見るかのようにくすくすと笑みをこぼしていた

 

 

少しむっとなった紫苑が彼女がなぜ笑っているのかを尋ねる

 

 

再度紫苑が女性に問うと笑うことをやめてジーっとこっちを見つめる

 

 

『…』スッ

 

 

「えっ?」

 

 

次の瞬間、紫苑は目を疑った

 

 

『うふふふ』

 

 

「っ?」アセアセ

 

 

なぜなら女性が一瞬にして紫苑の頬に手を差し伸べるほど急接近していたことに我に返るまで気づかなかったからだ

 

 

もちろん自分は気を緩めたつもりはなかった。常に警戒していたにも関わらず

 

 

現実はそれをいとも容易く打ち砕いた

 

 

「な、どうして!?」アセアセ

 

 

『そんなに驚くこともないわ、こんなもの"かつてのあなた"なら容易に気づけてたもの』

 

 

「えっ?」

 

 

意味深なことを呟きながら彼女はゆっくりと手を紫苑の頬にふれる

 

 

 

フワッ

 

 

 

『…っ』

 

 

「っ?」アセアセ

 

 

しかし当然半透明の体の彼女が手でふれようとしてもやはりというべきか

 

 

その手は紫苑の体をすり抜けてしまった

 

 

『っち』

 

 

雪泉似の女性は手が体をすり抜けてしまったことに面白くなさそうに舌打ちをする

 

 

「っ!」バッ

 

 

危険を感じた紫苑が慌てて距離を取る

 

 

『残念ね。この状態じゃなければ今頃この体に数百年ぶりのあなたの温もりを感じられたのに』

 

 

「君はいったい何なんだ!なぜ僕を狙う!」

 

 

水の怪物を生み出し自分を襲わせたのは他でもない彼女だ

 

 

なぜこうまでして自分を狙うのか紫苑には理解できなかった

 

 

『なぜ、ねぇ……まぁ、わかるわけないわよね。”記憶がないんだものね”、無理はないわ』

 

 

「記憶がない?さっきからいったい何を言っているんだ?」

 

 

『今のあなたは”本当の自分”を忘れている、私の知るあなたではないってことよ』

 

 

「本当の僕だって…っ!?」ドクン

 

 

意味深なことばかり呟く彼女にしびれを切らそうとしたその刹那

 

 

体に突然の衝撃が走る

 

 

「(こ、この感覚はさっきの?)」アセアセ

 

 

それは先の水の怪物との戦闘でも感じた感覚だった

 

 

しかしこれは先ほどのよりも強いものだった

 

 

「(なんなんだ?何がどうなっているんだ!?僕にいったい何が)」グヌヌ

 

 

自分の体に何が起こっているのかわからず絶句する

 

 

ただ言えることは一つの衝動、「すべてを闇に葬りたい」

 

 

そう言った名の破壊衝動にも似た感覚を感じられた

 

 

 

 

 

 

 

『それはあなたが本当のあなたに戻ろうとしているからよ』

 

 

 

 

 

 

刹那、雪泉似の彼女が放ったその言葉に紫苑は驚愕した顔を浮かべながら彼女を見た

 

 

「本当の僕に戻る?」グヌヌ

 

 

『えぇ、そうよ。気高く、美しく、そしてその力でありとあらゆるものを破壊し闇へと葬る圧倒的な強さ、それが本当のあなたなのよ』

 

 

雪泉似の彼女はこの身に湧き上がる衝動が紫苑が本当は破壊を望んでいるからだと

 

 

「そ、そんな…僕はそんなこと、ぐぅっ!?」ドクン

 

 

『我慢する必要なんてないわ。さぁ、潔く自分の思いに従順になりなさい。本当のあなたはそれを望んでいるはずよ』

 

 

巧みな話術を駆使して紫苑に甘い誘惑をかけ続けていく

 

 

「うっぅぅ…すべてを、闇に…!?」グヌヌ

 

 

『そう、そうよ。その調子よ!』

 

 

「すべてを、闇に沈める!」ギュィィィィ

 

 

彼女の誘惑によって自分の中にあふれ出す衝動が歯止めがかからないほどになっていく

 

 

紫苑の体からあふれ出す不気味なオーラと目から浮かびだす怪しげな眼光がそれを物語っていく

 

 

先よりも闇に染まりつつある紫苑の姿に女性はうっとりとした顔を浮かべていた

 

 

その時だった

 

 

「紫苑!」

 

 

『っ?』

 

 

するとそこに急ぎ駆け付けた雪泉がやってきた

 

 

「こ、これは?」

 

 

到着早々に激しい戦闘があったことを感じさせる現場の光景を目の当たりにした雪泉は唖然とする

 

 

「いったい何が…っ、紫苑?」

 

 

あたりを見回した際に雪泉の視界に真っ先に飛び込んだのは体か素人目でもわかるほど体から邪悪なオーラを漏れだたせる紫苑の姿だった

 

 

「っ!」バッ

 

 

たまらず雪泉は紫苑の元におお急ぎで駆け付けた

 

 

「紫苑!どうしたのですか?何があったのですか!それにその姿はいったい?」

 

 

「ゆ、ゆ…みぃ」グヌヌ

 

 

「(とても苦しそう、どうしてこんなことに?)」アセアセ

 

 

駆けつけて早々にとんでもない場面にばかり遭遇し、正直驚きが尽きない

 

 

『へぇ、なるほど…』

 

 

「っ?……えっ?」

 

 

雪泉は声のするほうに目線を向けた

 

 

刹那、雪泉は我が目を疑った

 

 

『なんて偶然なのかしら?こんな面白いこともあるものなのね?』

 

 

「わ、私と同じ…顔?」アセアセ

 

 

女性の素顔が自分と驚くほど告知していることに雪泉は更なる衝撃を受けた

 

 

当然だ。大事な人の元へ駆け付けた先でまさか自分にそっくりな女性と出会うだなんて誰も想像できないことであるからだ

 

 

『あなたが今の彼と一緒にいる子ってわけね?』

 

 

「あ、あなたはいったい誰なのですか?」

 

 

『私?…私は「夜泉(やみ)」。端的に言えば闇の住人とでも言っておきましょうか』

 

 

夜泉(やみ)?」

 

 

雪泉の問いに答えるように瓜二つのその女性は自らの名である「夜泉(やみ)」を名乗り、自分が闇の住人であることを明かす

 

 

「ぐぅぅぅ!?」グヌヌ

 

 

「っ、紫苑!?」

 

 

話しの最中、紫苑の容体が悪化しだしたことに気づいた雪泉が慌てて声をかける

 

 

「紫苑、しっかりしてください!」

 

 

「うっ、うぅぅぅ!?」

 

 

「いったい紫苑に何をしたのです!」

 

 

必死に呼びかけるも紫苑は尚も苦しみに悶えていた

 

 

そんな紫苑の姿を目の当たりにした雪泉は彼をこのような状態にした夜泉(やみ)をにらみつけながら問うた

 

 

『何もしてはいないわ。ただ私は彼をあるべき姿に戻してあげただけ、闇の住人としての本来の姿にね』

 

 

「なんですって!?」

 

 

夜泉の話を聞いた雪泉が啞然とした

 

 

その直後だった

 

 

 

 

 

「っ、うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」キュピン

 

 

 

 

ゴォォォォォォォォ!!!

 

 

 

 

 

「っ、紫苑!?」

 

 

突如として立ち上がるや全身から闇の力をあふれだたせる

 

 

凄まじいほどの闇が紫苑の身体から溢れ出ていく

 

 

『もうすぐね』

 

 

その光景を見た夜泉(やみ)はこのうえない喜びに打ち震えるのだった

 

 

 

 

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